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室町の王権―足利義満の王権簒奪計画 (中公新書) 死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 (集英社新書) うわさの神仏〈其ノ3〉江戸TOKYO陰陽百景 (集英社文庫) 幕末単身赴任 下級武士の食日記 (生活人新書) 戊辰戦争―敗者の明治維新 (中公新書 (455)) 世界史が伝える日本人の評判記―その文化と品格 (中経の文庫) 雍正帝―中国の独裁君主 (中公文庫) エリザベス一世―大英帝国の幕あけ (講談社現代新書) 彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団 (光人社NF文庫) 秘録 東京裁判 (中公文庫BIBLIO20世紀)
室町の王権―足利義満の王権簒奪.. 死刑執行人サンソン―国王ルイ十.. うわさの神仏〈其ノ3〉江戸TO.. 幕末単身赴任 下級武士の食日記.. 戊辰戦争―敗者の明治維新 (中.. 世界史が伝える日本人の評判記―.. 雍正帝―中国の独裁君主 (中公.. エリザベス一世―大英帝国の幕あ.. 彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団.. 秘録 東京裁判 (中公文庫BI..

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室町の王権―足利義満の王権簒奪計画 (中公新書)

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室町の王権―足利義満の王権簒奪計画 (中公新書)

・今谷 明
【中央公論社】
発売日: 1990-07
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
室町の王権―足利義満の王権簒奪計画 (中公新書)
今谷 明
カスタマー平均評価:  5
天皇制度最大の危機
 1942年生まれの中世日本史研究者(文学博士)が1990年に刊行した本。本書では天皇制度存続の理由を、あくまでも政治史的に(網野批判)解明するために、足利義満の王権簒奪計画に焦点が当てられる。院政期以降、日本国王の地位は天皇から治天に移行し、承久の乱以降、東国国家たる鎌倉幕府は、西国王権の改元・皇位継承に干渉した。南北朝期に西国における治天の世俗権を幕府が接収した後、母系で天皇家と縁戚関係にある足利義満は、軍事的・経済的な実力を背景に、武家執奏の権限、廷臣・僧職の官位叙任権の掌握、北山第での国家祈祷(天皇家の祈祷を上回る、仏教修法・陰陽道祭)権の獲得、改元拒否、伏見宮家への抑圧等を通じて、天皇の権威に挑戦する。彼は朝廷の官位を登り詰めた後、自ら官位を辞して律令制の外に出た上で、巧妙に圧力をかけて公家を自己に従わせ、上皇としての礼遇をとらせた。また彼は明から日本国王に冊封されたことを利用し、かつ終末論的な百王説を流布させ、天皇家の権威の低下を図った。更に義満の妻は天皇の代理母、息子義嗣は親王として遇されたことにより、足利家は将軍と天皇を輩出する家柄となる寸前まで至ったが、義満の急逝と幕府首脳の政策転換により、皇位簒奪は未遂に終わった。以後、幕府の弱体化と後花園天皇期以降の綸旨乱発の中で、天皇の権威は部分的に復活する(したがって戦国期天皇制没落論を著者は批判する)。著者はこうした義満の長年にわたる周到な宮廷革命計画が挫折した背後に、足利家専制・家職制破壊への幕閣の反発を見、また中央政権にとっての脅威の有無、外来思想との関係と、天皇権威の浮上とを関連づける。天皇家の権威という目にみえにくいが重要なテーマを、残された史料を駆使して実証的に論じた本であり、生き生きとした叙述(朝廷側の悲哀等)という点でもお勧めできる本。
天皇制について考える必須の書かも
足利義満に皇位簒奪の野望があったことはだいぶ知られてきたが、その詳細と結果が解説されている。
足利義満は自身が天皇になろうとしたわけではなく治天の君になろうとして、実際なりえたというのがその真相らしい。
治天の君とは実権を持った上皇、そして実質的に天皇の上を行く存在として君臨していた。そして治天の君は天皇未経験者でもなりえた。
また、天皇の藩屏のはずの公家たちの間でさして抵抗した様子がなかったこと、逆に朝廷から送られた太上法皇の位が武家幕府側の意向で辞退されたなど、非常に興味深い話が続く。

将来天皇制をめぐる論争が起こることは必定の情勢、そのまえに目を通しておくべし。
興味深い足利義満の皇位簒奪未遂劇
足利義満といえば、あのアニメ「一休さん」に出ていた「将軍さま」である。その義満が天皇の座を狙っていたとあれば、思わず聞き耳立てずにはいられない。彼の準備手套には驚かされる。天皇が拠り所とする神道に対して陰陽道を、天皇が日本統治の根拠にしている記紀の記述、万世一系性に対して、明朝から封を受け「日本国王」の称号を創造して対抗し、置き換える。貴族・僧侶へのたぶらかしも見事なものである。ただ足利義満が息子を「天皇」にしても、天照大神以来の「天孫族」の皇統が絶えてしまう訳ではないことには、留意しておく必要があると思う。足利家は源氏の傍流であり、源氏は清和天皇(学説によっては陽明天皇)の直系の子孫だから、結局、義満も男系をたどっても皇族に連なる人間だからだだからこの簒奪劇は、「天孫族」の主流と傍流の争いだと捉えることも出来ると思う。
もはや古典といってもいいかも
天皇制を考える上で欠かせない名著です。
もはや古典と言ってもよいかもしれません。

中世の天皇制を巡る議論では、網野善彦氏の一連の
研究などにより、非農業民との関係が話題にされますが、
本書はそのような視点をとらず、天皇制と室町幕府
との関係を政治史的に真正面から取り上げたものと
なっています。


死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 (集英社新書)

[ 新書 ]
死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 (集英社新書)

