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空母雷撃隊―艦攻搭乗員の太平洋海空戦記 (光人社NF文庫) 山県有朋―愚直な権力者の生涯 (文春新書) ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉 (新潮文庫) ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下)新潮文庫 ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上)新潮文庫 世界史年代ワンフレーズnew 十八史略(上) 激動に生きる 強さの活学 (PHP文庫) 「戦争体験」の戦後史―世代・教養・イデオロギー (中公新書) 毛沢東の私生活〈上〉 (文春文庫) アラブが見た十字軍 (ちくま学芸文庫)
空母雷撃隊―艦攻搭乗員の太平洋.. 山県有朋―愚直な権力者の生涯 .. ローマ人の物語〈23〉危機と克.. ローマ人の物語 (7) ― 勝.. ローマ人の物語 (6) ― 勝.. 世界史年代ワンフレーズnew 十八史略(上) 激動に生きる .. 「戦争体験」の戦後史―世代・教.. 毛沢東の私生活〈上〉 (文春文.. アラブが見た十字軍 (ちくま学..

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空母雷撃隊―艦攻搭乗員の太平洋海空戦記 (光人社NF文庫)

[ 文庫 ]
空母雷撃隊―艦攻搭乗員の太平洋海空戦記 (光人社NF文庫)

・金沢 秀利
【光人社】
発売日: 2009-06-25
参考価格: 800 円(税込)
販売価格: 800 円(税込)
空母雷撃隊―艦攻搭乗員の太平洋海空戦記 (光人社NF文庫)
金沢 秀利
カスタマー平均評価:   0

山県有朋―愚直な権力者の生涯 (文春新書)

[ 新書 ]
山県有朋―愚直な権力者の生涯 (文春新書)

・伊藤 之雄
【文藝春秋】
発売日: 2009-02
参考価格: 1,365 円(税込)
販売価格: 1,365 円(税込)
山県有朋―愚直な権力者の生涯 (文春新書)
伊藤 之雄
カスタマー平均評価:  4
新書の割に分厚く、読み応えがある。山縣の一生を簡単に追うのに最適な本。
新書とはいえ、山県の心情を断定しすぎているところに引っ掛かる。 また、明治日本にシビリアンコントロールが存在していたという主張がなされているが、果たして、そこまで言っていいものなのか疑問が残る。 制度的な裏付けのない、文官による軍の統制をもって、シビリアンコントロールがあったとするのは難しいのではないだろうか。 山県が公式令を軍令で無効化したり、軍部大臣現役武官制を作りだしたことが、軍部の台頭につながったのは事実なのだし、山縣の作った陸軍が昭和の陸軍に直接的には繋がらないという筆者の主張は無理があると思う。 筆者は「山県は陸軍は、(中略)現地軍が独走して行った謀略を、参謀本部を中心とした中央が追認するような集団ではなかった。」(本書p461)と述べているが、日清戦争時、大本営の冬営指示を軽視して、第一軍司令官として海城作戦を下令したのは山縣だったはずだ。山縣のこの行為こそ、日本帝国陸軍における現場の暴走、上層部の追認の嚆矢ともいうべきものではないだろうか。 全体的にみて、山縣を魅力的な人物として描こうという思いが強すぎるきらいがある。その点を差し引いて3点とさせていただいた。
冷酷無比、権力欲と猜疑心の塊
東京・目白の「椿山荘」が、本書の主人公「山県有朋」の「もと別荘」だったことはよく知られている。 だが、山県が亡くなるまで、この土地登記が「宅地」でなく、地税の低い「山林」だったことも語らなければならないのではないか。まさしく権力者の驕り。 のちに「田中角栄」邸が競うように並び建ったのも、何か歴史の因縁を感じさせる。 とかく、この種「政治家」の評伝というと、ご当人に都合の悪い事実には目を瞑り、愚にも付かない屁理屈を付けて黒を白と読み替えるものが目立つが、残念ながら本書も例に漏れない。 前者が「山城屋和助事件」、「大逆事件」であり、後者が「松下村塾入門」、「日清戦争中の第一軍司令官解任」の問題。 藩閥の首魁「山県有朋」といえども、評価すべきは評価する。が、しかし、以上のごとく姑息な作為を施さなければ彼の生き方を飾ることができないという事実こそ、真実の山県有朋を解き明かしているといえるのではないか。 彼の時代のリーダー的役割は西南戦争までで終わった。 あとは上り詰めた権力者の椅子から蹴落とされないことが、生涯の課題すべてだったといえよう。「山県有朋」のように人を動かす何のカリスマ性もない人間には、猜疑心を最大限に発揮するしか自分を守るすべがなかったということ。 衆人から彼がつねに不評だったのは、「実力者」の見かけと異なる、針鼠のような「俗物」の臭いを、誰もが嗅ぎ取ったからだといってよいのではないか。
山県自慢の別荘であった椿山荘の庭園から見える早稲田の森は山県と犬猿の仲であった大隈重信の拠点だったのは歴史の皮肉と言うべきか
 強大な権力者はよく嫌われるとは言うものの、山県有朋ほど、強大な権力と金力を持ちながら、嫌われている人物は少ないのではないだろうか。 その死去に際しては、葬儀にすら金をばら撒かないと人が集まらなかったと巷間厭味がてら言われたが、事実、陸軍のドンと呼ばれ君臨し続けたこの人物の葬儀は、生前の権力に反比例するように雨の中、訪れる人も少なく寂しく執り行われたとのことである。ただし、自分の子分の面倒だけは徹底的に見てやった。子分以外には、陸軍のドンとして陰に陽に権力を振りかざしたので、大多数の子分以外の人間からは、とにかく、嫌われたということであろう。 本書は、そこまで嫌われている山県有朋に、多くの史料を駆使して山県の軍人・官僚として新たな側面から光を当て評価した1冊である。  山県有朋に対し、著者は軍人・官僚としての面から、意外にも山県の「実直さ」を評価している。そして、山県が、軍人・官僚として明治日本の陸軍の軍制や官僚組織をどのように進化させていったか、という部分は注目できるものであり評価するべきだと言う。 ともかく、その評判は別としても、軍人・官僚としての能力は高く、山県が確かに、明治時代の陸軍を世界レベルに近いものにまで持っていった大功労者であることは評価に値することであろう。  余談になるが、私が庭園の素晴らしさでお気に入りの椿山荘は、山県が、自らの好みを目一杯盛り込み、贅を尽くして作らせた自慢の別荘である。だたし、その庭園から見える早稲田の森は山県と犬猿の仲であった大隈重信の拠点であり、そのことだけが、山県が椿山荘で唯一、気に入らなかったというのは歴史の皮肉と言うべきか。
嫌われ者の愚直な人生
山県有朋ほど、嫌われている人物はいない。葬式すら金をばら撒かないと人が集まらなかったというエピソードがあるぐらいで、そこまで嫌われている山県有朋を近代政治史家である著者が、一次史料を駆使して山県の本質に迫った本。又、近代政治・軍事史の側面を持っており、新書の体裁を取っているものの、事実上の学術本でもある。 新書としては400ページ以上もの大作なので読みずらい部分もあるが、山県有朋を知らない人間にも理解できる内容となっている。特に権力欲の権化とも見られ、それが元で今でも嫌われている山県有朋に対し、筆者は別の面から山県の「実直さ」を評価している。評者も今までに無い山県評価に驚いており、特に陸軍軍制がどのように変貌していったのか。又、シビリアン・コントロール(文民統制)が明治時代の方がうまく運用できていた点は注目すべきであろう。 兎角、嫌われ者の山県有朋をあくまでも明治政治史および軍事史の中だけではなく、人間山県有朋の性格面を正面から評価したところがおもしろく、ある意味好感の持てる本ではある。

ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉 (新潮文庫)

・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2005-09
参考価格: 460 円(税込)
販売価格: 460 円(税込)
ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉 (新潮文庫)
塩野 七生
カスタマー平均評価:  4.5
災害に倒れた皇帝、「記録抹殺刑」にあった皇帝
ローマを再び安定化させ、天寿を全うしたヴェスパシアヌスの後、皇帝についたのは、父とともに国政を担ってきたティトゥス。ヴェスパシアヌスによって、ユダヤ反乱平定という「箔」までつけてもらい、早い時期から次期皇帝継承者として仕事を任されてきティトゥスは、塩野氏によれば「(この人ほど)良き皇帝であろうと努めた人もいな」いというほど、真面目に精力的に皇帝の仕事に没頭します。しかし、その治世におきたヴェスピオ火山噴火とポンペイの消失、そしてローマの大火という度重なる大惨事。心労からか、ティトゥスは就任後2年で病死。とりたてて欠点(失政)のなかった皇帝を皮肉好きのローマ人が評した言葉「治世が短ければ誰でも善き皇帝でいられる」には笑ってしまいました。 ティトゥスの次は、その弟ドミティアヌス。死後「記録抹殺刑」の処される皇帝であり、よほどの悪政を行ったのかと思いましたが、ドナウとラインの両河をつなぐ「ゲルマニア防壁」を築くなど、後世にも残る(刑によって名は残らないけど)事業や施設を実施。しかし、その治世も暗殺によって幕を閉じます。 ドミティアヌスの項はその治世の長さ(15年)の割りに、「記録抹殺刑」の影響で資料が少ないせいか、塩野氏の記述もどこか淡々としていて、印象が薄いように思います。 ところで、本編の最後の「ローマの人事」の部分は、人材(国家のリーダー)育成の視点から ローマの強さを感じさせる内容で、短いながらも佳い文章でした。
厳格すぎた皇帝の末路
不幸にも若死にしたティトゥスの後を受けたドミティアヌス。 正直そこまで悪い皇帝でなかったように感じるが、民意というのは移ろいやすい。 それにしても皇帝の急死や暗殺を経ても微動だにしないこのシステムは凄い。 楽しんでワクワクドキドキしながら読み進めていくような内容ではないので面白みに欠ける。この巻だけ極端にレビュー数が少ないのも頷ける。 付記の「ローマ詩人の生と死」が面白い。
皇帝ドミティアヌスはなぜ「悪帝」のレッテルを貼られたのか
ローマに平和と秩序をもたらしたヴェスパシアヌスの後を継いで、ふたりの息子たちが皇位に就く。長男のティトゥスは早すぎる死によって2年間で統治を終えなければならなかった。これから皇帝修行を始めようとしていた若き弟ドミティアヌスが急遽登板することになる。彼の能力は経験が乏しい故未知数である。ネロの二の舞になるのであろうか。否、そうはならなかった。いわゆる五賢帝時代へ着実にたすきを渡すのである。その彼が暗殺されてしまう。元老院、市民、軍人たちが反旗を翻したわけではない。その真相とは? またローマ帝国きっての歴史家と評されるタキトゥスにドミティアヌスはこき下ろされる。後世の歴史家たちの意見も順ずるようだ。しかし作家・塩野七生は反対論を展開していく。彼女の考えとはいったい・・・。

ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下)新潮文庫

[ 文庫 ]
ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下)新潮文庫

・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2002-09-01
参考価格: 420 円(税込)
販売価格: 420 円(税込)
ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下)新潮文庫
塩野 七生
カスタマー平均評価:  5
憎まれこそすれ、軽蔑はされない。
ミトリダテス戦役を中心に独裁官、スッラと 執政官、ポンペイウスの時代を描いた下巻。 紀元前120年?紀元前63年までの出来事。 -- ルキウス・コルネリウス・スッラ。 スッラのとった保守的政策は。 スッラ以降の執政官やら元老院にことごとく 塗り替えられてしまうものの。 好きだ。 スッラの台詞。 「問いかけられた側が、答えるべきである。  勝者は、無言でいることもできるのだ。」 「是か非かだけを聴きたい。」 「自分は幸運者だから。」 スッラに対する記述。 優先順位をはっきりさせる男。 人を食った男。 味方にとっては、スッラ以上に良きことをした者はなく、 敵にとっては、スッラ以上に悪しきことをした者はなし。 要は、分かり易い。 -- 偽政者にとって。 わかりやすいというのは武器になるのだろう。 小泉さんがそうだったように。 そこが毒でもあり。 分かり易いからこそ、民衆はだまされる。 考えることを放棄する。 上司に能力が無い場合、部下が育つみたいな。 この場合、その逆。 分かり易い人がいる間は分かり易さは維持できる。 その人がいなくなれば維持できないのも当然で。 スッラもそうで。 小泉さんもそうだった。 歴史は繰り返す。 好きではあるが、毒にもなる。 憎まれこそすれ、軽蔑はされない。 バランスの大切さ。
門外漢にも
特に知識がなくても気軽に読める。シリーズをつい読み込んでしまう。
報復合戦の果て・・・
 マリウスとスッラによる報復の応酬がもたらしたものはスッラの独裁だった。共和制に強力な独裁者が生まれれば、それは王制に至る危険を孕む。しかし、筋金入りの保守派のスッラは、独裁官としての権限を元老院を中心とするローマの秩序再建のためだけに行使してさっさと引退してしまう。  スッラの再建したローマの秩序は、スッラの死を境にして崩れていった。スッラ体制を崩壊させたのは、スッラの下で力を付けた武将たちだった。  マリウスとスッラの対立は、優秀な才能を持った人を数多く地上から粛清し、ローマの組織力を弱める結果を招いたと思う。スッラがいかに頑健な組織を作っても、組織を構成する人にそれを支える能力がなければ組織の形はゆがめられていく。2人の名将が繰り広げた報復合戦の代償は、共和制にとって決して小さくなかった。
血で血を洗う権力闘争、そして地中海平定
紀元前1世紀前半。スペインやオリエントへの遠征が相次ぐなか、マリウスとスッラとの間で血で血を洗う抗争が激化します。お互いに一族一派を粛清(虐殺)しあった結果、元老院階級の3分の1近くが欠員となってしまうという愚かしい状況。建国して数百年にわたりその勢力を伸ばし共和政のもとで民主主義を発展させてきた成熟した国家のイメージはそこにはみられません。 ただ、最終的に抗争を制し独裁者となったスッラは、自身の政治理念に基づいた改革を断行した後には、自らその強大な権力を手放します。いつの時代にも国難を救うバランス感覚あふれる施政者が現れるところはローマの底力なのでしょう。 ちなみに、本巻を通じて登場する(ローマからみたら)敵役のポントスの王ミトリダテスとの長年にわたる攻防もみどころのひとつ。ミトリダテスも結果的にはスッラのあとを受けたポンペイウスに平定されるのですが、本書の最後に引用されている平定される側(ミトリダテス)と平定する側(ローマ)のそれぞれの言い分が印象的でした。ローマ視点でみれば「平定」でも、される側にとってはそれは侵略でしかない、というのは、後世の戦争にも通じること。 「敵国=悪」とは言い切れない、という歴史をみるバランスを教えてくれているような気がします。
カエサルへの序章
前作に続いて内乱、東方地域の反乱などに満ちた内容。 スッラ、ポンペイウス、そしてカエサルという稀有の才能がどのようにローマの中で生育いていくのかが読んでいて面白い。 民衆派を虐殺していったスッラが取り巻きに処罰者名簿から若いカエサルを取り消すよう懇願されて「君達にはあの若者に百人ものマリウスが宿っていることがわからんのかね」とつぶやいたというのはあまりにも面白い。天才のみが天才を見抜いていたのだ。

ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上)新潮文庫

[ 文庫 ]
ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上)新潮文庫

・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2002-09-01
参考価格: 420 円(税込)
販売価格: 420 円(税込)
ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上)新潮文庫
塩野 七生
カスタマー平均評価:  4.5
塩野さんの偏見。
地中海世界の覇権を手中に収めたポエニ戦役以降の 共和政ローマ社会の混迷を描いた上巻。 紀元前132年?120年までの出来事。 -- 富裕層である騎士層の台頭。 大地主と小作人。 貧富の差の拡大。 無職層の拡大。 政治と経済の季節到来。 -- 農地改革、市民権改革を断行しようとする グラックス兄弟。 二人とも実質的に権力を握る元老院に 殺害される。 グラックス兄弟の時代に明るいニュースは あまり無い。 1990年代以降の日本社会のよう。 -- いつまでも改善されない経済状況。 内乱が勃発。 無職層に職を与えるために、 軍人に給与を与えることにしたマリウス。 内乱は収まるが、戦争の無い時期には 兵隊は不要となる。 根本的な解決にはならず。 -- この巻で唯一の明るいニュースに思えること。 ガイウス・ユリウス・カエサル(シーザー)の誕生。 -- 以下、抜粋。 『人間関係における義理人情の重要さを解さない、  いや解そうともしない欧米のインテリ』 という箇所が、塩野さんの偏見が見えて おもしろい。
重なる問題
 地中海の制海権を確保した共和制ローマ。急速に勢力圏が広がるにつれて、逆に国内に問題を抱え込むことになった。そのひとつが富の格差問題である。ローマ人は農耕民族であるため、多くのローマ人は農業を行っている。この小規模農業が立ち行かなくなり、低所得層に落ちる市民が発生してしまったのである。この原因は大きく2つ挙げられる。  一つは領土が拡大したことにより、安価な農作物が輸入されるようになったこと。もう一つは領土拡大に伴い獲得した奴隷により、大規模農業が行われたことである。この貧富の格差拡大は、ローマの戦力低下を招いてしまった。兵役はローマ市民の義務であるため、従軍中の賃金は支払われない。このため、従軍中に残された家族が生活できるだけの資産を持たない市民は、兵役の義務を免除されるのである。  勢力を拡大するほどに混迷の度合いを増していく姿は、いまの日本に重なる部分もあるかもしれない。
それでも改革は進んだ
 社会構造が変わって社会に矛盾が生じれば、政治による改革が必要になる。政治による改革には必ず既得権者による反対が伴う。それを乗り越えられるかどうかが、その社会の存亡を決めることもある。  グラックス兄弟による農地法の改革は、実は内容面での反対はそれほど大きくなかった。問題視されたのは、彼らのやり方だった。  正しいことを正しいと信じてやるだけでは改革はできない。大きなことを成し遂げるには、清濁を併せ呑むくらいの程よい器用さ、鈍感さが必要なんだなということを感じた。  そういうことはともかく、ローマ人は、ローマ人同士やこれまでの同盟者たちと多くの血を流した挙句に改革を始めた。すごい民族だなあと思う。
改革者グラックス兄弟の悲劇
宿敵カルタゴを滅亡させ地中海を制覇したローマ。 長い戦いを終え絶頂にみえたその栄華のウラで、貧富格差の拡大や属州の市民権問題など、既得権をめぐる内政面の問題が、じわじわとローマを蝕んでいきます。 本巻では、既得権を守ろうとする元老院階級に立ち向かい改革を進めようとするティベリウス、ガイウスのグラックス兄弟の時代を取り上げます。 約10年をおいて執政官として改革に取り組んだ2人の兄弟は、それぞれ活躍する期間は数年にも満たず悲劇的な死を遂げますが、(当時は毀誉褒貶が激しかったものの)後世からは正当な評価を受ける改革姿勢とローマの発展への貢献により、歴史に名を残します。いつの時代も改革者はその時代には正当な評価を受けにくいのでしょうか。 塩野氏は「無知な大衆はそれが政治目的であっても(権力者の)私利私欲のためと思い込むのが好きな人種」という学者の言葉を引用していますが、主権者たる国民が本当の改革者を見分ける能力を持たねばならないということは現代にも通じる示唆と思います。 塩野氏の文章は、史実を客観的に語るだけなのに、現代社会への示唆や教訓を決して押し付けがましくなく表現していて、歴史物語を楽しませながらも今という時代を考えさせる内容となっています。 なお、本書後半は、時代が下って紀元前89年、内乱を契機として属州にも市民権を与えることになりローマ連合は解体、都市国家連合から真の国家へと変貌することになりますが、まだローマ国内外の「混迷」は続きそうな雰囲気で、物語は下巻へと引き継がれていきます。
勝者の混迷 ピッタリのタイトル
あれだけの戦果を挙げ、怖いものがなくなったかに見えたローマだったが内部にはくすぶる火種が満載だった。紀元前の世界がここまで発達していて組織を機能させる力を持っていたことに前作まで驚いていたが、その同じ国とは思えない蛮行がローマ国内で繰り返される。 そして今までにない内政的な著者の指摘も見逃せない「多くの普通人は仕事をすることによって、自らの尊厳を維持していく。人間が人間らしく生きてために必要な自分に対しての誇りは、福祉では絶対に回復できない。」「同じ権利を持たないものに、同じ義務を求めることは出来ない。同等の義務を負わせたいならば同等の権利を与えねばならない。」「絶望にかられた人々は容易に過激化に走る。そして常に中心にいる人よりも周囲を固める者たちのほうが激しく対応するようになるものである」 確かにその通り。歴史から学ぶことは本当に多い。華やかさに欠ける時代を描ききる手腕は凄い。

世界史年代ワンフレーズnew

[ 新書 ]
世界史年代ワンフレーズnew

・中谷 まちよ
【パレード】
発売日: 2008-04-22
参考価格: 900 円(税込)
販売価格: 900 円(税込)
世界史年代ワンフレーズnew
中谷 まちよ
カスタマー平均評価:  5
旧版『世界史年代One Phrase』と比較して
『世界史年代OnePhrase』の改訂版です。旧版と比べると、語呂に関するイラストや歴史上の人物の似顔絵が増えました。これによって、年代暗記という無味乾燥な作業の負担が軽減されるのではないかと思います。それから、一部の語呂は覚えやすいように改良されました。 例えば、アナーニ事件(1303年)は旧版の「穴に棒さお3本」が、改訂版では「穴に坊さんお産」となっています。特筆すべき点は、中国史の年代には全て二重丸の中に「中」の文字が入れた印がついた事です。世界史の中でも、中国史は覚えるべき事項が多くて教科書の構成順では解りにくいのですが、大学入試で頻出の分野ですから避けて通る訳にもいきません。できれば得点源にしておきたいところ。そこで先史時代から現代史までを通して勉強すれば良いのですが(もっとも中国史に限らず、世界史は各国・地域別に勉強する方が解りやすいと思います)その際、上に述べた「中」の印が付いている箇所(=中国史)だけをピックアップできるので、大変便利です。語呂の面白さ、歴史用語から年代を想起させる手法、センター試験に必要な年代は巻末にまとめて掲載などの旧版の良さは、今回の改訂版でも引き継がれています。非常に良くできた参考書です。大学入試で世界史が必要な受験生や世界史が苦手な高校生にお薦めします。
年号暗記の最大の傑作
私は改訂前のものを使っていましたが、強烈な印象と共に暗記していくこの本で入試はかなり助けられました。入試で年号が出題される以上、どうしても対策をとらないといけません。時間がない人もいるでしょう。それならばこの本は裏切らないはずです。ノヴゴロド・キエフ公国ならば「信子、春に(862)母に(882)」カノッサの屈辱ならば「彼女屈辱、い女な(1077)のに」コロンブス新大陸到着ならば「ころんだブス、意識不明(1492)」などなど。ここでは俗っぽいゴロばかり引き出しましたが、これらを見て印象に残ったなら、一度使ってみてください。このような短いフレーズが700以上収録されています。出来事→年号の順は画期的だと思います。また、かわいらしい(個性的な?)絵が暗記の助けと息抜きの役割を担ってくれて、全体的に無駄がありません。センター向け、私大向けの年号も区別されていますし、コンパクトでかさばりません。旧版のみの確認ですが、巻末のセンター向けの各国別まとめも年号整理と索引の役立ちます。今回の改訂版で旧版の誤植や不備な点が補われているので、より使いやすくなっていると思います。私の場合、偶然ネットでこの本に出くわし、年号の危機を救ってくれたお礼に、勉強もしていない日本史版ワンフレーズまで買ってしまったくらいです。入試も終わり、旧版しか持っていない私は、この機会に改訂版も買おうかとも思っています。なぜか愛着の持てる傑作です。

十八史略(上) 激動に生きる 強さの活学 (PHP文庫)

[ 文庫 ]
十八史略(上) 激動に生きる 強さの活学 (PHP文庫)

・安岡 正篤
【PHP研究所】
発売日: 2005-03-02
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
十八史略(上) 激動に生きる 強さの活学 (PHP文庫)
安岡 正篤
カスタマー平均評価:  4
人間学の本
十八史略は歴史小説として発売されている他の書籍は駆け足過ぎて面白みが少ないのですが、この本は、人間学に視点をあてた、碩学安岡氏の講演をもとに書かれたもので、東洋思想を人物表現の中に彷彿とさせる、氏らしい重みのある仕上がりとなっている。

「戦争体験」の戦後史―世代・教養・イデオロギー (中公新書)

[ 新書 ]
「戦争体験」の戦後史―世代・教養・イデオロギー (中公新書)

・福間 良明
【中央公論新社】
発売日: 2009-03
参考価格: 882 円(税込)
販売価格: 882 円(税込)
「戦争体験」の戦後史―世代・教養・イデオロギー (中公新書)
福間 良明
カスタマー平均評価:  4.5
戦後体験の語り方
 「きけ わだつみのこえ」の継承を軸に、また、教養の差をキーワードに、戦後体験の語り方、語られ方を考察する。そのあり方が単に戦争の悲惨さを知らしめるものばかりではないことを明らかにする。その背後には当然様々な教養のレベル差、政治的な思惑等がありうる。  本書はこのケーススタディをもとに、戦後体験の語られ方が様々であることを結論として示している。  では、我々がどうすればいいかというと、なかなか難しい。ある程度時が経てば、直接戦争を体験した人から体験を聞くことはできなくなってしまう。その時には、観念的・抽象的な言説のみが独り歩きするのではないだろうか。今我々がなすべきことは何だろうか。当然答えがあるわけではないが、このことは胸の片隅に置いておいてもよいのではないか。  
久々に読み応えのある新書でした
表題にも書いたとおり、新書としては久々に読み応えのあるものに出会えた気分です 内容に関する記述に多くを割くことはしませんが、ざっくり言ってしまえば 「きけわだつみの声」における戦争体験が、戦後どのように語られ受容され、政治的に利用されてきたか、 そして「戦争体験」の語り方や中身をめぐって激しい論争が繰り広げられてきたこと、について書かれていると理解しています そこで著者が鍵概念として用いているのが、「教養」なわけですが、これについては単純になるほどなぁ、という感じ 近年の、戦前の教養主義、戦中派の教養、戦後の教養、近年の無教養、これらは一口に「教養」といっても、 その中身は様々であって、むしろ「わだつみ」をめぐる論争を通して、各世代が標榜する「教養」をめぐる論争を追うことにもなります 無論、著者も認めている通り、これは「わだつみ」という、学徒兵の「戦争体験」をめぐる著書であって (中には農民兵士に関する記述も少なくありませんが)、その意味ではカッコつきの、限定的な「戦争体験」なわけです 必ずしもすべての戦争体験が同様の経験をしたわけではないことに留意すべきでしょう むしろ本書から私が得た洞察は、「わだつみ」だとか、「戦争体験」だとかいうものは、あくまで象徴・イコンに過ぎないということでしょうか だから、その中身や意味をめぐって、論争などが起きたり、「戦争体験」の継承の中に断絶をみることになるのでしょう メディア史家の佐藤卓己氏がいみじくも述べたように、「戦争体験の風化」や「世代の断絶」を嘆く言説は、 「戦争体験の継承」を主張する一方で、同時にその「忘却」をも推進している つまり、ある誰かが言う「戦争体験」には、特定の中身があり、意味がある それは継承されるべきだけども、それ以外の「戦争体験」は継承しなくともよい 「戦争体験の継承」を訴える人々は、意識的にか無意識的にか、「戦争体験」というイコンを用いて、何らかの政治的(とは限らないが)主張をしているわけです このような考えは別段私が言うまでもないことですが、本書はこのことを改めて再確認させてくれた気がします 最後に、話を本書の中身に戻しますが、第二次わだつみ会で理事をつとめた安田武氏が追求し続けたような、 体験を生の体験としてのみ語り、そこになんらの意味ももたせず、その語りがたさにこだわる姿勢というのは、世代を越えて継承されうる手法なのでしょうか あるいは、戦争体験の語り方に、何らかの正解のようなものはあるのでしょうか。今のところ私には答えを出せそうにありません
戦争体験を語り継ぐことの困難さ
戦没学生手記集『きけわだつみのこえ』の受容史を中心に、「戦争体験」についての語り、その継承と断絶を論じたものである。そして本書の特徴は、『わだつみ』の受容を、「戦争体験」の世代間断絶だけでなく、「教養」に関する世代間断絶、その理解におけるイデオロギー的相違をも視野に入れて論じている点にある。一読すると、通常、高い教養と知性を持ちながら、悲劇的な運命を受け入れざるを得なかった高学歴兵士たちの悲哀を集めた書という印象のある『わだつみ』だが、実は、非常に多様な議論、理解がなされてきたことが分かる。 たとえば、『わだつみ』の書き手である学生たちの教養レベルは、今日でこそ「高かった」と言われるが、彼らの前の教養主義全盛時代の世代に言わせると、彼らのレベルは、戦争責任を問うことも難しいくらいに「低かった」のである。しかし、教養主義そのものが没落した時代になると、『わだつみ』世代の「教養」が再び問題となり、学徒兵の戦争における加害者責任をめぐる議論が行われるようになったという。 戦争体験は、戦争を体験した人の数ほどある。それゆえにそれを継承して、記憶として残そうとすると、誤解や歪曲を伴わざるを得ない。その結果、受け止め側の世代、イデオロギーによって異なった記憶が形成され、断絶や対立が生じる。その結果、体験は風化していくかもしれない。体験を語り継ぐとは、このような困難と向き合う作業なのだということを、本書は教えてくれる。

毛沢東の私生活〈上〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
毛沢東の私生活〈上〉 (文春文庫)

・李 志綏
【文藝春秋】
発売日: 1996-12
参考価格: 820 円(税込)
販売価格: 820 円(税込)
毛沢東の私生活〈上〉 (文春文庫)
李 志綏
李 志綏
カスタマー平均評価:  4.5
これが今の中国を建設した人を一番良く書いてある
22年間、今の中国を作った毛沢東の主治医を勤めた人が、その人のことを書いた本です。 『ワイルドスワン』『マオ』と読んでから、著書を読んだ。結論から言えば、毛沢東のことを一番描ききっているのは、本著であることは間違いなかろう。何しろ、毛沢東と22年間一緒に、と言って言いぐらい過ごしてきた人間が書いた本なのであるのだから。『マオ』はかなりこの著書を参考にしているのだろう。 毛沢東の酷さはいろいろ言われてきているからそれは他に任せるとして、何故、こういった人間が育ってしまったのだろうということを考えたい。日本であれば暗殺なりしているのでは。悪政を行うものを助長してしまう土壌があったのだろうか。こび、へつらい、自己保身。日本は、悪政に立ち向かい、潔く腹でも掻っ捌いていた人が今の我々を守ってくれているのかなと、しみじみ思う。
もうひとつの「現代中国史」の資料としてこんなに面白い本はない
文革が始まったころ学生だった私は、出版時、タイトルを見ただけですぐ買った。上・下巻まとめたレビューとする。毛沢東とはどんな人物だったのか。文革とはなんだったのか。中国という国はどういう国なのか。社会主義を「正義」とした幻想がまだまだ支配的だったこともあり、当時は理解できなかった。この本ですべてが解明されるわけではないが、著者は20年以上心ならずも毛沢東の主治医をつとめ、この「偉人」を間近に見たその秘話は当時刺激的で、面白く、納得できるもので一気に読んだ。偉人の私生活における実像は好色、不潔で、公的にはやはり権力の亡者だった。文革は自分の失政により失った権力回復の手段であり、4人組はその傀儡でしかない。多くの秘話はそれを裏付ける。毛沢東は建国までは優れた革命家であり、指導者だった。しかし、革命後は、共産党の主席というより、毛王朝の皇帝として理解したほうがよい。この本に描かれているさまざまなエピソードもそう考えれば理解しやすい。毛沢東は結局、科学や経済を理解できなかった人だ。文革で中国は間違いなく、中国の歴史をまちがいなく20年停滞させた。毛沢東批判は、中国では依然タブーに近いが、この本は単に過去における中国の裏面史というだけなく、改革解放後の中国を理解するためにも有効な本だろう。ある学習会で聴いた中国史が専門の先生から聞いた話が忘れられない。「中国という国は歴史的に存在したことはない。あるのは地理的概念だけ。三国志の時代となんら変わっていない」。たしかに、経済躍進後の中国の言動にはやはり普遍的な「中華思想」を感じる。
単に毛沢東の私生活暴露というだけではなく、中国理解に有用。
文革が起きたのは66年、私は大学2年だった。正直なところ、なにがなんだかわからなかった。「造反有理、永久革命」とはいえ、不可解だった。いまの時点だからいえるのだが、あれは単に毛沢東が自分の権力を守るための権力闘争だった。ある学習会で中国研究の大家をおよびして懇談したことがあった。ちょうどこの本がでたころである。先生曰く、「中国と言う国は存在しないのです。それはあくまで地理的概念でしかない。古来から存在しなかった。あったのはいろんな王朝で、戦後は共産党の毛沢東王朝だ」と言われた。時期が同じだったし、相乗的で私にはリアリティを持って実感できた。根拠はないが、この本に書かれていることはほとんどが事実だと思う。毛沢東は革命家としては優秀だったが、建国後は失政続きで、経済的に大混乱を起こした。彼は所詮科学や経済とうものを理解できなかった人だと思う。それにしても66年から4人組が逮捕され、毛沢東が死ぬまで、中国の人は大変だったろう。文革のせいで中国は最低20年は暗黒の時代が続いた。この本を書いた医師が半年後に死んだのは知らなかったが、社会主義という物差しではなく、中国は中国なのだという視点で見ると、この国は古来変わっていないのかもしれない。事実、中国に日とに聞くと彼らは自分たちの国家を日本人のようには信じていない。
毛沢東の私生活
毛沢東の主治医が、毛沢東の私生活を赤裸々に綴る。
王様だ。毛沢東は王様だった。素朴にそう思えるはず。共産主義の頂点に立っていた人間が、共産主義の大儀とは全く正反対の私生活を送る。昔の中国はすごかったなーという感想を持つが、今の中国だって大差ないかもしれない。

著者が淡々と記す「毛沢東の私生活」。中国という国がどういう歴史を持つ国かを知りたい人には必読だ。
「族長の秋」もびっくりなノンフィクション
おそらく最も有名な中国人のひとり、毛沢東の私生活をその主治医である李博士が記した作品。純粋な意味での私生活はもちろん、その政治的なしがらみについても多く記述されていて、真実だとすると(信憑性はかなり高そうだと思いますが)、かなり価値のあるノンフィクションだと思います。お奨めです。猜疑心が強く癇癪もちの性格、不眠症、性生活、江青夫人や高官たちとの確執、ソ連への反感と独自の東洋的思想など、実際にその場にいたものしか判りえないような臨場感で綴られています。しかし...、20世紀後半になおこうした世界があったとは、単純に驚きです。古代中国の宮廷にまつわるドラマそのままです。


アラブが見た十字軍 (ちくま学芸文庫)

[ 文庫 ]
アラブが見た十字軍 (ちくま学芸文庫)

・アミン マアルーフ
【筑摩書房】
発売日: 2001-02
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 1,575 円(税込)
アラブが見た十字軍 (ちくま学芸文庫)
アミン マアルーフ
Amin Maalouf
カスタマー平均評価:  5
野蛮な西欧、グダグダなイスラム、それは現代も
高校で社会の科目を選択するときにいろいろ悩んだ 倫理は興味ない、政経は自分でできる、日本史は細かい 世界史と地理で迷ったんだけど母者の一言「世界史は今に続いているから」 まさに世界史がそのまま今に続いていると思わざるを得ない本である この本は西方から蛮族のフランクに蹂躙されるムスリムとその他大勢 そして一枚岩になれないグダグダなイスラムの諸侯たち レバノンはベイルート出身のジャーナリストである著者が悲惨な戦乱の世を同時代の目で著述していく 実はこの本の本当の論点は最後の章にある フランクは野蛮ではあったが権力構造や制度面で優れているところもあった そして西欧はイスラムの優れた科学や文化を学んで吸収していった 攻め込まれたイスラムは西欧の制度を学ぼうとはしなかった そしてイスラムは西欧に競り負けていくようにあるのであろう 十字軍=DQNというのは世界史を履修していれば常識であろうが 受けて立ったイスラム側の混乱とその後の衰退というのは非常に勉強になった ベイルート出身の著者からすればレバノンの内戦のグダグダも同じに映ったんだろう そういう意味では本書は十字軍時代の本でありながら現代の中東情勢の本でもあるのだ
差は歴然・・・
西側の十字軍が1099年7月、エルサレムを陥落させた後、彼らがそこの「聖地」で「何」をしたのかは高校の「世界史」では詳しく学ぶ機会はなかったが、・・・この「アラブ」側から見た本は詳しく教えてくれている・・・非戦闘員である住民を虐殺(7万人以上)ユダヤ人は彼らの教会であるシナゴーグでまとめて焼き殺され、東方教会の宗教的遺物も強奪、司祭も拷問にかけ虐殺・・・彼らの言う所の「聖戦」など微塵も存在しなかった事が良く解る・・・  翻ってイスラム側からの「ジハード」はどうであったか?1187年10月サラディンにより約100年振りに解放された「聖地」では、フランクであろうが中東の人間であろうが、キリスト教徒に対しては、殺人も略奪も行われなかったという・・・ この事は何を意味するか?私達は良く考えなければならないと思う・・・
歴史書にもファンブックにも
本書はアラブ世界の視点で十字軍の侵攻から後の反攻、
さらにサラディンという歴史的英雄の登場を活写しているわけだが、
これらの推移をふまえつつ現代アラブ世界と欧米諸国の
対立が抱える問題にまで挑戦的に言及しているのは興味深い。

高校の世界史の教科書では、ほんの数ページ、
それもヨーロッパ側の見方でしかない内容だった十字軍史が、
アラブ側から見ることにより、より多面的に、立体的に
当時の人々が何を考えていたのかがよくわかる。

もともとハードカバーで売られていたものだけに、ページ数と値段は結構なボリュームだが、
手に入れる事も至難だった時期を考えれば非常にありがたい。
しかも単なる歴史の羅列を記したものではなく、物語としての表現も軽妙かつ秀逸なので
ちょっと普通の歴史小説は飽きた……という人は大いにのめり込むだろう。

大学で史学を専攻したいと思っている高校生にぜひ薦めたい作品だ。

ちなみに本書は知る人ぞ知る有名なファンタジー小説、
「アルスラーン戦記」の参考資料にも使われており、
ファンなら登場する固有名詞にニヤリとする事も多々ある。
イスラム世界から見た十字軍の時代
中世ヨーロッパ世界による聖地回復のための十字軍。
後のルネサンスから近代への発展へとつながっていく契機ともなった重要な歴史的事件であり、今でも「異教徒との戦い」に「十字軍」の名称が使われるくらい、ヨーロッパの精神史に大きな痕跡を残している。

日本における十字軍の受容はおもに西洋発のものであった。
学校の世界史の授業でも西洋からの視点で十字軍について教えられている。つまり加害者からの視点である。この書は被害者であるイスラム世界側の視点から描かれているという点で興味深い書である。

この書には西洋における十字軍の事情はほとんど語られない。
十字軍の提唱者であるウルバヌス2世の名はほんの一部、他の十字軍に関する書でよく取り上げられるフリードリヒ・バルバロッサやリチャード1世もわずかにしかでこない。この書で登場する西洋人はサンジル・ゴドフロワ・ボエモンといった実際に従軍し、現地に王国を築いた騎士たちの名である。

そして当時の中東情勢のおいて十字軍がどれほどの影響を持っていたかも知ることが出来る。乱立気味の東イスラム世界において十字軍は大きなインパクトであったことは確かだが、イスラム諸侯が一致団結して十字軍と戦うことは殆どない。イスラム諸侯間での集合離散、場合によっては十字軍勢力と結んで他の諸侯と戦う姿はこれまでの十字軍とイスラムの戦いのイメージを覆すものである。

十字軍というとどうもイメージ先行だった嫌いがある。
この書で当時のイスラム世界の情勢というものを知ることが出来た。
ジハードの戦闘的側面は近代において強調されるようになったというが、確かに十字軍時代には宗教的に強い動機を持つジハードが行われたわけではないようだ。

最期に題名の「アラブが見た」というのは内容を正確に表していないように思う。なぜなら、この時代・地域に登場する人々の多くはトルコ人・クルド人といった非アラブのムスリム勢力だからである。
どんな内容?と思う方にはとってもお奨め
 まさに「目からうろこ」の本。
 
 アメリカ主導の対イラク戦争について、ブッシュ大統領をはじめとする米国首脳部が十字軍と同一視した発言を行い大きな不興を買い、また、パウエル国務長官がテレビのインタビューに答える中で「十字軍」と言いかけて口をつぐんだというのが頷ける内容である。特に、フランクによる人肉喰いの描写はすごい。「犬の肉『まで』食べた」なんて表現も。

 記述の内容について、歴史的史実としてどこまで信頼できるのかを批評する能力は私にはない。ただ、アラブ地域の人々の集団的記憶・心情として「十字軍」という言葉にどのようなイメージを抱かれているかが非常によく分かる。「聖地エルサレムの回復」どころか、ひたすらの略奪と殺人。

 私自身の感覚の中でもこれまで抱いてきた十字軍のイメージが大きく変わることになった。単なる個人的な認識不足には過ぎないものの、我が国における「歴史教育」の影響があることは間違いないだろう。


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 更新日 2009年7月8日(水)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク