「グルクン(沖縄の県魚)が最近値が高い」ときけば、漁港までわけを聞きに行く。市場でオバアのもやしひげ取りがどれくらいの労働か確かめたければ、自分でやって、晩御飯は大量のもやしを食うはめに。台風で交番の建物が飛んだときけば見に行く、etc。行動力付きの好奇心でスパスパ沖縄の謎を解説していってくれるのは読んでて爽快ですよ。
「この人達沖縄ほんとに、好きなのねぇ」と感心しちゃいます。私も仲間に入りたいくらいです。
もう1点。やはり、願わくば、プロカメラマン石川文洋がこの日本縦断の旅を通して撮影した写真の数々を見てみたい。 これを読むと歩く旅がしたくなる〜▼歩いて旅ができるということが驚きだった。200年ほど前までは本当に歩いて旅すること以外にはなかったとはいえ、歩くための道路が整っているのは、せいぜい東海道等のメインの街道だけだと思っていた。〜〜 北海道から沖縄まで歩くといっても具体的に日数や費用がどれだけかかるのかはイメージできなかったが、この本を読むとそれがわかった。わかった途端に自分でも旅に出たくなった。 石川さんの旅は現代の徒歩の旅で、それによる課題も示されている。歩行者のための道がない道路やトンネル。そのために余儀なくされるコース変更。〜〜 様々な物を見て写真に撮って、そして考えて。石川さんの文章は実に淡々として事実をのべているだけ。自分の意見を押しつけるようなことはない。ただ読者が読んで感じるための材料は提供されている。これが報道の基本だと思う。〜〜 また、ネットを使って宿の予約をする(石川さんの場合は自宅で奥様が)ということにより効率的に旅を進めるという方法もとても参考になった。「夢は思い続けると必ず実現する」と石川さんは書いている。それはずっと自分で意識してどうやれば実現できるかを考え続けることだからだろうと思う。僕もそうありたい。〜 足で書く文章2003年7月15日、北海道宗谷岬をスタートして、12月10日、沖縄那覇市に到着するまで、65歳の石川氏は日本海ルートを通って全て徒歩で歩きとおす。
難しい動機があるわけではない。「歩いて旅をしたかった」男の子なら一度は持つ夢である。正直な予算の公開、リュックサックの詳細な中身、朝・昼・夕飯の内容、宿の感想、そして出会った人たちの名前と年齢、自然、本当に正直に毎日の行動が記録されている。文章は素朴そのものだ。しかし、ジャーナリストとして事実を伝えようとする氏の誠実さは充分伝わるし、旅の中でふと思う感想から氏の戦争カメラマンとしての半生が浮かび上がる。
たまたま出会ったおばあちゃんの83年間の人生を聞く。夫のビルマ戦死、二人の子どもを育てた苦労、「元気の素」は娘二人と孫六人、曾孫13人なんだよ、というようなことを聞いていく。氏はあくまでジャーナリストなのである。文は見事に「足で書く文章」(報道記事の基本)になっていた。