『国家と犯罪』のタネ本のひとつは Andres Oppenheimerの『Castro's Final Hour』。 この本を読んでそれでもフィデル・カストロを手放しで礼賛できる方が果たしているのでしょうか。 スペイン語訳の『Hora Final de Castro』でも良いのですが、キューバについて英語で書かれた本のスペイン語訳なので、スペイン語の素材→英語→スペイン語になってかなりそのニュアンスは変わって来ているはずです。 国家による犯罪、国家に対する犯罪 国家による犯罪。そしてそのような犯罪に対抗する意味での、「国家へ」の犯罪。世界各地の辺境を渡り歩く著者がそのような「犯罪」の二重性をルポする。やはり目を引くのはキューバに関する章だ。カストロ体制はアメリカにとり実は好都合、という視点はむべなるかな、と思わせる。村上龍的なキューバ像とは対極にある―ある種レイナルド・アレナス的なキューバ認識(かなり好意的に船戸与一を評価すれば、だが)に連なる―ビジョンだ。