|
[ 文庫 ]
|
シークレット-はじまりは嵐のように (ソフトバンク文庫NV)
・リサ・マリー・ライス 他
【ソフトバンククリエイティブ】
発売日: 2009-06-18
参考価格: 945 円(税込)
販売価格: 945 円(税込)
|
・リサ・マリー・ライス 他
|
カスタマー平均評価: 0
|
|
[ 文庫 ]
|
三国志〈4〉 (吉川英治歴史時代文庫)
・吉川 英治
【講談社】
発売日: 1989-04
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
|
・吉川 英治
|
カスタマー平均評価: 5
ごめんなさい 三国志〈1〉 (吉川英治歴史時代文庫)僕は孔明という人物は凄い策略家と思ってました。こんな凄い人物というか人間らしい人とは知りませんでした。吉川さんの考えと趣味が色濃くでているのでしょうけど。でも本当に知りませんでした。何度も書きますけど本当に今の日本に孔明のような人々の幸せを世の中の平和を考えて 自分の生涯をかけるような才能のある人物が欲しいです。
関羽の心、そして三顧の礼 1989年4月11日リリース。『孔明の巻』と『赤壁の巻(前半)』からなる。まさにこの巻は『三国志』全体のクライマックスとも言える部分だろう。特に劉備の家族を守るために曹操の元に身を寄せた関羽の一途な心に唸ってしまう。曹操のいかなる厚遇にも関羽の心は動かされない。一方、曹操の武人の心根にも感じ入る。正に男と男の世界である。
中間部でついに諸葛孔明が登場。ただその登場のさせ方に念が入っている。所謂『三顧の礼』をもって孔明を迎え、ついに劉備の周辺に『人』が揃う。そして孔明が一気にその全能力を知らしめる『赤壁』へと突入。まさに映画『レッド・クリフ』は最も『三国志』で濃密なここを題材としている。
おそらくは全中国国民にとって最も語られる史実はここではないか、と思える。その全容を余すところなく描くダイナミックな筆に唸るばかりだ。
孔明登場! 曹操は北方の袁紹を破り領土を一気に拡大。
その一方で劉備は有名な三顧の礼をもって遂に孔明を迎え入れます。
徐庶から孔明の名を聞きついに出会い軍師に迎え入れるまでのくだりはついつい時間を忘れ、夜を明かして読んでしまいました。
いよいよ孔明ひきいる劉備軍の快進撃が始まり、読み出したらとまらないおもしろさが加速していくのは間違いありません!
詩的なほどに美しい、曹操と関羽の覇陵橋での別れ 「江東の小覇王」孫策が若くして病に倒れ、さらに若い弟の孫権が呉を引き継ぐ。中原に目を転じると、曹操が河北の袁紹を遂に滅ぼし、中華制覇の野望をその視野に入れる。劉備は国力、兵力ともに相変わらず微小で、天下から程遠い位置にありながらも、「三顧の礼」をもって、諸葛亮を軍師に迎え入れることに成功する。いよいよ、「三国志」の型が形成され始め、物語は佳境へ突入していきます。
この第四巻には、そうした歴史の激動とともに、この物語のターニングポイントとなる幾つかの印象的な邂逅と別離が描かれています。曹操と関羽の覇陵橋での別れ、曹操の姦計による劉備と徐庶の別れ、そして言わずもがなの「三顧の礼」。この中でもとりわけ、曹操と関羽の別離の様は、詩的といえるほどに美しく、息を呑みます。関羽の旧主劉備に対する不変の忠義、彼の武と義をあまりに愛するがゆえ、見送らざるを得ない曹操。彼はこうなることを分かっていながら、一縷の望みを賭けてひたすらに関羽を渇望し、そんな曹操の胸中を察する関羽もまた見事なまでの武人らしい信義を通した上で、袂を分かちます。曹操のような男に仕えたい、あるいは、関羽のような男を手中にしたい。男であるならば、ある種の羨望交じりにそう思わせる、個人的には三国志で最も好きなワンシーンです。
孔明はスゴイ! 孔明登場。孔明が活躍する様が描かれ始める。これまでも、劉備だけでも素晴らしかったが、天才軍師が出てくることがいかに凄いことか、まざまざと見せつけられる。戦の読みは恐ろしく深い。
|
|
[ 文庫 ]
|
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)
・山崎 豊子
【新潮社】
発売日: 2001-12
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
|
・山崎 豊子
|
カスタマー平均評価: 4.5
こんなサラリーマン人生で正気でいられるはずがない。 アフリカ含め10年の島流し。で、帰ってきたら未曾有の墜落事故の遺族世話係・・・。
