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陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) 日の名残り (ハヤカワepi文庫) 1973年のピンボール (講談社文庫) イン・ザ・プール (文春文庫) 羊をめぐる冒険〈下〉 (講談社文庫) 羊をめぐる冒険〈上〉 (講談社文庫) 武士道 (PHP文庫) 竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫) 三国志〈1〉 (吉川英治歴史時代文庫) 斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇 (文春文庫)
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陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

[ 文庫 ]
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

・伊坂 幸太郎
【祥伝社】
発売日: 2006-02
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)
伊坂 幸太郎
カスタマー平均評価:  4
伊坂流ご都合主義
謎という謎の部分を非常に丁寧に書いているため、 どうしても先の展開が想像できてしまう事が多かった。 伊坂独特の文章表現や会話は好きなので面白かった。 銀行強盗の常習犯なのだが、犯罪らしくなくゲーム感覚のノリで軽い。 銀行員から見れば陽気というよりはキチガイにしか見えないわけだが…。 現金輸送車を襲った後に、銀行強盗した車を襲うか? 危険を犯してまで相手を罠にハメたいと思うのだろうか? というか、自分に利益があるわけでもないのに銀行強盗の邪魔をしたいと思うだろうか? 手元にお金があるのに何故、邪魔をしなければならないのだろうか。 相手にする必要がない。それこそ海外で羊と遊んでいたほうがいい。 展開がご都合主義すぎて なんというか、そりゃないよ?って思った。
とにかく軽快!
タイトル通りの陽気なギャングの軽快軽妙物語! おもしろくて軽くてあっという間に読めます。 いい意味でも悪い意味でも他の伊坂作品とは違い軽いです。 たまにはこんな軽いものを読んでもいいなと思いつつ、 これなら伊坂さんでなくても、 他の作家作品でもいっぱいあるような・・・、 というような多少の複雑な気持ちは抱きます。 とにもかくにも軽くておもしろいことには間違いないです。
ロマンはどこだ
初出は2003年2月、文庫化は2006年2月20日。伊坂幸太郎の第3作だが、幻の処女作『悪党たちが目にしみる』を原型にして、リベンジを期すかのように書かれている。『リベンジ』というのは、『悪党たちが目にしみる』がサントリーミステリー大賞の最終候補作の3作に残ったときに、大勢の人を招いて開催された最終選考会で、選考委員から徹底的に叩かれた事に対する『リベンジ』である。文学界の一部に巣くう『選考委員』に対する不信感はこの時に始まっているように感じられる。 この作品はほとんどが会話で出来ているのだが、会話の内容が正に伊坂幸太郎で、『原点』を感じる作品だ。2006年5月に大沢たかお、鈴木京香、松田翔太、佐藤浩市の4人組で映画化もされている。伊坂幸太郎独特の言い回しが冴えていて、とても映像的だ。 もうひとつ、魅力的なのが伊坂幸太郎の選択する音楽のセンスの良さだ。そして、『曲が始まって百四十七秒のところでリー・モーガンのトランペットが飛び込んでくるところが最高だし・・・クリフ・ジョーダンのソロは七十一秒後。ウィントン・ケリーのソロは二百三十三秒後』とくる。すばらしい。逆に言えばこういうところが『選考委員』にはちんぷんかんぷんなんだろうと思う。悲しい文学界である。
陽気なギャングが地球を回す
サスペンスの中に分類されると思うんですが、4人の個性的なキャラクターが主人公という事でなかなか笑える作品でした。物語の中にいくつもの伏線があり最後の30ページぐらいでどんでん返しって感じの面白い作品だと思います。
味のあるやりとり
 特殊能力のある4人がチームを組み、銀行強盗をはたらく話。  ほとんど趣味としてこなすそれは、スタイリッシュで、切迫感は無い。 楽しんでいるのだ。  伊坂氏の作品では、登場人物たちの交わす会話が生きている。本作品では、特 にそこが際立っている。  あっさりとしたエンターテイメントとして、彼等の銀行強盗劇を楽しめるはず だ。

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

[ 文庫 ]
日の名残り (ハヤカワepi文庫)

・カズオ イシグロ
【早川書房】
発売日: 2001-05
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
日の名残り (ハヤカワepi文庫)
カズオ イシグロ
Kazuo Ishiguro
カスタマー平均評価:  4.5
笑える・哀し……アイデンティティクライシス
老いた執事が主人に休暇を貰い、自動車旅行に出て半生を回想する話。 第二次大戦頃は名士の尊敬する主人に仕え、第二次大戦前後の政治局面を決定づけるような会議がその屋敷で行われる中、ただ「執事であること」「主人の至福のときが、自分の人生のゴール、至福」ってな価値観を貫いた執事の中の執事、スティーブンスの物語。 栄華を極めた屋敷ですが、主人亡きあと、アメリカ人に買われて、使用人もわずか四人という祭りのあとな状況説明がプロローグであり、あとは旅の六日間が描かれているけど、道中浸すら回想ばかりしております。 自分の目標の執事だった父上がだんだんトシで仕事できなくなったこと、そして相愛であったのに、執事であるという生き方のために犠牲にした、ミスケントンとの恋…… この執事の語りは 「謙虚な口調のウラの誇り ・流麗な表現(多分原文じゃさぞ格調高きクイーンズイングリッシュが用いられてるんだろう) ・執事の美学 ・理論武装」 のキーワードにつきる。 文章自体は非常に拡張高い美文。なんだけど、スティーブンスの語りはとても不正直なんですよ。 「人が減って、ミスが増えた」って長々述べるけど、述べるほど「あぁ、亡き父と同じ『老いによって、自分の唯一の矜持最高の執事として働き続けていること』を失いつつあるって自覚してんのね」と伝わって、その理論武装がほんと悲しいけど……いとおしいんだなぁ…… また、能力云々の前に、アメリカ人の現主人に買われた時点で、彼はそもそも「英国型執事」であることを求められてないんだ。今の主人は「旧家の名執事を持ってる」ってのがいいだけ。全くの成金なんだもの。 物語中で彼は「品格というのは結局、他人の前で服を脱ぎ捨てないことに尽きると思います」って言ってるけど、これは己を抑制する執事の美学であると共に自分が周囲の人間にとって、読者にとって「信用できない語り手」であるという著者の仕掛けなんじゃないかなぁと思います。 さて執事であることを失いつつある彼は自分の人生に疑問を呈し始めます。「主人の望みを最大限に叶え、政治的な話は執事の語るところでない」って生き方は本当に正しかった? ……アメリカ型自己実現の価値観的じゃ「個のない無益な人生」ですよね。邸内でぶたれた「私利私欲から智謀に走らないやり方を我々は品格と呼び未だ重んじているのだ」っていう美しいけど愚かなイギリス人の演説シーンはのちのスティーブンスを暗示しているようにも見える。 でもスティーブンスの語りの含蓄は、この「執事としてあるべき自分」と「本来のミスケントンを恋い父を愛す自分」との長年の乖離に培われた自己矛盾の病だと個人的に思います。それが彼の品格になってるとも ラストシーン、スッティーブンスは、自分の老いや、人生の欠落をようやく少しだけ吐露します。 そばにいる初対面なのに、ジョークを連発しうちとけてる(とスティーブンスが類推する)若者を横目に、 (あ?夜なのに、これから朝が始まるみたいにはしゃいどる(←人生の夜だが、今を始まりにもできる、とスティーブンスは考えるのですね)あれはジョークの力かも、自分もジョークを言えるようになって主人を感服させてやろう(英国価値観→アメリカ価値観、を含むような、本人の価値観の転換をし残りの人生を懸命に生きようじゃないか。という心情吐露なのでしょう))なんて考える彼ですが、これ、希望のシーンじゃない。彼は、もう能力落ちてる老人で老いが確実に仕事を阻害してるんだもの。主人は執事とはなにかも理解してない男で、スティーブンスは結局執事であるという誇りと美学は棄てられないのだもの…… (なお、上記のように人生を朝?夜に例えるのは、「最も人生で輝かしいのは人生の正午(中年期)とのユングのセリフに端を発す発達心理学も念頭に置いてと思われます。類似のセリフがさりげなく文中に類似のセリフも出てくるし) という悲しい話なのに全体を通しては、著者のユーモアのセンスが抜群で、結構声笑えます。とくに前半部!前半部は本当、声出して笑いますよ。特に、外交相手の息子が近々結婚するので性教育を施してやってほしいと頼まれるスティーブンスが右往左往するのを大真面目に回想してたり(笑) 笑えて読後の悲しい余韻が素晴らしい、間違いなく読み継がれる名作となるでしょう。
JUST JEEVES
Pip pip wot hey. No really it's not like that. This is pretty much Jeeves without Bertie. No Wooster makes Jeeves a dull old boy. Not really so much dull as dignified. If you enjoy PG Woodhouse you will probably like this. It is a fine volume that I read avidly. TODO
現代のビジネス人としての生き方を考える上での参考に
 英国ブッカー賞受賞作品で、評判が高く、一度読んでみようと思っていたところ、ハーバード大学のMBAの学生に一読を薦めているというので、ついに手にした。  小説の楽しみ方、感じ方は人によってそれぞれで、多くのレビューにあるように、古き英国を伝える美しい文章に感じ入るもよし、登場人物たちの心の動きを楽しむもよしだと思うが、自分は一人語り調の文章があまり得意ではないので星を一つ減らしました。  MBAの学生に大学が考えさせようとしたのは、主人公の「生き方」についてであろう。つまり、主人公の執事の立場を現代のビジネスマンにしたとして、仕事に対してある意味「美学」とも言えるほどの高いレベルの仕事をすることに心血をそそぎ、出会った人々の心の機微にも気づこうとせず、家族を持つこともせず、ただひたすら会社の社長を敬愛し、信じて働き続けてきたが、実は会社は国家の存亡も揺るがすようなことに加担しており、自分は長年その会社の実態に気がつかず、あるいは気づこうとせずに生きてきて、すべての事実に気がついたときには職業人生もそろそろ終盤を迎えようとしたら…。人生は失敗だろうか?  人によっては失敗だと考えて、「仕事一筋にならないようにしよう」とか、あるいは「もっといろんなところに気づけるように能力を高めよう」と考えるかもしれない。  私自身は厳しい事実に胸が苦しくなったが、最後の数ページで夕暮れの人々の楽しげな情景のなかで、主人公が旅を終え、前向きにお屋敷に戻っていこうとする場面に救われた。  そう、どんな人生を送ってきたとしても人生に失敗はないのだと思う。
なんども読まないけれど。
よく本を読むのが早いといわれるのですが、 イシグロさんの本を読むときはじっくりじっくりです。 気持ちに余裕があるとき、 でも、ハイになってないとき、 夜、ひとりで静かに読みます。 じわじわきます。違う時間が流れるかんじがします。
裏表紙はヘン
裏表紙の説明はヘン。「輝きを増して」とかでも、古きよきイギリス、とかでもない。 自分の生き方をしっかり持って、その生き方の中では最高に近い形で生き抜いたのに、なんで全てが(全てが、である)うまくいかなかったのだろう、という思い。 父親の老いとその死に行く姿と、現在の自分との重なり。 父親の「自分はいい父親だったのだろうか」という問いは、 主人公の「自分に何の品格がありましょうか」という嘆きに重なる。 それでも前向きに生きていく。生き方を変えず。 だけど、それは作者の真意だろうか。説得力があまりにも薄い。自分には、作者が主人公を幸せにしたかっただけのように思える。

1973年のピンボール (講談社文庫)

[ 文庫 ]
1973年のピンボール (講談社文庫)

・村上 春樹
【講談社】
発売日: 2004-11
参考価格: 420 円(税込)
販売価格: 420 円(税込)
1973年のピンボール (講談社文庫)
村上 春樹
カスタマー平均評価:  4
この頃から既にムラカミは・・・・・
 「1Q84」の2009年に作者のデビュー連作を再読することはなかなか面白いもので、「1Q73年のピンボール」と言ってもいいような本作、既にパラレル・ワールドの世界が見え始めている。1973年という年は、既に「古き良き時代」とはいえないかも知れないが、それなりの青春の輝きのようなものがあったアナログの時代であった。  ジューク・ボックスから流れてくるのがあのジャクソン・ファイブというのも、マイケルの訃報を聞くにあたり、まったくの偶然とも思えないのだ。  ピンボール・メーカーとして"BIG4"の時代があった当時、世界のAccounting Firm は"BIG8"の時代であった。これまた、懐かしい。  1968?69年という世界的な学生を中心とした「革命の時代」が過ぎ、1973年というこれから迎えるオイルショックも目前という時代、そうまだ何が起こるかわからない時代。そして、そう、「何もかもがすきとおってしまいそうなほどの11月の静かな日曜日だった。」のだ。
青春の哀しみはもう理解できない
二十数年ぶりに読んでみたものの、理解不可能なまま終わってしまった。 大人になればもう少し理解できるのかな?と思ったけど、若くなくてはわからないこともあるのだということを知った。 大学生でこの本に初めて出会った時に、あまりに気障な文章に生理的嫌悪感を感じたものだけど、やはり今読んでも鼻につく感じがある。 逆に、最近の作品ではあまり感じることがなかったのだけど…。世の中が村上春樹的に洗練されてきたということだろうか? 基本的に、この人の作品に出てくる男の欲望に都合良く作られてるような人形っぽい女の子が好きになれない。 そして、主人公の一見紳士的でソフトでありながら、冷笑的で内向的な卑屈っぽさがどうも共感できない。 要するに、どこか納得できないものを感じてしまうのだ。 でもまぁ、この人の独自の世界ってすごいなと思うし、ストーリーも面白いし、アフォリズムにも感心させられる。 嫌いじゃないんだけど、やっぱりちょっと鼻につく、村上春樹。 何が言いたいんだ?っていうのが素朴な疑問です。 読んでいて少し不愉快になるのは、若い日々の自分の愚かしさを思い出してとても哀しくなるからだろうか。 そういう意味では、タイムリーに青春の哀しみを描いて、若者の支持を得た優れた作品といえるのだろう。
この人の小説の仕掛け
今の世の中では、思春期を過ぎたほとんどの人が異性にもてたい、ロマンチックな恋愛がしたいと思っている。 ロマンチックラブ・コンプレックスとでも言うべきだろうか。 村上春樹の小説は、そういう読み手の心理に付け込んでいる。 すなわち、この小説を否定する人は、自分は異性にもてない、ロマンチックな恋愛ができない人間ですよと言っているのと同じだよという仕掛けになっているのだ。 恋愛とはそれほどたいしたものだろうか。あるいはそれほど薄っぺらいものだろうか。 私は村上春樹の小説はほとんどこの一冊しか読んだことがないが、ほかの小説も大同小異だと思う。 生活苦から遊離して、浮世離れした恋愛苦を楽しんでいる人間の物語などただの高級娯楽小説だ。 ひとつの世界を作り出していることは認めるが、消費社会というマーケットだからうまく受け入られる種類の文学でしょう。 体は大人でも、子供のままでいる人の小説です。
ゆとりの僕が解釈
僕は村上氏の生きた時代背景は良く分からない。知っているとすれば全共闘時代の中に青春を見出した世代のひとりというイメージがある。それは扨置き。この作品は、全く世代の違う現代に生きる僕がこの作品に対する解釈を許してはくれなかった。だが無理矢理理解した結果以下のようになった。 若者が資本主義社会に埋没し、都会の喧騒の中リアリズムを模索してゆく暗い闇のお話しに感じた。戦争があるわけでもなく、ただなんとなく生きていられる。いくら女を抱いても、物に自身を投射しても自身の価値を見出だせないであぐねいている若者の物語と感じた。何も生み出さないピンボールに力を注ぎマニア並に知識を得て満足する姿は現代のオタクを連想させる。現実から逃れ、自身の妄想世界に自身をやつすことでしか現実感を獲得することもできない人間を連想させた。結果的にそれらからは「何も生まれないし何も得られない」。そんな空虚と虚脱感を感じた。 見知らぬ土地にいって何もかも終わらせてしまいたいのも、孤独を紛らわすためにリアリズムを感じさせない妄想的双子を登場させたのも作中の登場人物の絶対的孤独感の紛らわしに過ぎないと思った。そして次々に襲う不安定な感覚に僕らはやり過ごすことしかできないでいる。結果なにを得たのかも分からずバス停で、穏やかな日のもと、そしてそれからの漠然とした未来もただ生きるしかないという不確かな未来を暗示して終わった。僕は現代人の感覚も村上春樹の生きた若者の生き急ぐ渇き飢えみたいなものは共通していると最後に感じた。だからこそ「ゆっくり歩け、そして水をたっぷり飲む」が生きてくるのだと思う。僕らは渇いた青春時代を幾度と繰り返すけどいつか夢のようであればいいというそんな願いを感じた。
中身のある宝石箱
「風の歌を聴け」が中身の無い宝石箱だとするなら、 「1973年のピンボール」は中身のある宝石箱。 キラキラとした文章は素敵であこがれます。 箱の中身は時の流れの確かさと、自分の感覚の不確かさとでも言いましょうか。 前作にも増して読む価値があると思います。 但し前作を読んでから読むべきだという気が多少はしますが。

イン・ザ・プール (文春文庫)

[ 文庫 ]
イン・ザ・プール (文春文庫)

・奥田 英朗
【文藝春秋】
発売日: 2006-03-10
参考価格: 530 円(税込)
販売価格: 530 円(税込)
イン・ザ・プール (文春文庫)
奥田 英朗
カスタマー平均評価:  4.5
元気になれる本
とにかく、おかしい。涙が出るほど笑った。 伊良部先生の患者は、ごく普通の人々だ。ベテラン編集者、商事会社の社員、タレント希望の若い女、メール命の高校生など。 普通の彼らの普通の生活が、突然、普通でなくなってしまった。 プール依存症、陰茎強直症、被害妄想・・。彼らの悩みは深刻で切実だ。勇を鼓して精神科の門を叩く。伊良部先生はとんでもない治療法を提案する。わらにもすがる思いで試してみる・・。 その悪戦苦闘ぶりを笑っているうちに、ふと思った。生きるって大変だな。普通に生きていくって、ホントに大変だ。 だが、伊良部先生は名医だ。注射フェテであろうがマザコンであろうが。 患者たちは、何とか病気を克服しーというか、社会の矛盾や自分の性格からくるストレスと折り合いをつけていく。 読み終わったあと、読む前より少しばかり元気になる本だ。
ストレスに悩める現代人の必読書
小説としても面白いが、ストレス解消のためのわかりやすい医学書ともいえるのではないか。 ストレスにさらされ続ける現代人であれば誰もが自律神経失調症、もしくはそれに似た症状を経験しているだろう。そしてそれはほんの少しのきっかけで神経症へと変化する。自分も含めそういう人たちの多い今の世の中。昔に比べれば心の病?精神疾患がそれほどタブーとされなくなった今だからこその良書といえる。 全く心の病に無縁な人にとっては未知の世界なので理解できないかもしれないが、心の揺れからくる体調の変化を感じたことのある人なら共感できるだろう。読み進めてくすっと笑えることができるなら心が軽くなるはず。 ただ現在進行形の人にとっては笑えないだろうし、少し辛い内容になるかもしれないので読むのは控えたほうがいいかも。
いらっしゃーい
何が面白い?って聞かれたら答えるのは難しいけど、とにかく面白い!!!伊良部が変なだけあって患者の症状も変だけど、読み終わった後には自分が診察されたかのようにスッキリする感じ('∀`)伊良部に「いらっしゃーい」って言われたいし診てもらいたい!!
ユーモアはお悩み解消に効果的
怪人伊良部と看護婦マユミが悩める患者を治療する話。 こう書いてしまうと身も蓋もありませんが、 読者は完全にそれぞれのエピソードに登場する患者に自己を投影して、 この連作小説を読んでいると思います。 自分も患者の心持ち、悩みのどれかに自分を重ねることができて、 それをやすやすと越えていく伊良部の魅力が、 本書を手に取る理由だと思います。 実は人の悩みにきちんと向かい、かつそれを笑い飛ばしてくれる読み物って、 最近少ないように思います。 むしろ疑似カウンセリングみたいな新書、小説のたぐいが多いと感じます、 本書の爽快感は疑似カウンセリングより、 ユーモアがずっと悩みに効果があるということを教えてくれます。
面白かった!
同タイトルのDVDを先に観て、面白くこちらも読みました。 一言、面白い! 伊良部先生みたいな先生がいたら、私も病院行きます。 頑張りすぎている自分を、別な角度で癒してくれました。 続編も読みます。

羊をめぐる冒険〈下〉 (講談社文庫)

[ 文庫 ]
羊をめぐる冒険〈下〉 (講談社文庫)

・村上 春樹
【講談社】
発売日: 2004-11
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
羊をめぐる冒険〈下〉 (講談社文庫)
村上 春樹
カスタマー平均評価:  4
失われた物語たち
『羊をめぐる冒険』というタイトル通り、 「羊」を主人公が探しに行きます。 でも、追いかけて確実に主人公が羊へと近づいているのに、 同じところをぐるぐる回っているような、奇妙でおもしろい気分を味わいました。 読んでいて、私なりに考えたことを書きます。 主人公の「僕」は世間に流されない印象を受けます。 この物語は第一章「1970/11/25」(上巻)から始まります。 三島由紀夫の死んだ日です。 けれども彼はこのことをたった一行ですませ、我々には関係ないこと、と言い切っています。 『羊をめぐる冒険』はほかの誰でもない、「僕」という個人の物語なのかな、と思います。 (同様に、十二滝町の歴史に登場する、アイヌ青年も私にとって印象的でした。 十二滝町の歴史の記述は、アイヌ青年の個人の物語でもあるのです。) 「僕」の物語に突然現れた「羊」は、僕という一人の確固とした個人の歴史に対し、 隠蔽された歴史、あるいは失われた歴史を表しているような気がします。 「羊」の大きな力により世界が左右されていることは、ほとんどの人が知り得ません。 そしてまた、この隠された歴史は、教科書に名を残すことのなかった個々の歴史にも 重なるところがあるかもしれません。
生き生きと「死んでいる」世界、と、死んだように「生きている」世界
意外な方向へ、意外な結末へ読者をいざなう、夢幻の御伽噺です。 前編では、大いに、ミステリアスな予感を持たせてくれましたけど、 後編を読み終わると、実際にはストーリーの真理は、 実はそういう娯楽小説的興味ではなかったということになります。 でも、後編のほうが、ワクワクしてのめりこんで読むことができました。 私が始めて読んだ村上春樹氏の作品、『ノルウェイの森』でも感じたの ですが、本作品、『羊をめぐる冒険』でも、生と死という生しいテーマを すがすがしくも、リズムを持った詩的な文体で描ききっていて、妙な夢的 感覚に襲われます。 他の作品のように、現実を生きる「僕」には名前がなく、「耳」の彼女も みんな、この世を生きているはずなのだけれども、生気がない。逆に、 「いるか」ホテルの支配人や羊博士、羊男や鼠なんかのほうが、どうも 黄泉の国に棲んでいる様子だけれども、彼らは生き生きと生気がみなぎる。 唯一、黄泉の国と、この世をつないでいるかのような、黒服男は、なんとなく 生きているような、死んでいるような、現実感を持っている。 いったい僕らっていう存在は何なんだろうか? そんなことを感じさせてくれる、不条理作品でした。
再会
久々に読んでみました。 札幌のホテルの様子に関しての描写は現在ではずっと変わってしまっているようにも思え、そういう意味ではノスタルジックな感じもしました。 クライマックスとなる山奥の別荘での再会は読む前からなんかウルウル来てしまいました。 とっても幸せなシーンですな。 いやはや、、、泣けます。 「泣ける自分がまだいる」というところに生きている意味を実感できるかも。。
おとなのおとぎ話で、ちょっとぞくっとする
10年ぶりに再読した。後半は一気に読んでしまった。同著者の「海辺のカフカ」のように、村上氏の作品の中には、なにかえたいのしれない、どろっとした悪が描かれている。暴力的でない、軽い空間なのだが、存在感があり、空気が冷たくなりぞっとするような感覚に読みながら驚かされる。再び読んだラストシーンも印象的だった。シンプルな表紙の絵の映画をずっと見ているような、村上ワールドに魅了される。
どの程度不自由なのか。
後半部では、北海道に到着して、いるかホテルで 羊博士に出会う。羊博士の「喰いっぷり」が良い。 実に「健啖」である。 人生のある時期に「破壊」を体験し、その後、 傍目からは、「不遇の連続」に見える様な人生を 送っていても、「生きているだけで天国」である。 更に、「僕」達は、問題の「別荘」へ。 羊男に出会い、そして鼠と再会。 最後に、エクスプロージョン!! 「黒服の男」が望んでいたものは 鼠の「弱さ」の強烈なオーヴァー・ドライヴに拠って 微塵に、吹き飛ばされる。 そして、「僕」は、北海道から戻り、 ジェイズ・バーに立ち寄り、 其の後、「喪失の浜辺」へ。 確かに、「星のある羊」に象徴されるものと、 日本近代史、特にアジアに対する外交、 或いは、日本人の精神史的レヴェルでの、 アジアに対する「態度」の問題は、 非常に興味深い。 しかし、10月の雪に埋もれた北海道の山奥の 「別荘」で、「引篭もった様に」、独りで待ち続ける 「僕」の日常生活が、延々と描かれた部分は更に印象的だ。 食事、掃除、ランニング...。 「日常」と言う「不自由」。 しかし、それ程、悪いものでもない。 この「日常」の場面は、丸で「冒険」には 為っていないが、結局の所、「僕」の帰り行く 「不自由」と言う「一つの場所」である。 「喪失の浜辺」が、現実に、完全に 失われて仕舞っても。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 「先生」が出版とマスコミを 支配する事で、戦後日本を 牛耳ろうとした事について。 「目の付け所」は良いと思う。 要するに「先生」は、広域で 話される・語られる「日本語」を 牛耳ろうとしたのだ。 単一の言語のみで意思疎通が 為される「村落共同体国家」を 支配するには、フツーに「上手い遣り方」 である。「村の言葉」を牛耳って仕舞えば、 「村」を、共同体として、牛耳る事が 可能である。何か、中高生の 「虐めグループ」と遣ってる事が 大して変わらんと言う気もするが...。 しかし、「先生」の支配の 及ばない「全き自由」の 領域が存在する。 それが「金融」の世界である。 『中流消失』の田中氏は 北大の学生だった頃、 1980年頃だと思うが 当時、既に其れを知っていたかも知れない。 また、日本の特質である 「地本主義経済」の部分が 完全に抜け落ちているのは、 如何にも、刊行された当時の 1982年と言う バブル景気以前の日本を 象徴的に表している作品だと 思う。ロバート・キヨサキの 『金持ち父さん』シリーズが 日本に紹介されて7年以上だが、 21世紀になって不動産投資を 多くの日本人が当たり前の様に 遣っている。バブル期には、既に 普通のサラリーマンが、 ワンルームマンション投資をするのが ブームに為っていたし。 其の意味では、「隔世の感」が 有り、ノスタルジックに読む事も 出来る。 タイトルでは「不自由」と書いたけれども、 Financial Freedom の時代である。

羊をめぐる冒険〈上〉 (講談社文庫)

[ 文庫 ]
羊をめぐる冒険〈上〉 (講談社文庫)

・村上 春樹
【講談社】
発売日: 2004-11
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
羊をめぐる冒険〈上〉 (講談社文庫)
村上 春樹
カスタマー平均評価:  4
独特の口調、リズムに、物語の推理性が加わった傑作
他の方のレビューとかを見ていると、どうも、私は 読む作品の順番を間違えているらしい。 本来は、『風の歌を聞け』、『1973年のピンボール』そして 本作品が一連の登場人物と、その物語らしい。それで、この後は、 『ダンス・ダンス・ダンス』を読む、というのが、正当な順番 だったらしい。 し、しまった。 とりあえず、『ノルウェイの森』に、なんとなく調子が似ている ような感じだったので、あえての大作『海辺のカフカ』を今回は 辞めて、こっちにしたのだが・・・・。 でも。ま。 やがては、どれも、読むだろうから、順番はいいか。 まだ上巻だけだから、書評を書くのもいかがなものか、 という気もしましたが、でも、文章はおもしろい。 人気があるのも、うなづける。嫌いな人がいるのも、うなづける。 なぜか? 語彙や文章が簡単。簡単な文章で綴っていく「僕」。 音楽や詩のように、日本語のストリームが流れていく感触が 心地よいのかもしれません。 でも、ときどき、独特の哲学のような、思想のような、物語の 亀裂、ノイズのような台詞、言葉がどかっと出てくる。 そんなところが人気の秘密なのかもしれません。それはさておき。 この『羊をめぐる冒険』は、物語としても、今のところ、ミステリアスで 読者の興味を引きます。乾いた感性の物語というか、独白、手紙、会話 で成りたっているのは、いつものとおりなのですが、一体、「鼠」が 「僕」に託した、北海道で取られた「羊」の写真に写った、謎の 星型をもつ、存在しえない羊、と日本の闇を牛耳るフィクサーが追い求める 羊との因果関係。 この謎が、結局、僕と彼女を、「鼠」が待つ北海道へと、運命的な旅立ちを 引き起こす。 早く、下巻を読まなくっちゃ。
初めての村上春樹
あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている二十一歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい“鼠”の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。 この本は美容師さんに薦められて読みました。 この本がきっかけで僕は村上春樹の言葉の世界に魅せられてしまった
ダンスダンスダンスを読んでからでは、ちょっと饒舌すぎるよう
10年ぶりに読んだ。ダンスダンスダンスほど高度資本主義に対する喪失感、あきらめ感がなく、言葉あそびというか、軽妙な文体でテンポよく物語が進んでいく印象を受けた。重力が少し減ったような村上ワールドが楽しめる。
我が青春の文学を48歳にして再読
我々が大学生だった1980年頃は大江健三郎が大御所的な存在であり、村上春樹は村上龍や片岡義男とともに、まだ一部の若者に支持されるだけの不確実な作家だった。あまり知的とはいえない友人に勧められて初めて読んだ時は、ただ軽くドライで気障な文章に拒否反応を起こした記憶がある。 その数年後、もう一度読んだ時に、実は意外に思想的に深くウェットな純文学だということに気付き、以後、すっかり作者の小説世界にはまっていた時期があった。 それから25年の時が流れた。 今、もう一度手に取って読んでみると、自分の青春時代が重なって切なく懐かしいけれど、決定的に時代が移り変わっていることがわかる。 気障でニヒルな登場人物たちは、重要な場面になるとやたらと煙草を吸っているし(しかもポイ捨て!)、スヌーピーのTシャツを着てしまっていたりする。レコードから流れている音楽はボズ・スキャッグス!ちょっと寒くなってくるような設定だ。今の大学生が読んだら、かなり違和感を感じるのかもしれない。 今、改めて感じたことといえば、彼は我々と同時代の作家ではなく、団塊の世代の代表者だったということだ。学生運動の敗北によって、喪失感を抱えて生きることを余儀なくされ、そんな我が身を嘆きつつ、ドライな次世代の若者に乾いたまなざしを送る、団塊の世代。 この話の中で、何も考えていない清潔で軽い大学生というのは、まさに我々の世代(団塊より一回り下)ということになる。皮肉なことに、村上春樹はこの世代に絶大な支持を受けて育った作家といえるだろう。本人が望んだかどうかは別として、彼は今では高校の教科書にまで載っている、日本を代表する文豪の一人だ。この《羊をめぐる冒険》にしたって、大学の授業で一年かけて講義しても良いような文化史的な小説になってしまった。時代背景、若者の感じ方、考え方の変遷、興味深い歴史的資料にすらなりつつある。 村上さん、思ったよりも女性に対する見方が軽い。妻も、ガールフレンドも、ただの小道具でしかないところが、女性読者としてはちょっとムッとさせられるところです。だから〈僕〉は逃げられちゃったってことなのかな? ストーリーについては、他の方のレビューを読んでいただければ十分でしょう。 こんな読み方もある、ということですが、内容に対する評価は☆4つ。 基本的な部分では共感、感動できる作品です。
荒野の羊
今読了したところです。素晴らしい作品でした。 思いつきにすぎませんが、この「羊」はヘルマン・ヘッセの名作「荒野の狼」の「狼」とほぼ同じものを指しているような気がします。 ニーチェのいう「権力意思」や「ディオニュソス的なもの」、バタイユの言う「エロティシズム」、三島の言う「死の権力意志」、コリン・ウィルソンの「絶頂体験」のような衝動です。人を聖人や革命家にもすれば、独裁者にもさせる「何か」。 人をして「日常」の内に満足させず、もう一つ上の次元を求めさせずにはおかないもの。生の根拠にもなれば、個人を破滅させるような宿業的な衝動を指しているように感じました。 あるいは「人が生きるはパンのみにあらず 言葉にもよる。」の「言葉」のようなものかもしれません。 また、ヘッセの「狼」とは別の要素、日本の近代における周辺異民族への侵略という要素も関係する物のようでもあります。 いずれにせよ、この「羊」は村上春樹の思想と表現の核心にあるものだと思います。

武士道 (PHP文庫)

[ 文庫 ]
武士道 (PHP文庫)

・新渡戸 稲造
【PHP研究所】
発売日: 2005-08-02
参考価格: 520 円(税込)
販売価格: 520 円(税込)
武士道 (PHP文庫)
新渡戸 稲造
カスタマー平均評価:  4.5
生き方の指針に出来る
私は孔子の『論語』が大好きなのだが、本書を読み始めて、『武士道』は『論語』の考え方が基礎になっていると知り、とても驚いたと同時に、表現しがたい喜びを感じた。 かくも日本人は素晴らしいのか、と。 誤解を承知で書くと私は『武士道』の思想を以下のように解釈した。 大雑把に分類しているので、多少の間違いには目を瞑って頂けることを願う。 義…自分の考えを持つこと「頭を使う」。『義』が強く出すぎると、頭が固く、他人の意見を受け入れられなくなる。 仁…思いやりの心「心を使う」。『仁』が強く出すぎると、人に流されやすく、依存する。 勇…決断すること「体を使う」。『勇』が強く出すぎると、荒々しくなり、他人の資源を奪う。 礼…相手に向かい合う姿勢「心を使う」。『礼』が強く出すぎると、ヘコへコし過ぎて、他人に媚びるようになる。 誠…約束を守ること「体を使う」。『誠』が強く出すぎると、小さいことにこだわり、束縛をする。 こうして見てみると、バランス感覚の難しさを実感する。私は他人に対する時の指針として、本書で学んだことを基盤にしていくつもりだ。 余裕があれば、孔子の『論語』も同時にお薦めしたい。 今は現代版に読みやすく訳した書がいくつも出ているので、自分の好みに合わせて選ぶと良いだろう。
武士道は日本人の精神の拠り所
昨日は”武士道”を読了した。欧州にはキリスト教、中国インドには仏教、中近東にはイスラム教があるが、日本はほぼ無信教であり精神の拠り所とするものが無いと思っていた。本書によるとそれに相当するものが武士道、神道ではないかとのことである。義、勇、仁、礼、誠、忠義等他人を思いやる言葉ばかりである。日本人の和を尊ぶ、共同体的社会の良さのルーツだと思う。改めて日本人のよさは武士道にあるのではないかと考えさせられた。
元々日本を知らない外国人向けなので、現代の日本人にもわかりやすい
日本は鎌倉時代から江戸時代の大変長期にわたり、一時期を除いて武家が支配する国であった。そして、武士道はその根幹を支えた思想である。ところが、武士道というのは、それそのものが聖書のような経典によって書かれて受け継がれてきたものではない。孔子の教えなども武士道の一部であって、すべてではない。しかも、当時の人たちはもうこの世にはいない。よって、武士道を知らない人がそれを知ろうとすれば、一般的には、「忠臣蔵」などの物語や史実をたどることによって断片的に理解を重ねてゆくか、あとは本書を読むのが手っ取り早い方法ということになる。 本書は、下級武士の家に生まれて海外で活躍した新渡戸が、日本についてあまり知識のない外国人向けに武士道について説明するために元々書いた本である。そのため、皮肉なことに昔の日本のことをよく知らない現代に生きる日本人向けのガイドとしても適した一冊となった。よって、難しそうな本だとしり込みする必要はない。訳も、今を生きる日本人向けにやさしく書いてある。 思想として共感する/しないは個人の問題だが、せっかく長い歴史を持つこの国に生まれたのだから、この国を長期にわたって支えていた思想について説明した本書を人生のどこかで読んでおくことは、無意味なことだとはいえないだろう。少なくとも、教養としては知っておいてもよいことだ。 本書を読む点で少し注意が必要だと思うのは、武士道が尊重されてきた背景にある実利的な部分については、十分説明されているとは思われない点である。武士道は精神的なものではあるが、それが維持されてきた背景には、武士道精神を守って忠義を尽くすことで、所領身分が安堵され、しかも自分の子供や孫にもそれを受け継ぐことができたという、武士たちにとって欠かせない実際上有利な点があったのだ。武士道精神を尊び忠義を尽くすことで自らが死んだ場合でもその子供については、そのような立派な親が育てた息子ということで高く評価されて奉公できる場合すらあった。また、武士道とはいっても、実際は戦国時代までは裏切りや寝返りは頻繁で、本当に厳格さを増したのは幕藩体制が確立した江戸時代である。つまり、武士道精神に従うということは、それ自体が時代にそって生きる上で役に立つ方法でもあったのだ。もちろん、支配する側にとってもその方が便利だったことは言うまでもない。 ということで、これはこれでひとつの思想として参考にはなるけれども、やはり時代が違うということも理解した上で読む必要がある。また、世界に優れた思想はこれだけというわけでもない。よって、武士道が日本の思想の中心であった時代とは異なる時代背景で生きている私たちの価値観は、現代を支配する様々な自由と制約の中で、私たち一人ひとりが探して構築してゆかなければならない。
知らなかった
日本の文化にこれだけ大きな影響を与えていたとは、全く知らなかった。様々な人の言葉を引き合いに出しながら解説されていて今までの読書の網に引っかからなかったのが悔やまれる。日本人として是非一度読んで頂きたい一冊。
この現代だから読み直したい
時代の違いを感じるところはあるにせよ、日本人の民族性をかなり適切に分析した本であり、この「日本人らしさ」というアイデンティティ的なものが失われつつある現代にこそ必要な本であると思う。 ただ、忠義の点などは時代の違いからなのか、私が個人的には受け入れられないところもあるので、その分、星を控えた。

竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)

・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-09
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  4.5
一介の剣客、竜馬
一剣客としての名声を竜馬は手に入れたが、まだ志すべき道は定まっていない。 同郷の武市や長州の桂らが活躍する中、模索している限りであるが、日本を変えたいという ゆるぎない大志が気持ちいい。 いよいよ脱藩して、ある意味では自由となり、当時唯一の“日本人”としての活躍が待ち 遠しい。
やはり若者に読んでほしい
竜馬の幼馴染の武市半平太が藩を勤王化しようと行動し、吉田東洋暗殺を計画する。一方竜馬はまだ自分がどのような形で日本のために役立つかは定まらず、ただ武市のやり方には限界を感じ脱藩を決意する。 自分に活かすとすると、自分のやりたいことを見つけるには、やはり座していては何も見えてこないので、見聞を広めるために行動を起こすこと、たとえ一人であっても自らが正しいと思えば行動を起こすことなどがあるでしょうか。やはりこれからの未来を担う若者にも読んでほしい一冊。
国民的名作第2巻、竜馬脱藩・土佐から日本へ
江戸での剣術修行を終えて土佐に戻った竜馬。何かをしなければいけない、何かをなしたい、でも何をしていいか分からない、といった状態が続きますが、一方で、盟友・武市半平太は明確に尊王攘夷の考えをもって土佐藩をリードしようと画策します。しかし、竜馬は、土佐藩の旧弊、幕藩体制の限界を見抜き、視野を「世界のなかの日本」に求め、ついに脱藩します。 土佐藩の勤皇の志士たちの不幸は、ほとんどが藩政に関わることを許されない郷士で、そのことが薩長との違いでもあり、そのことが彼らの多くが非業の死をとげた背景でもある点です。本書ではこうした土佐藩の特殊性が随所に描かれますが、そのなかからでも竜馬や半平太、中岡慎太郎、岩崎弥太郎など人物を輩出したことに土佐の底力を感じます。
姉弟の絆の強さに、心惹かれる
坂本竜馬の物語、全8巻の2冊目である 2冊目が描くのは 江戸での残り少ない剣修行の日々から 土佐に戻り、考えた末脱藩するシーンまで 冒頭竜馬は、無二の友である武市半平太と、堅物の中岡慎太郎と酒を飲む 無用な一言で、竜馬と中岡が一発触発の事態となるが 素朴な思いと実直な行動で丸くおさめ 凡人にはとらえることができない 一人の魅力的な男を際立たせる 土佐までの旅は、やっかいな人物を抱えてしまい 追手と対峙したり 憧れの人と出会い、料亭で落ち合ったりする 若さゆえに巻き込まれてしまうその場面に 竜馬は竜馬らしくふるまおうと もがきあがいている 脱藩は自分だけでなく身内も巻き込む違法行為 自分、身内、友、将来との関係に、どうケリをつけるのか 離れていた竜馬の心と行動が やがて一つになっていく 風雲急を告げている 弟のために決意する姉の行動に、心打たれる 姉弟の絆の強さに、心惹かれる
猛進する武市 脱藩する竜馬
北辰一刀流千葉桶町道場塾頭にまでなった竜馬も土佐へ・・・普通は安穏と自分の道場を開き町の尊敬を集め、というのが成り上がりコースな訳だが竜馬の頭にそんなコースは細すぎた。 軟弱だと思い込んでいた公家の、平然と命を張った密書運びに巻き込まれた竜馬は「男とはあれだ」と目をむく。が、いまだ己の道が見えない。 かたや土佐藩きっての大物武市半平太は勤王党をつくり参政吉田東洋を暗殺するまでにいたる。幼馴染として歩んできた二人の道が徐々にずれ始める。 「現実的」という一点が竜馬の関心事だ。 武市の暗殺計画にも「それで何か変わると思ったら大間違いじゃ」と袖を分かつ。 この本が面白いのは後の明治政府で政治家としての顔しか私が知らなかった名士たち歴然とした武士としてそれぞれの藩に存在する妙を感じることが出来ることだ。 板垣退助が土佐藩はじまって以来の手に負えない喧嘩武士だったことも知らなかったし、後の日露戦争総司令官大山巌が弥助として登場してくるのも驚かされる。そう考えるとこの時代と言うのは本当に濃密過ぎるほどの時代だ。 竜馬脱藩 ようやく日本人として歩みだす。

三国志〈1〉 (吉川英治歴史時代文庫)

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三国志〈1〉 (吉川英治歴史時代文庫)

・吉川 英治
【講談社】
発売日: 1989-04
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
三国志〈1〉 (吉川英治歴史時代文庫)
吉川 英治
カスタマー平均評価:  4.5
全8巻の読破もあっという間
わかりやすい文章表現と人物描写の巧みさ、中だるみのないストーリー展開により、とにかく楽しめる作品に仕上がっている。全8巻の読破もあっという間だろう。そして、人間の生き方や歴史の変転に思いを至らすだけでなく、「泣いて馬謖を斬る」の由来を知ったりして、教養も深まると思う。 「劉備=善、曹操=悪」と言う観点が強すぎ、勧善懲悪ものに単純化したかのような傾向が無いわけではない。そこが難点と言えば難点か。 (これは1?8巻を通してのレビューです。)
入門者には不向き
日本人にとって三国志の原点とされている吉川三国志。 しかしながらこれから三国志を知ろうという方にとっては敷居が高くお勧めできません。 昭和10年代に書かれたものなので文体も古めかしく、挫折率が相当高いです。 「読破すること」自体が目的にならないように・・・ 入門者にはこちらがおすすめです ★横山光輝三国志…吉川三国志とほぼ同じ内容。漫画のため非常に読みやすくわかりやすい。              三国志入門には人形劇と共にオススメ。 ★人形劇三国志…映像系三国志の最高傑作。人形劇とはいえ大河ドラマ級の本格的な作りであり             芸術作品の域だといっても過言ではない。 ★北方謙三三国志…読みやすい小説三国志。人物の心理描写まで詳細に描かれた秀逸な出来。              ただクセが強いので好みがわかれる。
三国志に神を見た
吉川英治を読んでから司馬遼太郎を読んだ時に落差は今でも忘れられない。「読み終えたくなかった」本の筆頭がこの三国志だ。底本はおそらく三冊程度だろう。この圧倒的な表現力。今の作家のだれがこれに比肩しうる表現力を持っているのだ。吉川英治は神だ。文句はあるか?
諸葛孔明
三国志 一度読んでみたいと思っていましたが映画 レッドクリフのコマーシャルを見て決断し購入し一気に読み終えました。歴史の時間に習った知識も薄れていたのですが 劉備?確か教科書にでてたな曹操も聞いたことあるな 張飛?知らないな といった知識で読み始めたので本当にワクワク興奮しました。唯一知っていたのは諸葛孔明だけでした。諸葛孔明の事をもっと知りたいと思い三国志を読み始めたのでしたが諸葛孔明が出てくるのは全編8巻の後半でした。前半は曹操にあこがれながら読んでいましたが、後半の孔明を知り本当に感動しました。今まで持っていた孔明に対する思いは非常に賢い人間というイメージでしたがこの本を読んで孔明の頭の良さに感銘する以上に彼の人間性の素晴らしさに感動しました。本当に孔明のような人は過去未来世界中探しても中々でてこないでしょう。もちろん三国志が浪花節の要素を踏まえており史実に必ずしも後付けされていない部分も多いことを考えてもです。 八巻の最後、吉川英治さんの孔明に対する評価偉大なる凡人のところにでてくる老人の孔明にたいする言 孔明は普通の人となんにも変るような事はありませんでした でも彼が死んだ今になって考えると あのような人はこれからもう二度と現れないのじゃないかと思うのです という 言葉は本当に孔明の人物像を表しているように思いました。 今の世の中にも孔明のような政治家が出てきてくれるとよいのですが。
三国志には詩がある
1989年4月11日リリース。『桃園の巻』と『群星の巻(前半)』からなる。吉川三国志は劉備・関羽・張飛の桃園の義盟で始まる。時は日本では卑弥呼が邪馬台国を統治していた頃、中国では後漢末期にあたる。 まず苦言を呈したいのは新装五巻分冊となった今の文庫はその始まりたる『序』を無下無謀にもカットしてしまった。最終巻では『篇外余録』をカットしてしまった。これは吉川三国志を単に理解していないだけでなく、作者の意図というものに対する出版社の使命というものも無視した愚行だ。故に真の吉川三国志を理解するには作者の意図の通り編した旧八巻分冊のものしかありえない。 『序』で吉川英治はこう言っている。 『三国志には、詩がある。単に膨大な治乱興亡を記述した戦記軍談の類でない所に、東洋人の血を大きく搏つ一種の諧調と音楽と色彩とがある』 正にこの『序』にこそ吉川英治の三国志に対する私信が集約している。この『序』なくして吉川三国志にあらず、だ。

斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇 (文春文庫)

[ 文庫 ]
斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇 (文春文庫)

・太宰 治
【文藝春秋】
発売日: 2000-10
参考価格: 690 円(税込)
販売価格:
斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇 (文春文庫)
太宰 治
カスタマー平均評価:  4.5
走れメロス
自分の中で結局のところ太宰の一番の作品は走れメロスです
エンターテイメント性を読み解いてこそ
「人間失格」のような作品ですらも、エンターテイメント性を失わないところにこそ、太宰の凄さがあり、同時に彼がどれほど病んでいるかを示しているように思います。
ギュッと詰まった太宰の世界です
 39歳で逝った天才作家の作品を11作品も納めた贅沢な文庫です。使える時間と気分に合わせて順不同で読むのがお勧めです。  「満願」「葉桜と魔笛」は女性の心理を見事に描いた短編。「トカトントン」「ヴィヨンの妻」はユーモアが溢れ、「人間失格」「斜陽」は、太宰の自己表現の代表作として、重く、読み応えがあります。  左ページの左端の注釈はとても分かりやすく、思考を中断せずに読み進めることができます。また、巻末の「太宰治伝」や「作品解説」、年譜は、太宰をより深く知る手掛かりとなります。今年は、太宰生誕100年で、作品の映画化も複数あるとか。かつて読んだ太宰作品を読み直したり、未読の作品を数多く読んだりしてみたくなりました。
お子様の読書にいかがですか
夏休み前に買い、さり気なくリビングにおいて置いたら、こどもが読んでいました。 こんなことを書くとトシがばれそうですが・・・小学生時代の国語の教科書には太宰はひっぱりだこでした。理由は明確。彼の作品は、低学年にも、(無論成人にも・・・)読みやすいんですよ。うがった言い方をすれば、アタマが悪いヒトでも、漢字や熟語、嫌味な文学表現(!)をたいして知らなくても(笑)読めるし、書評できるんですね。この時代にエンターテイメントの本質を体現していたんだから、たいしたもんですねー。 もちろんいいオトナが、今読んでもおもしろいですよ! DVD、ゲーム、PC、テレビ漬けのあなた!(もしくはお子様) 秋の夜長に、お気に入りの珈琲でも淹れて、”読書を堪能したゾ!”っていう充実感を思い出すのには最適の一冊ですよ。(かなりオトクなパッケージになってます)
私の好きな作品は・・・
"人間失格" と "走れメロス" が好きな作品です。 最後は、人間でなくなった話とハッピーエンドで 終わった話ですが、しかし、似ている。 全然逆の終わり方のように思いますが、似ている。 すべての作品にいえることですが、人間の本性を 現しているような作品だからです。 そしてこの作品はすべての人間に当てはまるので はないかと思うのです。 うまく説明できませんが、周りの人間の反応を見 ながら自分もそれに合わせるような経験がそれに 当てはまるのではないでしょうか。 本の最後を見るとかなりの作品を残していること に気がつきます。 本書はごく一部の作品だと言うことになります。 ほかの作品も気になるところです。 作者本人が登場する作品の多いこと多いこと。

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 更新日 2009年7月8日(水)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク