巽氏の持ち味が存分に発揮された著作であった。時代や地域、「まっとうな」小説からSF小説まで自由な発想が往還し、アメリカのたどってきた文化・社会が描き直されて行く。彼の手法には不安や疑問を感じさせられることもあるが、アイデアの氾濫という点では比類なきもので、読者には、ここから先を考えていくことが要請されているのだろう。