この小説のモデルとなる某航空会社は就職人気ランキングで常に上位ですが、この小説を
読むと自分の子供を入れたいとは絶対に思いませんね。主人公・恩地には実在のモデルが
いるというのもビックリですが、この本の映画化にその会社が大反対したというエピソード
も何となく頷けます。あの暑かった夏、TVも新聞も毎日このニュースばかり。そんな日々
が眼前にまた蘇るような、生々しくかつテンポのよいストーリー展開。アフリカ編同様、
あっという間に読了しました。
素晴らしいが、フィクションかノンフィクションか、悩ましい。 本作は、全5冊からなる「沈まぬ太陽」の最大の山場ともいえる、
第3巻・御巣鷹山篇で、周知の通り、1985年夏のJAL123便墜落事故をモデルとしています。
事故の再現に始まり、事故現場の凄惨な様子、遺体収容を巡る人々の憤り、
航空工学の関わる事故原因の究明、遺族への補償交渉などなど、
多岐にわたる取材に基づき、多角的に世界最大最悪の航空機事故が再現されています。
主人公は、先のアフリカ篇で日本帰国が叶いながらも閑職をあてがわれていた恩地元であり、
誠実な彼が、再びより過酷な仕事、すなわち、事故現場における調整役及び、
憤る遺族に対する補償交渉に携わって苦悩し、また人間性の美しさに打たれていきます。
さて、本作は非常に密度が濃くて充実しています。
中盤の、有名な遺書のクダリや、息子を失った母親の手記には、落涙してしまいました。
そして、このような悲しくも美しいエピソードには実名が用いられています。
むろん、著者の、主にご遺族に対する敬意と誠実さの表れであろうし、
以下、自分の抱いた感想が卑しいもののように思えるのですが、
本作では、架空の登場人物と実在・実名の人物とが入り混じって描かれており、
読み手としては混乱をきたしてしまいます。
例えば、序盤に(実名の)生存者に無断で卑劣にも接触してしまう、恩地の宿敵行天は、
複数のモデルの人格を掛け合わせた全くの架空の人物とされています。
明らかにJAL123便墜落事故をモデルにしているものの、大河「小説」である以上、
このような混交があっては、読者としてどう向き合えばいいのか…。
本作の価値を認めるのにやぶさかでないだけに、複雑な思いがしました。
涙なくして読むことができない 事故当時、中学生でしたが、この墜落事故は鮮やかに覚えています。この御巣鷹山篇の冒頭の管制室の緊迫したやりとりで、当時の記憶がよみがえってきました。乗客の、家族の、救援者の、そして管制室の、事故にかかわってその無事を思った人すべての無念と、絶望を思うと、想像を絶します。また、被害者への応対についても、あまりにも家族の気持ちを踏みにじる補償の進め方に、憤慨しました。関係者の無念、家族を失ったことの空虚な思い、こういったことに想いを馳せると、読んでいて涙が止まりませんでした。
前篇でアフリカから呼び戻され、幸福の兆しが垣間見えたかに思えた主人公の恩地もまた、この事故にかかわります。一度狂った歯車が、狂い続けている状況に直面し、読者の私もやるせない気持ちになりました。作品中では、一企業がここまで執拗に一個人に対して報復をするのかという調子で書かれていますが、恩地の扱いが永田町でも話題だと書かれていた文章を見逃すことができませんでした。つまりは、企業のみならず、一国家が恩地に対する攻撃を後押ししていたということです。ふとしたきっかけで職責を果たしたばかりに「アカ」のレッテルを貼られ、一企業どころか、国家からこうも攻撃されるという理不尽が許されていいものかと感じました。
まだ、3篇目までを読んだところですが、企業の社会責任とは何なのか?多面的に考えさせられます。
文芸ではない! 毎年、8月近くになるとどうしても思い出す日航機事故。事故に関しては、いくつも本が出ていますが、それでもこの本は、事故を無視できない人は読むべきです。他の究明本にない、独自の視点がいくつか盛り込まれています。著者の本は、どれもそうですが、事実に裏づけられた迫力に脱帽です。
百万の言葉を弄するより、心を打たれたのは この作品は、取材した事実に基づき、小説的に再構築した作品である、
という事になっている。しかし、航空史上最大のジャンボ機墜落事故の
克明な記録として、遺族の遺体確認や補償交渉のリアリティー、生々しさ
には圧倒される。作者の詳細な取材力には感心する。
しかし、もっとも心を打たれたのは、迷走する飛行機の中で家族に向けて
