旅の計画自体が、「何か書かないといけないのでどこかへ旅行にでも行きましょうか」という雰囲気で始まっており、著者自身が屋久島へ行きたいとか、屋久島について書きたいという気持ちで行った旅ではない。疲れる事はしたくないので近場の大きな木と観光施設も幾つか見ておこうかという旅。女性同士の気ままな観光旅行はこうなるのが常だ。
なんとなく屋久島へ来てなんとなく観光したのをそのまま書いた本。銀色夏生マニア向けです。 旅行記も銀色、色。どんな環境にいても自分を見失わず、人との距離感やその時感じた事を淡々と書き綴っている銀色さん。壮大な自然、癒しスポットとうたわれる屋久島でも、そのマイペースさは健在で、旅行記という感じはなく、「つれづれノート」番外編という感じでした。個人的には、日常を描いた「つれづれシリーズ」のほうが、銀色さんらしくて好きです。 へなちょこ バンザイ☆銀色さん、最初は尾久島行き、かなりのり気じゃない出だしにちょっと戸惑う私。しかも物事の白黒をはっきりつけるような方。嫌なこともきちんと言葉に残してる。けれどそれ以上にいつも素敵なことを見つけてくる銀色さん。きれいな写真もずっと眺めてしまいます。そして、最後の文章・・・。いつもいつも私の心にぐっときます。
歩んできた道はけっして生易しいものではなかった。困難に耐えながら畑を耕し、ウタを歌い、生きてきた。民謡の宝庫となった。連綿と続く民族の営みの、なんとたくましいことか。アカマタ・クロマタなど民俗学的な記述も多い。忘れ去られようとしている八重山の貴重な記録がここにある。