文庫の上下巻はやや冗長な気もしますが、歴史が好きな方にお勧めしたいです。
この本は、現代の人々に今もなお、冒険し、たくさんのことを学び、感じとり、一生懸命になることの大切さを教えています。現代の人々が見失った何かに、気付くことができるかもしれません。ぜひ、読んでみてください。 普通の男だった偉大な冒険家 中学生のころ、植村直己さんの『青春を山に賭けて』など一連の著作を読み漁った。ヒマラヤ山頂に臨む植村さんがコッフェルで雪を溶かしてお湯をこしらえ、紅茶をテルモス(魔法瓶)に詰める様子を読み、「冒険男は紅茶なのだ」と勝手に考えて以来、今でも紅茶が大好きだ。
本著は、一連の著作のダイジェスト版とも言える。普通の男だった偉大な冒険家の生き様が手に取るように分かる一冊。
吹き飛ばされた兵隊の足(「誰の足だかもわからない脚、青い木綿の洋ズボンに黒い足袋をはいている」)、食べ物に群がる蝿、茹であずきが十粒ほど泳いでいるだけのぜんざい。体で感じたこと、見たことが素直に書かれています。こんなに素直に戦場を描いた人が、他にいるでしょうか。
彼女の日本の兵隊礼賛、中国人・中国兵への蔑視は、現代の人間からみればイデオロギーに毒されているように見える。でも、それが当時精一杯生きている女性にとってのリアリティであったのでしょう。
戦争について考えるには、必読の一冊です! 戦場を歩く林芙美子パリに行ってから6年後、林芙美子は戦争を取材するために中国に旅立つ。パリ旅行の頃には、すでに満州で動きが始まっていた。この6年間に情勢は大きく動き、日本は中国との全面的な戦争に突入していた。短くテンポのよい文章。林芙美子は見たものを的確に描写する。ヨーロッパを見ているときと同じ、視点はあくまでも自分のうちにある。ときに、残酷な場面を描きながらも、全体は美しく描かれる。国策のための取材だから、「太鼓をたたき笛吹いて」国民を動かそうとする性質を帯びるはずだが、いつものように林芙美子自身の日記であり続ける。当時の国民の意識が映し出されている。