書かれた遺書を読んだ時だった。百万の言葉を弄するより、手帳に書か
れた短い文章の中に家族への思いや無念さが伝わって来る。
|
|
[ 文庫 ]
|
きよしこ (新潮文庫)
・重松 清
【新潮社】
発売日: 2005-06
参考価格: 460 円(税込)
販売価格: 460 円(税込)
|
・重松 清
|
カスタマー平均評価: 5
子供へのメッセージ。 重松ワールド全開の物語なのですが、他の作品群と比べて、人間の感情の奥底をえぐるような著者独特の観察眼が浅い感じは否めません。靴の中に小石が入ったときのような、あの読後感はないです。
ただ、重松氏が子供へのメッセージを込めた作品だろうなということを考えると、その浅さが、絶妙なバランスだと感じます。そして、他の作品よりも“希望”を強く感じさせる作品に仕上げっています。
思いっきり、小学生高学年の夏休みの課題図書的な作品です。
ただ、それでも、社会にもまれて疲れきった勤め人にとっても“癒し”の物語となっていることは、著者の卓越した物書きとしての才能を感じます。
個人的には“ゲルマ”が大好きです。
ただ、そばにいる 前書きからすでに感動。「ただ、そばにいる」素晴らしい言葉です。
本編は吃音のある少年の物語。派手ではないがしんみりと心の奥に伝わる優しい話が端々と伝わってくる。人の『こころ』が分かる優しい作家さんだなあ としみじみ。今回も逸品でした。
生きるための勇気 吃音もそうだが、度重なる転校も、また辛いだろう。
普通なら、ゆるやかに続く小学校中学校時代の記憶が、切れ切れに分断されて、
しかも共有できる友人はいない。
その辛さと寂しさ、悲しさは、本書を読んで推して知るべしだろう。
様々な負荷を背負って、私たちは生きてゆく。
負荷に負けそうになった時、本書の主人公・白石きよしを思い出そう。
彼を支えた、家族の絆やきよしこの言葉、出会った人々の冷たさや温かさ。
それが、みんな勇気になるのだ。
個人的に「北風ぴゅう太」と「交差点」が好き。
特に「交差点」の大野君は、その後どうなったか気になるところ。
ほんとうに伝えたいこと 「ほんとうに伝えたいことだったら、伝わるよ、きっと」
きよしこのメッセージです。全編にわたるテーマになっていると思います。伝えたい思い、伝わらないもどかしさ・・これは、吃音のきよしでなくてもあるのです。吃音であるゆえに、一言発した言葉を捕らえて先読みされてしまう。けれど、それを否定するにはコンプレックスが邪魔をする。この本を読んで心が痛かった。小さなわが子が言いたかったこと、言葉にできなかった思い。それを私はいつでも勝手に先読みしてきた。本当は違ったのに。もしかしたらきっと誰でもきっとそんなほろ苦い経験はあるのでしょう。転校ばかりの少年時代、その中で知り合った人たちの中で、きよしはきよしとして力強く生きていくのです。
これはみんなに読んでほしい 「卒業」を何気なく読んですっかり重松ワールドにはまってしまいましたが、この作品は作者の実体験に基づいた内容となっているようなので、他の作品とは趣が違っている。フィクション仕立てになっており、読者の心に響く作品に仕上がっていると思う。「青い鳥」を先に読んで(こちらは号泣)しまいましたが、きよしこ→青い鳥と読んでいたらまた感動も格別だったような気がする。ぜひ未読の方はこの順番で読んでいただきたい。作者の想いが必ず心に響いてくるから・・・
|
|
[ 文庫 ]
|
火車 (新潮文庫)
・宮部 みゆき
【新潮社】
発売日: 1998-01
参考価格: 900 円(税込)
販売価格: 900 円(税込)
|
・宮部 みゆき
|
カスタマー平均評価: 4.5
平成の幕開けとともに生まれた傑作 このたび私は、リストマニア機能を使い、
「日本ミステリ【マイ・ベスト・テン】」を掲載した。
そこに挙げた作品の中で、
真っ先に再読したくなったのが、
本書「火車」である。
本書は、カード破産をいち早く取り上げた作品として、
1992年の発表当時、話題になった作品であり、
著者がその後直木賞作家となっていく
礎を築いた作品であるとともに、
現在も多くの読者に読まれている人気作である。
ミステリの楽しみ方として、
密室殺人や孤島ものなど、
現実から遊離した世界を楽しむのも一興であるが、
その時代の矛盾や暗部を
ミステリの手法を使ってあぶり出していく、
いわゆる社会派の存在も見逃すことはできない。
本書はそうした
「社会派」の傑作と呼ぶにふさわしい作品だ。
ベストテンのひとつに、
私は松本清張の「ゼロの焦点」を掲げたが、
