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ローマ人の物語〈22〉危機と克服(中) (新潮文庫) 日本史集中講義―点と点が線になる (祥伝社黄金文庫) 名画を見る眼 (岩波新書) 人間は進歩してきたのか―現代文明論〈上〉「西欧近代」再考 (PHP新書) 春秋左氏伝〈上〉 (岩波文庫) ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫) 今日われ生きてあり (新潮文庫) 逆説の日本史 (3) (小学館文庫) ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(中) (新潮文庫) 百姓たちの江戸時代 (ちくまプリマー新書)
ローマ人の物語〈22〉危機と克.. 日本史集中講義―点と点が線にな.. 名画を見る眼 (岩波新書) 人間は進歩してきたのか―現代文.. 春秋左氏伝〈上〉 (岩波文庫) ハーメルンの笛吹き男―伝説とそ.. 今日われ生きてあり (新潮文庫.. 逆説の日本史 (3) (小学館.. ローマ人の物語〈12〉ユリウス.. 百姓たちの江戸時代 (ちくまプ..

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ローマ人の物語〈22〉危機と克服(中) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ローマ人の物語〈22〉危機と克服(中) (新潮文庫)

・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2005-09
参考価格: 460 円(税込)
販売価格: 460 円(税込)
ローマ人の物語〈22〉危機と克服(中) (新潮文庫)
塩野 七生
カスタマー平均評価:  5
「健全なる常識人」ヴェスパシアヌス
ローマ市街戦にまで発展したネロ死後の皇帝の座をめぐる争い。事態を収拾したのはシリア属州総督だったヴェスパシアヌス。場当たり的にその地位についたネロ死後の皇帝らと違い、彼は忠実な同僚のムキアヌスや息子ティトゥスと周到に準備をすすめ、皇帝の座につきました。 この高貴な生まれでもなく前線勤務の軍人から出世したヴェスパシアヌスの資質を、塩野氏は「健全な常識人」と評し、その資質こそが混乱の極みにあったローマを安定させるのに必要であったと論じます。 その治世は「歴史家に言わせれば特筆すべき事件は何もなし」。まさに健全なる常識をもって、ユダヤ反乱の収拾、財政再建(これも歴史家に言わせれば、歴代皇帝のなかで最高の国税庁長官)などにあたりました。特に印象的なのは、かつてアウグストゥスがこだわった「血」に基づく皇帝継承を、わざわざ法を作ってまで次期皇帝決定システムを制度化したこと。 生真面目さがにじみ出る施策によってローマが危機を克服していく様子が描かれています。いつもながら塩野氏の筆による人間ヴェスパシアヌスへの描写に、思わず親しみが湧いてしまいました。
ローマ帝国の懐の深さ
この巻で感じるのは、ユダヤ人の特異性だ。なぜ彼らはこの時代に既にここまで頑なに他者との同化を拒んで選民思想の虜になりえたのか・・・著者なりの回答を寄せてはくれているがそれだけでは納得できない部分がたくさんある。そしてそれが現代にまで根深く残っているのだから恐ろしい。自分達で街を作らず必ず出来あがった街に入り込むくせにそこで独自のコミニティを作り上げる。ユダヤ人については更に勉強したくなった。 そして、皇帝ヴェスパシアヌスの堅実な采配ぶり。それを支えたムキアヌスの辣腕。自分よりも優秀なものを迷わず登用し続けられたか、が前の3皇帝とは違ったところか・・・ そして、混乱を極めたローマの現状に便乗しガリア帝国を画作した者達を「ローマの混迷ゆえの行動」として「なかったことにする」というスタンスを貫く恰好良さがこの時代にもある。
ローマの危機管理
 ローマ帝国の「危機管理」の確かさが 実に読み応えがある。主導権を巡る内部闘争が 外部の反乱を招くというのは 現代の色々な「組織」でも良くある話だ。日経新聞を読んでいれば そんな記事は百出である。誠に 人間は2000年前と大して変っていない。

 そんな危機にどうやってローマ帝国が対応したのかが本書のテーマである。見事な危機管理振りには唸ってしまう。

 ここで塩野七生が追求しているのは その時点での登場人物たちの資質ではない。勿論 危機管理をやれた連中であり そもそもの個人の資質は高い。但し 塩野七生は そんな個人の資質に 危機管理の成功の原因を求めてはいない。むしろ カエサル以来のローマ帝国のスキーム自体に 成功の原因を求めている。そうして そのスキームを作ったカエサルを声を上げて賛美していると言って良い。そもそも この「ローマ人の物語」を書いている塩野七生の原点は「時空を超えたカエサルへの片思い」にあるというのが小生の 22巻まで読んできた実感である。

 それにしても昔のローマ人の危機管理は素晴らしい。時代を超えて 大変勉強になる。
「健全な常識」を持った皇帝の解決方法
ローマ人たちにとって悪夢の紀元69年が過ぎていく中、希望への光明が胎動していた。ヴェスパシアヌスとその仲間たちである。歴史というのは、後世から振り返るものである。カエサルやアウグストゥスのような比類なき才能に恵まれなかったヴェスパシアヌスの帝政時代に広大なローマ帝国に平和と秩序が戻ってきた。その結果を踏まえて塩野七生はこのような叙述する。当時のローマにおいて帝政というシステムが破綻した訳ではなかった。有効に機能させるための「健全な常識」を持ったトップが必要であったのだ、と。69年時の皇帝たちとヴェスパシアヌスの鮮やかなコントラストを描きながら、「健全な常識」とは果たして何か、複数の具体例を元にして紐解いていく。
いつもながらレビューになってないが
 素人の特権を利用させていただく。
 ローマの税率が低いのは、庶民が銀貨も金貨必要としなかった生活と、富の再分配にあるのではないか。
 古代はすべて人力に頼った時代である。使うのも牛か馬といった所だ。エサはそこらじゅうに生えていたであろう。道路をひくのは軍団兵の仕事。材料は石だ。アスファルトを生産する施設も敷設する機材も不要。矢も投げ槍も、先端を回収すれば再生産可能だ。暇なときの軍団兵の仕事に、矢の製作は当然入っていただろう。現代ではミサイル一発で兵士一人の年収が飛ぶが、投石機なら落書きに包まれた石が飛び交うだけだ。空母となると国家予算が飛んで行く。燃料?人なら小麦で済む。
 そしてローマでは、富の再分配を金持ちが名前が残るからと大喜びでやった国である。しかも国家の仕事を肩代わりしてくれたのだ。ローマが小さな政府でやっていけたのはこういう訳ではないだろうか。


日本史集中講義―点と点が線になる (祥伝社黄金文庫)

[ 文庫 ]
日本史集中講義―点と点が線になる (祥伝社黄金文庫)

・井沢 元彦
【祥伝社】
発売日: 2007-06
参考価格: 670 円(税込)
販売価格: 670 円(税込)
日本史集中講義―点と点が線になる (祥伝社黄金文庫)
井沢 元彦
カスタマー平均評価:  4.5
タイトルに騙されてはいけません。
「日本史集中講義」お堅いタイトルだが、中身は実に分かりやすい。 教科書にゴシック体で出ていた言葉が、生き生きと頭の中に入っていきます。 特に自分は武士の起こりについて書かれているところが面白くて何度も読みました。 井沢さんの歴史観を垣間見る入門書のようなものだと考えてもらいたい。
日本人の考え方の流れがわかります
中国残留孤児がなぜできたか?という1行に引かれて読み始めました。 実際、その理由は最後の方にほんの少ししか出てこないのですが、それまでにはこの本の本来の目的である、日本社会の歴史的変遷のなかでの「歴史的事実の捕らえ方、というもののとりこになっておりました。 大河ドラマでも信長が僧侶を惨殺(の命令を)する場面は、たいてい信長の「狂」的部分の特徴的な描写として描かれている事が多く、そう思っていましたが。。。 それ以外にも、日本で合議制がこれほど浸透している意味もナットク。 次は、「逆説の日本史」のも挑戦しよう!
真の知の探求とは
日本の歴史教育の現状を、彼は「群盲、象を語る」と評している。 何故、武士が興ったのか・・・ 何故、朝廷と幕府が共存できたのか? そういった「流れ」を理解しないと全体が見えないのだと 彼は言う。 それが「点と点が線になる」という副題になるわけだ。 僕は、中学生の頃、読み漁ったのが司馬遼太郎であり 吉川英治であり、そういう歴史小説でありました。 それぞれ小説の記憶が、その根底の流れの理由が明確に見えてくる・・・。 井沢氏の代表作には「逆説の日本史」シリーズがあるが そのエッセンスを抽出したのが本書である。 彼の書物から受ける印象は、とても柔らかい。 文字からその「ひとなり」が伺えるのである。 実際に井沢氏と会って彼の印象を肌で感じているだけに、 その印象と、全く変わらない。いや、逆にそれがあるので 先入観が優先されているのかもしれないが・・・。 穏やかで柔らかく、それでも、しっかりした意思を感じるのです。 この作品は、難しいことなど何も書いていません。 中学生でも理解できる内容になっています。 見えなかったコトが見えてくる点においては、 先に読んだ「ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座 」とまったく同じです。 知の探求の面白さを実感できる、1冊です。
井沢流
井沢氏の著作は何冊か読みましたが、氏の「歴史とはこのように考えるんだ」という主張が明確に述べられていて、非常に楽しく読むことができました。中でも、本書は日本の歴史の幕開けの部分から、現代に至るまでを結ぶ一本の糸のような、歴史の流れが凝縮されており、お勧めです。本書の中では伝統的な日本の歴史学、歴史解釈に対しての批判が繰り返し述べられていますが、プロの歴史学者の方々はどのように考えるのか?本書に述べられていることはあくまで、井沢氏の主張であり、それに対しての反論があってしかるべきと思うのですが、期待できるんでしょうかねえ?的を得すぎてて、返す言葉もない、なんてことは無いとは思うのですが・・・
日本史での受験を考えている高校2年生あたりには、とくに推薦
 前書きに従えば、この本は日本の歴史教育のダメさを検証し、ではどうすればいいかを考えるために書かれたらしい(p6)。実際、文中では何度も日本史教科書の記述が引用され、検討・批判が加えられている。それらの主張にはそんなに違和感がないし、著者の組み立てる歴史像は、たしかに教科書で習ったものより格段に面白く、腑に落ちる。ちょっと歴史好きな高校生に読ませたら楽しめるだろうし、受験勉強にだって大いに役立つと思う。  私としては、「逆説」シリーズを第7巻まで読んで疲れが出ていたところだったので、重要ポイントの復習・確認と、これから読む(つもりの)戦国時代以降に関する予習として、うまい間奏曲になった。文字通り、夏休みのゆったりした気分を味わいつつ、程よくクーラーの効いた部屋で特別集中講義を受けたような感じ。  ただし、「逆説」シリーズをガンガン読み進めているようなパワーのある人からすると、聞いたような話ばかりで、ちょっと物足りないだろうとは思う。  一つだけ付け加えておくと、この文庫版は3年前に刊行された本書のオリジナル版に一部修正を加えているらしい。これは教科書の改訂状況などに対応した処置とのこと(「文庫版に際してのまえがき」参照)。古書などでの購入を考えている方はご注意ください。

名画を見る眼 (岩波新書)

[ 新書 ]
名画を見る眼 (岩波新書)

・高階 秀爾
【岩波書店】
発売日: 1969-10
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
名画を見る眼 (岩波新書)
高階 秀爾
カスタマー平均評価:  4.5
美術の講義を受けられる貴重な本
取り上げられている画家の数は15人、 どの画家も教科書に載っている有名な人ばかりである。 しかし、これだけの解説を聞いたことはないだろう。 たとえば、ボッティチェリの「春」。 大変有名な作品だが、これまではルネサンス美術にありがちな ヴィーナスのような女性が並んでいるという印象しかなかった。 しかし、この作品はしっかりとした主題を持っており、 描かれているそれぞれの女性には役割が与えられている。 また、各作品はほぼ年代順に並べられており、 歴史的背景も書かれているので、とても勉強になる。 社会人になると、美術史や絵画論に関する講義を受ける機会は ほとんどないといってよいだけに、貴重な本である。 すべての絵は白黒だが、ネットで調べればどれも詳細なカラーの絵を取り出すことができる。 見るから観るへ変化できそうな一冊。
名画の所以
本書では名画の見どころとその解釈を助ける知識とが平易にしかも的確に理解できるように書かれている。例えばルネサンスの大家でありながら故意に遠近法を避け、九人の登場人物を平面に羅列したボッティチェッリの春。それぞれの人物が持つ意味合いや、ゼフュロスに抱かれたクロリスがその隣のフローラと同一人物であることなどが説明されていく。彼が描きたかったのは現世的な臨場感ではなく、まさに絵画の世界だったのだ。また著者が指摘するように、この手法では油彩ではなく、彼が用いたテンペラがその効果を最高度に発揮している。一見ボッティチェッリはその時代の新しい芸術的動向から取り残された、時代遅れの画家に見えるかもしれないが、事実は絵画たるものの何かを熟知していた数少ない画家の一人だった。
西洋絵画を知るための2冊目として最適な本。
ヨーロッパ絵画に興味を持ち通史を読んだ後に、はじめて個々の作品を掘り下げて解説した本を読む人にとって最適な一冊。 扱われている作品は書名のとおり名画が多いが、ダ・ヴィンチがモナリザではなく聖アンナと聖母子、レンブラントが夜警ではなくフローラが取り上げられているところなどは著者のセンスが感じられ好感がもてる。本書が出版されてから約40年が経つが内容にまったく古さを感じさせないところがすばらしい。本書で取り上げられた作品を見る人は本書での予習が必須だと思います。また、各作品のうちで興味のある絵から読んでいって鑑賞する作品のレパートリーを広げるも良いでしょう。とても読みやすい本で初心者に絶対お勧めの一冊です。 なお、本書と似た構成で翻訳が高階さんのケネス・クラーク著の「絵画の見かた」(ISBN-13:978-4560073667)という本もあるが、こちらは原文自体の文章が読みにくいのでお勧めできません。
参考になります。
教科書に出てくる画家たちが、どのような流れでそれぞれの絵画を描き出したのか。 画家たちが生きた時代背景と、先代から引き継がれた技術・技法・思想がどのように絡み合い、変化していったのかが解かり易く解説してある。 難点は、紹介されている作品がカラーでないこと。 初級者にはあり難い1冊です。
判り易くて勉強になる
革命的肖像画は、レンブラントではなくて、ファン・アイクが元祖だと理解出来た。 デューラーの手先の器用さが理解出来た。 ベラスケスは、絶対色感を持っていた天才だったと理解出来た。 筆触が凄いのだ。 印象派の色彩分割に相当する凄いタッチで描かれているのだ。 印象派の絵画は拡大すると、形態が消え、単なる色の点の集りになるものがあるが、 ベラスケスの絵も実は、薄いかすれた乱暴に塗りたくっただけの絵具の集合に分割してしまうのだ。 光学知識で計算して描いた印象派の努力は、 200年前にベラスケスがいとも簡単に実現していたのだ。 本物の天才の画家は、スペインにしか生まれなかったのですぜ!(藁 世界一の美術館プラド美術館の一番人気のゴヤの裸体画は、 「着衣のマハ」とセットで考えるべきという高階大先生の論はもっともだが、 ゴヤが世界一だという事に異論はないが、 ゴヤのベスト3は「わが子を喰らうサトリュヌス」「砂に埋れる犬」「世界征服を企む悪のナポレオン軍」だと思う。(←タイトルを勝手に変えるな藁 ゴヤの代名詞ネタに、 「残酷なまでに厳しい人生の観察者」 「美しいものに憧れる抒情詩人ではなくて、逃れ難い人間の運命を見つめる予言者」 を追加(ってどこにだよ藁) マネはその名の通り真似王だったと理解出来た。

人間は進歩してきたのか―現代文明論〈上〉「西欧近代」再考 (PHP新書)

[ 新書 ]
人間は進歩してきたのか―現代文明論〈上〉「西欧近代」再考 (PHP新書)

・佐伯 啓思
【PHP研究所】
発売日: 2003-10
参考価格: 777 円(税込)
販売価格: 777 円(税込)
人間は進歩してきたのか―現代文明論〈上〉「西欧近代」再考 (PHP新書)
佐伯 啓思
カスタマー平均評価:  4.5
鋭い切れ味で書く西欧近代思想史
西欧近代思想史がわかりやすくまとまっている良書です。 ホッブス・ルソー・ウェーバー・ニーチェなどを鋭く分析していきます。 倫理の教科書にありがちな、先人の賛美ではなくて、批判的に考察しているのもいいところです。 高校の倫理の教科書の副教材あたりに用いたいぐらいの本です。(あ、これ一般講義か) 佐伯啓思の本を何冊も読んでいるなら、もう似たような感じかもしれませんが、そうでないならオススメです。
思想史も学べます
分析は面白いし勉強になる。現代の問題点への指摘も的を射ていると思う。しかし結論がない。 日本の書籍には、分析はたっぷりするが結論は読者任せというパターンが多い気がする。もちろん軽々しく結論は出せないだろうし、読者にしっかり考えて欲しい気持ちも分かる。自分だって別に、意見をパクろうとか考える事を放棄しようとかそういう気持ちではない。ただ単に、「この点が間違っている。だからこう改善したらどうだろうか」という流れは当然のものだと思うのだ。そうでなければいったい何のために、著者は労力をかけて本を書き、読者はカネと時間をかけて本を読むのか。
現代を生き抜くための、現代思想アンソロジー。
講義調で読みやすく、それでいて内容は極めて豊富で示唆に富む。
本書の議論から、それぞれの読者は、さらなる思索に駆り立てられるだろう。そのための知的発奮材料が詰め込まれた、たいへん刺激的な書に仕上がっているのがうれしい。
著者の専攻は社会思想史。現代社会論は、ともすれば極端なニヒリズムや、無い無いづくしのノスタルジックな呆談で終わってしまうことも少なくないのだが、本書にはそういった心配は無用。同著者の『「欲望」と資本主義』、あるいは本シリーズの下巻『20世紀とは何だったのか』、いずれも明快なロジックで、極めて錯綜した「現代」の思想状況を、あざやかに料理してみせる著者の手腕には、毎回脱帽させられている。
高校生・大学生はもとより、一般人の方にも薦められる、現代人の「必須」教養書。
ニヒリズムに取り組むためのよき入門書
前世紀後半に成立した知の文脈は、ニーチェの哲学に真っ正面から取り組まなくてもよい形になっており(@そこが、わたくしをして「不毛感」を抱かせる最大の原因なのですが)、現在ニーチェの哲学に真っ正面から取り組んでいる人々はわたくしの知る限り在野にしかいないのですが、佐伯先生だけは例外で、現在、京都大学で教鞭をとっていらっしゃいます.

佐伯先生は、ニーチェの哲学に、真っ正面から取り組んでいらっしゃると思います.

わたくしの知る限り、ニーチェの哲学を否定するのは(頭のいい人には)実にやさしいことのようですが、佐伯先生がおっしゃいますように、ニーチェの提出した問題(ニヒリズムの問題)に取り組み、それを乗り越えることは、どんなに頭のいい人にも、非常に難しいことです.

特にいま、この国で、ニーチェの哲学に取り組むことは、非常に難しいことになっているとわたくしは思います.

それと申しますのも、現代は、あまりにも経済の問題(グローバリズムの問題)が強すぎ、それを棚に上げておくということができませんので、哲学だけではなく、同時に経済や、政治についても語らねばならないのですが、そうした「量」の問題のみならず、我が国には、戦後日本の独特の思考土壌というものがあるからです.

これをご覧くださっている読者さんのなかには、ひょっとしたら、ニヒリズムを乗り越える手だてを考えつくことのできるかたもいらっしゃるかもしれません.

本日ご紹介いたしました本は、ご思考の一助になるかと存じます.
自分のメールマガジンより抜粋いたします.
前世紀後半に成立した知の文脈は、ニーチェの哲学に真っ正面から取り組まなくてもよい形になっており(@そこが、わたくしをして「不毛感」を抱かせる最大の原因なのですが)、現在ニーチェの哲学に真っ正面から取り組んでいる人々はわたくしの知る限り在野にしかいないのですが、佐伯先生だけは例外で、現在、京都大学で教鞭をとっていらっしゃいます.

佐伯先生は、ニーチェの哲学に、真っ正面から取り組んでいらっしゃると思います.

わたくしの知る限り、ニーチェの哲学を否定するのは(頭のいい人には)実にやさしいことのようですが、佐伯先生がおっしゃいますように、ニーチェの提出した問題(ニヒリズムの問題)に取り組み、それを乗り越えることは、どんなに頭のいい人にも、非常に難しいことです.

特にいま、この国で、ニーチェの哲学に取り組むことは、非常に難しいことになっているとわたくしは思います.

それと申しますのも、現代は、あまりにも経済の問題(グローバリズムの問題)が強すぎ、それを棚に上げておくということができませんので、哲学だけではなく、同時に経済や、政治についても語らねばならないのですが、そうした「量」の問題のみならず、我が国には、戦後日本の独特の思考土壌というものがあるからです.

これをご覧くださっている読者さんのなかには、ひょっとしたら、ニヒリズムを乗り越える手だてを考えつくことのできるかたもいらっしゃるかもしれません.

本日ご紹介いたしました本は、ご思考の一助になるかと存じます.


春秋左氏伝〈上〉 (岩波文庫)

[ 文庫 ]
春秋左氏伝〈上〉 (岩波文庫)

【岩波書店】
発売日: 1988-11
参考価格: 903 円(税込)
販売価格: 903 円(税込)
春秋左氏伝〈上〉 (岩波文庫)
 
カスタマー平均評価:  5
親しみやすい!
本書の特徴は難解な原文を思いきって廃したこと。 明晰な現代文で通読出来ることで左伝がぐっと身近なものになった。 個人的には史記や三國志におとらぬ魅力があると思う。 まずは上巻からお試しあれ。
そんなし
 訳本としてこれほど読みやすい本は岩波文庫としては随一。他の本が学者が学者らしく偉そうに書いてあるのに対し、こちらはどうにかして読者に理解させようとする努力がひしひしと伝わってくるとても分かりやすくて楽しい本です。買って損はありません。
手ごろな本
本書は、中国の春秋時代の歴史書である。儒学全盛の時代には、経書(聖書のようなもの)の一つとして絶大な人気を誇った。もともと大部の書物であるから、読破するのは大変であり、特に従来の翻訳には、不用意に訓読を用いており、辟易させられるものが多かった。しかし本書は、訓読法を一新し、普通の日本人に読める翻訳であり、少なくともその点での苦労はない。 ただし本書は楊伯峻の学説を基礎としているため、従来の解釈と異なる部分もまま見られる。また文庫の(中)(下)となるにつれ、翻訳がルーズに流れ、原文の難読個所などは意訳のしすぎではないかと思われる点も見られる。 しかしそれらを踏まえても、これほど日本語然とした左氏伝の翻訳書はなく、左氏伝を読もうとする人は、本書を手にして失敗することはないと思われる。
関羽も愛した左氏伝
難しい本ではありません。歴史小説が好きな人、三国志が好きな人は気に入ると思います。韓非子や論語等、他の中国の古典をより深く理解するにも必読の書と言えるでしょう。左伝は他の出版社からも出ていますが、廉価な事と、読みやすくするための工夫がなされているのでこれが一番おすすめです。

ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)

[ 文庫 ]
ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)

・阿部 謹也
【筑摩書房】
発売日: 1988-12
参考価格: 756 円(税込)
販売価格: 756 円(税込)
ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)
阿部 謹也
カスタマー平均評価:  4.5
世界に誇れる研究
別件で調査中にたまたま手に入れることになった一冊。 しかしながら読み出したら夢中になってしまったことを白状する。 「ハーメルンの笛吹き男」は、実際にあった子供たちの集団失踪事件がモデルにあるという意味で、他の童話とは一線を画すムードが高い。 そのせいか、かれこれ400年ほど、この話に絞った研究がどっさりあるのだ。 本書は、そういった研究を概観することができるうえ、ドイツの古文書を徹底的にあさった経験とスキルを持つ著者による考察がついており、非常に優れた内容である。 本当に面白いので、この話に興味があるならば必読というだけでなく、読み物としても推奨したい。
良書とはこういう本です
昔、この本の単行本が出た時、毎月購入していた雑誌(今の「ミュージック・マガジン」)の編集長がやたら絶賛していたので買い求めた本である。130人もの子どもを連れ去った犯人は誰や???という視点で読み進んでやたら疲れた本であります。そういう単純なこと(犯人は誰や?)を述べている本ではありませんでした。疲れましたがこのような学問(社会学とでも言うのでしょうか?)の分野っていうのもなかなか面白いなとそれまでには味わえなかった感動を与えてくれた名著です。
読み物としても楽しめる一冊
「ハーメルンの笛吹き男」。一つの伝説として日本でも有名なこの話はしかし単なるおとぎ話ではなかった。この伝説の核心には確かに1284年6月26日にハーメルン市において130人の子どもたちが謎の失踪を遂げるという歴史的事実があったのである。 ドイツ中世史の泰斗である著者は、中世ドイツの社会的背景や民衆の生活を丁寧に探ることによってこの事件の真相を推測していく。著者は、過去になされた歴史家による先行研究を検討しつつ、下層民の鬱屈した日常生活と疲労の色の濃さがもたらす宗教的興奮を事件の背景に見出す。そこで著者は、中世都市が多数抱えた下層民の生活の実像に焦点を当てていくのである。 「私たちは法制とか社会制度の整備、さらに市壁の立派さとか建物が堅固になったという、誰の目にも容易に見える事実に惑わされてはならない。こうした外面的繁栄の陰で呻吟している多くの庶民がいたからである。」(P68) 「われわれは中世政治史や文化史のロマネスクやゴシックの建築に象徴させる華麗な叙述の背後に、痩せさらばえ、虚ろな顔をして死にかけた乳児を抱いて、足を引きずるように歩いていた無言の群衆を常に見据えていなければならないのである。」(P216) 事件の真相は何だったのか。著者の作業を通しても当然決定打は出てこないものの、下層民を見据える著者の作業によって当時の雰囲気が浮かび上がってくる。そして、悲劇的事件を民衆がどのように語り継ぎ、「笛吹き男」を加え、「ネズミ捕り男の復讐」というモチーフを加えた伝説となっていったのか、著者の叙述は興味深い。 歴史家としての著者の視点、問題意識の高さには、慨嘆させられるものがある。読み物としても面白いので気軽に読める一冊であると同時に、分野は違えど同じく歴史を学ぶ者には極めて示唆に富む名著だと思う。
想像力をかきたてられた
世に語り継がれるハーメルンの笛吹き男の物語は、史実とは言っても勿論全てがそうというわけではなくて、鼠退治や笛吹きのあたりは後から付け加えられた小道具であり、ただ1284年6月26日に130人の子供たちがハーメルンの街から忽然と消えてしまった事だけが確かな真実なのだと言う―――。阿部謹也氏のこの本によると、130人の子供達が消えてから700年強の間、物議を醸してきたようです。阿部氏はこの本で、それら各種の説を紹介し、信憑性のある説についてはかなり詳述してくれるのですが、しかし同時に突っ込みもいれるし、阿部氏なりの「ハーメルンの謎」に対する見解があるわけでもないので、結局ハーメルンの笛吹き男の物語は、謎のまま―――('ω`)。 それはそうと、私的に面白いなと感じたのが、ハーメルンで子供たちが実際に街を出ていく様子をその目で見た夫人の消息です。残念ながら本人が書き付けておいたとかではなく、たまたま史書に「○○という名士の母親が子供の頃に目撃したと語っていたらしい」程度なんですが、そういうなにげなく記述された地味な一文に「真実」がほの見えるようで、実に想像力が掻き立てられます。
自分の意見を!
 ハーメルンの笛吹きについて、それがなぜ、どのように生まれ、そして今まで伝えられてきたのかを中世ドイツの歴史的背景とかその時代に虐げられた、しかしその時代の主人公であった民衆の視点を持って描かれた稀有な中世史。ハーメルン市中から突如と130人もの成人前の男女が消えてなくなる、笛吹きに連れて行かれたのか?というシチュエーション、今なら、「そら、北朝鮮に拉致された!」と簡単に片付ける事ができるが、中世世界ではそう簡単にいかなかった。だから、現代まで、伝説として残って伝えられてきた。その原因・理由等について古今東西の様々な見解を紹介している。が、しかし、ついに最後まで阿部は自分の意見を述べなかった。なぜ?

