子供ができたことで、反対されていたパートナーの家族にも受け入れられ、彼女がどんどんアメリカに馴染んでいくようすが描かれています。幸せいっぱいの娘の話以外にも、彼女の両親、パートナー、また捨ててしまった犬のことにも触れ、特に両親とパートナーへは手紙形式で綴られています。遠く離れた両親に対する思いはやはり寂しそうです・・・・・。”ジェットコースター”に例えらている彼女の人生もハイウェイ、そしてフリーウェイにうつろうとしているかのよう。それでも豹ちゃんはファイティングポーズを崩さない。母でありながらパートナーの為に自分を磨き、そしてダンサーにも復帰。やはり彼女の精神はとても強いのでしょう。
何が起きるかわからないアメリカで強く、でも常に楽しみながら生きていく武田真弓さん。
確かにそこに憧れはあるけれど、軽々しく真似をしたいとは思いません。でも彼女の生き方、ポリシーはリスペクトしてしまいます。ニューヨークにいる彼女に会いに行きたくなりました。
作者の取材過程や、危険にさらされる(詳細には「危険だから」という理由で突っ込んでいませんが)状況が知りたいのでは無いのです。私は非常に期待はずれでした。 スナッフフィルムは発見できるか幼い少女が惨殺されるフィルムを見たスヴォレイは、スナッフフィルムがこの世に存在している事を知らしめる事によって、殺された人々への手助けになると考える。彼はあまりにも危険な旅に出るのだが、最後に彼は奇跡的な偶然によって命を取り留めた事を知る。全編に緊張が走り、著者の精神的疲労、安堵など物語として読んでも面白い。
ドナウの旅人の取材目的で東欧を旅行する作者は、ブタペストで急に一行のガイド役を引き受けることになった現地の一大学生に出会う。彼は、日本に留学したいという夢を持っているが、研究テーマが国の求めている学問でないこと、また経済的な理由からそれが実現不可能なことであることを語る。こんな話を聞かされた時“フーン可哀相に。”という話で終わるのが現実であり、これが叶うのは、小説の世界と相場は決まっている。ところが宮本は、たった一度の出会いでこの異国の地の一青年に“行きの飛行機代だけは、自分で工面しろ。俺の家に住んで、日本の大学の修士課程を卒業しろ。”と言ってimpossible dream をpossible dream にすることを約束する。なんとも心温まる話である。体の底から感動が湧き出てきてしばらく治まることはない。お話でなく実話なのである。小説家というのは、現実が小説で小説の中が、現実なのだろう。 この話に色づけしたのが、彗星物語である。
全作品に息づいている作者のこの優しさと人間性に私たちは、惹き付けられるのであろうか。何れにしろ彼が、魔法を心得ているのは間違いないようである。