新書版なので、多忙な方でも暇のある時に打ち眺めて、日本の過去の闇の世界を堪能することが出来ますよ。 けれど、『武士道とエロス』のように一つのトピックを追究したモノグラフのほうが読みごたえがあるのは事実ですが...。
p.172 「中国人はリラックスしているからね」(中略)確かに日本人は常に緊張している。ときに暗鬱でさえある。理由は、いつも様々の公意識を背負っているため、と断定していい。
→中国に2年暮らしていて、上記のことは「なるほど」と思いました。日本人は、「会社」「仕事」「約束」などは絶対的なものとして神聖化している人間が多いですが、中国人はそれほどあくせくしていません。常に他人からどう見られるかを気にする日本人、その一方で自己の正当化(面子)を第一に考える中国人。これは、島国の日本人と大陸の中国人の違いでしょうか。 これがあの有名な司馬史観!? 新聞、雑誌、テレビの対談番組などで、頻繁に出会う「司馬史観」なる用語。噂には聞くが、私は司馬さん自身の著書は読んだことが無かった。複数の知人や有名人は頻りに『坂の上の雲』を絶賛するが、あの膨大な長編を読み始める決心がつかないでいた矢先、偶然本書を手にし「え、これって司馬史観のダイジェストでは?」と早速読み始め、2日で読了。 前半3分の1はまさしく噂に聞いた「司馬史観」が気楽な連載エッセイの形で祖述せられていて、「やった、コレコレ(^o^)」と思わずほくそえむ。 ところが残りのの3分の2がなんだか歴史ファン向けの「日本史よもやま話集」みたいな趣向になってきて、それ程の歴史ファンでない私にはかなり退屈でした。 またあの司馬さん独特の、良く言えば自由闊達な、悪く言えばかなりちゃらんぼらんな随筆の文体は、私の好みではありません。まあ、名人芸であるとは思いますが、、、。
テーマの選び方については できれば徳川慶喜をいれて欲しかったとか、榎本武揚なんかが入れば面白かったんじゃないかとか、西郷がいないなあとか、挙げればきりがないけれどこれはしょうがないだろう。
陸奥宗光をとりあげたのには好感が持てる。
入試なんかでは頻出とは言え、日本に果たしてくれた役割に比べればマイナーな印象があるから。
とは言え やはりマンガ。マンガのいいところは服装や背景などがわかりやすいところなんだけれど、この場合 テーマが複数でかつ著者がそれぞれちがうために同じ人物が複数の章でちがう絵で描かれているため やや印象がつかみにくい。
それに活字に比べると紙面を取るためどうしてもあらすじだけになってしまう。これはまあ仕方ないか。
新幹線のお供にして、そのまま持ち帰って中学受験や高校受験を控えた息子さんのお土産にするという使い方がベストだと思う。