今日われ生きてあり (新潮文庫)

[ 文庫 ]
今日われ生きてあり (新潮文庫)

・神坂 次郎
【新潮社】
発売日: 1993-07
参考価格: 460 円(税込)
販売価格: 460 円(税込)
今日われ生きてあり (新潮文庫)
神坂 次郎
カスタマー平均評価:  4.5
感謝と反省が消えた現在の日本
現在の小中学校に道徳の時間があるのかどうかは知らないが、こういった大切な本を読む機会はあって当たり前ではないだろうか。今、日本人の半数くらいからは感謝や反省といった気持ちが完全に消え去った。自分だけが得をすればそれでいいという怪物が増えた。他者への配慮も思いやりもない、「心」がないのである。後に残ったのは奪い合いのなすり合い、足の引っ張り合いだけである。 私は今年の四月、三十半ばにして靖国を訪れた。桜がとても綺麗だった。今日も我々が(一応は)独立国家に住んでご飯を食べられるのは、過去に命を犠牲にしなければならなかった人々のおかげだと思った。当時、人の命を弾代わりにしたお偉いさんの多くは言い逃れをしたのかどうしたのか、戦後ものうのうと生き延びて、家族を持ち、平和に暮らしましたとさ・・・庶民を馬鹿にするのもいい加減にしてほしい。そうした流れはこんにちも全く変わっていない。 親、兄弟、子供、婚約者、恋人等、家族を守りたい一心で死地に赴く以上の自己犠牲はない。それは戦争に巻き込まれたどの国も同じだったと思う。あまりにも重い事実だが、知らなければならない事実でもある。忘れればまた同じことを繰り返すのが人間だから。
決して風化させてはいけない事実
この本は、父、母、家族、恋人たちのために自らの命を捧げたその特攻少年飛行兵たちの最期の姿を、彼らが残した純粋無垢な手紙、日記、遺書、関係者の回想をもとに綴ったものである。二度と生きて戻れないことを覚悟し、「行ってきます」ではなく、「行きます」と言い残し飛び立っていった少年飛行兵たちの心情がひしひしと伝わってくる。 鹿児島県の薩摩半島に開聞岳という山がある。そのふもとに、最後の特攻隊が飛び立って行った知覧基地があった。小泉純一郎首相はこの知覧にある特攻資料館を訪れた際、お国のために死んでいった若い飛行兵たちの心情を思いやり、感極まって涙したと聞く。小泉首相が流した涙と、この本を読んで流す涙はまったく同じものであろう。戦争の悲惨さを生々しく伝える名著の一冊だと思う。
私たちが忘れてしまっている大切なもの
とにかく涙が止まりませんでした。 この事実を知らないでいた自分を恥ずかしく又、申し訳なく思いました。 人としてこれほどまでに純粋な方たちが、実在していたことを伝えていかなければ いけないと痛感させられました。 自分に子供ができたら是非読ませたい一冊です。感謝
これ以上の事があるでしょうか。
私はこの方達と同じ日本人であることを誇りに思います。 そしてこの方達が何を望んで自分の命を散らしていったのか。 現代に生きる日本人はその意味を知らなくてはなりません。
息子を持つ親の立場として
普段時代小説を読んでいる延長でこの時代のものもたまに読む事がありますが、この時代のイデオロギーやベクトルとかは別にして、二人の息子を持つ父親の立場として、素直に強く心を動かされました。ある意味「人生の教科書にもなるか」と思うほど深く感銘を受けた部分も多々あり、いわゆる”特攻物、戦争物”ではなくすぐれた”時代小説”の一つとして読む事が出来ました。

逆説の日本史 (3) (小学館文庫)

[ 文庫 ]
逆説の日本史 (3) (小学館文庫)

・井沢 元彦
【小学館】
発売日: 1998-04
参考価格: 650 円(税込)
販売価格: 650 円(税込)
逆説の日本史 (3) (小学館文庫)
井沢 元彦
カスタマー平均評価:  4.5
前言撤回
評者は以前,『逆説の日本史』は学会批判がいちいちくどく,本論から外れる部分が多いので評価できないと書いたが,改めて文庫版を読み直してみるとこの評価は撤回せざるを得ない.それほど,本書での井沢氏の考察は斬新でありながら説得力があり,良質の推理小説を読んでいるような読後感を感じることが出来る. P.55 に称徳天皇を当時の人は呂太后になぞらえたとあるのは,明らかに誤りであるが(呂不韋が「ろうあい」を与えたのは呂太后ではなく華陽夫人),しかし,そのような些細な間違いを差し引いても,称徳天皇?道鏡のスキャンダルが藤原氏によって捏造されたものだという考察,さらに称徳天皇が道鏡に皇位を譲ろうとしたのは,当時の先進国中国の易姓革命に習ったものだという説など,実に興味深い指摘だ. この時代の天皇家にまつわる史実は,知らずにはあまりにももったいない面白さに満ち溢れている.その一端を鮮やかに描出した井沢氏の手腕は,いささか鼻につく記述が多いとしても,認めざるを得ない.古代日本に興味を持っているすべての人にお勧めできる書である.
相変わらずの安定した言説とおもしろさ。
 毎度毎度、面白い読み物をありがとう、井沢さん!  相変わらず筆致は読み易さを最優先にした平様簡易なものだ。良い。気取った論文ばかりを読む毎日に飽き飽きしている者にとっては、一服の清涼剤とさえなるであろう。  さて、内容は本書の目次を参照していただくとして、自分が気になった井沢氏の論説を下記に箇条書きの形で記す。 ・称徳天皇陛下と弓削道鏡(そして、恵美押勝)の間に肉体関係は無かった ・称徳天皇陛下の「皇帝への変容(「中華思想」)」への願望と憧れ ・称徳天皇陛下と秦の始皇帝の皇后:呂太后との近似性とそれに伴った「道鏡愛人説」の否定 ・新羅の真聖女王が集大成させた「三代目」と、朝鮮半島に於ける男尊女卑 ・「荘園」とは「別『荘』の庭『園』」である ・皇室制度は「サナダムシ」の存在を許し、皇帝は許さない ・称徳天皇陛下と弓削道鏡は、京や奈良に蔓延っていた民を苦しめる「私有財産制」に歯止めを掛けようとしていた ・「平安京遷都」は天武朝と天智朝の王朝交代を表している ・イスラエルとパレスチナなど宗教が拘わった紛争に於いては、実利よりもイデオロギーが必ず先行する ・比叡山「延暦」寺と東叡山「寛永」寺の寺号の意味 ・黄永融氏の、古代日本の宮都の造りと風水思想に関する論文 ・陰陽道には本来、鎮魂の思想は無いこと ・「仏滅」は本来、「物滅」であり、仏教とは関係が無い ・平安期以降、死刑が事実上無くなる ・「軍国主義者=非国民」と云う逆転のレッテル ・諱と字を使い分ける、その行為の隠された意味 ・キリスト教国やその他多くの国家に幅広く見られる「ポピュラー・ネーム」が日本では殆ど見られないこと ・キリスト教国では「宗教と科学は反駁しない」関係が成立する  金銭的余裕が無い学生としては文庫化が待ち遠しいこのシリーズ、自分も続けてレビューを書いていくので、井沢さん、続きの著作をどんどんよろしくお願いします!
日本史を理解する為に必要な新たな考え方
1、2巻で、 ・和の信仰 ・怨霊信仰 が日本を貫く大事な思想である事を喝破した著者が、本書では新たな視点を提示しています。 それが、「言霊信仰」で、「言った事が現実になる」と言う考え方です。 著者はこの言霊(コトアゲ)については複数の著書を著しており、そちらの方が内容は詳しいのですが、これが単独で機能する考え方ではなく、和と怨霊とセットになって機能するところが日本史のユニークなところであり、面白いところです。 この3点が現代に生きる我々にも影響を及ぼしている事、それくらい重要な事なのに、他の歴史学者がほとんど認めていない点も、日本という国を象徴している気がします。
皇帝になろうとした男
「逆説シリーズ」第三段。称徳女帝と道鏡の話から始まるが、前半の目玉は藤原仲麻呂の皇帝即位計画説であろう。海外の歴史家も驚く天才政治家父子の藤原鎌足・不比等が築き上げた「藤原システム」。本論が正しければ、仲麻呂は祖先伝来の「藤原システム」を破ろうとした大胆(軽薄?)な男だった訳だ。こうしたユニークな説が飛び出す所が本シリーズの魅力であろう。 一方、吉備真備・道鏡・称徳女帝の実像と藤原氏との暗闘は常識の範囲で新鮮味がない。また、道鏡に関する御神託を何故「伊勢神宮」ではなく「宇佐八幡」に求めたのか説明がない点に不満が残る(卑弥呼と宇佐八幡の関係は別書で触れているが)。 平安京と風水の関係は既存の説であり、後は"怨霊"を中心に捉えるか否かという問題であろう。単に中国の"最新科学"をマネしただけとも解釈できる。 最後の言霊論は著者の得意分野で、ややヒートアップの感があるが、観念が現実を支配できると妄信している現代の一部の人々に対する批判としては首骨できる。万葉集の中の柿本人麻呂論は、梅原猛氏の「水底の歌」を直接読んだ方が楽しめる。 歴史上のイベントをユニークな視点で考察し、現代への警鐘と結び付ける刺激溢れる書。
面白くって悔しいから、★ひとつ減!
 井沢作品まだ2冊目の身で言うのは少々気が引けるのだが、それこそ「逆説」的にも、このシリーズで高校までの日本史を楽しく復習できる。だって「通説」をバッタバッタと薙ぎ倒していく過程で、どうしたって「通説」が再確認され、しかも扱うテーマはココゾという名場面ばかり。特段の歴史好きでなくても、「ああ、あの話ね」とオボロな記憶は甦るだろう。しかもそれが次々ひっくり返るのだから、快感。  私が「あ!」と思ったのは「聖徳太子以後の『徳』の字のついた天皇をすべて検討し、むしろ不幸な生涯を送った天皇こそ『徳』の字が(鎮魂のため)贈られたのだ、だから聖徳太子も不幸なひとだったのだ、と考えるのが私の方法」(p425)という件り。関連してロゼッタストーンの話も出てくるんですが、これって構造主義的な記号論でしょ? 唯物史観の「当てはめ」(p422)に汲々としてきた日本史学に対して、著者の方法論が優位に立っているのは確か。イザワ本は他人の業績のツギハギだっていう批判もあるようだが、諸資料を編集しつつ自分の「歴史認識の方法」の切れ味をデモンストレートすることに主眼があると受け取れば、ま、そんなものか。  この巻で特に印象深かったのは、称徳の話。彼女が武則天を意識していた状況証拠や、生前から「宝字称徳孝謙皇帝」の号を名乗っていたことなどをテコに「中国かぶれ」の可能性を示唆し、宇佐八幡神託事件に「禅譲」の思想を見る議論は面白い。そこには「天皇制」vs「皇帝制」の思想闘争があったワケですね。また当時の仏教界の状況から考えて、道鏡が触女人戒を犯していたら周囲が黙っていたはずがないという主張も、ナルホドナーと思わされた。

ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(中) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(中) (新潮文庫)

・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2004-09
参考価格: 420 円(税込)
販売価格: 420 円(税込)
ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(中) (新潮文庫)
塩野 七生
カスタマー平均評価:  4
自らの考えに忠実に生きること。
ユリウス・カエサルの壮年後期(ルビコン以後)を描いた中巻。 (50?55歳まで。) 紀元前49年1月?紀元前44年3月までの出来事。 -- 元老院派の英雄、ポンペイウスとの戦いに勝利し、 戦後処理を行い、 治世の季節に入り、 いくつかの政治改革を行っていく、 ユリウス・カエサルの話。 -- ローマへの凱旋式の様子が楽しい。 『市民たちよ、女房を隠せ。  禿の女たらしのお出ましだ!』 凱旋式に登場した英雄、カエサルに対しての、 カエサルの軍団兵の台詞である。 -- カエサルの同年代の政治家、キケロへの手紙の一部。 『わたしが自由にした人々が  再びわたしに剣をむけることになるとしても、  そのようなことには心をわずらわせたくない。  何ものにもましてわたしが自分自身に課しているのは、  自らの考えに忠実に生きることである。  だから、他の人々も、そうあって当然と思っている。』 次の巻でカエサルが暗殺されるということが わかっているのだけに。
ヨーロッパをを創る人
 天才の行動は当代の人には理解できないのが特徴である。しかし、後世の人から見れば、その行動の正しさが明白であることも特徴だ。その意味で言えば、カエサルは天才だったと言える。  ローマ人がイタリア半島周辺に留まっていた時期には有効に機能していた共和制も、支配地域が拡大してしまうと機能不全に陥ってしまう。なぜなら、ローマで開催される市民集会に参加できない市民が増えすぎ、多数の声が反映されなくなった結果、地方に火種が燻る状態となってしまったからだ。この火種を消そうと軍を差し向けても、その指揮官以下中核は1年交代の任期制。敵地で戦争をしなければならないのに、戦争の才を持たない指揮官が任命されるかもしれないのだ。  カエサルは、ローマ共和制の欠点を明確に認識していた。そして、どういう支配制度を敷けば、広がったローマ世界を平和のうちに治めることが出来るかを考えて行動していた。この制度が有効であることは、カエサルの後継者オクタヴィアヌスの手により生まれ変わったローマ帝国が存続した事からも明らかだろう。しかし、カエサルにとっては自明なローマの欠陥も、当時の元老院議員には理解できなかった。彼らにとって、カエサルの行動は王を目指すための利己的な行動にしか見えなかったのだ。  現代の政治家は理想を持って政治を行っているのか。こういう話を読むと疑問を感じてしまう。確かに、自分なりの理想を持って政策を立てている人もいるかもしれない。でも、その政策とは、例えれば、いまある道を右に曲がるか左に曲がるかを決めるという程度のものではないのか。新しい道を切り開くように、滑走路を敷設して空を飛ぶというように、抜本的に何かを変えるということまで考えて政治をしている人はいないように思う。  現代の政治制度は、ローマ共和制が抱えたような問題を孕んでいる気がする。これを劇的な変化によって乗り越えるのか、緩慢な衰退を迎えるのか、静かに選択の時は迫っている。
平時のカエサル改革断行す
ガリア征討からポンペイウスとの覇権争いまで長い長い年月を戦いに費やしてきたカエサルが、ようやく最終的な目的であるローマ政体の改革に乗り出します。 それは、共和政の打倒と君主政(帝政)への移行。 本書では、カエサルが行った政治・文化などの改革を具体的に列挙し解説します。 専門家にあたらせて暦を変えたり(2000年前に制定したのに現代の暦との誤差が極めて少ない!)とか、現代の本の原型(冊子方式)を考え出したりとか、小ネタも交えています。 本書の最終節は、カエサル暗殺を引き起こす要因となった不満分子の考えに触れていますが、「帝政」への強いアレルギーが引き起こした不幸な事件といえましょう。歴史にイフはないのですが、カエサル暗殺がなかったら…と思わずにいられないくだりです。
もし、
 カエサルが小アジアでポントス王ファルナケスを破ったのが紀元前47年6月(「来た、見た、勝った」)、カエサルが暗殺されたのが紀元前44年の3月(「ブルータス、お前もか」)。その間の3年強がこの本の扱う内容である。  古代ローマは急激に膨張し、かつての元老院中心の寡頭政治ではもはや政治が立ち行かなくなってしまった。社会のあちこちに矛盾が表面化し、急速な改革を必要としていた。そして、カエサルという人物がこの時代にはいた。  カエサルは、ローマ人にとって中興の祖と位置づけられているという。もし、この時代にカエサルがいなかったら、古代ローマはどのように社会の矛盾に向かい合っていたのだろうか。ずっと早く滅び去っていたのだろうか。  歴史に「もし」は禁物だけれども、「もし、カエサルがいなかったら」と、「もし、カエサルが殺されていなかったら」の二つの「もし」は、考えずにはいられなかった。
キケロが面白い
カエサルによる内乱戦後処理と、ローマでの政治改革からカエサル暗殺までの流れが記してある一冊。 カエサルの才能があまりに突出しているために他の主要人物が見劣りして映ってしまい可哀相にすら感じることもあるが、その中でもカエサルや親友との手紙のやり取りを頻繁に取り上げられる雄弁家キケロの情感こもったやり取りが面白い。 「逆境に弱い男」と称されるキケロだがおそらく並の神経の男なら戦争や政治の荒波に飲まれて平然とはしていられないでしょう。逆に感情の起伏や心配事を常に友達に聞いて廻る手紙の文面から、当たり前の神経の持ち主がどのような胸のわだかまりを抱えてこの時代を必死で生きていたのかが手に取るようにわかる。

百姓たちの江戸時代 (ちくまプリマー新書)

[ 新書 ]
百姓たちの江戸時代 (ちくまプリマー新書)

・渡辺 尚志
【筑摩書房】
発売日: 2009-06
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
百姓たちの江戸時代 (ちくまプリマー新書)
渡辺 尚志
カスタマー平均評価:   0

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 更新日 2009年7月8日(水)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク