科学的な犯人像推定に関心のある人、プロファイリング(地理的プロファイリング含む)に関心のある研究者や学生、犯罪学の最近の動向に関心をもつ人にとっては、読む価値が高く、本書はおすすめである。
本書は、凶悪特異事件が起きるたびに垂れ流される犯人像推定との違いを明確にするものであり、プロファイリングの分析手法、英国型と米国型との違い、等々、情報量的には、他の犯罪学入門を称する日本語で書かれた類書(その多くはラベリング理論までの紹介でストップしていたり、海外の最近の動向がほとんど反映されていないものが多い。ラベリング理論は、加害者(提唱者ベッカーによれば「負け犬」)を擁護する側面が強く、被害者の救済や保護には役立たないどころかマイナスでさえある)よりも中身的に豊富であり読む価値がおおいにあるのではないか。また、よく読めばわかるが、著者は元警察官などではなく、あくまで研究者のようである。
プロファイリングは日本の警察でどこまで、どの様に利用されているのか、についてはたしかに十分な説明がなされているとはいいがたい。だが、実際にはまだ運用が進んでいないことが想定されるだろう。 中途半端だ本書を購入した際(1) プロファイリングとは何か。(2) プロファイリングは日本の警察でどこまで、どの様に利用されているのか。が書かれているものだと期待した。
しかし、(1)に関しては説明がいたって中途半端で分かりにくい。さらに、英米の博士の理論の説明に終始している。また、直訳したと丸分かりの不自然な日本語も度々あり、他の著書を翻訳、丸写ししたとの印象が拭えない。(2)に関しては、ほとんど具体的な話がなく、元警察官でなくても調べれば書ける内容だ。結論が「欧米のプロファイリングのシステムをただ輸入するのではなく、日本独自の工夫が必要だ」とは余りにもお粗末だ。
本書から私が理解できたことは次の2点に尽きる。(1) プロファイリングはまだ日本の警察には定着していない。(2) プロファイリングは、情報を整理し、捜査の方向性を決めるものであり、結局は捜査員の地道な努力が大切である。
あと10年後もすれば、プロファイリングは日本に定着するだろうか。そのときには、プロファイリング関連の‘日本語で書かれた’良書もいくつか出版されているかもしれないが、本書の出版は時期早々であっただろう。
ただ、本書のコンセプト自体に若干無理があった感は否めない。理系の人から見れば「文系」は皆同じに見えるかもしれないが、同じ文系でも法学と経済学と哲学と心理学では物の見方や思考方法が全然異なる。本書では著者はなるべく幅広いトピックを取り上げようと努力したようだが、その結果やや散漫になっている。
内容を個別に見ると、冒頭の「微分積分読解法」は掴みとしては良い。次の論理の話も悪くない。続く距離空間の話になると、私には理解不能な「数学の美しさ」が強調されてガックリ。その後の民主主義とオプション取引の話は分かりやすくて良い。最後の哲学モドキは正直「?」で、他の章とは明らかに異質な感じ。著者が数学道具主義に反発を覚える気持ちも分からないではないが、そうした「数学の美しさ・楽しさを他人に啓蒙しようとする態度」こそが数学嫌いの人には趣味の押し付けにしか感じられなず、反発を生んでいるのだということも理解してほしい。ツールとしての有用性を強調した方が、「文系」の人間にはよほど広く受け入れられるのではないだろうか。
ともあれ、価格分の値打ちは十分にある。週末に一日で読み切る本としては、オススメもできる一冊である。
この本を読んで「物足りない!」と思った方には、化学同人「化学」をオススメします。
より良いケミカルライフを! ネタ元として、読み物として子供時代に工作を楽しんだり、教育玩具で楽しんだ記憶がある方は、きっと楽しく、少し懐かしく読める本です。子供と一緒に遊ぶためのネタ元にはもちろん、実験に直接・間接に関係する雑学記事が豊富で、読み物としてもよいです。その一方で、実験に関する科学的な知識の補足情報が少ないので、より深く理解したいと思ったら別途情報収集が必要になります。その他、あえて不足な点をあげるとすれば、工作する実験用具の図解がもうちょっと詳しいとより分かりやすいと思いますが、簡単な写真が載っているし説明文が分かりやすいので、ほとんどの実験では問題ないでしょう。おすすめできる本です。 最高に面白いもうバイブルとしか言いようがない。
ただ、文章ばかりの本ですので、ちょっと実物が想像しがたい語句もあります。と言うと単に自分に想像力がないみたいに思われるかもしれないんですけど、例えば「草葺き屋根の芝棟」で屋根のてっぺんに草が植わってる、とか言われても、マンション住まいの都会人には想像し難いってもんです。いちいちインターネットで実物の写真を検索するのも面倒ですし、これで解り易い写真でも一緒に掲載されていれば良かったのに、と思います。 著者ならではの面白い建築エッセイ集です著者は建築史に関するれっきとした東大教授で、「タンポポハウス」に代表される建築家でもありますが、「建築探偵」シリーズを始めとして、建築の専門用語を使わずに、建築の面白さを、建築素人にも伝えてくれる文章家としても有名です。
この本も、オビには「気鋭の建築学入門」とあり、何やら難しそうに感じますが、そういう心配は全くありません。「柱」や「屋根」「天井」といった建築に関するものをネタにした著者ならではのユニークな観点からのエッセイ集というべき内容になっており、建築素人の私のような者でも、楽しめる本になっています。建築ファンだけでなく、面白いエッセイ集を探している人にもお奨めできる1冊です。 懐かしい気もしますタイトルに「学」とついていますが、難しいものではありません。エッセイ集として気軽に読めるものです。
私自身は古い農家で生まれ育ったので、著者の説明する古い日本家屋の様子などは懐かしく読むことができました。また、お風呂が昔は蒸し風呂だったことについて語るくだりで、原因は湯船を水で満たすのが重労働だったこともあるだろうとの記述がありますが、ここのところでかつて祖父が井戸から水を汲んで風呂に入れていた様子を思い出しました。
逆に、古い日本家屋を知らない現代の人々にとっては、ちょっと異文化に触れるような感じになろうかと思います。しかし、これも日本人が気候風土に合わせて作り上げてきた合理的な智恵の塊ですので、知っておく価値はあると思います。
そしてなにより、私が懐かしいと感じることについて、最後の「人は何故建物を求めるのか?」に素晴らしい解説があります。 お気軽な建築学入門書筆者の著書には大別すると「硬め」のものと「軟らかめ」のものがあるが、これは後者の方である。そして、筆者の著書のおもしろさは特に後者に顕著であると思われる。大学教授の、特に建築や都市計画の分野の先生が書く文書は一般の読者からすると難解なものが多いのだが、おもしろおかしく、読みやすく、もっと言えばここまでくだけた文章を書ける大学教授もそういないのではないか。特に建築に日頃関わりのない人でも気軽に読める建築学入門書である。
作者は早くからインターネットを通して、着物の文化を伝えるという趣旨でHPを開いていた早坂伊織さん。結構、有名なのでHPをごらんになったり、本をおよみになった方は多いかもしれませんね。
この本は、本当に、男性の初心者のために、いかに着物を着れるようになれるか、懇切丁寧に書いてあり、とてもありがたくためになる本ですね。ご本人の体験談がとっても共感がもてます。
今年は男物着物が流行の兆しだそうです。男物浴衣の面積もじわじわと増えてきつつあり、その影には、何年もまえから、地道にHPを開き、多くの着物ファンとコミュニケートを取って、着物を広めてきた早坂さんのような人の努力が、実を結んできたという事なのでしょうね!
本業はシステムエンジニアということなので、やはり、システマチックな着物の解説がとてもわかりやすいですね。 やっぱ褌感心したのは褌を締めているときの大小便の仕方を臆せず書いていること。他の着物本では締め方までしか書いていない。六尺褌も越中褌も同じ用の足し方をするのですね。おかげで褌にハマりました。六尺も越中も九州屋というサイトがお勧め。色、柄、生地、豊富に揃っています。六尺褌はいろんな締め方がありますが
普通に締めるなら240pもあれば十分でしょう。もちろん着物にもハマりましたがとかく金がかかります。
エンジンの発展の歴史から、構造、各種方式の長所短所、これからのエンジンまで、広く網羅していますので、1から学びたいという方に適していると思います。 自動車のエンジンを知りたくなったらまずはこれ。 自動車が好きで、エンジンに興味を持っているならまずはこれ。1回読んでもわからないことがあるが、苦もなく全部読み通せて他の本を読んだりするうちにまた読み返して「なるほど」となる。 エンジンを知るための最初のテキストになるだけでなく、巻末の参考文献が次の本選びのガイドになる。
というより、自分の生活の中で、ちょっと視点を変えるだけで、暮らしが変わる、そんなメッセージが先生の言葉で、そこかしこに溢れています。もちろん、先生がいつも愛用されている器や台所用品や、癒しグッズまで紹介されてて、とっても嬉しい本です。