・安達 正勝
【集英社】
発売日: 2003-12
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 (集英社新書)
安達 正勝
カスタマー平均評価:  4.5
息をのむ、迫真の筆致
宮崎哲弥氏が『新書365冊』で「傑作」と評していたのにひかれ、購入した。たしかに、ものすごく面白い歴史読物であると同時に、死刑制度について問う現代的なメッセージも含まれている。 主人公のシャルル=アンリ・サンソンは、ムッシュー・ド・パリ(パリの筆頭死刑執行人の称号)を世襲するのサンソン家に四代目として生まれ、ルイ16世とその妃マリー・アントワネットの処刑(1793年)を行った伝説的な人物。著者の安達正勝氏は、フランス文学、とりわけバルザックの専門家であり、シャルル=アンリが残した日誌、その孫のアンリ=クレマンがまとめた『サンソン家回想録、七世代の死刑執行人』、バルザックがアンリ=クレマンに丁寧な取材をして書いた『フランス革命史に貢献するための回想録』などを、本書の基礎資料としている。 死刑執行人の伝記であるから、当時の公開処刑の生々しい描写ももちろん含まれるが、主題はそれを生業としたシャルル=アンリの人生と心の葛藤である。高給取りの役人とはいえ、死刑執行人は一般市民はもとより、上から処刑を命じる役人たちからも汚物のように嫌われた。子孫はその差別ゆえに他の職業に就くことも許されず、結婚相手はもっぱら同業者の娘となる。シャルル=アンリは貴族に劣らない教養と社交性を備え、敬虔なカトリック信者でありながら、職業として人を殺めなければならない葛藤に絶えず悩まされていた。代々伝わる専門家としての訓練と、国王に仕える家系への誇りが支えであった。 しかし、皮肉なことに、革命によってその国王に手を下さなければならない事態におよび、シャルル=アンリの葛藤は頂点に達したという。彼は、ルイ16世に二度謁見したことがあり、敬愛していたのだ。そのために、ひそかに王党派による処刑の阻止を期待するが、革命の圧倒的の熱のなかではそれもかなわぬ夢であった。何万という群衆と騎兵がギロチンを据えた処刑台を取り囲むなか、やがて国王を載せた馬車が近づいて来る・・・そのくだりの描写には、思わず息をのむ。歴史書と歴史物語は別物とは知りながら、その筆の迫力ゆえに、どうしても自分がシャルル=アンリの立場にいたら、あるいは群衆の一人だったら、と考えずにはいられない。 現代でも、機械を用いてとはいえ、囚人の命をうばう役をになう刑務官は、かなりの確率で死刑廃止論者になるという。それは経験したものにしか分からない心境だろう。シャルル=アンリは死刑廃止を願い、孫のアンリ=クレマンは実際にそれを世に訴えた。本人とその子孫による回想を元にした伝記である以上、史実描写という点ではある程度距離をおいてみる必要があるが、少なくとも著者がつづったシャルル=アンリの心の叫びは、真実であると感じる。あとがきによれば、かつては上記のアンリ=クレマンの『回想録』は、「しょせん死刑執行人が書いたもの」として二級の扱いを受けていたが、革命200周年を記念して1988年に出版された『死刑執行人シャルル=クレマン・サンソンが見たフランス革命』により、その歴史的価値が認められたということである。
我々も決して無関係ではないのかもしれない・・・
題名、特に副題に興味を引かれてこの本を購入しました。 とにかく、あっという間に読んでしまいました。買ったときの帯に、小説を超えた驚きの連続、とありましたが、確かに下手な小説などよりも、驚嘆の連続でしたし迫真の面白さがありましたね。 死刑執行人という職業の人たちが特にフランス革命前後の激動の時代の中でどんな思いを抱いていたかを知ると、愕然たる思いがします。また、彼らの視点から描くことにより、革命の物凄いエネルギーと一方では凄まじいほど多くの犠牲者を出したその異常さが、改めて炙り出されたと思います。その他、ギロチンに関わる皮肉な運命の物語などにも、とにかく圧倒されました。もちろんそれはこの著者に負うところが大きいと思います。 彼らの苦悩から始まり人を裁き刑を課すことが簡単ではないこと、殺人という一点からみた時しばしば見られる人間の異様さ不可解さを示しているなど、とにかく読ませるものが凄くあると思います。 そしてこの本は、歴史上あまり知られることが無いが別の意味での重要人物にも光を照てている好見本であり、歴史を別の側面から見ることの重要性を再認識させられます。また我々は一般的に言って、ルイ十六世をずいぶんと誤解していたと思い、歴史を読み解くことの難しさにも思い至りましたね。 最後のほうの、死刑制度は間違っている・・・に始まる件はとても重いです。普遍性のあるものもあります。そして、奇しくも裁判員制度が始まり、我々自身が死刑の判決に関与する可能性も出て来ることを思うと、簡単に答えの出ることではありませんが、サンソン一族の心の底からの叫びは、今我々に決して眼を背けたり回避したりできない重い課題を改めてつきつけている気がします。
いくつかの逆説
去年の夏休みにこの本を読んでから、頭の中がグルグルしています。 歴史本(という表現でいいのだろうか)を読む経験は初めてでしたが、その面白さに驚きました。魅力的な挿話に彩られて一気に読み終えました。 世界史の知識はまだ高校程度のものしか持ち合わせていませんが(受験生なので)、それでも、死刑制度、ギロチン、フランス革命、そして死刑執行人等々の関連をグルグルと考えさせられます。 シャルル=アンリ・サンソンという男が抱えていたいくつかの逆説が現代の私たちに与えるものはかなり大きいと思います。
超一級のゴシック・ロマン/フランス革命暗黒史
あっと言う間に読み終わってしまった。歴史書としては、面白すぎ。 すでに本国において伝説化した人物の評伝であるから、原資料に出てくるエピソードからして既に脚色してあるんじゃないかと思えるほど面白い。 まず、サンソン家の血筋が語られる。時代はまだ中世の闇から抜け出ておらず、「死刑執行人」は人間というよりも「魔族」として差別されていた時代。暗く陰惨な中世の風景に好漢・初代サンソンの男気と恋愛が語られる。暗鬱にして華麗なゴシック・ロマンの世界。もうこのへんから読者としてはページをめくるのがもどかしい。 そして4代サンソンの時代。家業ゆえに差別され学校に行くことすらできない少年と、ただれた醜貌の中に黄金の宗教心を秘めた神父との出会い。神父は少年に神を信じる心と確固たる教養を与えた。まるで神話のようなエピソードである。 やがて時代はフランス革命。虐殺と流血の革命暗黒史をもっとも間近に見た死刑執行人サンソン。彼はルイ16世と3度会っている、という。最初は国王として、最後は死刑囚として。なんという数奇な人生であろうか。 そしてサンソンは心から国王を敬愛していたという。その彼が、国王の首を刎ねなければならなかった。なんという過酷な運命か。 そのままドラマの脚本になるような話がいっぱい。そういう意味で、やや通俗ではあるかもしれないが、極めて面白いので許す。黒岩涙香が読んでいたら、すっごい面白い翻案小説にしてくれてただろうなぁという感じです。
死刑執行人の社会的境遇に光を当てた本
 代々パリの死刑執行人を務めてきたサンソン一族の4代目・シャルル・アンリ・サンソンを扱った書物。この4代目の当主の時代にフランス革命が勃発し、ルイ16世やその妃・マリー・アントワネットをはじめ、革命の犠牲になった数多くの人の処刑を執行する運命に遭遇した。当時の死刑執行人が置かれた社会的立場な境遇についての記述が詳しく、非常に興味深いものがあった。  個人的には、あとがきに記された著者のこだわりに好感を覚えた “私はもともとバルザックが好きで仏文科にいった人間である。今回は、バルザックの著作を参考にし、バルザックの作品から引用したりもした。これが、私にはとても嬉しい。以上。”

