● 歴史考証がしっかりしている● 当時の生活の様子がリアル● ストーリーが分かりやすい● 展開がスピーディー● キャラが個性豊かで素敵● キャラが混同しない● 絵が美しい!(物語にベストマッチ!)
こんな感じです。並べてみるとこじんまりとしてしまいますが、これらが一つに結集しているのが、この小説の最も凄い所だと思います。中でも驚かされたのが歴史考証。素晴らしいの一言です。もちろん英国史に通じていない読者にも、快く味わえるスパイス程度なのですが、主人公と同じくこの時代が好きな人間が読むと……もう、にやけっぱなしです。「難しくならないように」と心がける傍ら、隙あらば当時の事情をセリフの端々に織り込もうとしているのがよく伝わってきます。この時代が好きなんだ文句あるか!という作者の歴史好き根性が垣間見えてとても楽しいです。ラストシーンが来るのは惜しいのですが、最終巻で発表されるという参考文献の名前は早く見たいです(笑)
個人的にオススメする物語の見所は、主人公の長期留学生であるがゆえの言語能力の高さ、つまりご当地に「馴染む」能力の高さです。頭でっかちでひ弱な現代っ子なので感情移入しやすいし、彼が現代の知恵を駆使してピンチを切り抜けるたび、同時代人である我々読み手も爽快になれます。
キャラクターでは、個人的には「武闘派守銭奴」ナイジェルがお気に入りです。親友であり、船上では上司でもある船長を守り立て、時に叱咤する彼、理想のナンバーツーだと思います。意外な弱点に笑わされました。そして豪華なゲストも忘れてはなりません。処女王エリザベス、海賊提督ドレイク、そして世界一有名な、とある劇作家etc.誰も彼もストーリーの中で役割を果たしているので、物語を混乱させる事がありません。見事です。
漫画で言うと、「空は赤い河のほとり」「バビロンまで何マイル?」「カンタレラ」などがお好きで、多少BLに免疫がおありの方(笑)に強くオススメです。もちろん歴史が好きでない方も、これを読めば興味が沸くこと請け合いですよ。
追記:雪舟薫さんのイラストがお好きな方にもオススメ。時代考証バリバリの凝った服装が美しい絵になっています。この1巻や、6巻の口絵は特に必見です…!