この作品が昭和を代表する
社会派ミステリであるとするなら、
本書は、平成の幕開けとともに生まれた
社会派ミステリの傑作である。
この両作品、扱っている題材は違うが、
物語の発端が「失踪事件」であるのは興味深い。
「ゼロの焦点」では新婚カップルの夫の失踪、
「火車」では婚約カップルの女性の失踪が
冒頭に起こり、物語が展開していく。
愛する人との新生活を控え、
希望に満ちていたはずなのに、
その生活を捨ててしまわなければならないほどの理由とは何か、
そんな魅力的な謎を追っていく物語なのである。
本書「火車」のテーマ「カード社会」について、
ひとつ感じることがある。
私事で恐縮であるが、
本書を初めて読んだ1992年当時、
カードといえば銀行の
キャッシュカードを1枚持っているのみであったが、
その後、複数のクレジットカードを取得し、
現在に至っているのである。
カード社会は作品発表時より、
さらに浸透しているのではないかというのが、
実感であり、それゆえ本書は、
発表後17年を経てもなお、
輝きを失っていないと思う。
本書は、カード社会の矛盾を分かりやすく、
ミステリの手法を借りて描ききった作品として、
これから読まれる方の心にも
必ずや深い余韻を残す作品となるであろう。
内容は興味深いが… 終始テンションが上がる場面を見つけられないまま読み終わってしまった感じです。
ミステリーの最高峰 ストーリーは,休職中の刑事に,失踪した婚約者の捜索を親戚が依頼するところから始まる.この失踪の謎を解くカギは,クレジットカードによる自己破産であった.
自己破産は,バブル時代に一時期社会問題化していたが,破産当事者やその家族がどんなに惨めな生活を送らなければならないかは,あまり多くを語られてこなかった.著者はその点に着目し,自己破産者に一筋の光明を与えている.
ミステリーの仕掛けは,非常に巧妙で,ページを繰る手が止まらないぐらいに入り込んだ.本書は山本周五郎賞を獲得した作品にふさわしく,さすが宮部みゆきと唸らせる作品となっている.宮部ファンでなくても,一読の価値があると思われる.
合わなかった 本嫌いでしたが最近、東野圭吾の作品で本にハマった者です。今回読んだ宮部みゆきさんの火車は、無駄に長く、テンポがなく感じました。話がそれるのはいいんですが、逸れ方が楽しめない。比喩のセンスもあまり好みではありませんでした。『そば屋のレジでフランス料理のフルコース並みの代金を請求されたような顔』何度も読み続けようとしましたが、途中で本を閉じてしまいました。過去20年間で第一位の作品らしいので、すごい作品なんでしょうけど。
ん? なんでこの作品が絶賛されてるかよく分からなかったというよりは、この作家があまり好きじゃないんだと思った。宮部みゆき原作の映画を今まで二作品見たことはあったが、初めて本を読んだ。やっぱり合わなかった。ごく稀に表現・描写に不快感を覚える。痛々しい感じで読めない分けではない。でもそのことが続きを読む気を抑え、萎えさせる。だがこの本が絶賛されているということは社会一般には受け入れられる表現・描写なんだと思う。ただ読書は趣味だ、絶対的評価ではない社会的評価がどうであろうとも自分の評価は2だ。
|
|
[ 文庫 ]
|
ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)
・海堂 尊
【宝島社】
発売日: 2009-01-08
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
|
・海堂 尊
|
カスタマー平均評価: 4.5
才能と志を併せ持った格好よすぎる男の話 上下巻合わせてレビューします。
これまでに文庫本化されたバチスタシリーズ3作の中で一番楽しめました。
バチスタ・スキャンダル後の東城大学医学部付属病院を舞台に、ICU部長である
ジェネラル・ルージュ速水が収賄を行っているとする怪文書が、
同期のリスクマネジメント委員会委員長田口のところに届けられるところから
物語が展開していきます。
速水のICUでの活躍や周囲からの信頼、伝説となった過去の活躍を描写しながら、
収賄嫌疑の真偽についても徐々に明らかにされていきます。
『螺鈿迷宮』で桜宮病院・碧翠院に潜入する準備として、姫宮が如月翔子に
ついて看護士修行をする様も描かれています。ドジもしますが、虐待死が疑われる
子供にAIを試みることを提案してICUの危機を救うなどの見せ場もあります。
バチスタシリーズがウケている理由のひとつに、すぐにでも映像化できそうな
くらい登場人物に際立った個性があることが挙げられると思います。
本作では速水がこれ以上ないくらいにかっこよく、才能と志を併せ持った
医師として描かれているのですが、ルージュを引いて救命にあたった逸話や
最後の恋愛絡みの場面などは、さすがに芝居がかりすぎていて、読んでいる
こっちが照れくさくなってしまいました。
本作では、速水と、同期である田口との友情が描かれ、
読後感をさわやかにしています。
お風呂をすませてベッドに入って読め!眠れなくなるノンストップ必至の本! ナイチンゲール・・の、女性目線の書き口にいまいち馴染めずだったので、ちょっとどきどきしながら手にした本作。
でも、一気に引き込まれてしまった。
正直、あたしが1995年からファンである堺雅人さんがジェネラル役だっていうので、かんっぜんに堺さんの姿をまぶたに浮かべてほぼうっとりモードで読んでいたからということをさっぴいても、十分に楽しめた。第一作の白鳥・田口の完全なチームプレイは残念ながらやっぱり少し隠れ気味だけど、エシックスコミッティーでの白鳥のかましっぷりやらジェネラル・ルージュの逸話に隠されたもうひとつのルージュの意味やら、最後の最後にほんのり見せるレンアイモードだとか、前回は盛りこみすぎてあふれ出ていた感のあるエピソードがそれぞれ、ぴたっとうまく収まって、オーケストレーション成功!って感じ。
あえて微妙だったのはナイチンゲール・・と並べて読むと、明らかに会話がずれていたり場面がちょっとずつずれているところ?
これをザッピングのように楽しめるか、若干の違和感を覚えるかは人それぞれかもしれない。
特に主人公の速水先生は、裏でこんな展開だったらナイチンゲール・・でのやりとりはいくらなんでも軽すぎるのでは?なんて、ほんの少し、あたしには違和感が残った。
同じ時間軸で起こったかもしれない、二つの不連続な物語・・というとらえかたをすればいいのだろうか?
ただ、結論としていうと、デビュー作ほどのインパクトはないけれど、安心の3番バッター!って感じ。次も読みたい!と、引きずられる惚れた女の弱味みたいな気分で、★バーンと5つ!つけました!
表紙はこれでいいのかな? 文章が時々回りくどかったり、長すぎたりとテンポが悪い部分がいくつかあり、これまでの他の作品よりもレベルが高くない気がしました。
表紙にもある救急救命ヘリも話しにもっと出てこないと、読者に内容の誤解を与えかねないのでは・・・?と思いました。
しかし、後半部分の多重事故での救急現場の話は面白く読めました。
勢いのいい作品 東城大学病院のICU病棟を支配する
ジェネラル・ルージュ速水部長。
彼を収賄で告発する文書が、リスクマネジメント委員会に届けられた。
リスクマネジメント委員長・田口は
エシクッス・コミティの依頼を受け、友人である速水を調べるが。。
「ナイチンゲールの沈黙」とリンクする時系列のお話。
エシックスでの審議、そして速水の進退、告発者の謎。
さまざまな要素が、その他の要素も組み込みテンポよく描かれています。
謎の要素は控えめですが、小説の構成が勢いよさ
登場人物たちの会話の軽妙さ、そこに滲む医療への想いにひきこまれました。
医療の現場での問題提起という要素も、大きく取り扱われていたと思います。
華のあるお話でした。
大事故による救急救命のシーンは圧巻 白鳥の活躍が少ないのはちょっと残念な感じはするが、個人的にはバチスタよりも本作の方
が好みである。
特に、最後の大事故による救急救命のシーンは圧巻である。
どこまでがリアルでどこからがそうではないのかはわからないが、現場を知っている著者
ならではないだろうか。
日本の医療における救急医療の惨状を読者に強く訴える作品である。
|
|
[ 文庫 ]
|
第三の時効 (集英社文庫)
・横山 秀夫
【集英社】
発売日: 2006-03-17
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
|
・横山 秀夫
|
カスタマー平均評価: 5
ハマった! 事件やトリックの内容だけでなく、
登場人物の特色が色濃く出ている。
主人公だけでなく脇役にも十分な背景があり、
それらが絡み合ってかつスピーディな展開。
横山秀夫、ハマりました。
におい立つ 男(刑事)達の汗やアドレナリンがにおい立つ文章が、この作品の最大の魅力かも知れません。