うわさの神仏〈其ノ3〉江戸TOKYO陰陽百景 (集英社文庫)

[ 文庫 ]
うわさの神仏〈其ノ3〉江戸TOKYO陰陽百景 (集英社文庫)

・加門 七海
【集英社】
発売日: 2007-05
参考価格: 540 円(税込)
販売価格: 540 円(税込)
うわさの神仏〈其ノ3〉江戸TOKYO陰陽百景 (集英社文庫)
加門 七海
カスタマー平均評価:   0

幕末単身赴任 下級武士の食日記 (生活人新書)

[ 新書 ]
幕末単身赴任 下級武士の食日記 (生活人新書)

・青木 直己
【日本放送出版協会】
発売日: 2005-12
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
幕末単身赴任 下級武士の食日記 (生活人新書)
青木 直己
カスタマー平均評価:  4
殺伐とした幕末のイメージを覆す良書
幕末の下級武士のイメージを一言で云えば、 風刺画にある、貧乏で傘張りをしているイメージだろう。 そんなイメージを破り、生き生きとした シティグルメを楽しむ単身赴任武士の姿がここにある。 仕事はしょっちゅうオフだし、昼間から酒は呑んでいるし、 肴もカツオやマグロは云うに及ばず、 鶏肉や豚肉まで口にしている始末。 落語は聞くは、三味線の稽古はするわ なにかというと浅草に買い食いツアーに出かけるわ、 横浜に外人を見に行くは、殺伐とした幕末の イメージを覆す、良書である。
のんきな幕末の江戸ライフ
江戸と明治では当然思考のスタイルも価値観も違うのだけど、 こと食文化について言うなら、甘味を重視する江戸好みの味付けや、 米、菜、魚という基本的な取り合わせは、つい20年くらい前の普通の食卓と同じ。 だが21世紀の今となっては、江戸風の味付けは絶滅危惧種かもしれない。 自分が知る限り「日本橋弁松」の弁当は甘く濃い江戸の味だ。 酒井伴四郎の仕事は紀州藩の衣紋方で(衣装の取り仕切りをする)とてもヒマだった模様。 この酒井伴四郎のヒマさと庶民のエネルギーの落差は、 武士という存在が時代遅れになってきている現われなのかもしれない。
下級武士の優雅な生活
本書は、一下級武士の江戸での単身赴任生活の様子を食を中心に書いたものである。贅沢でなくとも、その優雅な生活はうらやましい限りである。日々、倹約を心がけ自炊もしなければならないが仕事はほとんどなく、頻繁に江戸見物に出かけ、甘いものから肉料理まで様々な外食を楽しみ、三味線の稽古も始めるなど、江戸での生活をとても堪能していたようである。こう言った下級武士たちの存在が江戸時代の一側面だったことを知る上でも、本書は有益である。
江戸時代の食事や生活、興味深いものです
幕末、和歌山から江戸へ単身赴任した、若い武士の日記をメインに、江戸時代の食生活や、暮らしぶりを紹介した本です。「何を食べた」「どんな料理」「どんな味だった」などの日記に、当時の味付けや料理法、外食産業(??)や食材などの解説を加え、江戸時代の食事を楽しく説明してあります。 自炊したり、長屋で宴会したり、外食したり、肉、魚、野菜、酒、お菓子・・・食べる食べるです。 食生活だけでなく、当時の江戸の様子や、勤め人の様子等も、興味深く描かれています。 日記自体の引用は、少なめで、現代語で書かれた部分が多く、読みやすい本でした。
男は昔も今も単身赴任
江戸時代、江戸は男が60%以上の比率だったそうです。 そのため、多くの外食産業が早い内から発達していたそうです。 今のサラリーマンが、単身赴任している状況と酷似していて、身につまされましたし、今も昔も変わらないお父さんたちのがんばりと、意外と緩かった仕事の様子が見られて面白いです。

戊辰戦争―敗者の明治維新 (中公新書 (455))

[ 新書 ]
戊辰戦争―敗者の明治維新 (中公新書 (455))

