養老先生からは溜飲が下がるような名文句が続出。曰く、 “後になるほど良くなるという進歩主義は怪しい” “世界中の問題にすぐ首を突っ込みたがるのも、世界にまったく関心がないのもアメリカ人” “なぜか最も反体制的なものが、体制的になる” “「ウォー・マニュアル」を「日米防衛協力ガイドライン」と訳すのは新聞の詐欺” “人の人生ってせいぜいテレビゲーム程度の複雑さ”
二人の共通の敵は日本の共同体であるが、一番共鳴したのは、“今の世の中、判断基準は法律やら規則じゃなく個人の美意識”って甲野氏の言葉。“全ては自分自身のため”ってのもそう。世の為、人の為っていいながら、世のせい、人のせいにするのが日本共同体だから。
この本、「こういうまともな考え方をする人たちもちゃんといるんだな」って、少し救われる気持ちになれる。 スラスラ読める!バカの壁よりこれを読んで僕は、一昨日にこの本を買って、すぐに読みきってしまった。他に読む本が目の前にあるのにすぐ、新しい本に飛びついてしまうという悲しいクセでつい買ってしまった。買った直後に思ったこと。それは『読まへんかもしれへんなぁ』。せっかく買ったからと、電車の中で読んでみると、スラスラ読める。『これはいける。読みやすい。おもしろい。』と思い、大学のプレ卒論の中間発表を控えているのに、ついつい、それをなおざりにして、読んでしまった。無事、中間発表も書けたが、とにかく、面白かった。
内容で興味を持ったことの一つは、『ナンバ歩き』。これを読んでいたら、ちょうど、テレビでそれを紹介していてびっくりした。中には、『それをあえて、説明されてもこまるなぁ。俺が考えてる方やからかもしれへんけど、それは当たり前やからなぁ。』ということや『それは間違ってるんちゃうかなぁ』ということもありましたが、日本社会について、さまざまに考察するところや、養老氏が東大を辞めた理由、目と耳の比較などいろいろ興味深いことが書かれていて楽しかった。
僕が養老氏の本を読むのは『唯脳論』に引き続いて、2冊目である。養老氏の本を読んで、思うのは『頭がキレル』『冷たい』の2点である。その社会に対する情熱の薄さや人間に対する冷たさが垣間見えるときに、イヤになるのだが、全体としては、おもしろくて、自分にとって得るところが良かったので、星は4つか5つか迷ったが5つにした。
今、『バカの壁』がまさに『バカ』のように、売れているようだが、養老氏もこちらの方が10倍以上は真剣に語っていると思われる。ぜひ、こちらを読んで欲しい。
本書では総論である第1, 2, 4章、それからコラムがとりわけ興味深い。これに対して各論はまるで医学書の抄出のようであり、アンチョコとしては役立つと思うが、医学書を日常読む立場から見ると、読み物としての新味はない。しかし明らかに本書は興味本位の書ではないのだから、これでまったく構わないと思う。
各国の建前上の正義と、裏でこっそり行っている悪魔の所業。いつ、どこで、何をしでかすかわからないテロリストの恐怖。知恵の林檎を手に入れた野蛮な生物は、有史以来わずか数千年にして、いつ、どの方法で自滅するのだろう。
古寺案内書は数多いのですが、それらの著者はお寺側の”特別扱い”を受けている場合が多く、一般の参詣者にとって参考にならないこともある。「事前に手紙や電話で拝観をお願いし、平日の天気の良い日に訪ねるとよい」――といった具合に、著者の体験に基づいてお寺参りの初心者の不安を解消してくれます。 入門書としてはいいと思う著者の「伊沢元彦の世界宗教講座」でも感じたことだが、読んでいると非常にわかりやすく、なるほどと思わせる。本書も同様に大枠を理解するためには良書だと思います。しかしいずれの本も、つまみ食いの概略解説であり、記載された内容をもとに自分なりにまとめていくと、結構虫食い状態であることがわかります。帯にかかれている「基礎知識」というよりは「入門書」、あるいは古寺と仏像からみた歴史書と考えておくのがよいでしょう。 こころ静かに! 古寺、仏像に敬意をはらうと、これほど静かな淡々とした文章が書けるものか、という見本のようなガイドブック。仏像に関する基礎的な知識は、素人にとって、本書で十分と思う。なにしろ、読みやすく、著者が「ここは大事!」と考えているところは、何度も繰り返し、述べられているので、実際に古寺・仏像に相対した際の、知識の整理にとても役立つのではないだろうか。
量・質ともにこの値段ならGREAT!
例えば、著者は地区計画における容積率緩和のインセンティヴなどの規制緩和という緩和すべてを、「市民のため」「良好な都市環境のため」という言葉でもって否定します。緩和により土地の価値が上がり、政治家の懐が肥えるという論法です。そこには密集市街地をめぐる様々な問題や、住宅ストックの問題、少子高齢社会問題、都市の持続可能性への視座、などの重要な視点が全て欠落しているのです。
改正都市計画法についても触れられていますが、その多くは何故か社会党による「代替案」に頁が割かれており、ついに最後まで「都市」への視点は貧弱なまま、イデオロギー先攻で書かれています。(この辺は著者が弁護士&朝日新聞記者だから仕方がないのかもしれませんが‥)
入門書としてはよい本です。しかし都市は非常に複雑かつ多様な問題を抱えており、多角的な視点がどうしても不可欠です。 優れた問題提起の書経済的利権 対 豊かな住環境を求める住民
都市計画制度は暫時に改正されてきたとは言え、この対立的な図式を突き崩すには至っていない。本書は、その原因を明快に解き明かしてくれる、優れた問題提起の書であると思う。
自分の中の問題意識を身近なところで掘り起こしたいという人は必読。
本書が解き明かす「利権の構図」というやつに、怒りを感じれるだけの間性を持つ人には、真剣に自分の周辺の開発・建築行為を理性的・批判的に目を向けて欲しいと思う。
真剣に自分を取り巻く住環境を良くしようと思うのならば、本書の第5章が訴えるように、都市計画を住民の手に取り戻すためのアクションが必要なのだから。自分が問題意識を持ち、地域の問題に関与し、心ある自治体とその担当者と手を携えていこうとすることくらいしか、流れに抗う術はないのだから。