暴力的な父やたくさんの異母(父)兄弟といった「劣悪な」家庭環境,闇市での闇商売,手形の取込詐欺,アパッチ族のような「犯罪行為」への加担,身近な差別…など,当時の在日朝鮮人一世・二世ならば,多かれ少なかれ身に覚えがあるであろう経験を,梁氏はまとめて経験している.その意味で,梁氏の半生つまり本書は,よくある在日朝鮮人一世・二世の人生を極度に戯画化したような内容となっているように思う.もちろん,こういった救い様のない陰惨なエピソードが本書の全てではなく,詩人金時鐘氏や鄭仁氏らとの交流や,半ば官僚化された朝鮮総連組織への反発・葛藤といった,人間的なエピソードが実に興味深い.当時の雰囲気もよく描写されている.
梁氏は「私は在日朝鮮人だが,そもそものはじめから在日朝鮮人というカテゴリーで評価されるのを好まなかった」(文庫版あとがき)「私にとって『修羅を生きる』は過去の出来事ではなく,死ぬまで続く人生の大きなツケなのである」(同)と,自らの人生の失敗を「日本帝国主義」とか「資本主義」とかいった分かりやすい敵に転嫁したり,「在日」とか「差別」とかいった分かりやすいレッテルで評価される拒み,あくまでも,人間であり作家である・梁石日個人に下される評価を望んでいる.梁氏の言う通り,人はカテゴリーで判断されてはならない.花村萬月氏の解説も良い.本書を未読の方は是非読むべきである. 梁石日の原点というべき作品梁石日の最大傑作「血と骨」の原点というべき作品。個人的には「血と骨」を読んでからこちらを読むのをお勧めします。ノンフィクションというか、作者の回顧録のような作品。ただその回顧録がとんでもなく波乱万丈(このありふれた言葉では言い尽くせない!)。「うそやろ!?」とつっこみたくなるのが現代人の愚かさでありましょう。嫌いな人は嫌いな本。作者のファンからしてみたら、たまらない本。万人受けはしないが、読んでみる価値はあると思います。
戦争を扱った「馬仲英の逃亡」、道を扱った「シルクロード」、湖水を扱った「さまよえる湖」。ヘディン畢生の大業であるロプノールを扱った書であるから、当然のようにかなり気合いが入っている。再びかつての地に戻ったロプノール。
周辺は人煙も希な地。そこに至る水路は人跡未踏。はたしてロプノールにたどり着けるかもわからない路である。
生涯の事業の集大成となるロプノールの移動を実証しようとするヘディンの熱意は相当のものである。やっと会えた想い人への熱情のようである。幾多の艱難を越え、ロプノールの流路を確定し、自己の説の妥当性を立証しえたヘディンの満足感と高揚感が伝わってくる。
最後のロプノールについての学説史と地理学的考察は少々難しくはある。ただやはりこれがないとヘディンの事業の偉大さはわからない。なんとか読み切ってほしいところである。
金賢姫がもし北朝鮮に生まれなかったら・・・大韓航空爆破事件はなかったかもしれないし、もとより容姿端麗、人一倍の努力家で真面目な彼女のことですから、社会に貢献できる一生を送ったことでしょう。でも彼女の生まれた場所は北朝鮮の独裁者の国だった。彼女がそこに生まれ育ち、誤った教育を受け、「祖国のため」と信じての行動を非難できる人がいるのでしょうか。彼女の告白本は「愛を感じる時」「忘れられない女」と三部作になっていますが、どれも韓国に来た時のためらい、祖国への、家族への想いが、率直に綴られており、好感が持てます。
今北朝鮮と日本は膠着状態ですが、北朝鮮の一般人民の声をこの本から聞くことは決して無駄ではないと思います。そして私たちも日本の一般人民として、交流をもてたらいいなと思います。裁かれるべきは独裁者であって人民ではありません。そう信じて今、祈るような気持ちでいます。
幼い子女へ性的な拷問の動揺もなく語る。その描写は陳腐な表現だが、悲惨の極みだ・・。僕は溢れてくる怒りを押さえられなかった。しかし、しかしだ。淡々としかも誇らしげに語るこの当事者の発言の背後に、『なぜ人は快楽のために人を犯し、殺すのか』の理由が大きく横たわっていると思う。
尊大に『自分は神と同等だ』と悦に至らせるまでの、荒んだ人生と壊れてしまった精神。おそらく、『人格障害』を『鬼畜の怪物』にしてしまう責任も、決して他人事ではない。最後に、当事者の犠牲者となった方々へ深い追を・・。
いくつか伝聞はあるものの、多くが筆者の実体験に基づくもので、読んでいて気分が悪くなることは間違いありません。
ここで上げられている話は、ワイドショーでも取り上げられましたが、ワイドショーよりもむしろリアルです。というか、ワイドショーのほうが単にこの本をねたにしただけなんでしょうが。 心が痛いさまざまな北朝鮮関連の本を読みましたが、これほどまでにリアルに描かれたものは初めてです。最初から最後まで一気に読んで、また読みなおして…。読めば読むほどに心が痛くなります。人間の人権や尊厳がこれほどまでに無視され、生きることってこんなに難しいのか、人はここまで醜くなれるのか。この国の独裁者の為に払う犠牲の大きさ、なす術はないのか?と、真剣に考えてしまいました。耐え切れません。 安明哲氏のでっちあげであって欲しい正常な神経の持ち主には全くもって読むに耐えないので、特に心臓の弱い方、暴力、性的虐待の記述が得意でない方には全くお薦めしない。
本書はすべて安明哲氏のでっちあげであって欲しい。
★5。 これが実話だとは。軽い気持ちでたまたま手に取って読んでみた。そのあまりの壮絶さに呆然。これらが実話だとは思えない、思いたくない。すぐ近くの国がこんなだったとは。この人たちが、そして北朝鮮の国民が人間として「普通」に暮らせる日が早く来るのをひたすら祈るだけです。 拉致被害者や北朝鮮帰国者を即刻救うべき拉致問題関係で注目される北朝鮮。昨今私達はようやくテレビなどででその不気味な国を生活を垣間見ることができた。しかしそれはほんの一部に
過ぎなかったと痛感した。強制収容所内で飲むのも食べ者もロク与えられず骨と皮だけで最後の力を振り絞り「日本へ返せ!」と絶叫する人達。果たしてその人は本当の意味で「収容されるべき囚人」なのだろうか。同じ女性として女性に対する「卑劣極まりない残虐な処刑」は「罪を罰する為の処刑」ではなく「変質者の快楽的殺人」である。
ゆっくりとしか動かない拉致や日本人妻や脱北者の問題。小泉さんは読んだのか?外務省の人間は?なぜ1秒でも早く「即刻!」救うべきかがこの本の中にはあると思う。
日本やアジアだけでなく世界中の人が読むべき本だと感じた。