・佐々木 克
【中央公論新社】
発売日: 1977-01
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
戊辰戦争―敗者の明治維新 (中公新書 (455))
佐々木 克
カスタマー平均評価:  5
戊辰戦争とは何だったのか?
戊辰戦争を問う良書。敗者側から見た戊辰戦争論であり、著者と同じく東北人の自分にとって今改めて戊辰戦争を考えた場合、まさに「時代の転換期に起きた権力闘争」が一つの答えになる。官軍VS幕府軍、勤皇VS佐幕といった表面的な解釈では計り知れないであろう。 新書ということもあり戦争の細部まで書かれてはいないが、幕府の倒壊から、東北戦争、北越戦争、函館戦争と三大戦争を中心に描き出す戊辰戦争の真実は迫力満点である。初版から32年、増刷で30版と語りつ継がれる戊辰戦争の名作である。
敗者からの視点として好著
秋田出身で大久保利謙より薫陶を受けた佐々木克氏の戊辰戦争論。 東北地域の戊辰戦争としてはコンパクトに纏められている。奥羽越列藩同盟に関する政治論としては、入門書としては最適ではないだろうか。但し、問題が全くないわけではない。仙台藩に関する参考文献として、史料としては使用するに耐えられない藤原相之助の「仙台戊辰史」を典拠している所である。最も、この本が出版された時期を考えると基礎文献が「仙台戊辰史」しかないことを考えるとやむ負えないかもしれない。 実は、初版以降であるが孝明天皇毒殺説を補記として否定している所がある。当時は、天皇制批判のネタとしてねず・まさしの毒殺説が流行した背景がある。現在では根拠とした史料もないので、佐々木氏も否定されたのであろう。 古書屋で初版を見つけたときに、注意して見ると面白いであろう。
切ない歴史書
負けた側からみた非常に切ない歴史書と言えるかも知れない 作者は秋田出身で、非常に身近な悲劇として戊辰戦争を追っていく 戦場となった地域の民家には敗走する藩兵が残していった鎧甲が残っていたりするんだそうな そして家が焼き払われたり、双方の労役にかり出されたりして領民が振り回されていく 薩長のDQNな態度によって東北諸藩は避けたかった戦争をやらされていく 見解の相違はあったにしろ佐幕ではなく勤王の側面があったにもかかわらずである そして東北は敗者として差別される側に周り、それは今でも癒されない傷となっている いろいろ感傷的な記述も多いが新書だし、逆に話の中に入って生きやすいかなと
通俗的な戊辰戦役観を変えてくれた
ページ数に限りがある学校教科書のレベルでは、戊辰戦争とは新政府=尊王派と、奥州列藩同盟=佐幕派との二項対立だという理解しかできない。しかし、実際は違うのであって、奥州列藩もまた、勤王の志はあった。だからこそ、多大な出費をしてまで、会津は京都守護職を引き受けたのだった☆戊辰戦争における対立軸とは、尊王か佐幕かではなく、「勝てば官軍」の薩長に膝を屈するかどうかにあった☆最後に引用された原敬の戊辰戦争慰霊祭におけるあいさつ文は、その事情を集約している。
敗者にとって戊辰戦争とは何だったのか
 大政奉還から、新政府による東北諸藩への処罰が終わるまでを、列藩同盟の側から描く。
 東北が戦地となるまでに曲折があるのだが、やはりもっとも大きいのは慶喜の優柔不断ぶりである。
 薩長と戦うなら戦う、帰順なら帰順と一貫していればいいものを、身内をも欺いて保身に救急としている姿が目立つ。

 著者も、「幕府終末の危機に立ちながら、慶喜はそれを乗り越え収拾しようとする意欲も気力も、また能力もなかった」(p31)と切って捨てる。
 「大政奉還」というのは、今日から見れば、大きな出来事だったが、その当時としては、徳川は、「むしろこの時点では、なにも失っていない」(p10)というのは意外だった。

 著者は秋田出身で、子供の頃から戊辰戦争の話を聞かされ、当然、東北諸藩に同情的である。しかし、さすがに学者で、感情的ではない。
 誰もが悪役として描く世良修蔵について、勝者の側までが、「戦争の全責任を世良に負わせ」「いけにえの役を世良にふりあてている」(p109)と述べている。

 全国的な動乱をよそに、水戸藩は内紛に明け暮れていたこと、榎本武揚には独自の考えがあり、列藩同盟とは一線を画していたことなど、この本を読むとよくわかる。
 それにしても、読んでいて心を打つのは、二本松の少年たちの悲劇と白虎隊の最期である。

 慶喜がもっとしっかりしていれば、新政府軍がもう少し感情的にならずにいたら、と「たら、れば」が心に浮かぶ。
 この本によれば、戦争を避ける機会は何度もあったのだ。
 朝敵の汚名をきせられ、東北各地で無念の最期を遂げた人たちの心を思うと、歴史の冷酷さに慄然とする。
 戊辰戦争が東北に残した負の遺産は、あまりにも大きい。


世界史が伝える日本人の評判記―その文化と品格 (中経の文庫)

[ 文庫 ]
世界史が伝える日本人の評判記―その文化と品格 (中経の文庫)

