|
[ 文庫 ]
|
竜馬がゆく〈5〉 (文春文庫)
・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-10
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
|
・司馬 遼太郎
|
カスタマー平均評価: 4.5
歴史の動き出す瞬間 池田屋の変、蛤御門の変と血で血を洗う維新の歴史がいよいよ本格的に動き出している。
そんな中で、竜馬は西郷隆盛と出会い、いよいよ幕末の英雄たちが顔を揃えたといって
よいだろう。
歴史が動き出す瞬間がこの巻にあるといってよいだろう。
血なまぐささの増す五巻 池田屋の変、蛤御門の変と血なまぐささが増すが竜馬の現実的思想はより冷徹さを増してゆく。
激動する長州に潜入し若々しい猛々しさで報告する中島作太郎に「死を賛美するな。土佐っぽは死を急ぎすぎる。これからの時勢はもはや決死剽悍の暴漢だけでは間に合わぬ。土佐っぽの落ち着きの無さをいい加減捨てよ」と説き、逃げた桂を「さすがだな、逃げることを知っている」と評す。
西郷、大久保による薩摩藩の手練手管の外交術は観念主義一辺倒の長州を赤子の手を捻るかのように駆逐していく。
司馬遼太郎をして「革命のために生まれた男」と評された高杉晋作も面白い。「ほかのどの世でもこの男は役に立たない、乱世の革命時にのみ光る」高杉の天才と言われる所以が随所に溢れている。
五巻に入りそれぞれの人物が一気に加速し動き出し接触しだす。
坂竜飛騰。縦横無尽に志士たちが飛騰する。
長州人の美学に巻き込まれてしまいそうだ 坂本竜馬の物語、全8巻の5冊目である
5冊目が描くのは、池田屋の変
尊皇攘夷派であり、クーデターを企てていた
長州・土佐藩など20数人を
新撰組が襲撃した事件である
著者はこの事件について、こうまとめている(P120)
幕末争乱の引金がひかれた。
ひいたのは、新撰組であるといっていい。
坂本竜馬は、事件の現場には、いなかった
しかし、友を殺され、時代が動いた
竜馬は、勝海舟と話し、西郷隆盛と出会う
脱藩者が藩を超えた日本を考える
長州人の生き様が、活き活きと書かれている
長州人の考え方に、つい巻き込まれてしまう
その命を捨てる美学に酔ってしまいそうだ..
国民的名作第5巻、西郷との出会い 第5巻前半は、京都で飛ぶ鳥をおとす勢いだった長州が失脚するひとつの転換点となった、池田屋の変、蛤御門の変。そこで描かれるのは悲しいことに、新しい日本国を夢見た若者たちが次々と死んでいく場面です。ほとんどの志士たちがいまの私より年少であることに胸が締め付けられます。
一方、竜馬は師・勝海舟の導きで薩摩の西郷と出会います。出会った二人の会話と「間」がなんともいえず二人のキャラクターをうまく表現していて、感情移入できます。
物語ももうすぐ佳境にはいってきますが、ちょっと中だるみした感じの第5巻でした。
復帰しました第五巻! 長い長い「竜馬が行く」にちょっと息切れしてしまい、途中で断念しかかったこの五巻。
大人気の大河ドラマ篤姫にも影響されて、半年振りに竜馬の世界に復帰しました。
で、感じたのは、やっぱり面白いということ。
篤姫を観ることで徳川側からみた幕末を知り、この「竜馬が行く」を読むことで倒幕側からの幕末も同時に知ってくると、両方が非常に面白くなります。
幕末という時代は、司馬さんが本の中で『維新史は、その歴史そのものが壮大な戯曲である』と、言っている通り、本当に面白い!
とくにこの五巻は竜馬というより、幕末という時代を主役に据えている印象が強い巻なので、その維新史の面白さが存分に味わえます。
池田屋の変、蛤御門ノ変、長州や薩摩の動向、新撰組、高杉晋作、来島又兵衛、司馬さんが、『神が幕末の混乱を哀れんで派遣した妖精』と例えた勝海舟、そして西郷隆盛。
『評するも人、評せさるるも人』。
竜馬に西郷の印象を尋ねた時の返答を聞いた勝海舟が残した言葉がこれ。
さて、竜馬は西郷をどうみたのか。
そんな幕末の主役、二人の対面が書かれているのがこの五巻です。
様々な人物に焦点を当てるだけに、ストーリーとして流れに乗って読み進むことが難しかったこの五巻ですが、そこがまた読み応えがあり、またそこを超えると徐々に薩長同盟あたりに触れてくるので、俄然面白くなってきます。
このまま一気に突っ走れそうです。
|
|
[ 文庫 ]
|
竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)
・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-10
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
|
・司馬 遼太郎
|
カスタマー平均評価: 4.5
目的のために手段を選ばず 大政奉還、船中八策と理想の日本にするべく竜馬が駆けずり回る、まさに幕末史の
クライマックスである。
一度竜馬が見切りをつけたはずの土佐藩だが、竜馬は後藤象二郎、板垣退助といった人物
たちと協働していくこととなる。
この事象だけを見ると竜馬の変節のように見えるが、これまでの理想の実現という目的の
ためには、手段に関する小さなことにこだわらないという点では、一貫した主義を貫いて
いる。
そして、佐幕と勤王のどっちつかずという中途半端な状態にある土佐藩にここでも利を
もって説得にあたっている点でも竜馬のやり方には変りがない。
海援隊も土佐藩によって設立され、いよいよもって歴史は大政奉還に向かっていく。
金を求めている、船を求めている、未来を求めている 坂本竜馬の物語、全8巻の7冊目である
7冊目は、徳川慶喜が江戸幕府
最後の将軍に就くところから
金を求めている、船を求めている、未来を求めている
そんな竜馬を
見捨てたはずの土佐、お慶という商人、先の見えない幕府が
それぞれの利益のために、竜馬を追っている
経営者でもある竜馬は、
現在から未来へという時間軸と
九州から、京、大阪、江戸へと続く空間軸という二軸を捉えながら
現実解を得て、前へ進んでいく
竜馬が「大政奉還」を思いつくまでの苦悩がいい
そして、決めたが最後、火の玉のように周りを説得する姿がいい
海援隊と大政奉還 薩長同盟ですら世を震撼させる奇抜なアイディアだったが、竜馬はそれに土佐の軍事力を背景にし幕府自身に大政奉還させるという荒唐無稽な考えをひねり出す。内戦をすれば国力が弱まり隣国中国やインドのように植民地として蝕まれ列強各国は今か今かとそれを待っている、という時勢勘をもとに必死にそれぞれの立場のものを説得し納得させていく。浪人という垣根の無い身分がここでも威力を発揮する。
面白いのが土佐の後藤象二郎だ。放蕩過ぎる金の使い方と壮大野放図すぎるその性格が魅力的で自分が散在したしたとんでもない赤字を全て岩崎弥太郎に押し付けてしまうという解決策も凄まじい。それがその後の三菱の礎になっていくので岩崎弥太郎という男はとんでもない男だ。
竜馬は反面何もないがアイディアだけは湯水のごとく出てくるという不思議な男。船すらないのに海援隊を作り上げことごとく人の褌で相撲をとる。やっと手に入れたいろは丸が紀州藩の船に事故を起こされ積荷ごと沈没したときには「ことごとく不運の男だなぁ」と思ってしまう。
そして、長州の雄、高杉晋作が結核でこの世を去る。その辞世の句が素晴らしい。
「面白き こともなき世を おもしろく」
国民的名作第7巻、奇策「大政奉還」と船中八策 幕長戦争の海戦に参加した竜馬は船を失い、亀山社中も休業状態となりますが、九州列藩や長崎の女商人・お慶など新たなスポンサーを得て船を購入します。しかし、せっかく手に入れた「いろは丸」も海上での衝突事故で沈没。竜馬は公法をもってこの事故を裁くことにこだわります。竜馬の先見性が垣間見れるエピソードです。
後半は、土佐藩が薩長の動きに乗り遅れないよう、脱藩した竜馬に頭をさげてきます。そして、竜馬は薩長の動きを封じる奇策「大政奉還」を提言し、「船中八策」といわれる提言書をまとめます。
この8か条は後の日本をつくった背骨になる考え方ばかりで、完全な「デモクラシー」を志向している内容であることに驚きます(太平洋戦争敗戦後でも十分通用する基本的な考え方ばかり)。
歴史小説であるため、多少劇的に描かれていることを割り引いたとしても、日本が諸外国の脅威にさらされていた維新のこの時期に、坂本竜馬をいう人物を得たことに奇跡を感じてしまう第7巻です。
行動と多くの出会いで人生は変わる 幕末物は新選組関連しか読んだことがなかったので、この作品を読むと同じ幕末時代に生きていたとは思えない程、さまざまな人物、思想、各藩の政治問題が書かれています。(時間を置いて読むと記憶を取り戻すのにちょっと苦労(汗))
なのでこの作品で幕末時代の生活がよくわかり、とても勉強になりました。(新選組はかなり閉鎖的な世界。私自身保守的なのでこちらの方が共感はしますが)薩長といえばお金があり改革派ということは知っていたのですが、長い間ずっと犬猿の仲で連盟するのにものすごく手間と時間がかかったことや、「海援隊」とは何をするか、どんな目的で結成されたか、どのような人物がいたかが書かれており、この時代に幕府以外が貿易という考え方、行動をすると犯罪・死刑に値するほどのことなんて知りませんでした。(それを薩長はやっていたのでいわゆる密輸)
この巻には「お慶」の章があるのですが、この人物は長崎きっての美人女商人38歳。(生まれはお嬢様)でまだ鎖国体制の25才の時に上海へ密航、その後日本茶の輸出で富を築き、一人身ながら大屋敷を持ち、着道楽、仏製香水までつけていて、彼女だけに限らず困難な時代でも努力はもちろん、行動・人との関わりで情報・時機を見極めることで人生が変わるのだなと思い、私も見習わなきゃ!という気にさせられました。
でもこの作品にありがちなんですが、いつの間にか人物がフェードアウトしていき、お慶も少ししか出番がなくて寂しい・・(特に3巻あたりからずっと薩長土の人達はもちろん、天皇家、幕臣、外国人までいて全員の名前は覚えられないです)
ちなみに後半に竜馬がワインを飲んでいます。
|
|
[ 文庫 ]
|
三国志〈2〉 (吉川英治歴史時代文庫)
・吉川 英治
【講談社】
発売日: 1989-04
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
|
・吉川 英治
|
カスタマー平均評価: 4.5
曹操 劉備や関羽などの第一巻で主役を成した登場人物を押しのけ魅力たっぷりな人物曹操が登場します。自らを乱世の姦雄と認める彼は成長するにつれ自分の才能と運を生かしやがて世の中を動かして行きます。三国志はの時代を素直に見れば曹操が主人公でしょう、後半出現する孔明と劉備の出会いがなければ歴史はどうなっていたのでしょうか。いろいろ想像しながら読めるのが歴史小説ですよね。
傾国の美女貂蝉 1989年4月11日リリース。『群星の巻(後半)』と『草莽の巻(前半)』からなる。この巻では圧倒的な強さをみせる呂布が中心で、その呂布を董卓から引き離すために貂蝉が登場する。おそらく『三国志』で最も印象に残る女性はこの貂蝉ではないか、とぼくは思う。貂蝉にすっかりまいってしまう呂布がどこか微笑ましいし、目的を達して死んでいく貂蝉にも感じ入る。
これを機に呂布の時代が来るわけだが、呂布は貂蝉を忘れられず、貂蝉に似た女を娶ったりもする。張飛もそうだが呂布のこういうところが男の純な一端を見るようで好きだ。
現代にも袁紹や董卓のような輩は跳梁跋扈している。見ているだけでイヤになる。だから余計にどこか純な呂布や張飛に惹かれてしまうのはぼくたけだろうか。
大きく動く! 董卓が死に、曹操、孫策がどんどん強くなっていきます。
三国時代につながっていく序章というところでしょうか。
読めば読むほど先が読みたくなります。
呂布は強いなあ 第2巻は黄巾の乱が治まって、その後に実験を握った董卓が暴政を行い、その董卓と他の豪傑たちが戦うという辺りがが描かれています。メインとなっているのは、董卓の家臣である呂布がとんでもなく強いので、董卓と呂布を仲違いさせるべく、貂蝉という美女が二人に色目を使って騙す物語です。この部分は実話ではなく、貂蝉も実在の人物ではないそうなのですが、三国志のひとつのクライマックスと呼んでも良い盛り上がりを見せています。
この巻では玄徳がいまひとつ目立たないのが玉にきずなのですが、曹操、袁術、呂布といったライバルたちの性格が徐々に明らかになって来ていて、今後に対する興味をつなぎます。
勢いに乗る曹操 若かりし曹操が力をつけていく様が力強い文体で描かれていく。途中、いなごの大群が出てきたりして、そういう不確定要素が歴史の舞台に登場してくるのが面白い。
|
|
[ 文庫 ]
|
深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
・沢木 耕太郎
【新潮社】
発売日: 1994-03
参考価格: 420 円(税込)
販売価格: 420 円(税込)
|
・沢木 耕太郎
|
カスタマー平均評価: 5
わたしは「コレ」で、会社を辞めました。 19歳の時、この本を読んだ。
僕も26歳になったら旅に出よう、と思った。
26歳になった。深夜特急はしょせん夢だった。僕は現実の世界に生きていた。
29歳、もし明日死ぬとしたら何がしたい、と自分に問いかけた。
そして僕は、香港へと旅立った。
興奮の醒めない旅へ これを読むのは10代でないといけない。もしくは25歳までに読まなければいけない。
旅の静けさ、熱気、胸の高鳴り。すべて私は感じてしまう。活字を追っているだけなのに。進むにつれてそれは徐々に薄くなるのだが、それでも私の心ははるか遠くのシルクロードにあるのだ。これを読むと必ず旅に出たくなるだろう。私はこのような刺激に遠ざかっていたし、それを求めていたのかもしれない。私が26歳になったときには、興奮の醒めない旅へ出たい。
人それぞれ、旅の情景が、ある。だけど 私が海外に行ったのは、ほぼ沢木さんの書いている内容とかぶっていた。
21でシンガポール・25で韓国。ここまではパッケージツアーだった。
そして29で、中国は珠海(マカオの隣の、中国の町です)に渡り、そこで暮らした。
それまでの2国は、まぁフツーに歩いただけだったけど、
国境一つ越えたとこにある香港とマカオは、「深夜特急」以上に刺激的だった。
この本を読むたびに、口にするのはおこがましいが、私と沢木さんは見事に同じようなことをやっていた。
「香港はエネルギーがいる」だけど、その刺激がたまらなく、いい。
私はその熱気にやられた旅人。いや、珠海住み着いたから旅人じゃなかったんだけど。
そこで女に恋し、熱い思いもした。
いつも、ビクトリアピークは美しかった。
ジャッキー・チェンの手形は、意外と小さかったのも知った。
マカオの海の匂いは泥臭く、香港は潮くさかった
読んでいると、出てくる情景は自分の旅だった。
流浪願望を焚きつける魔書 オリジナルは1968年5月リリースの『深夜特急 第一便』。本書はその前半部分を文庫化したもので、1994年3月25日リリース。文庫化の巻末には『香港』で名高い山口文憲氏との『出発の年齢』と題する1993年11月に実施された対談が加えられている。
本書は正に『流浪願望を焚きつける魔書』と言えるだろう。日々凡々と繰り返しで変化無い日常を過ごしている人間に、何故旅に出ないのか、という無言の力を放っている。おそらくは複数の人間は日常を切り上げ、旅立つことをしてしまっただろう。生きている、というのはそういうことではないか、と思える。
本巻では主に香港・マカオが描かれているが、無計画な体験が外連味無く、瑞々しく描かれ本当にステキだ。特に『大小』に魅入られていく姿と、取り巻く人々に『人』そのものを感じてしまう。何度でも読み返してしまいそうな唯一無二の作品である。
学生のうちに読んでおけばよかった…と思う本ナンバーワン。 社会人1年目の頃に読みました。
で、猛烈にこんな旅をしたくなるのですが、まぁこんな旅をしたくとも、女子の海外一人旅はちと厳しいってところもありますし、会社入っていきなりやめるわけにもいかず、時すでに遅しで、憧れだけが募りました。
会社を辞めて旅へ出る行くほどの勇気もないので、以来せっせと夏休みを利用して旅行を続けています。
できれば、今現在学生さんの人に、是非読んで欲しい本です。
|
|
[ 文庫 ]
|
国境の南、太陽の西 (講談社文庫)
・村上 春樹
【講談社】
発売日: 1995-10
参考価格: 540 円(税込)
販売価格: 540 円(税込)
|
・村上 春樹
|
カスタマー平均評価: 4
おりかえし 村上春樹は有名すぎて、「自分の感想に自信がもてない・・・」という妙な感覚が
あるのですが、この作品は心を通るものでした。多くのことをおきざりにしながら、
手に入れてきた現実・・・そこから時折、逃げたり飛び越えたりしたくなる・・
自分がそんな年齢だから、響くことが多かったです。
人生の長さを感じる 物語の筋だけをいえば、
主人公が恋をして、恋をしながら学生が終わり、社会人になり、年をとり・・・
その間には、住む場所が変わったり、仕事が変わったり、
お金や車も、昔とは全然違っていく。
でも、10年たっても、20年たっても、40年たっても、
最初の恋を忘れない。
何度読んでも不思議な本で、人生の長さを、
そしてやはり、「人生は短い」と感じさせてくれる本。
だって1つの恋も忘れないうちに、どんどん年ばかりとっていってしまうんですから。
村上春樹氏の作品、初読 瑞々しい文章を書かれる作家さんと聞いて、店頭で何気なく購入してみました。
その際ページをパラパラと捲って中身を軽く覗いてみたのですが、一行あたりの文章量が多く、「読むのに疲れそうだな」と思いました。
ですが、読了後の感想としましては「買って良かった」の一言です。
購入前気になっていた文章ですが実際のところ、一文一文はさっぱりとしていて余計な付属品がなく、単純に読み進めているだけで面白味がありました。他の方の言うとおり、確かに登場人物たちの会話はどこか冷静すぎて、一つの問いかけに関してまるで一週間ほど家で考えてきたような印象を受けます。が、私としては逆にそこが良かったですね。
物語については……購入される前にあれこれ言ってしまうのはどうかと思うので、少しだけ。
少なくとも二十一歳男性の私でも共感、感心するものが随所にあり、決して年齢を選ぶような作品ではないと思えます。そのあたりで購入を検討されている方にはお勧めしたい作品です。
自己増殖していくシステム 読んでみて、この本での一番の重要人物は有紀子の父なのではないか、という気がしました。そして、彼に教わった「自己増殖していくシステム」との「僕」の闘いが描かれているように思われます。その過程で「僕」は多くの人を傷つけてしまう。そういう風に、というより、そういう風にしか「僕」は生きていけない、という点が重要なのではないか、と思いました。
『国境の南』を聴きたくなりました。
「大人であること」をポジティブに書いた良作 春樹作品の中で、最も認めている作品のひとつです。いつもと同じように内向的で欠如を抱えた主人公が、これまで出会った重要な女性達(=初恋の人、初体験の人、妻)を愛したり傷つけたりしながら、大人になってしまった自分の社会生活や家庭と向き合っていくストーリです。
自分ひとりで煩悶し、妻に問いかけることが全くなかった主人公が、妻にそのことを指摘されてからのポジティブな感じが、他の春樹作品には余りない読み心地を生んでいます。
「少年が大人になること」をいつも書いている作者が、一人の男が「大人であろうとすること」に焦点を当てて書いたこの作品の持つ、「救いようの無さ」と「救いの感じ」の両面性が好きです。
|
|
[ 文庫 ]
|
竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)
・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-09
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
|
・司馬 遼太郎
|
カスタマー平均評価: 4.5
激しさを増す世の中でただ独り我が道を行く いよいよ騒乱の時代へと世の中が変わりつつあり長州の勢力が弱まり、土佐の勤王党が倒れ、
京都では新撰組が縦横無尽に走り回る。
しかし、竜馬はそんな騒がしい世相の中で、いよいよ軍艦を手に入れ、神戸に海軍塾を作る。
自らの志に向かうべく独自の道を歩み続ける竜馬の姿に本当の勇気や強さを感じざるを得ない。
国民的名作第4巻、浪士海軍誕生 勝海舟の支援を受けて神戸の海軍塾で志士たちを集める竜馬。時勢がくるのを待ちつつ、軍艦を手に入れようと幕府要人や諸国大名などと知己を得ます。一方、幕末の世は一気に血生臭さを帯び、京都では新撰組が勤皇の志士たちを取り締まり始めます。そして長州のクーデター失敗と佐幕派の復権。土佐藩でも藩父山内容堂が帰国し勤皇派(というか倒幕派)を粛清、竜馬の盟友・武市半平太も切腹を言い渡されます。
いよいよ竜馬の活躍の舞台も海上に移り、幕末の風雲も吹き荒れ始めますが、千葉道場さな子との恋がその緊迫感を多少なりとも和らげてくれる第4巻です。
海から日本を眺め始める 坂本竜馬の物語、全8巻の4冊目である
4冊目が描くのは
勝海舟とともに、海軍塾を開き、船を浮かべる場面
念願であった自分の船を手に入れ、文字通り海から日本を眺め始める
凄惨な話が一つ
袂を分かった武市半平太とその仲間が、切腹に追いやられる
信念を貫き、死でさえも、その表現の一つとした武士たちが
時代の変わり目で消えていく
竜馬は、死を、かわしていく
生きながらえるためではない
大望を果たすために、である
新撰組とすれ違うシーンがいい
人ではなく、時代と戦っている竜馬に
土方や沖田が翻弄されている
竜馬飛躍の前と盟友武市の死 それにしてもこの時代の志士達は尋常な神経ではやっていけない。
真剣で斬られる局面を幾度も切り抜けてきたものだけが幕末後の明治という世を見ることが出来た。
竜馬も例外でなく結局は斬られてしまうのだが、それまでに何度斬りすてにされそうになったか、両手でも足りないほどだ。
そりゃ胆力もつくわな。
土佐では、京都での長州失脚すなわち勤王派の勢力ダウンという時勢に変わった瞬間、山内容堂による土佐勤王党の弾圧が始まる。
そして竜馬の盟友、武市半平太は切腹させられる。
観念的な思想にもとづいて動いた武市と、現実的視点のみで動く竜馬との差が結局ここまでひらいてしまった恰好になる。
その点勝海舟という幕僚と竜馬は恐ろしいほどの共通点があった。耳を信じず己の目で見たものから思考する。
4巻でも思わずほろりと来る場面がたくさんあるが中でも、法螺と馬鹿にされても軍艦を手に入れるといい続けた竜馬がやっと本当に軍艦を一隻手にしたときの描写は笑いながら泣かせられる。陸奥とのやりとりも漫才のようで面白い。
「俺には仕事があって、生死などはない」は素晴らしい一言。
司馬さんの竜馬評も楽しい。
「竜馬ほどおしゃれな男はまずすくない。ただおしゃれの才能が皆無なだけで、その気分は満々とあるのである」思わず声をあげて笑ってしまった。
新撰組登場! 「あの男は斬れませんよ。」
とは新撰組の沖田総司が土方歳三に言った言葉。
竜馬が新撰組と狭い露地で対面した時のこと。
「死なぬような生き方をしたい」と言った竜馬を、時代が必要としていることを感じたひとコマでした。
まるでマジックのように一日で長州が京から追われ、いよいよきな臭さが漂い始めた第四巻。
幕末へ。
読み応えがあった。
「天が血の犠牲を求めている」と、竜馬。
その犠牲になった竜馬の親友、武市半平太。
彼が生き続けていた明治を見てみたかったと思った。
そしてこの巻の特徴は、作者司馬遼太郎さんの私的意見が随所に見られるところ。
武士とは。切腹とは。そして明治維新とは。
とかく、読み応えがあった。
|
|
[ 文庫 ]
|
ヨーロッパ退屈日記 (新潮文庫)
・伊丹 十三
【新潮社】
発売日: 2005-03
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
|
・伊丹 十三
|
カスタマー平均評価: 4.5
伊丹さんは凄い 富裕層のヨーロッパをセンス良く伝えているし、ユーモアも皮肉も臆することなく書いていて好感が持てる。何より1960年代初頭に2008年に聞いても古くないヨーロッパの衣食住人を伝えているのが凄いとしか言いようがない。パスタを茹でてバターを絡めただけのパスタを文章どおり作ってみたら美味しかった。
自分の一番泊まりたいホテルに泊まり、自分の一番いいと思うレストランで食事をする 40年近くも前に書かれた、エッセイです。エッセイを書くなら、この本を手本にしたいです。さすが、山口瞳の推薦だけある。野口悠紀夫も薦めていました。
かっこいい人である。したがって、文章もかっこいい。映画、車、ヨーロッパ旅行、料理、英語、などの面白い話題が豊富です。体験に裏打ちされた知性です。
こんな文がありました。
「。。。つまり予算を立てない旅行、とでもいおうか。即ち、自分の一番泊まりたいホテルに泊まり、自分の一番いいと思うレストランで食事をする、、、どうしても買いたいものがあれば、無理をしてもどんどん買う、、、そういうことを通じて、物に動じなくなるとすれば、これは安いものではないか。」
うう、一度はこんな旅行をしてみたいです。
「ジャガー」を「ジャギュア」と表記するこだわり 友人にデイムラーMrUを持っている人間がいる。一般にジャガーマークUと呼ばれることもあるが、彼は、頑なに「デイムラー」というし、仮にジャガーと呼ぶなら「ジャギュア」と言ってほしいといい続ける。私もキャブレター使用のローバー=ミニを新車で買って20年近く維持している。
こうしたこだわりはどこから来るのか分からないが、そういう人生はいいと思う。
この本を読んだ時には、伊丹十三は、我師「山口瞳」さんが時々取り上げる以外は、大した活動をしていなかったと思う。その中で、極めてディレッタントなこの本を出した彼の真意は何であったのだろうか?
正直に言うと、最初にこの本を読んだ時に「何、突っ張ってんだよ」と思ったものである。
しかし、それからしばらくして、彼が日本の映画に極めて重要な影響を与える多くの作品を「妻と」制作し、そして、不可解であるが、「男の矜持」のような死を選択したことは、全てこの本の中に、答えがあるような気がする。
退屈な時に、暇つぶしに読む本。 海外(ヨーロッパ、とりわけパリ)の生活、買い物のこ
だわり(ジャグワー、ドライビンググローブ、ライターな
ど)、英語の発音などについて、筆者の体験談が書かれて
います。
1960年代に海外で生活し、映画出演しているところなど
はかっこいいですが、中学生・高校生というよりも大学生
からフレッシュマンが読んだほうがいいかと思います。
中学生から、スパゲッティの巻き取り方について講釈が
できるような人間は、ちょっとどうかなと思います。
読みやすい文体なので、日曜日の午後にソファーで読むの
に適した本です。
「粋」な生き方を語る こだわりと粋について網羅されているエッセイ。
また、英語の発音についても氏の俳優としての(ハリウッド映画に出演)経験に基づく見地が卓見。
軽く読めるエッセイであるが、個人的な参考書ともしたい本。
|
|
[ 文庫 ]
|
あ・うん (文春文庫)
・向田 邦子
【文藝春秋】
発売日: 2003-08
参考価格: 490 円(税込)
販売価格: 490 円(税込)
|
・向田 邦子
|
カスタマー平均評価: 4.5
ある種のファンタジー 向田邦子の本を読むのは初めてだ。登場人物達の間の「距離感」が斬新だった。
戦前の主人公達である二人の男性の距離は21世紀の僕には聊か理解しがたい程の近さである。それは彼らだけではなく 彼らの家族も含めて その「密接」の「度合」には驚く。
但し そんな「密接さ」が 暑苦しくないことが 本書の不思議でもある。各人の「個」が溶け合っているような中にも 妙な涼しさがあり 一人一人の「個性」はきちんと立っており読後は非常に爽やかだ。
言うまでもないが 本作は作者が紡ぎだした ある種のファンタジーである。本作で展開される男同志の友情と勝手と その家族まで交えた複雑な愛憎関係を 女性が書き出したという点は 本書を読むにあたって見逃すことは出来ない。女性から見た男性の友情とはこういうものなのだろうかと 再度考え込んでしまう限りだ。
本音で分かち合える仲間がいる幸せ ドラマ「あ・うん」の台本。
小説とは違い、セリフがずらずら書かれているので、慣れるまでに少し時間がかかるが、
慣れると、逆に映像を見ている様な感覚になるから不思議(ドラマ自体は見たことないが)。
昭和12年頃の日中戦争時代の東京下町が舞台。
日常の葛藤の中に江戸っ子の意気の良さ,おとぼけ,テンポのある笑いがある。
人生の苦しみを本音で分かち合える仲間がいる幸せ,でもその人達との間での
抑えきれない恋心に、世間体に縛られながらも葛藤する人々の苦しみをコミカルに表現している。
人付合いがあるから幸せであり、苦しみがある。
でも孤独の中では生きてる意味が無いという矛盾が、人生にはあると感じた。
言われて初めて気がつく身近な世界 神社へお参りに行く度にこの本を思い出す。テレビドラマで、布団に横になったたみを挟み、向かい合って座る門倉と仙吉の姿。
この小説版を読んだ記憶は、口を開いている狛犬と閉じている狛犬を確認させてくれる。
普段意識していない自分のちょっとした仕草がどれだけ周りに影響しているのか改めて考えてしまう。
それはこの世界を理解できた時点で証明される。
とっかえひっかえ、当たり障りのない人間関係が横行する現代社会では、これから先、本書を理解する感性が希薄していくように思う。
それがとても怖い。言葉が通じないのと一緒なんだから。
改めて作家の本質は、感受性と表現力だと思った。
その二つは特別な人にあるものではなく、限りなく普通の人が持っているもので、それに気づいているかどうかだけの違いのような気がする。
と、書きつつ、私自身未だ気づいているようで気づいていない一人なのが淋しい。
ほどよい描写 向田作品は「書きすぎない」ところが好き。
「主人公がどんな気持ちか」「どういう状況なのか」というのを読者に想像させてくれる。
この作品は昭和のある家族のお話。
親子、夫婦、男の友情と話題豊富なのにうるさくない。
昭和っぽい綺麗な日本語も今となってはとても素敵に思います。
何度も繰り返し読んでいます。
郷愁のフランキー堺 本書は「あ・うん」のテレビドラマ版の脚本。小説として読みたい方は文春文庫版をどうぞ。こちらは小説版の倍くらいの厚さがあるけれど,字数からするとそれほど増えてはいないのかも知れない。
いきなりこちらから読もうとしたけれど,脚本を読み慣れないから,うまく入っていけなくて,小説版をまず読んでからこちらにとりかかったら,すごく良かった。小説版と脚本版と,登場人物のせりふがほんの少し変わるだけで,その場面の空気が,ふわっと変化する。小説版で登場人物が口にしたせりふが,脚本版では長女のナレーションに変わっていたりするのも,ずいぶん作品世界の色合いが変わるようで,楽しい。脚本版では小説版以上に脇役たちが活躍する。脚本版にはテレビドラマのキャストが一覧になっているけれど,小説を読んで思い描いていたイメージと,ドラマで演じた役者さんがずれていたりするのも,新鮮だ。とくに作造さんが笠智衆だったりとか。
脚本版は,大きな画布にのびのびと描かれた絵画みたい。広やかで,色彩豊かで,ダイナミックで,開放感がある。小説版は,小さな画布に力強く描かれたデッサンのような印象。『あ・うん』は繰り返し読んでこそより深く味わえる作品のようで,小説版と脚本版をあわせて読み返してみると,すごくいいと思う。
|
|
[ 文庫 ]
|
竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)
・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-09
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
|
・司馬 遼太郎
|
カスタマー平均評価: 5
竜馬の志す道が開ける 幕臣である勝海舟と竜馬は出会う。
本来、高官である海舟と下級武士の竜馬が対等に話をしていること自体、異例なはずだが、
竜馬だからこそそれをやってのける。
そして、いよいよ私設艦隊創設へと動き始める。
また、黒船が来航し、生麦事件を代表とする政変が起こるような大きく変わろうとしている
時代だからというのもあるだろうが、驚いたのは当時の幕府が勝海舟ら本来幕臣の中でも下位
にある者でも才能があれば抜擢するという人事を行っていたことだ。
むしろ、土佐などの諸藩の方がその点については、遅れていたという事実は面白い。
国民的名作第3巻、竜馬・人生の転機 土佐藩の旧弊を見限り脱藩したものの、何かをなすべきとは感じながら何をなすべきか分からない竜馬についに人生の重大な転機をもたらす出会いがあります。
千葉道場の重太郎がにわか志士になって斬ろうとして一緒に訪ねた勝海舟。竜馬はその場で勝の弟子になってしまいます。このあたりのくだりは、「英雄は英雄を知る」というか、勝と竜馬の人物眼がいかに優れていたかということと、この二人を出会わせてくれた歴史のあや(もし出会わなかったら、もしくは出会う時期が違ったら間違いなく歴史は変わっていたはず)を感じさせて、わくわくして読みました。
勝と出会った竜馬は、世の中が「尊王(倒幕)=攘夷、佐幕=開国」という図式でこりかたまったなかで、外国のいいところ(軍艦)をとりいれて倒幕を果たす、という独自の思想にたどりつきます。
一方で、もうひとつ大事な出会い。後に妻となるおりょうも登場します。出会いかたも劇的で、竜馬らしいエピソードになっています。
人生観の確立は、竜馬を多弁な男に変えた 坂本竜馬の物語、全8巻の3冊目である
3冊目が描くのは
脱藩して「志士」になったはいいが、何から始めたらよいか途方にくれている竜馬が
数々の人と出会うことで、次第に自分のやるべき目的と手段を見つけていくところ
特に影響を与えたのは、勝海舟
船と世界の魅力を伝え、竜馬のくすぶっていた想いに火をつける
藩というレベルから、日本というレベルで物を考える男に、竜馬を仕立て上げてしまう
人生観の確立は、竜馬を多弁な男に変えた
語る、語る、語る、語る
まるで、剣を忘れてしまったかのようだ
安心していい
女性に対しては、いままでの竜馬だ
特に、伴侶となる おりゅうにプロポーズするシーンには
微笑を禁じえない
勝海舟 この3巻の幕開けは岩崎弥太郎が飾る。後に三菱帝国を築き上げていく男だ。
が、彼の若い頃は悲惨と言わざるをえない貧困暮らし。それを時代が拾い上げた。
竜馬以外で倒幕後の算盤勘定をしていたのは彼だけではあるまいか・・・
大名行列を見て「こんな愚劣なことをしていて喜んでいるようでは幕府も潰れるぞ」と直感したのは彼が一番早かったのではないか・・・と本書にある。異質の男だ。
人斬り以蔵を使い暗殺に躍起になる武市とその限界を見つつ勝海舟との出会いでわが道をハッキリと認識する竜馬。
「議論などはよほど重要なことでないかぎりしてはならぬと自分に言い聞かせている。議論に勝ったところで相手の名誉を奪うだけである」という一文には我が身を振りかえざるをなくもなる。
元々船好きの竜馬が勝に見込まれ己の道を猛進し始める。
勝と作る私塾の海軍学校を作るため松平春獄に金を借りにいくくだりが痛快だ。
「金くらいは集めてやる」という気概がたまらない。なにせただの浪人が殿様に金を無心に行くのだ。「世に生を得るは事を成すにあり」という竜馬の座右の銘が登場する。「たとえ目的が成就できなくてもその目的への道中で死ぬべきだ。生死は自然現象だからこれを計算に入れてはいけない。」う?んその通りですな。
そしておりょうの登場。竜馬を彩る女性も面白いがなかでもおりょうは面白く、竜馬はまずはともあれ面食いだというのが共感できて嬉しい。
勝海舟そして、おりょう 読む速度が俄然速くなった第三巻。
重要な出会いが二つ。
一つは勝海舟と。竜馬と同じく器の大きい勝海舟。その勝海舟をして面白い奴と言われる竜馬、その二人のやりとりはとにかく面白く、また彼との出会いで竜馬の夢が大きく大きく膨らんでいきます。「人間好きな道によって、世界を切り開いていく」そんな言葉を残した竜馬が出会った、勝海舟と船への夢。それが一つ。
そして、もう一つは、最も重要な人、おりょうと。
その出会いは、意外な出会い、意外な展開。でも竜馬らしい。寺田屋で働き始めたおりょうとの今後の展開も興味深い!
この二つの出会いが目玉になっている三巻。しかし、より印象的なのは「人きり以蔵」こと岡田以蔵とのやり取りや武市半平太との決別。
そして、寺田屋騒動。
『維新の陽は、やがてこういう連中の屍の向こうに昇るのであろう』とは、作者の言葉。
さて、四巻。どう時代が動くのか・・・。
|
|
[ 文庫 ]
|
ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)
・海堂 尊
【宝島社】
発売日: 2009-01-08
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
|
・海堂 尊
|
カスタマー平均評価: 4
おもしろかったですよ 故あって2作目とばして読みました。
筋が面白いというのより何より、
速水さんがとっても魅力的に描かれていて、
それに引き込まれました・・・。かっこいー!!
田口-白鳥コンビと謳いつつ、
今回白鳥さんはほとんどめだたなかったのですが、
とにもかくにも速水さんの魅力にひっぱられて
最後まで楽しめました。
ちょっときざすぎて鼻につくかもって感じですが、
小説とかではこれくらいのがよいんですよねー。
映画では堺さんが演じられるそうですが、
あまりにはまってそうで、
映画のほうもみたくなりました。
ホレてまうやろ?!! いや?、惚れてしまいました。
誰にかって?
この作品の王子さま、ジェネラル(将軍)こと速水晃一医師にですよ!!
本作は海堂尊さんの「田口×白鳥コンビ」が主人公の医療問題小説第3弾なわけですが、
いや?、主人公のお二人が…かすんでしまいます。
本作のテーマはドクターヘリ導入というTVなどでも扱われることの多いホットな問題です。
本の表紙にはかっこいいヘリが舞っていますが、舞台の東城大学医学部付属病院には予算の都合がどうとかで実際にはドクターヘリがありません。でも、医療の向上を熱く望む熱血速水先生は、一人でも多くの命を救うために是が非でもドクターヘリを導入したくて孤軍奮闘するわけです。その生きざまがかっこよすぎます!!
作中でも速水先生に惚れてしまう女性、た?くさん出てきます。もう、東城大学医学部付属病院の光源氏です。
お話の最後には、そんな光源氏もたった一人の女性を選ぶわけですが…。
そのシーンがもう最高で鳥肌が立ちます。
かっこいい。ただただかっこいい。
と、何度も一人ごとを言いながら一気読みした作品でした。
追伸:この作品を読むと真っ赤な口紅を買いに行きたくなります。
おもしろい! 「チーム・バチスタの栄光」シリーズ3作目。
前2作も面白かったが、この作品がさらに上をいく面白さだった。
海堂さんすごいな?
お風呂をすませてベッドに入って読め!眠れなくなるノンストップ必至の本! ナイチンゲール・・の、女性目線の書き口にいまいち馴染めずだったので、ちょっとどきどきしながら手にした本作。
でも、一気に引き込まれてしまった。
正直、あたしが1995年からファンである堺雅人さんがジェネラル役だっていうので、かんっぜんに堺さんの姿をまぶたに浮かべてほぼうっとりモードで読んでいたからということをさっぴいても、十分に楽しめた。第一作の白鳥・田口の完全なチームプレイは残念ながらやっぱり少し隠れ気味だけど、エシックスコミッティーでの白鳥のかましっぷりやらジェネラル・ルージュの逸話に隠されたもうひとつのルージュの意味やら、最後の最後にほんのり見せるレンアイモードだとか、前回は盛りこみすぎてあふれ出ていた感のあるエピソードがそれぞれ、ぴたっとうまく収まって、オーケストレーション成功!って感じ。
あえて微妙だったのはナイチンゲール・・と並べて読むと、明らかに会話がずれていたり場面がちょっとずつずれているところ?
これをザッピングのように楽しめるか、若干の違和感を覚えるかは人それぞれかもしれない。
特に主人公の速水先生は、裏でこんな展開だったらナイチンゲール・・でのやりとりはいくらなんでも軽すぎるのでは?なんて、ほんの少し、あたしには違和感が残った。
同じ時間軸で起こったかもしれない、二つの不連続な物語・・というとらえかたをすればいいのだろうか?
ただ、結論としていうと、デビュー作ほどのインパクトはないけれど、安心の3番バッター!って感じ。次も読みたい!と、引きずられる惚れた女の弱味みたいな気分で、★バーンと5つ!つけました!
ちょいちょいダサい 確かにテンポよく一気に読めます。全体的に表現がしつこいですが、それなりにエンタテイメント性は高く、何となく勉強になったかのような気もします。一応お薦めできる範疇にはあります。
しかし、本当に下らない突っ込みかもしれませんが、ディテールがちょいちょいダサく、興を削がれます。
そもそも、真っ赤なリップを塗る男ってどうよ!?
最初、顔色よく見せるためにちょっと塗ってこすり落とした程度かと思いましたが、きっちり塗るとは想定外でした。
また、リップ/口紅/グロス とかはよく使うワードですが、「ルージュ」って死語では。
ジェネラル・ルージュ(=血まみれ将軍)”の異名を取る・・・ ?何それ。ププ
大体ルージュの使い方、これでいいんですか。血まみれはどっちかっていうとbloodyて感じですが。
ほかにも突っ込みどころが満載・・・
こういうのが気になるのって心狭い証拠でしょうか。。
でも、センスが感じられないのです。
|
|