37日間も生き延びた!!というセンセーショナルな事実は漂流した結果。初め積んでいた食料や水を飲み食いして過ごしていたが、なくなると、魚を釣ったり、海水を沸かして蓋についた水を舐め、最後には自分の尿を飲んだ。という一文の行間にあるものを埋めています。吉岡氏の飾らない豊かな表現力で武智さんの人格や、漂流中の様子が伝わってきます。
水があると思うと、食料があると思うと色々考えてしまうから、思い切って飲み干した、思い切って釣った魚を捨てた。という件は、何かわかるような気がした。
この本を読んで、自分が知っているつもりになっていることが何と多いのだろうかと改めて思う。
天津の資産家の家に五番目の子供として産まれ、自分の誕生と入れ違いになくなった実母の影響から、兄弟にもいじめられ、実父からの愛情も得られず、継母からは妬まれ、疎まれ、さげすまれ…これが実話であるというのが、本当に人の心の憎悪という感情のむごさを感じずにはいられない。
勉強することで自分の存在を知らしめようとして、精一杯愛されることを望んだ著書。本当に胸がしめつけられる思いである。
中国という国自体も壮絶な時代であり、著者の家が相当な富裕層であったことも、この物語に出てくる著者を取り巻く兄弟、両親の感情の激しさに拍車をかけた一因であったと思われる。
お金は人の心を狂わすというが、巨万な富があったからこそ、この家の悲劇は起こった。
「チャイニーズシンデレラ」も併せて読むとなお良し。ただどちらも結末があっけないかなぁ…。
狭い香港、この物語の末裔は今も実在しているのでしょうねぇ…。
自分で自分の指を詰められる位の気丈さがなければ務まらない「極道の妻」の、作り物ではない本当の姿だ。 現在の彼女は、死ぬ思いでやくざ稼業から足を洗い、詰めた指をそっと隠しながら一般の女性として暮らしている。その彼女が全てをライターに語り、ライターが彼女の立場になって書き上げたノンフィクションである。