・「書かれた日本」文献研究会 ・中西 輝政
【中経出版】
発売日: 2007-09-27
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
世界史が伝える日本人の評判記―その文化と品格 (中経の文庫)
「書かれた日本」文献研究会
中西 輝政
カスタマー平均評価:  3
中途半端な本
タイトルに惹かれて読んだが、非常に中途半端な本だという印象。 タイトルだけを見れば、史料としての意味合いを感じとれるのだが【私もそれを期待したが】、中身は単なるイデオロギー書であり読んでいて気持ち悪い。 イデオロギー書が悪いとは言わないが、海外の人が評した都合の良い部分だけ抜き取って、一人ウットリしている本という印象だ。 仲間同士で和気あいあいとするには良い本だが、学問の足しには成りはしない。
考えるきっかけにはなる
ザビエルやラフカディオ・ハーン、アインシュタインやチャップリン、そしてレヴィ=ストロースなど、数百年という時間軸の中で、十数名にわたる欧米の訪日者の日本印象記を記す? という本で、興味深いなぁと思って手にとりました。 ところどころで「ハッ」と気付かされるところも多いのですが、紹介しているほとんどの印象記が「日本の美点」にだけついて語っていたので、好印象の部分だけでなく、悪印象の部分も読みたかったなぁという感じはしました。 ところどころに「美しい日本」大好きな著者の意見が挟まってくるのがうっとうしくは感じました。 著者の意見はあってもいいんですが、解説なのか、著者の意見なのかが分かりにくくなるので、著者の考えは、1つの章にまとめて欲しく思いました。 私は、「ブルーノ・タウト」が言うように、日本の良さは、「日本古来のもの」と「西洋文明的なもの」を最上のバランスで取り入れられるところだと思います。 そのためには、最新の技術とか文化をおっかけるのと同時に、この本に出てくる多くの欧米人が愛した日本古来の自然や伝統についても学ぶ必要がありそうですけどね。
監修者・中西輝政氏自身が、本書瞠目の一文を本書冒頭に
 本書は読みやすい文庫サイズだが、渾身の書き下ろしだ。この書は、「そもそも日本人とはどんな国民か?」というテーマに、具体的な回答をめざしたもの。それも日本人自体によってなされた回答ではなく、過去400年間にわたって日本を訪問し、滞在した欧米人35人が、日本人を観察し本国に報告した「日本人の精神と姿」を収録したものとなっている。信長・秀吉の時代に滞在したザビエルからシーボルト、アインシュタイン、チャップリン、レヴィ=ストロースまで、長い歴史のなかでそれぞれの時代に訪日したかれらが記述した日本人観察の箇所をていねいに拾い、冷静に淡々とまとめたものである。  この本は「[書かれた日本文献研究会]著となっているが、中心者・荒木清氏の該博な知識から編まれた内容展開には脱帽する。監修者の中西輝政京都大学教授は、敗戦後、民族的「核」を失って久しい日本人が精神的に漂流している現状に危機感を抱き、「本書はそうした[核]を形成する上でなくてはならない視点を提供してくれる、たいへん貴重な著作となっている。」と評価している。本書にも取り上げられている、詩人にして大正末期の駐日フランス大使か記した「もし、世界で残したい国民を一つだけあげるとすれば、それは日本人だ」という言葉を、現在のわれわれ日本人は、どんなスタンスで捉えなおしたらよいのだろう。考えさせられる一書である。

雍正帝―中国の独裁君主 (中公文庫)

[ 文庫 ]
雍正帝―中国の独裁君主 (中公文庫)

・宮崎 市定
【中央公論社】
発売日: 1996-05
参考価格: 720 円(税込)
販売価格: 720 円(税込)
雍正帝―中国の独裁君主 (中公文庫)
宮崎 市定
カスタマー平均評価:  5
清朝の知られざる独裁君主
 中国研究の第一人者宮崎市定が、一九五〇年五十歳のときに世に問うた評伝である。戦後の二十年間に上梓した本はこの「雍正帝」と「科挙?中国の試験地獄」の二冊だけだという。(定年退官後に再度執筆活動を行っている。)  内閣直属の国策機関である東亜研究所から京都大学の東洋史研究室に委託事業の依頼があった。宮崎に委託された研究題目は「清朝官制と官吏登用制度」や「清朝の支那統治策」であった、このことが宮崎を清朝史研究の道に引きこむに至ったと、解説には書かれている。  なるほど本書は雍正帝のユニークな統治策があますところなく伝えられており、氏が相当長期にわたって清朝史の研究に取り組んだかがよくわかる。「雍正帝の独裁政治は、異民族の帝王の手になったにもかかわらず、それは従来の中国出身帝王すらも到底及ばないほどの高度に到達した。恐らく独裁政治という枠内においては、これほど発達した形式は他に一寸類がないであろうと思われる。」というのが氏の雍正帝時代への評価である。一方、「雍正帝流儀の政治方法はせいぜい十三年ぐらいが有効の最大限ではなかったかと思われる。」とも、最終章「独裁政治の限界」で論じている。「天下の政治のために十三年一日の如く働いて働き通した」雍正帝の様子がイメージできるよう多くのエピソードも用意されている。エピソードと氏の卓見が相まった完成度の高い評伝であると思う。
『雍正帝』成立史ー本をメタ的に読む
本編ももちろん抜群に面白いのだが、それに加えて、巻末に収録されている「雍正帝朱批諭旨解題」と礪波護氏の「解説」によって本書の成立事情が明らかにされる。その辺りもまた、面白かった。 宮崎市定氏といえば、いわずと知れた中国史の大家であるが、留学先として指定されたのはフランスであった。その後、中国にも行けるはずだったのだが、満州事変の勃発により(!)お流れになってしまった。 帰国した宮崎氏は政府から清朝の中国統治策についての研究を命ぜられる。米国は日本統治のために日本文化を理解する必要を感じ、ルース・ベネディクトに研究を命じ『菊と刀』を執筆させたが、日本政府には、そういう発想はないと思っていた。ところが、満州事変当時にそのような研究を命じていたということに驚きを覚えた。 氏がまず史料として用いたのは編年体の歴史書である『東華録』であった。ところがこれを読んでいると雍正帝の時代だけ叙述が生き生きとしている。そのため、何かタネ本があるのではと考え、史料を渉猟するうちに京大文学部の書庫に眠っていた『雍正帝朱批諭旨』と出会う。 これは雍正帝と官僚との往復信書であり、この中で雍正帝は皇帝自ら官僚を叱咤し、罵倒し、誉めそやし、時には自らの過ちを認めたりしている。極めて生臭い史料である。 しかし、『雍正帝』はこの史料のみによって成ったものではない。本書の中でも極めて印象深い「キリストの誓い」の章はキリスト教宣教師の書簡集に拠ったという。これは氏が留学先のフランスで購入したものだという。 歴史家と史料との出会いは、まさに一期一会。そんなことを感じさせられた。
独裁政治の功罪と限界
昔、吉川先生の「漢の武帝」で一発当てた岩波が、柳の下の泥鰌を狙って碩学宮崎先生に書いて貰ったのがこの本。 見事にこけました。売れ数のミニマム記録をつくったそうです。(これは伝聞) という事で、宮崎市定全集でしか読めなかったが、出てくれました。 とにかく物凄い働き者で、いつ休んでいるのか分らない位です。 おまけに密偵政治をやり、当時の清の官僚たちは生きた心地がしなかったでしょう。 ちなみになんで目立たなかったこの四男坊が康熙帝から指名されたのか?さーて、どうしてでしょう? それにしても、よく皇帝がこれだけ罵倒の言葉を覚えていたものです。 北京の故宮博物院の乾清宮には、まだ「正大光明」の額が玉座の上にありました。額の裏に後継者の名前を隠していたんですね。 一人の人間に権力が集中し、かつその人間が働き者だと周りも大変でしょうが、真っ先にご本人が死にます。 中国皇帝としての姿勢を中国史上で最も体現したのが、漢民族ではなく 満洲族(州ではありません。八重洲の洲です。)の人間とは。 漢民族の皆様はどうお考えでしょうか?一度尋ねてみたいものです。 まあ雍正帝がきっちりと締めてくれたおかげで、国家財政も治世も安定し、息子の乾隆帝が好き放題できたのでしょう。 その点では親として、独裁者として立派なものです。でもこんな人、二度と出ないです。いるのはただの人格下劣な独裁者だけです。 名前を出すのも嫌になるくらいいますね。今だってあっちの国にもこっちの国にも。 そいつらに雍正帝の政治を教えてやりたいくらいです。
皇帝独裁の建前と限界
なんだかんだ言っても官僚機構が統治には不可欠。じゃあ皇帝独裁は官僚機構をコントロールしうる体制かっていうと… 雍正帝は頭の切れるモーレツ君主、そのモーレツ君主が過労死するほど部下の言葉を聴き丁寧に指示を出してもその効果は限定的だった模様。 著者も言ってるとおり、雍正帝は独裁の限界なんだろう。
実録過労死皇帝
 どこぞやで、過労死した皇帝がいる、という文章を目にしたのが、私が雍正帝を知ったきっかけでした。それから、気になって雍正帝について書かれたものがないか、探していたのです。そうしたら、その名もズバリ「雍正帝」。本人の伝記があるではないですか、しかも著者はあの宮崎市定氏。これは手元に置かずにはおれません。早速入手して読んでみると、これが面白い!興味深い!あの宮崎氏が書いたものですから、楽しくて、ためになるのは請け合いですが、それにも増して著者の雍正帝に対する深い思い入れを感じて、感動せずにはおれませんでした。

 著者は全くもって才能ある人で、学者としての鋭い洞察を失うことなく、作家としての人への愛着を持ち続けている。自分は小説家ではないが、と前置きして末尾でささやかな雍正帝の性格描写をされていますが、わざわざ断ることには及びません。何せ史実として描かれている本書のすべてが、もう十分小説なのですから。小説以上に面白い、などという陳腐な表現は使いたくはないのですが、しかしまさに本書はそれなのですから仕方ない。父康熙帝の葛藤、兄弟間の争いの描写、また官僚との往復書簡から垣間見える赤裸々な本音、歴史とは調理ひとつでこんなにも美味しくなるのかと、全く感服してしまいました。それは著者が雍正帝に対して、強く同情し、高く評価しているからこそであり、歴史の中を生きた人に対する真摯な姿勢があるからこそなしえることと言えるでしょう。また、それだけに止まらず、歴史学者として、時代を鳥瞰することも抜けてはいません。雍正帝がこれ以上生きたとしても、それまでの反動としてむしろ政治を蔑ろにすることとなり、結果もとの木阿弥以下になったのでは、と寂しげに指摘されているところなど、歴史学者としての視点を感じます。


エリザベス一世―大英帝国の幕あけ (講談社現代新書)

[ 新書 ]
エリザベス一世―大英帝国の幕あけ (講談社現代新書)

・青木 道彦
【講談社】
発売日: 2000-01
参考価格: 777 円(税込)
販売価格: 777 円(税込)
エリザベス一世―大英帝国の幕あけ (講談社現代新書)
青木 道彦
カスタマー平均評価:  3.5
治世者としてお手本のようなエリザベス一世の素晴らしさ
現代のイギリスを知るためには、その国の隆盛を為し遂げたエリザベス一世の治世にその根本的な理由があるはずだと考え、本書を手に取りました。 幾多の苦難を乗り越えて名君主となり得た一人の女性の生涯はまさしく波乱万丈とも言える目まぐるしさで展開していきました。 ロンドン搭に幽閉されたり、宗教改革というルター派のプロテスタントとローマ教会のカトリックの対立という荒波を乗り越え、英国国教会の独自性を保ったこと、自分の死後、処刑したメアリ・ステュアートの子であるスコットランド王ジェイムズ6世を王位継承者に指名したことなど読むに連れ、素晴らしい治世者として改めて評価したいと思います。 エリザベスは沈思熟考型の性格と見えて、非常に冷静で結論を急ぐことはなかったようです。ただ、その考えた後の決断は素早く、アマルダ戦争におけるティルベリーでの演説は君主の鏡のような言葉が続きます。本書の153頁にある防衛軍である全将校への演説を少し引用します。 「私はこの戦いのただ中で、あなた方と生死をともにする覚悟であり、また神と私の王国のため……塵の中へ命も投げ捨てる覚悟である。」と。 このように前線で鼓舞する女王は、まさしく強いリーダーのあるべき姿として神々しく輝いていたことでしょう。 当時のヨーロッパでは小国であったイギリスは、ターニングポイントとも言うべき時代に必要な女王を擁いた幸運があればこそ現在までの発展があったのだと理解しました。 筆者青木道彦氏の記述は分かりやすく、門外漢でもスラスラと読める平易さで記されていますが、学術的にも史料にしっかりと裏付けられたものです。添えられている地図、系図、写真、グラフは本文の助けになるような有用なものでした。新書版でエリザベス一世の時代を知る類書がないだけに本書の価値は高いが故に、版を重ねているわけですから。
当時の複雑な国際情勢下で、責務を立派に果たした名君主の生涯
私は本書を読むまでは、エリザベス一世といえば、イギリスの絶対王政の代表的君主、スペインの無敵艦隊を撃破したこと、そして数年前の映画を通じて陰謀の多い時代に忠臣・愛人に恵まれていたいう印象しか持っていなかったが、本書によって、実に波乱万丈の人生を送ったことを知った。本書はテューダー王朝成立まで遡って、当時の西欧の中で小国であったイングランド(スコットランドとの統合はまだ先のこと)が旧教を捨て英国国教会を設立するにいたった事情、エリザベスが女王になるまでの苦労(母は死刑にされたがエリザベスは父に愛された才媛であったこと、旧教徒の前女王・姉のブラディ・メアリとの緊張関係)、そして女王になってからはネーデルランドの新教徒を助けつつ旧教の大国スペインと全面対決することがないように絶妙な外交手腕を発揮し、ドレイクのような海賊も活用してスペインに打撃を与え、最後にはアマルダ戦争で無敵艦隊を撃破するに至ったこと、恋人はいたが理性を発揮し抑制的な態度に終始したこと、スコットランドから亡命してきたメアリ・スチュアートとの宿命のライバル関係、そして彼女の治世前後のイングランドの経済・社会・文化に至るまで、実に多くのことを教えてくれる。本書の記述は精緻で、当時のイングランド、スコットランド、フランス王家の血縁関係、アマルダ戦争でのスペイン艦隊の陣形、彼女のゆかりの地の紹介など資料も豊富で、特に巻末の索引は多数の登場人物を整理するのに役立つ。また、彼女の演説を2つ紹介しているが実に感動的で人を惹きつける。欲を言えば、最近彼女の治世に対する批判もあるらしいが、本書での彼女の欠点の紹介はあっさりしていて、この点の説明がより深ければ満点の書となったであろう。本書を手引きにまた映画を観てそこで付加されたフィクションを確かめたいと思う。
大英帝国成立の立役者
英国がカトリックから離脱したのは、男子継承者の欲しいヘンリー八世が愛人アン・ブーリン(エリザベスの母)との再婚をバチカンに願った際、教理を理由に拒否されたことである。ヘンリーは再婚を可能にするために英国国教会を創設し、カトリックと断絶した。そして紆余曲折の後、エリザベスがチューダー朝最後の王として即位したが、まだまだ英国は小国でありスペインとの対決をしなければならなかった。本書では大英帝国成立の立役者であるヘンリー八世の行状とエリザベス女王の孤軍奮闘が描かれている。日本との関係をみるとエリザベスの時代、英国人ウィリアム・アダムスが日本に漂着「三浦按針」として帰化し、徳川家康の外交顧問になるのだが、家光の時代に鎖国。その約二百年後、日本が再び国を開いたとき、英国はヴィクトリア女王が君臨する、日の没するところなき大英帝国の最盛期となっていた。英国ばかりでなく日本の鎖国政策についても色々と考えさせられる一冊である。

彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団 (光人社NF文庫)

[ 文庫 ]
彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団 (光人社NF文庫)

・渡辺 洋二
【光人社】
発売日: 2008-02
参考価格: 740 円(税込)
販売価格: 740 円(税込)
彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団 (光人社NF文庫)
渡辺 洋二
カスタマー平均評価:  4.5
これが「異色」であった日本の悲しさよ
 実に読み応えのある一冊です。  独創性と勇気、指導力を兼ね備えたリーダーと、リーダーを信頼し結束を高めた隊員達が、最大の効果を求めて努力を重ねる。敗戦を予期しつつの全軍特攻体勢という狂気の中で、冷静な合理精神に基づいた努力を重ね、半ば徒手空拳から作り出した芙蓉部隊。  隊長美濃部大尉のアイデア性と何度挫折しても諦めない徹底した追求心が作り出した精鋭部隊の奮闘は、読む人の共感を呼ばずにはいられない。  何より悲しいのは、彼らの思想・戦術、いや存在そのものが当時の軍組織としては「異色中の異色」であり、敗戦の連続という混乱の中でほとんど偶然と幸運から世に出ることになったものだ、ということである。  美濃部大尉の理想と努力を認めれば認めるほど、日本の戦争のやり方がお粗末であったことを痛感させられるのだ。
正攻法維持できず・・・
確かに異色な戦闘部隊であるが8月15日敗戦直前に今までの戦法を維持できず、指揮官がやはり「特攻」をせざるを得ないと「決断」したのは悲しい・・・
劣勢の中での合理精神
安易に自殺特攻になびかず、使えるものを合理的に使って兵力の維持向上を図って正攻法の攻撃に挑んだ内容に感心させられた。
搭乗員の養成と、機材の整備を合理的に行った内容は、当時の過度な精神主義を考えると現代においても考えさせられるところが多い。

また、搭乗員の損耗をできるだけ最小限にとどめる努力は、巷に流れる当時の特攻主義を考えると特異である。
このような合理精神があれば、当時の戦争はもっと違ったものになっていたのではないかと考えさせらえてしまう。
正攻法
陸軍・海軍ともに特攻を押し進める中、特攻を拒否し正攻法で戦い抜いた航空隊、それも夜襲を主戦法とした稀有な航空隊の戦記です。数多くの証言者から構築した記述は圧巻であり、読み応えがあります。オススメです。


秘録 東京裁判 (中公文庫BIBLIO20世紀)

[ 文庫 ]
秘録 東京裁判 (中公文庫BIBLIO20世紀)

・清瀬 一郎
【中央公論新社】
発売日: 2002-07
参考価格: 900 円(税込)
販売価格: 900 円(税込)
秘録 東京裁判 (中公文庫BIBLIO20世紀)
清瀬 一郎
カスタマー平均評価:  4
デタラメではない
この本は、東京裁判を描く本ならば、参考文献に登場します。 裁判とその後の世界諸国の動きを全て踏まえたうえで読むと、更に多くを学べると思います。 また、あくまで理性的に裁判を批判し、日本の正当性を主張しているので非常に参考になりました。 著者は裁判を復讐劇としていますが、この点については私は違うと思います。 事実、連合国内での意見の不一致が表面化し、一度ウェッブ裁判長は祖国へ送還されています。 裁判を通して連合国という枠組みの崩壊、米ソ対立と戦勝国の矛盾を露呈しました。 この点の描写が乏しかったのは残念ですが、当時の連合国がいかに無茶苦茶な事を言っていたのかも改めて知る事ができました。 あの裁判を総括する上で、大いに参考になるでしょう。
まずは、近代法学、日本の歴史観を読んでほしい。
 清瀬一郎  同じ弁護士として、これくらいインパクトのある人はいない。  戦争裁判を含め刑事裁判で「弁護人」となることは、社会的には勇気の要ることである。ことにマスコミで取り上げられるような事件で、被害が甚大であれば。しかし、裁判という制度があるのは、人間は万能ではない、警察官?検察官という訴追者も時に誤ることを前提に行なわれる。でなければ、司法の役割など存在しないであろう。  しかし、この裁判には、もっと重要な問題があった。  B,C級戦犯はともかくも、A級戦犯に対する裁判は、法律を少しでも勉強した人間であれば、「おかしい」裁判であった。  刑事法の最大の原則である罪刑法定主義は、人を裁くに当たっては、事前に布告されていない法律で事後的に裁いてはならないという最低限の規律であり、これは、マグナ=カルタ以来の人類の知恵である。  例えば、私がこのように決して共産主義者をはじめとする進歩的文化人に批判的な書面を書いても安心していられるのは、後で彼らが「日本人民共和国」を設立しても、それまで禁止されていなかった「表現の自由」があるからだ。それが、ある日、「左翼思想に反するから処罰する」といわれたら、「自由な」思想信条、表現の自由はありえない。  東京裁判の最大の矛盾は、A級戦犯に対する事後法の適用であった。  弁護士として、記者クラブ発表を前提として「有罪前提」で来るマスコミに「無罪」を訴えるのは、本当にしんどいと思う。個人と国家の上下をつけるつもりはないが、「国家」の無罪を主張する重圧は大変であったろう。  この本は、晩年に書かれた。若い頃にもっと、しっかりと書いてほしかった。しかし、弁護士には「墓場まで持って行かなければならないこと」もあるんだよね。   
東京裁判の超重要人物の著書だが、「史料」としての価値はゼロに近い
本書は著者が晩年に読売新聞に連載した回想を編集して、その最期の年(昭和42年)に公刊したもの。本文は約200頁で、連載回数が51回というから1回当たりは文庫版で4頁ほどとなる。
事実確認の為「多少は研究的態度もとった」との事だが、裁判から20年を経ての気楽な回想に過ぎぬ。
又、上の紹介のように著者は東京裁判を経て成立した戦後政治体制の中で、政治家として衆院議長という「頂点」まで登りつめた方だ。その一方で東京裁判を「勝者の復讐劇」と断じる心境の複雑さは「あとがき」から読み取れる。おまけに「公正中立な記述」をと、著者が弁護を担当した東条の判決シーンを、あえて別人の文章を丸々引用しているほど。
記述は順を追ったものでなく、また裁判の全貌を描く意図も、裁判についての自らの評価を体系的に論じる気持ちもない。著者自身が「読みたい場所を適宜拾い読みすれば良い」と言っているほど。公刊時に、時間に沿うよう一応の編集はされているが、そういうことで「迫真のドキュメント」という言葉は全く実態と乖離している。
中には面白いエピソードもあるが、それもBC級戦犯の話だったりと、「東京裁判」を知る為の書としては殆ど意味がない。あえて言えば、本書・本文の最後に書かれた「非戦化」の願いにはやや共鳴するものもないではないが、「政界」でのご活躍の結果だろうか、殆ど宗教書のような筆致で「数十世代を要するか」などと、「弁護士」としてのリアリティーを欠くように思う。「司法」「立法」のいずれも「社会秩序の根本」として「法の支配」を原則とするのだから、「東京裁判」を悪しき例としても、「国際法の整備」と「真実の探求と法の適用」の場としての「国際司法」の可能性を思慮するべきと思う。
本文の量の少なさを補う為に著者による長文の「弁護団冒頭陳述」が添えられている。が、広田、土肥原ら4被告がこれに不満で「不参加」とした事実さえ本書にはない。
あの戦争を総括すべき時代
 東京裁判の日本人弁護団の副団長でもあり、東条英機元首相の主任弁護人であった著者、清瀬一郎氏が書き記した東京裁判の一級資料。

 あの裁判が、勝者が敗者を復讐する為の単なる舞台であったことは、最早彼が立証するまでもないが、この本を読めばその思いをまた強くするだろう。

 東条に誰も弁護人を名乗り出るものがなく、著者が請け負わざる得なかった事も、当時いかに敗戦の責任が開戦時に集中したかを思わせる。

 あの戦争の責任は、今後の日本人のためにも総括し検証しなければならない。しかしその為には、何らあの裁判は有効なものではないと、それを教えてくれる本書である。
勝者の報復
「文明の名のもとに行われた空前の戦争裁判」がもしも勝者による報復的なものなら、連合国はなぜ裁判というまどろっこしいことをせずに日本から巨額の賠償を取らなかったのだろうか。最大の交戦国のアメリカは東京裁判の間、日本に食糧援助を行い、中国もまた賠償を放棄した。

「文明の名のもとに行われた空前の」戦後処理の一環として東京裁判を冷静に位置づけないと、いつまで経っても日本は先の戦争の呪縛から自由になって今後の安全保障政策を立てられないだろう。


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 更新日 2009年7月8日(水)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク