『無条件降伏』でなければ、憲法の起草・押し付けや、厳密な検閲に隠れた歴史改竄、日本人の「精神の武装解除」を目的とした神道指令と言う名の伝統破壊などなど、占領軍の行為は、国際法上「保障占領」に許される行為の範囲を大きく逸脱したものといえる。
これら米国の国際法違反行為(?)を声を大にして訴えたいところだが、占領中及び講和発効から今日に至るまで、占領軍の協力の下勢力を伸ばした日本人共産主義者らの存在が、事態を複雑にしている。
降伏直後には、日本人は「物質的に敗北したが、精神的には負けていなかった」と外国人ジャーナリストも認めている。日本人が庶民に至るまで「不屈の闘志」を見せ付けたからこそ、その国民殆ど全てが敬愛する天皇にGHQも手は出せなかった。よって、日本の「国体」即ち「主権」は首の皮一枚で残された、といえる。
こうした大和魂をもつ日本人は戦後、「日本精神を打ち砕く」という共通の目的で手を取り合ったGHQと、日本人自身の左翼分子両方を相手に戦わねばならなかった。そして、その戦いはいまも続いている。
この本には、江藤氏の、日本人としての日本への情愛が満ち溢れている。冷静な学術的考察で『無条件降伏論』を論破しながら、この異常事態を打開したい、という氏の溢れる様な熱い想いが伝わってくる。日本と大和魂を愛する全ての人にとっての、必読書である。 忘れてはならないこと50歳の声をきく頃から、なぜか自分の生きてきた戦後の時代を通覧してみたいという思いが強くなってきた。となると出発点が終戦になるのだが、去年江藤さんにやっと行きついた。「落葉の掃き寄せ 1946年憲法ーその拘束」「閉された言語空間」と読み、三部作の最後に本書に至ったのだが、とにかく江藤さんの執念、文筆を業とする人間として真実にいかに迫っていくのか、原典・資料への(読む身としてはつらいほどの、もういいのではそこまではと感じるほどの)徹底した追求と文章・内容の分析に圧倒される。この書は占領国アメリカによる「ポツダム宣言」を反故にしての日本潰しがどのようになされたか、そして今の時代までどう繋がり、その呪縛から抜け出せずに「上目づかいにアメリカをうかがって」自分というものの無い日本国の今をくっきりと浮かび上がらせている。アメリカの占領時代を忘れてはならない。