現在は右翼でリーバタリアンであるとする著者も若かりし頃は左翼であったそうで、左翼(映画人に多い)の映画には、思い入れたっぷりで語っており、この世代の転向者の意識がよく読み取れます。今は右翼や左翼の違いが実感としてわかりにくいのですが、彼の分類かは別にして、政治的立場の違いを意識しながら見ると、映画の見方はもっと深く見れるでしょう。
主観が暴走している文章なので、わかりやすく(笑)、有益な視点も多かった。ただ、「この分野で日本で一番頭がいいのは自分だ」など、よせばいいのにトンデモ本に思われるようなセリフが連発するので、げんなりしてしまう。師匠が小室直樹さんというだけあり、単なる映画評論に終わらず読み応えがあるのに。全体像を大枠にとらえるという意図では、おもしろい本だと。200本もの作品を、一貫した意図を持って分析している点は、映画ファンとしてうれしい。これで知った作品もいくつかある。学問的には、信頼性はおけそうにないが、アジテーションと本の面白さは一品だった。
何でも爆笑落語に変えてしまうという権太楼師ですが、落語の名作を独自の視点から解説しています。季節にちなんで噺を選び、その内容も簡潔にまとめてあるので、落語の世界に親しみたい、一つでも多く噺を知りたいという方にはぴったりなのではないでしょうか。
また、あわせて紹介されている解説と薀蓄は、名人と言われた方々についても言及されており、そこから何を聞いたらいいかなど、落語の世界への道しるべとしても活用できると思います。 権太楼さんの見方がおもしろい。噺家・落語家・芸人・呼び方はいろいろありますが、権太楼師匠の目で見た季節感のある古典が紹介してある本です。紹介の仕方はさまざまありますが、季節毎に区切り、その噺に対する権太楼師匠の感想というかコメントがあり、「なるほどこの人はこの噺をこう見ているのか」という点がポイントです。さらに、落語通ぶってみせるための軽い蘊蓄も載せてあり、寄席に行って、もしくはホールで噺を聞く楽しみがまた増える本です。