新書と文庫本の専門店です。Amazon売上ランキング順にレビュー付き!

新書☆文庫ランキング

1,500円以上で送料無料! ※一部大型商品を除く     カートをみる |  ヘルプ
文学・評論
思想・人文
政治・社会
歴史
地理 ビジネス・経済 科学・テクノロジー アート エンターテイメント ヤングアダルト ノンフィクション 新書・文庫 全般
 

歴史

アイテム一覧
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
日本書紀〈上〉 (講談社学術文庫) 新選組100話 (中公文庫) ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1) (新潮文庫) マッカーサー―フィリピン統治から日本占領へ (中公新書) 漫画版 日本の歴史〈3〉平安時代 (集英社文庫) ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫) ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)ローマ人の物語8 (新潮文庫) 決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫) ローマ人の物語〈20〉悪名高き皇帝たち(4) (新潮文庫) ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)ローマ人の物語10 (新潮文庫)
日本書紀〈上〉 (講談社学術文.. 新選組100話 (中公文庫) ローマ人の物語〈17〉悪名高き.. マッカーサー―フィリピン統治か.. 漫画版 日本の歴史〈3〉平安時.. ローマ人の物語〈14〉パクス・.. ユリウス・カエサル ルビコン以.. 決定版 日本のいちばん長い日 .. ローマ人の物語〈20〉悪名高き.. ユリウス・カエサル ルビコン以..

  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17 
7 / 50


日本書紀〈上〉 (講談社学術文庫)

[ 文庫 ]
日本書紀〈上〉 (講談社学術文庫)

【講談社】
発売日: 1988-06
参考価格: 1,208 円(税込)
販売価格: 1,208 円(税込)
日本書紀〈上〉 (講談社学術文庫)
 
カスタマー平均評価:  4.5
興味尽きない古のこと
愛読書の一つ。原書で読んでも、本書は手放せない。ハンディで読みやすい現代語。ただ時々端より過ぎていることがある。肝心なことで結構汚いことや、奇態なことが、纏められて原文の語句をそのまま現代語に直していないところがある。次回改訳のときはぜひ、そういうところにも気を配って下さい。「日本書紀」は「古事記」に比べて人工的で、過去の雰囲気が伝わっていないことは宣長の時代からの有力な感想だが、僕はそうは思わなかった。為政者の脚色は或る程度仕方が無くそれは「古事記」も同じだ。むしろ、「あれ?なんでこんなことわざわざ書くのかな」と不思議に思うことが多く、著作者たちが、故意に後世に疑問を持たせ、隠蔽したことを気付かせるような「努力」とさえ言いたくなるような部分が随所にあって、わくわくする。そんな箇所は枚挙に暇が無いが、スサノオが異説によるとソオルに行って泥の船で帰ってくる所とか、いろいろある。それと崇神天皇以前は作り物とよく言われるが、案外に事実が詳細でにわかに作り物とは信じがたい物が多い。それとしばしば古代日本の支配層と朝鮮との同一性を主張する向きもあるが、初期の頃から明らかにグループが異なることがそれとなく分かり、後半になると「韓語で話した」と断っているように完全に異人種扱いである。深い関わりが隠蔽されているとしても、意外と思っているよりは距離があるのかもしれない。兎に角随所に興味尽きない箇所が多い。
通読できました
原文で読むには、なかなかしんどい日本書紀を 通読するにはもってこいだと思います。 原文とつき合わせて読むことで、非常に便利に使えると思います。
原文が載っていません
現代語訳のみでした。勿論、現代語訳のみでも日本書紀は面白いです。けれど、古事記の原文に挑戦した私は、日本書紀も原文を読んでみたかったです。注釈もありません。解説のような後書はありますけれど。そこを理解した上で購入することをお勧めします。
意外と知らない日本神話
ヤマタノオロチ・八咫烏・海彦山彦・因幡の白兎等日本神話の題名は知っていても、ストーリーは殆ど知らなかったのですが、外国の友人に『何故自国の神話を知らないのか』と訊かれ、現代日本の教育のなかにほとんど組み込まれていない事に気づきました。

物語として純粋に面白いです、現代語に訳してあるので読み易く、古文だからチョットと言う方にもお薦めです。
古事記と日本書紀が、ほぼ同じ様な内容だと云う事も知りませんでしたが、同文庫の次田真幸著『古事記』と読み比べるのも面白いです。
全訳が嬉しい。
 『日本書紀』の全訳です。とにかく読みやすい。『古事記』を読んで興味はあるけど難しそう、長い、漢文を読むのは苦手…、という方にはホント、オススメです。また岩波文庫版など、本格的に『日本書紀』を読むときなんて、手元にあると大助かり。どう訳したらいいのか分からない時も、本書を開けばすぐ解決します。個人的には岩波文庫版を読みながら、難しい語句や難解な箇所にぶつかったら、まず岩波文庫の註や補注を参照しつつ、本書で訳を確かめるというやり方がオススメです。理解度アップ間違いなし。…やや、お金と時間のかかる読み方ですが。


新選組100話 (中公文庫)

[ 文庫 ]
新選組100話 (中公文庫)

・鈴木 亨
【中央公論社】
発売日: 1996-12
参考価格: 1,000 円(税込)
販売価格: 1,000 円(税込)
新選組100話 (中公文庫)
鈴木 亨
カスタマー平均評価:  4.5
時代に取り残された本
 1996年に発売されたときのは当時、真実と述べられていたことが掲載されており、よかったが、もうすでにいくつもの発見、発表によって、この本の大半は内容に相違が出てしまっている。  この本の使命は終ったと思う。
歴史という謎に迫る楽しみ
歴史の真相を完全に知ることはできませんが、その一端を知ることで、想像をめぐらす楽しみが増します。 この本は新選組の実像に迫っているだけでなく、明治維新とは結局なんだったのかを考えさせる資料でもあります。 現在の日本の問題を考える上でも、当時の志士たちの思考や行動を知ることは有益に思います。
新選組入門書としてもオススメ
史実も人物史も1冊で両方楽しめます。 文体も読みやすくてサクサク読み進められました。 あと出典が記載されており、このエピソードをもっと詳しく知りたいと思ったら その本を調べたりできるのでこの本は本当にオススメです。
こっ細かい!?
新選組好きの人にはたまらない本です。とにかく内容がかなり良い!ひとつひとつ細かく書かれている。こんなに分かりやすくて驚いた、読んでハマる!是非手元にあったほうがいいだろう!
結構いいと思います
高校で習った歴史などが頭に入っていなくてもすんなり読むことの出来る本だと思います。登場人物に関しての情報量が非常に多くて、新撰組の生きた時代の歴史をキチンと理解したい方にはお勧めします。
歴史モノによくありがちな妙な方よりも見られず、あくまで客観的な観点で人物像が描かれています。
例え読み終えても、他の本を読んでいる時にわからないことがあったらその部分を読み返して簡単に確認する、などの様に教科書みたいに使うことも出来ると思います。

ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1) (新潮文庫)

・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2005-08
参考価格: 460 円(税込)
販売価格: 460 円(税込)
ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1) (新潮文庫)
塩野 七生
カスタマー平均評価:  5
誠心誠意で当り過ぎる。
アウグストゥス以降に続く、 二代皇帝、ティベリウス、 三代皇帝、カリグラ、 四代皇帝、クラウディウス、 五代皇帝、ネロ までの。 歴史家に『悪名高き皇帝』と称された 皇帝たちを描いた巻。 塩野さんはこの歴史家たちの採点に対して、 『ホント?』というスタンスで書き綴っていく。 まずは第一巻目。 二代目皇帝ティベリウス。 紀元14年?紀元39年までの出来事。 -- 塩野さんが描く、 『誠心誠意で当りすぎた』 ティベリウス像が。 個人的にはとても好感が持てる。 『わたし自身は、死すべき運命にある  人間の一人にすぎない。  そのわたしが成す仕事もまた、  人間にできる仕事である。』 と言ってのける皇帝。 死んで後にローマの神となった、 カエサルやアウグストゥスとも 異なる、生真面目さ。 どのような場合でも口調は厳格。 元老院には権威と責務の自覚を求める。 (自立を、責任を全うすることを求める。) カエサルのようなユーモアも。 アウグストゥスのような偽善も持たず。 ただただ、責任を全うするティベリウス。 反して責任を、義務を果たさない元老院。 -- そんな彼だけど。 ある日。 ローマを離れ。 カプリ島に家出する。 責任を果たさない元老院や。 平穏ではない家庭にいるよりも。 カプリ島に家出して、 そこで政治を執り行おうと。 すごい皇帝だ。 そりゃ反感買うようなーと思ったけど。 でもなんか、この正直さというか 不器用さというか、生真面目さというか。 憎めない。 近くにいて、 一緒に仕事とかすることになったら 超コワいんだろうけれど。 なんか好感が持てる。 はてさて二巻目ではどうなることやら。 せめて晩年くらいは 幸せに暮らしてほしいものだけれど。 なんとなく風向きは怪しい。
悪帝たちの統治
 悪帝、愚帝、暗帝など悪名高き皇帝たちの呼び方は様々ですが、彼らはなぜ後世で「悪」とされたのか。  初代皇帝アウグストゥスの時代から武人として高い成果を上げていたティベリウス。アルベール・カミュの劇作『カリギュラ』で怪物(ペスト)として表現された若きカリグラ。ローマ建国からの歴史を熟知した歴史家皇帝クラウディウス。そして「反キリスト」にして「国家の敵」と呼ばれ、賢くはあるがナイーブで小心者なネロ。  前作『パクス・ロマーナ』とあわせて政治の話が多くを占めるため、退屈に思われる方もいるかもしれません。政治・経済は仕組みがわかって、自身に実害がないうちは面白いものだと思うのですが。  またカリグラやネロなど先入観がある分、古代の人物像を資料と彼らが行った行為などから浮き彫りにしていく塩野女史の叙述を存分に楽しめる巻であると思います。
帝政を確固たるものにした皇帝ティベリウスの章
カエサル、アウグスストゥスの後を引き継いで最高権力者の地位についたティベリウス。彼にはアウグストゥスが打ち建てた事実上の帝政の確固たるシステム化(誰が皇帝になっても運営できる体制づくり)という使命がありました。しかも、神君となったアウグストゥスが成果を明確にしなかったゲルマン侵攻の決着という難題も残ります。 アウグストゥスの血を引く養子ゲルマニクスを担ぐ一派や政治的な能力を失ったレベルの低い元老院。何かと先帝アウグストゥスと比較するローマ市民。こうした難しい環境下でティベリウスはストイックに政治・外交に取り組み、課題を解決していきます。 第2代皇帝として自身に与えられた(アウグストゥスに細かく指示された訳でもないのに)使命を正確に理解して冷徹に仕事を進め、人柄としても面白みに欠けるうえ、人気取りの施策を行わなかったゆえ、市民には不人気だった(死にあたっては「遺体をテベレ河に捨てよ」の声まで出た)ティベリウスを、塩野氏はかなり好意的に描いています。読む側にとっても「帝政とパックスロマーナを確固たるものにした賢帝」というイメージを強く持ち、タイトルとのギャップが印象的です。 そもそもこのタイトル、塩野氏によると反語的なもので、「悪帝と断罪されてきたけどホント?」という意味だそうです。歴史的に評価されていないティベリウスからネロまで4人の皇帝が塩野氏の視点によってどう描かれるのか楽しみです。
帝政の発展
ロードス島へ引っ込んでいたティベリウスが第一人者へ押し上げられ、自らを神格化させることを極度に嫌いながらも、ローマ帝国の礎を築いていく。 表紙の金貨にもあるようにこの時期の通貨の鋳造技術を群を抜いており当時の経済状態の良さが伺える。 ティベリウスに関して私が一番驚くのは、よくもまぁここまで自分の存在を冷静に捉えて言動を起こせるなぁということ。公人とはみなこうあるべきではないのかという模範のような人だ。名門中の名門家系出身ゆえに、元老院の討議責任を放棄して第一人者に任せるという姿勢が許せなかったようだが、理想をみたのはその部分だけのような気がする。 そんな彼も、家庭のコントロールは常に失敗したようで、晩年にはカプリ島へ「家出」してしまうのだから面白い。親族のコントロールが一番難しいということか・・・
イメージがかわりました
これまでもっていた,ローマ皇帝の悪いイメージ,特に悪名と言われた皇帝のイメージが大きく変わりました.皇帝即ち悪とは,現代人の解釈であり,なぜ1000年もローマ帝国が続いたのかをもっとよく考えるべきだと,思い知らされました.

マッカーサー―フィリピン統治から日本占領へ (中公新書)

[ 新書 ]
マッカーサー―フィリピン統治から日本占領へ (中公新書)

・増田 弘
【中央公論新社】
発売日: 2009-03
参考価格: 1,155 円(税込)
販売価格: 1,155 円(税込)
マッカーサー―フィリピン統治から日本占領へ (中公新書)
増田 弘
カスタマー平均評価:  4.5
重厚な評伝
マッカーサーの(日米戦直前の)米極東軍司令官就任からGHQ総司令官退任までの10年間に焦点を当てた評伝。フィリピン上陸や日本上陸の写真で象徴されたり、いくつかのエピソードで強調された人物像しか見えなかったが、その陰に隠れた実像を、側近らの証言を集めて映し出した。著者はマッカーサーを、高い知性と威厳、タフな精神で和戦両面で優れた能力を発揮した、と評する。 また、日本占領時に先鋭化したG2とGSの対立の背景について、イデオロギーのほかに、複雑な人間関係が存在したことを本書は示す。フィリピン退却の際、マッカーサーに同行し「バターンボーイズ」と呼ばれたスタッフはマッカーサーと強い絆で結ばれ、軍隊では異例なことに、多くは大戦中一貫してマッカーサー率いる南西太平洋方面軍総司令部に勤務し続け、かなりのメンバーがGHQにも参画した。本書では下士官に至るまでバターンボーイズ全メンバーの略歴を紹介している。 広範な文献収集がなされ、あまり知られていなかった細かなエピソードも豊富に掲載し、450頁を超える本記は読者を全く飽きさせない重厚な評伝となっている。その一面、非常にたくさんの人物、出来事が入り混じりつつ出てくるので、索引、年表が欲しかったな、とも思った。また、頁が多いので難しかっただろうが、写真が少なくやや単調さも感じた。有名な写真くらいは掲載してもよかったのではないか。
マッカーサーの足跡
 戦記ものや戦後史等で非常におなじみのマッカーサーであるが、その日本統治のあり方の本質的な理解に迫るために、父の代から、また側近についてスポットをあてて考えていく。  その生涯を見ていき、また特にフィリピン時代に着目し、日本占領との関連を考察していく。仮の人生や交友関係まで視野を広げることによって、これまで得られなかった知見が開けている。  大変分厚く、読み応えのある一冊。しかし、ここで言っても仕方ないのかもしれないが、最近の中公新書の高価さはどうにかならないものか。十分質・量ともに新書としては群を抜いているのは間違いないと思うが・・・。

漫画版 日本の歴史〈3〉平安時代 (集英社文庫)

[ 文庫 ]
漫画版 日本の歴史〈3〉平安時代 (集英社文庫)

・吉村 武彦 ・森藤 よしひろ ・岩井 渓 ・入間田 宣夫
【集英社】
発売日: 2007-08
参考価格: 600 円(税込)
販売価格: 600 円(税込)
漫画版 日本の歴史〈3〉平安時代 (集英社文庫)
吉村 武彦
森藤 よしひろ
岩井 渓
入間田 宣夫
カスタマー平均評価:  5
日本史の知識を手っ取り早く身につけたい人へ
このシリーズは全10巻で、それぞれの巻を漢字1字で表現しています。第3巻は「京」。主に平安時代を描いています。活字で読んでもうまくイメージが湧かなかったことでも、漫画だとうまく理解できることがあるものです。漫画の質も癖がなくて大人でもなじみやすいものだと思います。内容的に細か過ぎず、大雑把過ぎず、日本人として最低限の日本史の知識を身につけておきたいと思っている人には最適のシリーズではないかと思います。以下第3巻の目次です。 第1章 桓武天皇と平安の都 第2章 最澄と空海 第3章 摂政と関白をめぐって 第4章 菅原道真と天神様 第5章 承平・天慶の乱 第6章 藤原道長と摂関政治 第7章 紫式部と『源氏物語』 第8章 武士の台頭 第9章 源義家と後三年の戦い 第10章 地方武士の誕生と暮らし 第11章 後三条天皇の改革と院政 第12章 保元・平治の乱起こる 第13章 栄える平家一門 第14章 北方の王者・平泉藤原氏

ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫)

・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2004-10
参考価格: 420 円(税込)
販売価格: 420 円(税込)
ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫)
塩野 七生
カスタマー平均評価:  4.5
いじましく、したたかな。
オクタヴィアヌス = アウグストゥスが ローマに平和を齎す迄を描いた上巻。 紀元前29年?紀元前19年までの出来事。 -- 初代ローマ帝国皇帝、アウグストゥスの物語。 はじめに作者が述べている通り。 『スッラのように痛快でもなく、  カエサルのように愉快でもない。』 そんな彼が、どのようにして目標 (パクス・ロマーナ = ローマによる平和)を 成し遂げたかを描いたお話。 -- これまで、6巻もの間、ルキウス・カエサルという 破格の英雄譚を読んでいた後なので。 流石に正直なところ、地味、という印象が 拭えないアウグストゥス。 戦役は腹心のアグリッパに任せ。 自らは政治に精を出すアウグストゥス。 戦後を治めるためには治世に励む時期が やってくるというのは理解ができるのだけれど。 どうしたってカエサルと比較してしまう。 -- そんなアウグストゥスだけれど。 元老院議員に。 『何のことなのか、さっぱりわからん!』 と罵られても。 黙って辛抱。 連れ子のティベリウス(二代皇帝)に。 『私のことを悪く言う人がいても  憤慨してはいけない。  満足しようではないか、  彼らがわれわれに剣を  向けないというだけで。』と云う。 イジマシイ。 パクス・ロマーナへの道は険しい。
周到な策士
 「だがオクタヴィアヌス(=アウグストゥス)には、カエサルにはなかった資質があった。それは偽善だった。」  当時18歳、「ユリウス・カエサル ルビコン以後」で塩野女史にこう評された初代皇帝アウグストゥスですが、読みながらほとほと感心していました。カエサルの死後、政敵となったアントニウス(とクレオパトラ)を打倒したアウグストゥスは、すでに目詰まりを起している共和政ローマを帝政ローマに移行すべく行動を起す。共和政復帰宣言をしておきながら、密かに実権を握るべく、巧妙に現行の制度を利用しつくす。  その上で安全保障、経済、税制、食料確保、インフラ、宗教・民族問題、皇帝の近辺警護、一般市民・元老院の人気取りなど八面六臂の活躍をみせる。最も苦手な軍事は「右腕」のアグリッパに任せて、内面ではキャリアを捨ててまで奔走してくれる「左腕」のマエケナスの協力を得て帝政ローマの礎を築いていきます。  ただ晩年の血筋への妄執は、後の「悪名高き皇帝たち」の悪政への一因となって残ります。彼らの悪政によっても崩されることがなかった「パクス・ロマーナ」がいかに築かれたのか、感心でうなりながら読んでください。
全く違うタイプの才能に引き継がれたローマ
 カエサルの政治構想力に基づき広大な欧州の地にばら撒かれたパーツを、ローマ帝国として組み上げる仕事を残されたオクタヴィアヌス。同じ帝政を目指しながら、なぜカエサルは暗殺され、オクタヴィアヌスは皇帝となれたのか。この疑問はかなり興味深い。  カエサルは、同時代に生きた政治家と比較して、明らかに飛びぬけた能力を持っていた。軍隊を率いさせればガリアを平定し、弁舌は兵士を魅了し元老院議員を沈黙させる。その政治的センスが際立っていたことは、反抗的だったガリアを属州の優等生と呼ばれるまでにした統治政策からも明らかだと思う。だが、後世から見れば明らかな事実も、同じ時代を生きている人間から見ればそうとは限らない。まして元老院議員から見ればカエサルは同輩でしかないのだから、一人カエサルが人気絶頂にあれば嫉妬の炎を燃やしもするだろう。しかし、おそらく彼はこの嫉妬が理解できなかったのだと思う。だから、統治すべき民衆に対しては細心の心配りができたのに、同輩の自尊心を満足させる策を打たなかった。カエサルは生まれながらの支配者だったがゆえに暗殺されたのではないか。  一方、オクタヴィアヌスは元老院議員を嫉妬させることが無かったのだと思う。何しろ彼は、軍隊を指揮すれば必ず負け、演説をすればやり込められるような存在だったのだから。ただ、オクタヴィアヌスは自分が天才ではないことを知っていた。きらめくような人をひきつける魅力は無かったかもしれないが、人を利用することは知っていた。だから、元老院を自分の支配構造の中に取り込み、飼いならしていったのだと思う。権威と権力に酔う人間には夢を見させておけばよい。オクタヴィアヌスは元老院に共和制の夢を見させ続けることに成功した。  このように考えると、現代日本で強力なリーダーが生まれづらい理由が分かるような気がする。カエサルとオクタヴィアヌスのように、政治的な意味で”幸せな結婚”が生まれる環境が作れれば良いのだが…
天才の後を継いだ天才でない人物による「戦争」
長かったカエサルの項が終わり、本書からはカエサルの養子であり後継者であり、最初の皇帝となるアウグストゥス(オクタヴィアヌス)への主人公が移ります。 「スッラのように痛快でもなく、カエサルのように愉快でもない」と塩野氏が評するとおり、 アウグストゥスは派手な戦争をする訳でもなく、弁舌さわやかに市民に演説するような場面はありません。しかし、常に冷静に行動し、元老院派の反発を避けながら、時間をかけて、かつ巧妙に、自らへの権力の集中を進めていくさまは、地味にみえるだけにかえってアウグストゥスの優秀さを表しているような気がします。 読者にとってはカエサルの項のほうが面白いのは間違いなく、本巻での文章表現は退屈な印象を受けますが、塩野氏は「彼の生涯と業績を追っていた間、一度として退屈したことはなかった。それは彼が生涯をかけて別の意味での戦争を戦っていたから」と前書きで語っています。 静かなる最高権力者がいかにしてローマを帝政へと導くのか。静かなタッチが却って緊張感をもたせていて、次巻以降に期待を持たせる内容となっています。
教科書的
前巻までと比べて政策や権謀の羅列になっていて著者の想像が入る余地も多く読むのになかなか苦労する。事実の羅列→著者の想像→事実の羅列 の順序で進んでいく本書は前作までの興奮する場面も無く記述しにくい時代だということはよくわかる。 どうにも歴史教科書を詳しくしただけという感もいなめない。

ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)ローマ人の物語8 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)ローマ人の物語8 (新潮文庫)

・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2004-08-30
参考価格: 420 円(税込)
販売価格: 420 円(税込)
ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)ローマ人の物語8 (新潮文庫)
塩野 七生
カスタマー平均評価:  5
虚栄が悪いわけでもなく、野心が悪いわけでもない。
ユリウス・カエサルの幼年期?青年後期までを描いた上巻。 (誕生?39歳まで。) 紀元前100年?紀元前61年までの出来事。 -- カエサルの話だけで。 8巻?13巻までが占められるローマ人の物語。 余程作者が好きなのか、 はたまた好き嫌い云々の前に書く事が沢山あるのか、 ということになる。 -- 『37歳にして起ちはじめる』とあるように遅咲きの英雄。 遅咲きなだけに上巻では特出した活躍は無し。 -- 『野心とは、何かをなしとげたいと思う意志であり、  虚栄とは、人々からよく思われたいという願望である。』 素晴らしい説明。 けれど、両方とも一長一短ある。 虚栄が悪いわけでもなく、野心が悪いわけでもない。 -- 『カエサルと女』 『カエサルと金』 という章があり、そのまま過ぎておもしろい。 『重ねて言うが、女が何よりも傷つくのは、  男に無下にされた場合である。』 という塩野さんの意見も面白い。 -- イタリアの普通高校で使われている、歴史の教科書の抜粋。 『指導者に求められる資質は、次の五つである。  知性。説得力。肉体上の耐久力、自己制御の能力、持続する意思。  カエサルだけが、このすべてを持っていた。』 カエサル『だけ』がというところが、すごい。 かれこれ2000年以上も前の話である。
英雄譚
 カエサルの活躍に心踊り、カエサルの演説に震え、カエサルの死より始まる「無用の悲劇」に涙せよ。  塩野女史曰く、ユリウス・カエサルの時代の描写が生き生きしているのは、生き生きとした情報を残してくれたキケロとカエサルのおかげであるとのこと。確かにカエサルの著の『ガリア戦記』は後世による推測の余地がないといっていいほど、臨場感と快活さをもった名著でした。  それでも共和制ローマ派のキケロと帝政ローマ派のカエサルを通して、時代の趨勢を相互補完的に書かれている塩野女史の力量もすごいものと思います。  まあ、なにはともあれ読んでカエサルに惚れちゃってください。
カエサルからみたローマ
文庫版第8巻、ようやく誰もが知るシーザー/カエサルの登場である。「ルビコン以前」のさらに上巻であるということで、 本作ではカエサルの少年時代から40歳前くらいまでを取り上げて語っていく。 マリウスとスッラの対立、両者の反対派粛清など、以前に読んだ話があるなと思ったら、この本では、 既に述べた歴史をあらためてカエサルの視点から記述しているとのことであった。そういうわけで、 以前の本で取り扱った歴史を復習しながら、カエサルの生い立ちを、周囲の社会環境を十分に考えながら追うことが出来る。 名門の出ながら権勢をふるう家ではなかったため、しっかりした母の下比較的つつましく生きながら成長するが、 マリウスの甥でキンナの娘を妻にしていたためにスッラに消されかかり、スッラの命令に背いたために国外逃亡し・・・ カエサルは、時代の流れのせいもあってなかなか出世街道に乗れない。歴史の表舞台に登場してこない時代の彼が、 一体どのような人生を送っていたのかが、まるで見てきたように生き生きと描写されている。 また、信じがたい額の借金を重ねた理由(そもそもそれだけ借りられたわけ、何に使ったのか)や、 カエサルが女性にもてまくってしかも恨みを買わなかった理由まで推察されていておもしろく読める。 時代の流れや空気をうまく読みながらも、自分の思うところは貫くカエサルの生き様が印象的である。 のちにカエサル批判をその著作ににじませることになる執政官キケロも登場する。
魅力的な男カエサルの物語
ローマ人の物語もいよいよカエサルが主人公として登場します。 塩野氏は「絶望的な状態にあっても機嫌の良さを失わなかったこと」をカエサルの特徴と論じますが、彼の幼年期から執政官としてローマの実権を握るまでの約40年間をカバーする本巻では、まさに指摘のとおりのカエサルの奔放なキャラクターがいきいきと描かれます。 その人生は、伯父が粛正され自らも処刑されかけた幼年期に始まり、30歳時点ではダンディな生活ぶりと莫大な借金のほうで有名だったほど晩成型。ところが、ようやく40歳にして「起つ」と、とたんにローマが彼を中心にまわり始めるという珍しい男。 本巻後半には、どの歴史家でも解けない謎、「金」と「女」に言及。なぜあれほどモテたのか、なぜあれほど借金をしたのか、について、塩野氏なりの結論を述べています。 本巻での塩野氏の文章は、これまでのローマ人の物語とは明らかに違う印象を受けました。まるで好きな男の子のことを女友達に話すようなうきうきした感じがにじみ出ており、きっと彼女もカエサルに惚れてしまった一人なんだろうなぁと感じました。 カエサルの今後の人生がどうなるのか、期待を抱かせる1冊です。
カエサルの青年期まで
 この巻ではカエサルの誕生から青年期までが描かれる。したがって、時間的には第7巻で扱われたマリウスとスッラの時代と重複する部分もある。けれども、第7巻は時代を動かしていたマリウスとスッラの側に焦点を当てていたのに対し、この巻ではカエサルが主役になるので内容的には重ならない。  読後の感想としては、次の3つが印象に残った。  第一は、著者の塩野さんの物語の運び方が巧みなことである。カエサルの幼少期のことなどは不明なことも多く、その時期に焦点を当てて物語を進めることは大変だったと思う。しかし、著者は、カエサルの生まれた地区の特徴であったり、ローマ貴族における子弟教育のあり方、ローマの住宅の特徴など、他の書物では全く触れられないか、触れられてもぞんざいに扱われてしまうような事柄を丁寧に検証することで、カエサルがどのように育ったのかについての著者なりの推測を巧みに進めている。  第二に、カエサルの人物像がとても活き活きと描かれていることである。「カエサルと女」「カエサルとお金」などは、まるで同時代の新聞記者による「カエサル特集」の記事の一部であるかのように分析に富んでいて面白かった。ここで扱われている内容が2千年以上も前の歴史的人物に関することであるとは思えないくらいだった。カエサルという人物の魅力にも依存するのだと思う。  第三は、カエサルの知性の明晰さである。塩野さんが引用してくれたカエサルの演説の巧みさは筆舌に尽くしがたいものがあった。

決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)

[ 文庫 ]
決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)

・半藤 一利
【文藝春秋】
発売日: 2006-07
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)
半藤 一利
カスタマー平均評価:  5
太平洋戦争当時の日本人の精神面からの理解
昭和史については学校でも詳しく教えないので、ただなんとなく太平洋戦争を一部軍国主義者や支配層が起こしたもの、あるいは石油が禁輸されたのでやむなく南方資源の確保に動いたもの、等々、の理解をしている場合が多いのではないかと推察する。だがそれだけでは、勝つ可能性はほとんどないと判っていた戦争をなぜ決断したのか、あるいはなぜあれほど激しく徹底抗戦が主張されまた実行されたのかを説明することはできないと思っていた。本書を読んで、多くの現代の日本人には容易には理解し難い当時の実情の一端を垣間見ることにより、なぜ戦ったのか、どのようにして戦いをやめたのかを当時の日本人の精神的な面から察することができると思う。また、終戦の間際、各人それぞれの日本とは、日本人とは何であるかについての思いの違いにより正反対の行動をとりながらも、物質的な意味とは違った意味において日本を守ろうと努力したという点では同じであったことは理解できる。そこには、良くも悪くも現代日本人の利己的、拝金主義的傾向と対極をなす思想や精神が感じられるが、現代のバランス感覚からすると当時は精神偏重の時代だったのかもしれない。 
日本人は「敗北」をいかにして受け止めたか
歴史上、日本が「敗北」を自分から認めたのがこの8月15日の玉音放送である。 そして、この敗北という状況認識に至る閣議の過程、認めずに狂奔する青年将校の8月14日深夜から8月15日早朝にかけての玉音放送録音テープ争奪戦を中心に物語りは進む。 この意義深い本を読んで再認識させられたのは、終戦に向けての意思決定においては昭和天皇自身が揺ぎ無い決意をもって臨んでいたことである。 そして、そのために曖昧であるはずの国体の護持に関し、自信がある旨を天皇自身が閣僚の前で約束していることである。 今になって振り返れば、当時では約束などできるはずもない国体の護持を天皇の権威をもって信じ込ませたからこそ、陸軍・海軍の大臣をも納得させたわけであって、昭和天皇の終戦に向けての強い意志を再認識させられた。 終戦後、昭和64年にいたるまで昭和天皇は長きにわたってその職務を務め上げられたが、これは8月15日と相前後して割腹自殺を図ったり、拳銃自殺を図った軍人たちよりも戦争で死んでいった者たち、苦渋の思いの中であえて敗戦を受け入れた者たちにたいしなんとしても「国体を護持」するという責任の取り方であったのだろう。 半藤氏の文章はこなれていて、読みやすく、一気に読めました。
国体保持の解釈の違いがキ-ワ-ド
読後、しばらくは本を閉じることが出来なかった。 終戦に向かう日本のほんの1日の中でこんなドラマがあったとは。 一部の狂信的な陸軍将校の起こした事件と知らされていた、ク?デタ?未遂ではあるが この書を通じて、彼らの純真な国体保持への思いが、感動を呼びます。 戦後60年を過ぎた今になっては、時代錯誤な考えと笑われるよな彼らの愛国心ではあるが、 終戦派と陸軍における国体保持の着地点の違いに初めて触れ、 この日の偶然の数々によって、無事迎えることが出来る終戦の重みを改めて感じた。 この一日の流れには明治維新と同レベルの歴史の流れが集約されており、 価値観や、習慣の大きな変貌があったことでしょう。 今となっては、純真すぎる陸軍将校たちや、阿南陸軍大臣に心よりの冥福を祈りたい気持ちでいっぱいである。
日本には、こういう時があった
1945年8月、日本帝国はすべての戦線で敗退し、連合国からは無条件降伏を要求するポツダム宣言を突きつけられていたが、軍部は、なおも本土決戦を唱えていた。こうしたなか、8月6日には、広島に原子爆弾が投下され、8月9日には、ソ連は宣戦を布告し満州に侵攻した。本書は、記録にもとずく、8月12日から8月15日の玉音放送までのいきさつを列挙した、ノンフィクション。玉音放送にいたるまでにも、数々のドラマがあった。  昭和を代表する良質のノンフィクションの一冊だと思う。
私たちはこの教訓を生かせるのだろうか?
歴史のテキストかなにかで、 昭和天皇玉音盤の奪取計画があったことを知ってはいたが、 これほど詳しく書かれたものを目にしたのは始めてであった 空襲で焼け野原の東京で、 これだけのドラマがあったことに驚くと同時に、 それを調べつくした筆者の取材力にも舌を巻く。 しかし終戦だというのに、 国の指導者たちが面子と手続きにこだわり、 茶番に近い駆け引きを続けるさまは 喜劇であると同時に、大いなる悲劇でもある。 あれから60年以上が経つというのに 私たちは非常事態に際して この教訓を生かせるのだろうかと 読後、少し背筋が寒くなる。

ローマ人の物語〈20〉悪名高き皇帝たち(4) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ローマ人の物語〈20〉悪名高き皇帝たち(4) (新潮文庫)

・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2005-08
参考価格: 460 円(税込)
販売価格: 460 円(税込)
ローマ人の物語〈20〉悪名高き皇帝たち(4) (新潮文庫)
塩野 七生
カスタマー平均評価:  5
余りにも有名な暴君ネロの時代
世界史オンチの私は、「ネロ=暴君」ということしか知識がなく、ネロがどのような政治を行ったかのごく一般的な教養すらももっておりませんでした。そのため、ネロが描かれるこの巻はある意味楽しみにしていたのですが、塩野氏が描くネロは(確かにわがままではあったにしても)単なる暴君ではなく、どこか憎めない人物として描かれます。 オリンピックを開催したり、自ら歌手として市民の前で歌ったり…と、やりたい放題。更に、母殺しに妻殺し、有能な将軍たちの理不尽な処分(自死命令)、キリスト教徒の処刑などなど…確かに書き連ねれば乱暴なことばかり。 それでも悪意に満ちた政治という訳でなく、就任後5年は善政であったと古代の史家も評価する皇帝であったことが分かります。塩野氏もどこか哀れみをもった表現で、「皇帝だったことさえ忘れたら愉快な若者」「善政はしたのだがそれが持続しなかっただけ」と評しています。その死後、ネロの墓には花や果物の供物が絶えなかったというエピソードからもネロの印象が大きく変わるのではないでしょうか。
やりたいことと、やらなくてはならないこと
母アグリッピーナの謀略により若くして皇帝となったネロは、自立とともに養うはずのバランス感覚を養い損ねた。皇帝という立場を理解しきることが出来なかったことが彼の盲点ではなかったか・・・最高の教師セネカを得ていたにも関わらず自制というものは学べるものではなかったようだ。歌を歌いにギリシアへ行ってしまったり、出すべき指示が極端すぎたり・・・と。ドラッカーがこの時代にいたら「なすべきことをやりなさい」と説教してくれたかもしれない。 ローマが大火に襲われた原因をキリスト教徒の放火と決め付け、残酷なまでの死刑の執行を指示した暴君ネロの行動が、後々のキリスト教徒迫害への先鞭をとってしまう。 善政の時に調子に乗らない慎重さが彼にあったら・・・と思わざるをえない。
ネロのイメージがかわった。
世界史の教科書では母親とセネカを殺し、悪政の限りをつくした皇帝として登場するローマ帝国5代皇帝ネロ。
しかし本書に書かれているように少し詳しく見ていくと、皇帝としての才能が全く無かったわけではなさそうである。
むしろ治世の前半期はなかなかよい政治を行っているように思える。
しかしあまりに簡単に人を殺しすぎたり、市民の誤解を招くような行動が多すぎたために、後々まで語り継がれるような悪帝の代表になってしまったのだ。
ローマ皇帝のかたち
 暴君だったから殺されたのではなく、統治者として不適格であるから殺されたネロの物語。
 母アグリッピーナの野望によって帝位に就いたネロ。元老院も市民も、ネロの登場を歓迎する。先帝の嫡子を殺し、母を殺しても、ローマ市民は黙認した。統治がうまくいっていた間は。だが、統治に不適格であると思われたとき、レス・プブリカの為にこのギリシアかぶれの繊細な若者は殺されたのである。
 アウグストゥスが作り上げたローマ皇帝とは、ローマの住人の父であり、パトローネスであり、レス・プブリカの体現者であった。これほど労多くして実の少ない役もないと苦笑してしまう。帝国は実務を行う人々によって盤石であったにもかかわらず、不適格者の統治は許されなかったのだ。共同体意識の強い場合に良く見られる、すべての責任を一人に押しつける事で得られる安心感が、得られなかったために殺されたとも言える。血は、言い訳でしかなかった。
 それにしてもこの母子を見ると、男は自分のちっぽけなレス・プブリカのためにも女を愛する方がよさそうだと、愚にも付かないことを思ったりする。この帝政の始まりがカエサルであったら、どんなローマになっていただろうか。
 
名前だけは知っていた暴君ネロの実像に迫る
ローマの歴史を全然知らなくても、本書でつまびらかにされる皇帝ネロの名前はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか? それもキリスト教関連で登場するユダと同じようにダーティなイメージが付加されて。ぼくも読む前は目次を辿るだけで、残虐な極悪非道なエピソードが描かれているのだろうかと想像しましたが、史実に基づいたネロの生涯を読むと、名君とは言えないまでも、カリグラ帝とどっこいどっこいという感想を持ちました。抜きん出た悪人という訳ではありません。では、なぜ、暴君=ネロというイメージがこれほどまでに浸透しているのか? その理由も冷静な筆致で塩野さんが教えてくれます。納得しました。

ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)ローマ人の物語10 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)ローマ人の物語10 (新潮文庫)

・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2004-08-30
参考価格: 460 円(税込)
販売価格: 460 円(税込)
ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)ローマ人の物語10 (新潮文庫)
塩野 七生
カスタマー平均評価:  5
あまりにもドラマチックな『ルビコン以前』
ユリウス・カエサルの壮年前期(後半)を描いた下巻。 (40?50歳まで。) 紀元前53年?紀元前51年までの出来事。 -- 『ルビコン以前』という単語の意味が。 下巻の後半に来るまで よく理解できなかったのだけれど。 下巻の後半でようやく理解できる。 というか。 『ルビコン以前』という章があまりにも ドラマチックなため、 ガリア戦役が霞む。 ルビコンという分水嶺を渡るための序章として。 ガリア戦役がある、といっても良いくらいに。 ドラマチックな『ルビコン以前』。 -- カエサルがルビコンを渡ってから五日後に。 荷物も持たずに、 カエサルの元から身一つで離反した副将ラビエヌス。 ラビエヌスの荷のすべてを本人に返した、 副将の離反を知ったカエサル。 賽は投げられた!という後世に残る言葉よりも この『ふたりの男のドラマ』の方に感銘を覚える。
ルビコンを前に固める決意
『The die is cast!!』 有名過ぎることわざの発端となったルビコン河の渡河は、 カエサルにとって自己に忠実ならしめんとする決意と、 従事する多くの部下を勇気付ける一つの表れ。 著者の情景描写がこれまた素晴らしい。 ルビコンを前に悩めるカエサルの高貴な後姿。 その向こうには打倒すべき同胞ローマがある。 地面を見続け悩むカエサル。 その後姿を黙って見つめるしかない多くの部下。 息詰まるほどの無音を破るカエサルの静かな一言。 まるで映画のワンシーンかのように素晴らしい情景描写に、私は感嘆するしかなかった。 一連のカエサル関連書の中でも絶品である。 シリーズを通さずとも、 本書を読むだけで著者の力量や思い入れ、 ローマが内包する素晴らしさがわかる。
ガリア平定、そしてルビコン川をわたる
前半部分は「ガリア戦記」にもとづいたガリア戦役の記述が続きます。ようやく平定したかに見えたガリアも、聡明なヴェルチンジェトリクスという人物の先導により反カエサルとして一斉に蜂起。これまでガリアではほぼ一方的に勝利を得てきたカエサルにとっては、初めて出てきた敵側の戦略家。そのヴェルチンジェトリクスとの戦い・駆け引きは固唾を飲んで読み進みました。また、印象的だったのは、戦いの節目節目に発せられる、カエサルの部下兵士たちに対する言葉。その表現力のうまさだけでなく、本心から出た言葉だったからこそ、「この人のためなら」と思わせたのだろう。素晴らしいリーダー像です。 本書後半は、カエサルを内乱蜂起へと向わせた、元老院派との緊迫した状況が描かれます。「ルビコン川を渡る」…世界史オンチの私は、言葉の意味は知っていても誰のどのようなエピソードかは知らずにいましたが、まさのその意味のとおり、決断に際してのカエサルの苦悩がよく伝わってきます。 塩野氏の筆もますます冴え渡る一冊です。
緊迫感がすごい
 ガリア戦役の6年目からルビコン川を渡るまで、すなわち、紀元前53年から紀元前49年の1月までの4年余りがこの巻の舞台である。  すでに5年に及ぶガリア戦役によってローマの覇権がガリア全域に及びつつあったが、そんな状況において、クラックスがパルティアで敗死して三頭政治の一角が崩れて政治の均衡が崩れてしまった(前53年)。さらにガリア民族の大蜂起が起きてカエサルが窮地に立たされるなど、今までの順調な展開とは違った動きがある。ガリア戦役は、カエサルがアレシア攻防戦に勝利することによってその後の帰趨を決定したが、その勝利に至るまでの過程は実に危険に満ちたものであった。  政治的にも、クラックスが死に、ポンペイウスが元老院派に取り込まれたことにより、カエサルの政治的基盤が崩されていく。元老院の意地の悪い姦策が次々に功を奏することで、カエサルは窮地に追いやられていく。国外において他民族と戦いつつ、背後にいる国内の勢力とも戦わなければならぬ緊張関係が続いた結果、運命のルビコン川に至る。  カエサルや彼に関わるさまざまな人々の人間的な悩み、苦しみ、思惑が緊迫感とともに赤裸々に描かれていて、あっという間に読み終わってしまった。
ルビコン川という小さな川
 カエサルのガリア戦は 最大のライバル ヴェルチンジェトリクスを得て これを打倒した時点で終わる。本書では その最後のガリアでの戦いを前半部分で描き出す。  外征が終わると 内乱が始まることは歴史の常である。カエサルもそんな歴史の一例だ。外を制した彼の目の前に 「内部」が 敵対していくのが 本書の後半である。  ルビコン川とは実際には小さな川だと聞く。ラインやドナウなど 欧州史を彩る大河に比べると小川のようなものという。  そんな小さな川が 世界でも有数の有名な川になった場面を本書は描く。この部分は 塩野の歴史家としてではなく「作家」としての 筆致が冴え渡る場面だ。一頁程度の部分ながら 歴史が転換する瞬間を きらめかせている。  カエサルの物語も いよいよ後半戦に入っていく。

  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17 
7 / 50

サブカテゴリ
    新書・文庫
   歴史
   歴史学
   日本史
   西洋史
   東洋史
   考古学
   歴史 全般



特集
   恋愛



◇このサイトはAmazon.co.jpと連携しています。ショッピングカートはAmazonのものを利用しています。
◇販売事業者はAmazonとなりますが、商品選定等についてのお問い合わせがありましたら、フッターにありますメールリンクからご連絡下さい。



**お店のPR**
<相互リンク>
AmazonMall0
AmazonMall2
AmazonMall3
AmazonMall4
AmazonMall5
AmazonMall6
AmazonMall7
AmazonMall8
TomatoChips
MensWathch
LadysWatch
ShopResort
PremMarket
PremShop
SavePrice
限定ミッキー腕時計
オイルキャンドル
OMEGA格安
海外ブランド財布格安
グッチ格安
ブルガリ格安
プラダ格安
コーチ格安
お祝いに胡蝶蘭
逸品堂Mens支店
逸品道Ladys支店
羽根布団10点
羽根布団8点
AkiraZon
AmazonMall001
AmazonMall002
AmazonMall003
AyaZon
声優Zon
USBjunky
PC_LIFE
あかちゃんのおもちゃ
エレキギター
電車のおもちゃ
浄水器屋
何でも収納屋
電動工具屋
ラジコン屋
はんこ屋
防災防犯屋
サイエンス屋
ミニカー屋
ケース売り屋
G-SHOCK堂
kinsen.com
usb.kinsen.com
SavePrice

AmazonMall012
AmazonMall013
AmazonMall014
AmazonMall015
AmazonMall016
AmazonMall017
AmazonMall018
オススメ腕時計
オススメ羽根布団
オススメ!ミッキーマウス腕時計
オススメMP3プレーヤー
オススメ美容器具










Copyright © 2009 新書☆文庫ランキング. All rights reserved.    Program by 簡単アマゾンサイト作成ツール 4.1.2

 更新日 2009年7月8日(水)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク