主に京都・奈良の28体が解説されているがすでにお参りしたことのあるお寺の仏様であっても、本書を読んだあとにもう一度参拝すればきっと感じ方が変わるでしょう。
本書でも多くのページがさかれているので、どうしても薬害によってもたらされた数々の苦難の方に、目が行きがちになってしまいます。
けれども、私はあくまでも一人のヴァイオリニストの自伝として、興味深く読みました。確かに、薬害の後遺症によって、ヴァイオリンを練習するにも他人の何倍もの苦労があったのだと思います。けれども、その後遺症があるからヴァイオリニストになれたわけではありませんよね。更に言うと、才能があっただけでもダメだったと思います。
著者がヴァイオリンを始めた年齢は、他のヴァイオリニストに比べてやはり遅いと感じますが、それでも彼が大成したのは、才能とそれを活かすためのかなりの努力があったからだと思います。
あらすじに「奇跡」という言葉があるのですが、別に奇跡によってヴァイオリニストになったわけではなく、才能プラス多大な努力によってヴァイオリニストになったのではないかと考えます。
とは言え、本書は、そんなに、努力努力と、堅く重苦しい内容ではありませんが。むしろ、どこか光があって、やわらなか明るさがある本だと感じます。
スラスラと読める文章で、内容も良く、一気に読んでしまった本でした。 穏やかでやさしい気持ちになります正直で謙虚な方だと思いました。行間から愛情が溢れています。成功者というイメージとは裏腹に「これまでの人生は挫折の連続という気がします」という言葉には、驚かされました。
「できる範囲の中で行動すればいい、やれることをやればいい」という自分の中の基準で生きていらっしゃる気魂の高さに美しさを感じずにはいられませんでした。
読んでいて、穏やかでやさしい気持ちになりました。
日本人は何故寄付をしないのでしょう? という言葉を読んで、少しでも寄付をしようと思いました。
スポックという当たり役に単純に喜んでいたニモイが、次第にそれに振り回されるようになり、悩みながらも、「スポックの役の人」にとどまらない「俳優レナード・ニモイ」として幅広く成長しようとし続ける。その過程が慎ましやかでユーモアのある文章で語られている。
いわゆる“ハリウッドの暴露本”的な刺激はないが、ひとりの役者の内面を語る本として非常に興味深く読むことができる。ウィリアム・シャトナー、ジーン・ロッデンベリーなど他の関係者との時には笑え、時にはぎょっとする小さなエピソードや、随所に挿入されるスポックとニモイ自身のかけ合いも面白い。
ちなみに、ニモイはこの作品の前に『わたしはスポックではない』という自伝を書き、ファンの間で物議をかもしたという。こちらは未訳のようだが、一体どんなものなのか併せて読んでみたい。 ハリウッド・ショービズの裏面スタートレックのファンだけでなく、アメリカのテレビ/映画界に興味がある人なら読んで損はない。全体は俳優/監督であるレナード・ニモイという人間の半生記であるが、彼がからんだテレビ/映画の製作の裏話もとても興味深く語られる。監督やプロデューサー、脚本家への批判も含まれているが、率直な語り口で嫌味ない。自分自身の責任を認めるところもあれば、対立していた人物についても功績を認めるところは認めており、彼の見識の公正さが感じられる。 STファンなら絶対読んでおくべきでしょう撮影時に実際にあったエピソード、考え方など、非常にわかりやすく、興味を持って読めました。ただ、若干、TOSの知識がないとエピソード名だけで、どんな話だったのかわからないのが、問題ですが。 が、TNGからみておられる方も十分楽しめると思います。
物事を極めに極めて歳を重ねていった人の表情は本当に、それだけで感動してしまいます。齢40にして悟りきった夏目漱石しかり、数十年を畑に投入した人しかり。山崎努はその中でも特一級の部類に入る表情の持ち主だと思います。本当にかっこいい。
この本は、もはや前世紀の話、山崎努60歳、新国立劇場での『リア王』の役作りから稽古、公演の日々を綴った凄絶な日記です。山崎努は感情豊かです。完璧を追求し、追求し、追求し、生活をリアに費やし、そうした凄絶かつ地道な役作りの中に見せる人間くさい感情、これも素晴らしく、おもしろい。リア王の解釈も読み進めるたびどんどん深くなっていき、これほどまでなのか、とびっくりしてしまう。山崎努の考える過程が一つ一つ丁寧に示されていておもしろい。本当に物語というものは何度も読まねばならない。かなり厚めの本なのだが、あまりにおもしろいので2日間で一気に読んでしまいました。
これだけ一人ひとりの俳優さんたちのホンモノの追究の結果に生まれた『リア王』の世界、見なかったことを本当に後悔してしまいました。また、この本の数年の過程の中で多くの役者さん、監督さんなどが亡くなっていったことが触れられていて、改めて素晴らしい方々を失ったのだ、と思いました。山崎努さんにはまだまだ多くの演技を見せていただきたいと思います。
多くのことを学ばせていただきました。本当に興奮してしまいました。この本はほんとうに素晴らしいです。乱文失礼いたしました。 心に響くある意味では、読者を選ぶ本かもしれない。できることならば、シェイクスピアの「リア王」をきちんと知って読むべきだ。知っているか知らないかでものすごく差が出るはず。ただ、知らなくても大丈夫。ひとつの舞台を成立させるために、「役者」という存在がどれほど力を尽くすものか、それだけだって、いやそれがもっとも感動的なのだ。
激しい息づかいと共に、それが見えてくる。読みながら、何カ所となく赤ペンでラインを引いた。読み直そうと思ってページの端を折った。心にこみ上げてくる何かを押さえきれず、本を壁に向かって投げた… 創作の原点。壮絶な記録「リア王」を構想し、役を徹底的に磨き上げ、舞台で演じきった180日あまりを克明に記録した日記形式の本。いま日本を代表するあの大俳優ですら、一つの役を演じるまでには、これほどの内なる格闘があったのかと胸が熱くなります。あらゆるクリエイターにとって、とても励みになるのと同時に、創作の原点とはなにかということを指し示している気がしました。
時折紹介される周囲の演劇人や黒澤明や伊丹十三、三船敏郎といった人々のエピソードのひとつひとつも味わい深く、得した気分にさせられます。また、末尾に付けられた日記索引もなかなかよいです。