おそらく、良い小説というのは、ただ文章を読むだけで映像が浮かび、音の聞こえるようなものではないかと思うのですが、それ以上に素晴らしい小説は「におい」が伴うのではないかと思います。それほどまでに生々しくリアルな刑事達によって、しかしちゃんとドラマチックな展開で事件は解明されていきます。
謎の解明部分もとても面白く、引き込まれます。表題作以外のお話も外れなく面白いです。一つの事件に対して「主役」となる刑事がおり、それぞれ魅力的な個性を持ちつつもしっかりと感情移入させられるので非常に読みやすいです。
短編一つ一つの短さもちょうど読みやすく、かつ、一つのお話にとって過不足ない分量で綺麗にまとまっており、横山秀夫さんの力量恐るべし、と思いました。
読みやすい 短編集なのでとても読みやすいです。警察の泥くささみたいなものが良く出ています。ドラマにもなっていましたよね。
死ぬまで笑わないと誓ってください こんな面白い小説は今まで読んだことがありません。
短編集なので、とてもテンポ良く読めます。私は一日で全て読んでしまいました。
中でも『第三の時効』という話が一番ですね。生々しい心理戦に手に汗握りました。
警察小説の最高峰であることは間違いないので、ぜひ一読することをオススメします。
早く続編が読みたいです。
そして作者の他の作品も読んでみたいと思います。
この本にレビューなど必要ない。 この本にレビューなど必要ない。
とにかく読んでみてほしい。
この本に満足できない人に薦められる本など、この世の中には存在しない。
|
|
[ 文庫 ]
|
塩狩峠 (新潮文庫)
・三浦 綾子
【新潮社】
発売日: 1973-05
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
|
・三浦 綾子
|
カスタマー平均評価: 4.5
忘れることの出来ない一冊に! 私はキリスト教の信者ではありませんが、この本には心を揺すぶられました。
ましてや、この物語が実際にいた人物の行為や心情を書かれていることについて、驚きを感じざるを得ませんでした。
もちろん、小説ですから作者のフィクションや意図が、当然のことながら入っているでしょう。
それを差し引いても、十分に読者に考えさせ、感動を与えてくれるでしょう。
物語は、明治42年2月28日に、塩狩峠で起きた鉄道事故で、主人公が「犠牲」を払って乗客を救うに至るまでの、生い立ちやその成長の過程における心の動きを綴っています。
脱線転覆しそうな列車を止めるために線路に身を投げ出すと言う、「命」を賭しての「犠牲」の精神はどうして培われたのか?
それを知ることは、読む者が「生きる」と言うことを改めて考えさせられることです。更には、「愛」とは何なのかについて考えさせられることです。
作りものでない迫力が、主人公の「生きる」ことに対する真摯な態度と共に、ひしひしと胸に迫ります。
忘れられない一冊になりました。
塩狩峠に行ってみたくなりました この小説を読んで、久しぶりに小説は面白いものだと感じました。
東京で繰り広げられる過ちと迷いと、北海道で繰り広げられる信仰深さと美しさが対照的で素敵だと思いました。
軽薄短小な近頃におすすめの一冊です。
是非お勧めします もう20年も前に何気なく買って読んだ本ですが,とても大きな影響を受けました。
あえて何も書きません。すばらしい本です。
信仰と出会い真摯に実践した青年の生涯 本作は、明治時代にあって旧弊の中で生まれ育った少年が、
かけがいのない出会いや別れ、青年期の葛藤を通じて信仰と出会い、
大人になってからキリスト教徒として生きることを決意し、
そして信仰と実践を繰り返す果てに世俗的な幸せを超越して行動する…、
その人生の軌跡を、実在した人物(あとがき参照)をモデルに描いたものです。
本作は元々キリスト教徒向けの雑誌に連載されていたものであり、
永野信夫青年の生涯は、イエス・キリストの生涯と重ねて描写されているように思います。
事実、作者によれば本作のテーマは「犠牲」、
それもイエス・キリストが全人類の罪を背負って十字架刑を甘受するという、
キリスト教の根本的な部分にかかわるものです。
しかし、そのようなキリスト教色が強いにもかかわらず、
本書が多くの方に受け入れられるのは、
たとえキリスト教が媒介するにせよ、
永野青年が真摯に内省して成長していく姿に感銘を受けるからでしょう。
そして、本書のクライマックスは唐突に訪れますが、
すでに永野青年の成長と内省の過程で、当然に予期されていたものです。
まだまだふらついた人生を送る自分も、
いつか彼のような澄んだ境地に至りたいものだと思えました。
そのためには、まだまだ出会いや自省の時間が大量に必要でしょうが…。
「正しい人間など一人もいない」という意味 あとがきの解説において、本書のモデルとなった長野氏の人柄について語る知人の手紙が引用されています。その手紙の
最後で「(前略)長野氏がかつて人を非難し批評したことを私は知りません」とあります。本当にこんな人がいるのでしょうか。
本当だったらとてつもないことだと思いました。正しく生きろ、と言われるよりもこちらのほうが100倍難しく思えます(すぐに人
を否定したくなる俗物の私には絶対無理です)。
しかし主人公信夫にも確かにそうした長野氏に通じた態度があります。もちろん心の中では他人との関係において悩み、恨
みやねたみや自己嫌悪等のジレンマを抱えています。彼は正しくありたいと思い何が正しいのかを常に考え抜いて行動してい
るに過ぎません。思考停止した絶対的正しさを拠り所にして突き進んでいるわけではありません。だから結果的に信夫の口か
らは他人を安易に否定する言葉が出てこないのだと思います。逆に言えば他人を批判するのはその人が「自分は正しい」のだ
と思っていればこそで、一歩間違えば単なる傲慢に繋がりかねません。
なぜ傲慢かと言えば本書に出てくる言葉、「義人なし、一人だになし」だからということに尽きると思います。
「正しい人間などこの世にいない」という前提があるからこそ(答えがないからこそ)何が正しいのかと悩み考え努力し続けるこ
とをやめず、そしてその困難さを知っているからこそ、ついつい自分の欲や弱さに負けてしまう人の気持ちも理解でき、許す気持
ちも持てるのだと思います。だからこそ信夫の行いは「結果」に過ぎず、行い自体が尊いとは思っても「正しい」「そうあるべきだ」
などとは私は全く思いません。我が身かわいさと恐怖から、信夫のように人のために命を投げ出せなかった「結果」を自分で責め
恥じた人がいたとしても、その前提となる「正しくありたい(のに出来なかった)」という気持ちの存在もまた尊いものに思われます。
絶対視された「正しさ」を自分のモノサシとして「正しく生きる」だけなら何も難しくはありません。
本書は、絶対的正しさなどないと自覚してこその「正しくありたい」と願い生きることの困難さゆえの尊さを示してくれています。
|
|
[ 文庫 ]
|
時生 (講談社文庫)
・東野 圭吾
【講談社】
発売日: 2005-08-12
参考価格: 790 円(税込)
販売価格: 790 円(税込)
|
・東野 圭吾
|
カスタマー平均評価: 4
よかった 少し「秘密」につながる話だな、と思いました。
序章の段階で家族のキャラクターが分かるような話が
もう少しあればもっと感情移入できたのかな、とも思ったけれど、
この位で良いのかもしれないとも思ったり。
「明日だけが未来じゃないんだ。それは心の中にある。」
各作品ごとの、伝えたい言葉を見つけるたびに
なんだか東野さんの一部分を垣間見るような気がしています。
ヘタレ主人公の豹変 物語の大半が、主人公が当事の彼女を探すことで占められている。
その「当事の彼女」は、現在の妻との接点は無く、そこで話が切られてしまっているのが非常に残念。これほどの情熱をかけて取り戻した彼女とあっさり別れているのもちょっと違和感がある。
現在の東野さんであれば、現在の夫婦での生活描写をより細かく複線を張ったり、妻との出会いを絡めたり、実母とのかかわりをより深くしたりしたのでは無いかと予想する。
あまり重い話ではなく、カラッと読めてスキッとする後味の良い良作。
この夫婦には、また子供ができて欲しい。
子が父に伝えたかったこと 死の瞬間でさえ、未来を感じることができる。幸せな心、思い出が人に未来を与える。
『明日だけが未来じゃない』『自分は幸せだった』、そのことを伝えるため、死の間際にいる少年トキオは、時間を超え若き父親に会いにいく。
泣けます。感動します。父と子の絆を感じることができます。
父が息子を思う気持ち 最初は「不治の病患う息子に最期のときが・・・・」という解説を目にして533ページというボリュームが躊躇させることとなりましたが、読んでいくと大部分が冒険活劇的展開と劇画的な描き方が軽快でどんどんひここまれていきました。テーマがあまりにも重いのにもそれをを感じないところに作者の文章力の豊かさを感じます。トキオの国分君と嵐の桜井君の主演のドラマにもなりましたが、このようによい作品はリメイクされて多少の脚色が加えられても多くの人に触れるのが一番と思います。
この小説で想起してしまったのがアカデミー賞受賞作のロベルト・ベニーニのライフイズビューテイフルで子を想う父親の愛情が美しく描かれています。
新聞の3面記事では親子の憎悪関係や虐待がよくクローズアップされ殺傷事件まで起こる悲しい現実がありそれはあたかもゴリラの雄は縄張り争いで勝った時、敗者の子ゴリラを全部殺してしまうと雌ゴリラは発情し勝者のゴリラの子作りに励むという原始的動物行為に近いものを感じられますが、人はそのような単細胞的な行為でない”愛”ももっていると描かれているところにこの小説の素晴らしさを感じました。
そして私は恐らく意図的だと確信しているのですが、最も肝心な部分を曖昧にしているのは、様々な憶測を喚起させます。
B級SFに陥ることなく読後には感動と希望が得られる素晴らしい作品です
東野作品の中では、いま一つ・・ 最近東野圭吾作品を次々と読んでいるが、この作品は期待外れだった。
まず、タイムスリップした人物が若かりし頃の主人公を救う、というストーリーの凡庸さ、軽さが最初に感じる欠点の一つである。
しかし一番の難点は、主人公である若かりし頃の父という人物が、あまりに魅力のない、どうしようもなく軽薄で自分勝手な人間だということであった。そのことによって、最後にいくら感動的なシーンが待っていると分かっていても、ずっと気分が悪いまま、イライラした気持ちで不必要に長い中盤のストーリーを読み進めなくてはならなかった。
物語は、読者がある程度共感できる人物像を描くことが、基本的に必要ではないだろうか??主人公が駄目人間だからこそ成長を見せ、ラストを際立たせたかったという作者の狙いかもしれないが、極端すぎるとチープである。
このチープさと、それによるリアリティの欠落が、東野作品で時々感じさせられる、大きな欠点ではないかと私は思う。
|
|
[ 文庫 ]
|
真夏のオリオン[文庫] (小学館文庫)
・飯田 健三郎
【小学館】
発売日: 2009-04-07
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
|
・飯田 健三郎
|
カスタマー平均評価: 4
福井さんの本としてはいまいち 終戦直前の日本海軍の状況や、潜水艦戦の常識などの考証不足、あるいは米国人にはありえない浪花節的思考をする米海軍の船長など、ストーリーに「無理!」と思わせる部分が多く見られました。そういったことを気にしなければ、エンターテイメントとしてはよくできています。
裏表紙には「エンターテイメント映画を完全ノベライズ」とあるので、脚本が先にできたのでしょう。小説的な複雑さ(伏線)はなく、映像的な単純さがそのまま活字になっています。なにしろ第1章の日付を見たときに予想した通りの結末でした。
映画は見ていませんが、監修とはいえ、福井さんの本としてはいまいちでした。
武士道VS騎士道 飯田健三郎氏の作品を初めて読み歴史背景、構成、展開等満足できる水準と評価できました。
福井晴敏氏監修と大きく書かれていますが、戦闘場面にのみ特化した様子で歯切れ良い展開は
飯田氏の持ち味でしょう。物語を直接の当事者でなく、祖父を語る形式にしてある事で主観に偏らず俯瞰的視点から捉えられていて迫真性を増しています。戦時の極限状態でも人間の誇りを失わない武士と騎士の真剣勝負に引き込まれますが、結末を知り安堵できる内容に出来上がっているのも秀逸と感じました。最後に駆逐艦に魚雷が命中した場合、即撃沈となるのではないかとの疑問を持ちました。
読み易い作品です 雷撃深度一九・五(池上司 著)、総員退艦せよ(リチャードFニューカム著、亀田正訳)、に続いてこの本を読んだ為に、「そんなきれい事かよ!」と突っ込みたくなってしまった。池上氏ほど潜水艦ヲタクでなくても読めるし、ニューカム氏ほど現実を突きつけて来る事も無い。適度に枝葉が取り除かれて、読みやすくなっていると思います。あの時代では考えられない夢物語ですが、現代人にはこのくらい咀嚼してあげないと、飲み込めないのも現実かなと納得しています。どこまで映像化できるのか楽しみです。
さすが! さすがは福井晴敏と言えるメッセージ性ある物語でした。
今回 文章は別の人が書いているので少し心配しいた点もあったのですが 内容的におもしろくて 一気に2日間で読んでしまいました。
『終戦のローレライ』とは また違った潜水艦乗りの物語であり作者の奥深さが感じられた作品でした。
|
|