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[ 新書 ]
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人にいえない仕事はなぜ儲かるのか? 角川oneテーマ21
・門倉 貴史
【角川書店】
発売日: 2005-11-10
参考価格: 720 円(税込)
販売価格: 720 円(税込)
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・門倉 貴史
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カスタマー平均評価: 4
わかりやすい税金裏話 節税法、脱税法、アングラ産業入門。平易な言葉に身近な具体例でわかりやすい。深入りはしないが、概要はよくわかる。最後には、公平な税政とは何かを考察しており、収入ベースの課税から、支出ベースの課税への移行の必要性を説いている(難しいっぽいが)。
読みやすい この本を読んで以下のことが分かりました。
○ 野球選手や大学教授はなぜ個人会社を作るのか。
○ 同じ年収なのに、なぜ長者番付に載る人とそうでない人がいるのか。
○ 税金の負担が重くなると、いろいろな地下ビジネスが多くなること。
なかなかおもしろい本でした。
とにかく分かりやすかった とにかく分かりやすかった。今回は図書館で借りたのだが、1冊持っておきたいと思える本だった。サラリーマンの副業のうまいやり方やなぜ金持ちが会社経営をするのか等、丁寧に解説されていた。最後の所得税に変わる税の提案については納得できる部分も多かった。
実は税制改革の本 「社長の〇〇〇」と同じ「違法すれすれの節税の指南書」と思って買うと、落胆します。確かに、「節税の仕方」がわかりやすく丁寧に説明されていますが、これはイントロにすぎません。ここで重要なのは、収入から差し引くことができる控除のテクニックではなく、サラリーマンは全くできないことが個人事業主は「工夫の余地がある」という事実です。これが、現在の税制の最大の問題点、すなわち「補足率の悪さ=徴税の不公平」につながります。
第6章の地下ビジネスの担い手たちも、何も「かたぎ」も地下ビジネスを見習えと煽っているのではありません。地下ビジネスは違法だからこそ競争の原理がはたらかず儲かるのです。逆に違法すれすれを厳しく取り締まったら、ますます地下に潜って暴力団の恰好の資金源になるだけ。本書には書かれていませんが、かつてのアメリカの禁酒法も、マフィアの腹を太らせただけでしょう。逆にオランダの「合法ドラッグの公認」は「違法/合法の区分け」が簡単ではありませんが、「麻薬取引でのぼろ儲け」および「関連犯罪」の減少には極めて効果的です。
第8章のどのような税制が最も望ましいか が本書の結論であり、最も読む価値のある部分です。著者は他の著書でも「支出税=(収入?貯蓄)×(税率)」を提言しています。理論的には、所得税のもつ過度の累進性を緩和できること、消費税のもつ逆進性を調整できること、いわゆるアングラ所得を消費の段階で補足できること等から理想的です。
欠点は「過去に導入しようとした2国が失敗した」という事実。それと原則全員申告となるので、今の税務署の人員だとパンクするということ。
しかし、今後の国家財政の悪化、高齢化、所得格差の拡大と徴税の不公平を思うと、今からでも政府内にタスクフォースを設けて準備すべきことでしょう。
税に対する意識が変わる本 タイトルからは、いわゆる「地下ビジネス」についての話なんだろうな、と思わされてしまうが、
中身は様々な節税術の紹介に加え、現行の日本の税制についてや、将来日本の税制はどうなっていくのかなどが書いてあってとても興味深かったです。
日本が借金まみれだということや、
今減税することは将来の増税につながるということは広く知られていると思いますが、
増税、減税が及ぼす影響を、地下ビジネスと絡めて分かりやすく書いてありとても面白かったです。
今はまだ学生で、税を負担していない世代の方も、この本を読めば税に対する意識が変わるのではないでしょうか。
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[ 新書 ]
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ライフハックス鮮やかな仕事術―やる気と時間を生み出すアイディア (MYCOM新書)
・佐々木 正悟
【毎日コミュニケーションズ】
発売日: 2006-12
参考価格: 819 円(税込)
販売価格: 819 円(税込)
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・佐々木 正悟
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カスタマー平均評価: 4.5
考え方は参考になりました。 2006年の発行ということなので
技術的には若干古さを感じます。
しかし、既存の整理術ややる気の出し方を
デジタルなものとうまく組み合わせているので
参考になる部分は多いと思います。
専門家になる方法 誰かから仕事を頼まれたとき、「いつまでにやればいいですか」と聞きます。
そういうとき「なるべく早く」と言う人がいますよね。
こういう人はぼくは信用しません。
とてもプロだとは思えないからです。
そりゃ誰だって早くやってもらいたいですよ。
早くやってくれれば、自分の方が楽になりますからね。
自分は余裕のある時期に、その仕事に着手できるからです。
早くやってもらえれば、自分が始めないとならない時期まで机の上に放っておくこともできるのです。
つまり、「なるべく早く」という人は、他人には無理な要求をし、自分に有利に導こうと考えているわけです。
まー、卑怯な物言いなわけですよ、意識していないと思いますが。
そのことは心しておきたい。
まー、この手の人は得てして、机の上に放りっぱなしにしておいて、ギリギリな時期になってあわてて始めたりするんですよねー。
そして結局、締め切りに間に合わなかったりしてね。
プロ(=専門家)と呼べる人は「なるべく早く」なんて絶対に言いません。
もっと具体的に期日を決められる。
何月何日まで、何月のこの週までに、何月下旬までに、など。
なぜ決められるのかと言うと、段取りが「見えている」からです。
仕事とは、誰かからパスされたものを、誰かにトスするようなものです。
前段取りと後段取りが見えていれば、自分の作業時間が見積もれる。
さらに、自分と相手の状況(抱えている仕事量、能力、性格など)も把握して、余裕をもった期日を見積もれるわけです。
では、プロ、専門家になるにはどうすればいいのでしょうか。
佐々木正悟『ライフハックスー鮮やかな仕事術』MYCOM新書\819-から引用します。
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(仕事を成し遂げるのに)大切なのは、
一に始めること、
二に見通し、
三に不安にならない
ことだということがわかる。
さらにこの三つを突き詰めて考えるなら、もっとも大事なのは「見通し」であることがはっきりする。
見通しがはっきりわかっていれば、始めることはできるはずだし、不安になることも少ないはずだ。
専門家というのは、仕事を最後までやりきった経験をたくさん持っているから、見通しを立てられる人だということになる。(134p)
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そうなんです。
最後までやりきった経験をたくさん持つ、ってことなんです。
そういう経験が蓄積しているから、いつ始めればいつ終わるのかわかる。
最後までやりきった経験がないと、いつ始めたらいいのか分からないし、自分がどのくらいの能力があって、どのくらいの量をどのくらいの時間で終わらせることが分からない。
見通しが着かないから不安になります。
だから「なるべく早く」なんて言ってしまうわけです。
小さな仕事でも、ある仕事のある部分でもいいから、自分で最後までやりきる経験を積み重ねる。
自分で最後までやりきると言っても、全部自分一人でやらなくてもいいですよ。
誰かに教えてもらってもいい、手伝ってもらってもいいんです。
でも、誰かに丸投げはしないことです。
丸投げしちゃうと、その部分の経験が欠落しちゃいますからね。
全部自分が主体的に関わって、最後まで仕上げてみる。
それがプロ、専門家になる方法なんだと思います。
真っ当な「ハックス」 心理学者の書く「ハックス」。と聞くと、やたら精神論や心理的な分析に偏っているかと
思いましたが、心理学分析をバックグラウンドに実際的な「ハックス」を惜しげもなく
紹介してくれます。
野口悠紀雄氏の「超整理法」を鵜呑みにせず自分なりにアレンジしているところも
興味深いです。
「夢を手帳に書く」とか「なりたい自分の姿をうんぬん」とかのちょっと辛気臭い自己啓発系の内容は一切なく実用一点なところがGood!
この本を読んでRemember The Milkを始めました。
心理学的・脳科学的な知見
心理学的・脳科学的な知見から、
普段の私たちがよく体験する【非能率的な行動】を指摘しているので、
ある種の説得力があります。
・人間の脳は、特定の何かに注意を向けたとき、その後0.5秒間、他の事が認知できなくなる
・「認知・認識」は、「欲望」から生まれる
・気の重い仕事に取り組み始めると、ある有意義間が生まれる
取り上げている具体的な仕事術には、
それ程目新しさはありませんが、
科学的な理由付けに、その動機付けは高まります。
効率の良い時間の使い方に持続性を持たせるためにも
一読の価値がある一冊だと思います。
自慢でないところが良い 良書であり、かつ読むのに時間も長くかからずに情報を得られる、と思います。何よりも良いところは「ハックス」系にありがちな自慢げな文章や押し付けに近いところがなく、読者に選択させるところに非常に好感を持ちました。明日からは少しでも快適な生活を送りたい方に必読です。
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[ 新書 ]
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いきなりできる! 経営分析 (PHPビジネス新書)
・石島 洋一
【PHP研究所】
発売日: 2008-08-19
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 840 円(税込)
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・石島 洋一
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カスタマー平均評価: 3.5
決算書見本で教えてもらう経営分析の方法 決算書を見て「数字は正直」と言えるようになりましょう。
決算書の数字が意味を持った情報として捉える経営分析の
方法を本書では紹介しています。
見本での分析が読めますので、次は会社の決算書を使って
分析してみてはいかがでしょうか。
あと、本書では必ずしも紹介されていないルール(裏話?)
も理解する必要があります。決算書作成までで各社各様に
決めているルールがどのように影響するのか、と。
おもしろいほどすぐわかる! 財務3表(貸借対照表・損益計算書・キャシュフロー計算書)の見方と、
経営分析によく出てくる指標(××率)の内容・計算式等をわかりやすく解説し、
その数字をどう解釈すれば良いのかのヒントを平易な言葉で書いてあるので
初学者にも充分理解できる内容です。簿記3級程度の知識があれば尚良いです。
経営分析を体系的に理解したい方にはお奨めですよ。
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[ 新書 ]
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接客の魔法 プロマジシャンが明かすコミュニケーションの技術 (アスキー新書 024)
・庄司 タカヒト
【アスキー】
発売日: 2007-08-10
参考価格: 780 円(税込)
販売価格: 780 円(税込)
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・庄司 タカヒト
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カスタマー平均評価: 5
ひじょうに勉強になります 最初に書きますが、マジックの種明かしは一切ありません。
この本はマジックのタネではなく、マジックを使った人とのコミュニケーション方法等、メインは「コミュニケーション」です。
そして著者がテーブルホッピングと言う職から学んだ事が書かれています。
メインの内容としては先にも述べた通りなので、
この本をお読みになる方の対象として接客業を職としてお持ちの方。
マジックは少し出来るけど、イマイチ人とのコミュケーションがうまくいかない。
またもっと人との接し方を学びたい。
マジックを相手に見せた時に、困った反応をされたらこうするのがいいなど、
経験から得た切り替えし方などが載っています。
活字慣れしていない私でも、スラスラと読めたのでかなりいい本だと思います。
一言の重要性が学べます。 テーブルホッピングというレストランなどの中で
テーブル毎にマジックを行う著者が成長してくる中で、
お客さまに対してどう接してきたかが具体的に伝わっ
てくる本です。
トランプを選んだ女性客に対するほんの一言で
女性を幸せにしたり、怒らせることがあることを学
ぶことができます。本当に人間は小さな一言で喜
んだり悩んだりするものだと再認識する本です。
魔法は当たり前のことから 「魔法」などと書くと、お手軽に何かを手に入れられそうな気がしますが、結局はトライアルアンドエラーの繰り返しです、長い時間をかけ、身につけた貴重な経験であるはず
その経験から得られた貴重な「学び」を具体的に、非常に読みやすく、包み隠さず文章にしてくれています
マジシャンに限らず、接客業に従事していて、自分を磨いていきたい方はマストバイの本です
本当に「接客」の本である テーブルホッピング・マジシャンである庄司タカヒトさんが書いたこの本は、マジックの本ではなく「接客の本」だという点が最も際立って優れている。マジックではなく、マジックを使った接客でもなく、ひたすら「接客」の本なのだ。
レストランなどでテーブル単位で実施されるマジックの場合、マジシャンがお客様に『受け入れられて』初めてマジックを執り行うことが出来る。それまでは『マジシャン』ではなく、ただの「割り込んでくる邪魔者」でしかないわけだ。この状態からいかにお客様に受け入れていただくのか…ここにはマジシャンかどうかは関係ない。
この本には、著者の十数年にわたるテーブルホッパーとしての経験から、「お客様に受け入れていただく」ために必要な「接客」の基本が書かれている。また、その基本を鍛錬するためにどのような方法を用いたのかも書かれており、結構参考になる。
自分の反省のためにも、何度か読み直したい、と思った。
種明かしはありません 何より素晴らしいのは、マジックの種明かしが1つもないのです。マジシャンが書く本はハウツー本以外でも種明かしが差し込まれていくのが常です。しかし、それをしなくとも著者の生き様を背景にしたキチンとした本に仕上がっています。オビの宣伝コピーには多少疑問も感じますが、マジック好きの方、サービス業関係のかたは読んでいて損はないでしょう。
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[ 新書 ]
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企業再生の基礎知識 (岩波アクティブ新書)
・高木 新二郎
【岩波書店】
発売日: 2003-01
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
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・高木 新二郎
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カスタマー平均評価: 4
役割は次の本に移りました 著者が岩波新書「事業再生」の端書きで、「環境がめまぐるしく変わった」と述べているとおり、この本が書かれた状況が大きく変わっています。当時は産業再生機構が立ち上がったばかりで、法制度も整備されていないところがありました。
本書の目的は岩波新書「事業再生」に引き継がれていますので、そちらを選ばれることをお勧めします。もちろん、日本の企業再生の礎を築いた方だけあって、入門書としての価値は失われていません。
事業再生を勉強するなら、まずこの本か 流行の「事業再生(民事再生)」の入門書としてはよくまとまっており、いい本であると評価できる。著者は、「事業再生」を手がける弁護士としては草分けと言えよう。
ちょっとした工夫(債務カット、事業リストラ)で、企業が再生するのであれば、株主も従業員、さらには取引先、ユーザーも助かるわけで、それを可能にするファイナンス方式(DIP、DES(デット・エクィティ・スワップ))や専門家(ターンアラウンド・マネージャー(いろいろな経験ができそうでおもしろそうな職業である))、再生ファンド(ファンドが設立したSPCがDESにより「債務の株式化」された株式を取得し、株主として再建を実施する)の登場は、日本経済マクロで見ても意味のある話といえるだろう。
また、倒産法制の変化についても語られる。和議法の廃止により登場した日本版チャプターイレブンである「民事再生法」(2000年4月?)が果たした役割や裁判所が私的整理に熱心になった点が語られる。
なお、2006年1月に出た「事業再生」(岩波新書)では、本書出版後の状況(産業再生機構)についても記載がされている。
しかし、考えてみれば、DESとは、貸借対照表の「他人資本」が「自己資本」になるということで、テクニカルには分かるが、貸借対照表上の「負債」と「資本」が簡単に行ったり来たりしていいものかというのが素朴な疑問。これについては、実質的には、債務を帳消しにする代わりに、それに見合った出資を同時に行ったという理解になるのだろうか。あと、「債務の株式化」だが、債務に見合った発行株式数はどうやって決めるのか(特に非上場の場合)、誰か教えて欲しいものである。
法律の知識 再建のビジネス書ではない。破綻関連の法律本。 実際の事業再生に関する内容は乏しい。財務、経営、取引、労使関係の課題と解決といった事業にまつわる事例を直接知りたい方には向かない。
基礎知識を得るには適している 企業再生に関する知識を新書版のコンパクトな分量につめこんでおり、私のようなズブの素人にとっては、基礎的な知識を得るのに役立った。 ただ、他のレビュアーさんが産業再生機構の経歴など著者の実務経験を強調しておられ、その面の「具体的な」「なまなましい」話を期待していたが、その面は以外に少なく、オーソドックスな入門書という印象。 まじめに「知識を得たい」入門者には好著。「ちょっとした興味で、興味深い話のネタを仕入れたい」という人には向かない。
実務経験に裏打ちされた概説書 景気は回復していると言われるが、なかなか光が見えない日本経済。いまだに企業再生の話題は絶えません。そんな企業再生の為の会計的、法律的な知識をとても易しく解説しています。著者は昨春、産業再生機構の産業再生委員長に就任したいわゆる「倒産弁護士」の草分け的存在で、本書を注意深く読むと、説明の端々に実務経験に裏打ちされた記述が随所に見受けられます。倒産法制についても要点が簡潔にまとまっており、近時の改正もフォローしてますので、企業再生ビジネスに関心ある方の入門書として最適だと思います。
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[ 新書 ]
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誰のための会社にするか (岩波新書)
・ロナルド ドーア
【岩波書店】
発売日: 2006-07
参考価格: 819 円(税込)
販売価格: 819 円(税込)
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・ロナルド ドーア ・Ronald Dore
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カスタマー平均評価: 4.5
2009年に読めば・・・・・ 「会社は誰のものか」という問題については、既に解答が出ているものと思っていた。「会社は株主のものである」という解答が。新会社法でも、旧商法と同様、このことをより強めるような規程が盛り込まれている・・・・・。
上場企業にとっては、少し前から四半期決算を開示することにより、より株主寄りの開示が求められるようになってきたし・・・・・。
一方、従来までの伝統的な国内世論は、日本的経営の影響もあり、「会社は株主だけのものではなく、みんなのもの?」なる雰囲気があった。それが、本書にも書いているように、2005年3月の日本経済新聞のアンケートによれば、「会社は株主のものである」という考えの人が90%以上にも達しているようなのだ。
本書は、2006年7月に出版され、「企業は社会的公器であり、経営者は株主の利益ばかりではなく、他のステークホルダー(従業員・債権者・顧客・下請け会社・地域社会等々)の利害も勘案して行動すべきだ」とする「ステークホルダー論」に立っている。因みに「会社は株主のものである」とする立場の会社を本書では、「株主所有物企業」と呼んでいる。
どうなのだろう。はたして会社は「株主のもの」なのだろうか?「ステークホルダーのもの」なのだろうか。
少し前(2009年1月中旬)、某TV番組で伊藤忠の丹羽氏が「会社が株主のものであるとする時代は終わったヨ」と、時代の流れに逆行する、しかし本書の立場を擁護する個性的な考えを述べていたが・・・・・。
本書が出版された2006年7月という時期と、2009年1月という現在では、経済状況が全く異なっている。当時は、2005年秋頃からの景気上昇機運もあった・・・・・。
括弧書きの文章を多用するなど、本書は決して読みやすいものではない。第9章に著者の主張がすべて納められている。この章だけでもいいような気がしないでもない。前置きが長すぎるヨ、まったく。
シャレかどうか、110ページの「内舞踏性」は、一体なんなのだ?
「内部統制」じゃないか。
近年の経営の変化に対する批判の視点 本書では、株主重視経営が次の2つの意味で相対化されている。1つは、「出資者による所有」という法令上の規定がある中でも、所有権の会社への権能は必ずしも絶対的なものではないこと。その意味で、著者による「誰のための会社にするか」という問立ては、1つの見識である。2つ目は、国際比較により、「出資者による所有」というあり方も、アングロ・サクソン資本主義の特徴であるに過ぎないことを示している。
その上で、M&A促進政策やコーポレート・ガバナンス変革に対する批判的視座として、株価が合理的な指標とならないこと等の4つの視点が提示されるが、これらの課題を解決するための方向性として、企業開示の充実や競争促進政策には向かわず、ガバナンスにおけるステークホルダー民主主義のような政治的過程の構築に向かう。しかしながら、このような向きは、適者生存の原則に支配される市場経済の中で、生き残る制度となり得るのかという疑問があるとともに、仮に、このような政治的過程の構築に成功したとしても、そこでの決定の指針となるのは、引き続き経済学的な原理であると想像する。
「日本経済の競争力ばかりでなく、日本社会の行方も考えてください」と訴える賢人の見識に引き続き耳を傾けるべき価値があることは認めるが、若干頭の固いところがある点は割り引いて受け入れる必要があろう。
いまこそ、日本的経営の良さを見直す好機であると考えさせられた。 アメリカの投資ファンドスティール・パートナーズが、サッポロビールに対して買収提案をしている。このファンドは、昨年も明星食品の買収提案をして、ホワイトナイトとして現れた日清食品に株を売却し、36億円の利益を上げている。今回も同様に利益確保が目的なのは明らかである。
最近は、こういった敵対的買収が日常的にニュースに取り上げれられ、われわれも特に違和感なく受け入れている。
本書は、こういった最近の株主至上主義に対する警告の書である。
確かに、以前の日本では、今ほどまでに株主という存在は意識されることはなかった。株式持ち合いが日本的経営の良さとされ、株主の存在を意識せずに長期的な視点に立った経営に取り組むことができた。
ここのところの様々な改革や、「失われた10年」を通じて、株主の権限を強化する流れが強まり今に至っている。
また、最近ではフォードが創業以来の1.5兆円の赤字になったにもかかわらず、CEOに7億6000万円ものボーナス支給を決めたとの報道がされていた。
本書によると、1960年代のアメリカ企業の社長の報酬は、従業員の平均給与の40倍程度であったという。それが今のように1000倍もの報酬を得る形になったのは、社長になるプロセスが、生え抜きではなく、外部からはいってきて株主総会から委任された取締役会と短期間の報酬契約を結ぶようになったからである。
会社を株主の所有と考えていけば、このような形に行き着いていく可能性が大きい。
著者は、このような「株主主権企業」への流れをせき止め、地域社会や従業員も含めた「ステークホルダー企業」を定着させていかなければならないとしている。
いまこそ、日本的経営の良さを見直す好機であると考えさせられた。
新しい視点を提供してくれる ホリエモンや村上ファンドに代表されるような「株主こそが会社の持ち主であり、時価総額の最大化こそが企業の目的」との英米的(欧米ではない、念のため)価値観に真っ向から異論を唱え、企業は株主以外のステークホルダー、即ち従業員や取引先や地域社会にも責任を持つべきであると説く。
著者は英国人だが、欧米はもちろん日本企業にも明るく、事例や数値も交えていてとてもわかり易い。
最近の米国志向の行き過ぎた資本主義に違和感を持ちつつ、純日本的な年功序列・運命共同体的な企業は「もっと違う」と思っていたところに、いろいろな視点を提供してくれる。
特に従業員の賃金を「コスト」ではなく、(役員報酬や株主配当と同様に)付加価値の「分配」と捉えたところが素晴らしい。人件費を経営者の飲み食いと同じ「販管費」としか捉えられない会計基準はこの際見直すべきだろう。(僕も飲み食いしてるけどね・・・)
経営を学ぶすべての人に読んで欲しい一冊。
視点を変える(元に戻す?)本 ここ数年、世間も大きく変化したけれど、着実に自分の会社が変化していることを感じている人も少なくないのでは、と思う。「上場」自体がブームのようになって、いざ「上場」してみるとそれまでの日本的な会社風土を犠牲にして、株主と株価(世間体)だけを気にするようになる・・・。
この本は、こういう「ここ最近のどうも変だなという感じ」をわかりやすく整理して示してくれる。あーそうだよね、そうそう的な感じでとても共感を持って読み進めることができる。だから、モヤモヤの解消には非常に効果的。
ただ、その解決策がスッキリと出てきていない気がするんだよね。どうも読み終わっても、結局「変わらないのかなあ」というあきらめが・・・。
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[ 新書 ]
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夢をカタチにする仕事力 (光文社新書)
・別所哲也
【光文社】
発売日: 2009-05-15
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 840 円(税込)
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・別所哲也
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カスタマー平均評価: 4
日本の映画史に名を残す人になる この本で描かれるのは、おそらく、世間の誰も知らない「別所哲也」という人間であり、男であり、誰もなし得なかった事を達成したチャレンジャーであり、リーダーであり、俳優という枠を超えた表現者であります。
よくよく考えてみてください。
映画祭をイチから立ち上げて、アカデミー賞公認にまで持って行くなんて、スゴい事ですよ!!
◎ しかも、当時は誰も「ショート・フィルム」なんて言葉を知らなかった。
◎ しかも、世間に知られた俳優なのに、スポンサー集めやら作品集めやら、泥臭い事をすべてやらなきゃいけなかった。
◎ しかも、俳優であるが故に「人寄せパンダ」としか見られなかった。
様々な苦難がありながら、役者として、人間として成長していく姿がこの本にあります。
そんなショートショート・フィルムフェスティバルもいまや10周年を超え、開催期間も伸び、アカデミー賞公認にまでなっています。
おそらく別所さんは当映画祭を立ち上げた事で、日本の映画史に名を残す人になると思います。
これは断言できる。
印象的な言葉がたくさんありましたので、いくつかシェアいたします。
□ 「とにかく行動すること。ダメならそれを反省材料として次に活かせばいい。「効率が悪い」と考えて、事を起こさないのでは何も残らない。」
□ 「次があると考える、あるいは、うまくいってから段階的にやっていく、という考え方は僕は嫌いです。これは「いただいた仕事を精一杯やらなければ次がない」という俳優の仕事で培われたメンタリティーが大きく影響しているかもしれません。」
□ 「きっと俺と同じようなことで、同じように悩んでいる奴が、日本に三人、世界には七人ぐらいはいるだろう。だから俺は一人じゃない。くよくよしても何も始まらない。前へ動こう!」
おススメです!!
プロジェクトの成功は、プロジェクト・マネジャーの情熱です ショートフィルム・フェスティバルという新規分野をゼロから立上げ、10年間続け、事業に展開してきた話が、ショートフィルムを取り巻く世界とプロジェクトを実施していく観点から書かれています。単なるプロジェクトの話ではなく、プロジェクト・マネジャーとして体得してきたマネジメント上のポイントが随所に散らばっています。
イベント系プロジェクトは来場者数で主催者が満足し成功としてしまうことが多いのですが、ショートフィルムを普及させるというミッションに基づいて、フェスティバルにとどまらず、グローバル規模でのフェスティバルの開催、ショートフィルム常設館の設置と、次から次へとアイデアを広げた積極的な活動が書かれています。
動き出したバスに乗る人は多いけれど、バスを動かすまでがたいへんな仕事です。別所哲也というプロジェクト・マネジャーのショートフィルムへの熱い思いが、人を巻き込み、力を1つにして、目標を1つ達成しては新たな力を取り込み、夢を大きくカタチにした話です。10年間継続し、結果がでているからこその説得力のある内容であり、著者のビジネス・センスに感嘆しました。こんな時代に元気をくれる書籍です。
熱意とあるべきビジョンは必ずしも一致しないんだなぁ 何か具体的な映画祭実現のノウハウなどが内容に期待できるかと思ったが、著者の情熱と苦労話が大半を占め、実用的なアイデアや運営方法にはほとんど触れられていなかった。本書で語られている内容の多くは、運営する側からのメッセージや精神論ばかりなので、なんだか生き方教室のテキストや、成功者の回顧録のような印象を受けた。
本来ショートフィルムは、ハリウッドが商業化するのに対する反ハリウッドを目指す作家の表現方法だったが、いつしかそれが商業イベント化、パッケージ化されてしまうようになった。アンチメジャーがその知名度、認知度、運営資金を求める結果、リトルメジャーになってしまった様子が、著者の方法論や方向性からも裏づけされているのは何とも興味深いことである。いかに意味のあるイベントを成功させるかが目的になっているようで、新人の発掘や育成などに関してほとんど紙面が割かれていないのが残念だった。本来反ハリウッドを目標に作られたショートフィルムが、ハリウッドを目指すイベントの参加作品になるとはこれまた皮肉な現実である。
やはり主催者の知名度というのはイベントを行う際には大いに影響力があるものらしく、よりビッグネームの人々を集めることを可能にしていくのを実感させられた。やはり日本においては、知名度というのは何よりも重要な要素に違いない。これから何かを企画運営し、成功させようと言う方々には、その辺を差し引いて考えておかないと、いささかがっかりする原因にもなりかねないだろう。またこの本には書かれていないが、社会的意義のあるイベントを、仲間と共に行おうと言う場合には、たとえどんなに情熱があってもその共通の理念が一致していないと難しいということは言っておきたい。
感服すべき行動力 私自身が英語関係の仕事をしているということもあって、インター出身や帰国子女でもないのに英語ができる人物には個人的に興味があり、別所哲也さんもそのひとりでした。大学時代に所属していたESSでの英語劇から俳優への道を選び、ハリウッドでの映画デビュー、アカデミー賞現地レポーターという経歴からは華やかな部分ばかりが目立つ別所哲也さん。ですが、この本はそんな別所さんの「ショートフィルムのおもしろさを伝えたい」という純粋な熱意がいかにして映画祭という現実のカタチとなったかが、失敗談や裏話も含め、とても正直に素直に綴られていて、クスッと笑ったり思わずウルウルしたり、引き込まれるように一気に読んでしまいました。最初は少人数の仲間だけで始めた映画祭も成長しながら10年を超え、今でこそ海外の有名な映画監督や業界人と広く交友関係のある彼ですが、そこに到達するまでの地道な努力、そして映画祭実行委員長として組織を統括しながら、自分自身を冷静に見つめようとする別所さんの行動力と判断力には、私自身学ぶべきものがあると痛感しました。
"If you go fast, you go alone. If you go farther, go together." 「早く動きたいのなら自分一人で行きなさい。ただより遠くへ行きたいのならみんなで行きなさい」……別所さんが本書で引用されているたこの諺には、映画祭マネジメントのための仲間との共同作業を通して、彼が学んできたことや深い思いが凝縮されているように思います。
私も何かしたい!と、そんな勇気を分けてくれる一冊でした。
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[ 新書 ]
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松下からパナソニックへ 世界で戦うブランド戦略 (アスキー新書)
・大河原 克行
【アスキー・メディアワークス】
発売日: 2009-04-09
参考価格: 780 円(税込)
販売価格: 780 円(税込)
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・大河原 克行
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カスタマー平均評価: 4
パナソニックの目指すもの 松下からパナソニックへ。過渡期にある同社の生の姿を追う。
グローバリゼーションによってどのように変わらねばならないのか。中国を含めた新興国対策はどうなっているのか。国内と海外拠点の位置づけ、そして環境対策など、松下の21世紀戦略が垣間見られる本。その中でも理念は保持しようとする姿を涙ぐましくピーアールしてはいるが、率直な印章としては、いろんな意味で松下からパナソニックへ進化しつつあるように思う。
やや提灯臭が漂うが、よくまとまっている良書。パナソニックへ就職を希望する学生などは必読だろう。
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[ 新書 ]
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営業が変わる―顧客関係のマネジメント (岩波アクティブ新書)
・石井 淳蔵
【岩波書店】
発売日: 2004-06
参考価格: 819 円(税込)
販売価格: 819 円(税込)
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・石井 淳蔵
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カスタマー平均評価: 4.5
営業を目指す人にお勧めです。
昔の営業は、体育会系で声が大きく、体ががっしりして、「オドシ、ダマシ、
スカシ」でお客様に物を売りつけるのが営業と思われていました。現代の営
業は、商品の知識があり、きちんと商品説明が出来ることが求められています。
営業を目指す人たちに営業のプロになるために、何を学べばいいかを教えて
くれる一冊です。
科学的営業法とは 本書は、プロセス重視の営業スタイルについて書かれている。筆者の主張は、これまでの営業スタイルである属人営業から組織営業に変革するべきだということだ。すなわち、営業を「結果」だけで管理するのではなく、プロセスを分解して管理すべきということだ。この主張は、フレデリック・テイラーがビジネスを科学せよと言ったり、野村克也が野球はデータを重視せよと言ったのと基本的には同じ構図である。主張はシンプルだが、カルビーやIBMの事例など具体的にさまざまな側面を描き出している。
本書に課題があるとすれば、属人営業から組織営業への変革のしかたについてほとんど書かれていないことだろう。プロ意識の強い営業マンに新しい営業方法をやらせるのは至難の技ではないだろうか。
このような課題はあるが、多くの営業マンにとって自社の営業スタイルを見直すためのヒントを与える良書と言えよう。
営業観に新しい視線を投げかける 本書の主張は、(1)「適材適所」「営業センス」で片付けられがちな営業人材の育成を効率の悪い無駄なものと捉え、(2)営業プロセス毎の標準化と分業化により営業案件を可視化する、点にあります。私たち営業人にとってはとりわけ(1)は如何にも忌々しいのですが、その主張には反面真理が潜みます。
本書は非常に判りやすいやさしい語り口で書かれていますが、内容的には紛れもないマーケティング研究の学術成果です。もっと深い理論から読まれたい方は石井・嶋口編『営業の本質』有斐閣,1995を参照されると良いでしょう。営業研究の論文集となっているのでカバレッジは本書より間広です。
プロの営業人は「学者に営業の何がわかる」と斜に構えそうですが、冷静に考えてみると転職経験者でもせいぜい数社の営業しか知らないわけで、実は井の中の蛙かも知れません。それに対して研究者は実証研究で何十もの企業のやり方を実際に見て分析しているので、これを勉強しない手はありません。
わかりやすい、面白い、やってみたいと思う営業の本 あの名著『マーケティングの神話』の著者とは思えない非常にとっつきやすい語り口にまず驚きました。ここに書かれているのは、いわゆる属人営業が行き詰っている現況において、プロセスや顧客との関係性を重視し、営業を科学的にマネジメントすることが今後のあるべきスタイルであるということだと思います。それが平易な文章で、しかしながら緻密に論じられているので非常に参考になります。属人営業の世界は、「ニュアンス」「アドリブ」「匂いを嗅ぐ」「目で殺す」などワクワクするような言語再現性の困難なものですが、それらに一定の理解を示しつつも、「でもこの方が分かりやすいでしょう?」とアドバイスしているようです。文中人物の「タカシ君」のモデルとなった人を個人的に知っていますので、親しみを覚えながら、一方で唸りながら読みました。いい本です。
サムライ営業から近代的軍隊へ 多くの企業で営業担当は「属人営業」をやっています。たとえば営業マンが50人いてもそれは「サムライ」が50人いるようなもので、戦い方で言えば一対一のチャンバラを大勢でやっているスタイルです。 一方著者は、そのような「チャンバラ」スタイルを「近代的軍隊」に作り替えるアイデアを提示しています。その中心に、案件プロセス管理改善があります。それだけにとどまらず、近代軍にシフトする為の具体的なヒントまで盛り込まれており、参考になりました。
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[ 文庫 ]
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モルガン家(上) 金融帝国の盛衰 (日経ビジネス人文庫)
・ロン・チャーナウ
【日本経済新聞社】
発売日: 2005-07-02
参考価格: 1,200 円(税込)
販売価格: 1,200 円(税込)
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・ロン・チャーナウ
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カスタマー平均評価: 4.5
主旨が散漫、記述は凡庸。 モルガン系企業を非難するつもりは毛頭ないけれども、
この著者の本書に対する執筆の姿勢に一言言いたい。
あっち行ったりこっち行ったりの迂回に次ぐ迂回で、
本筋の流れが全く見えてこないのは非常に残念で、
行き当たりばったりに資料を参照しては継ぎ足しているような印象を受ける。
歴史を扱ったものにしては、テーマが絞り切れておらず、
人物を扱ったものにしては、散漫な印象が避けられず、
色々なものを一斉に混ぜてしまったことが、
主旨と記述がどうもうまくかみ合っていないように感じる原因ではないか?
個人的には、法制度の規制をテーマに一つの筋を、
人物の略歴をテーマに一つの筋を、
戦争などの大きな事件をテーマに一つの筋を、
といった感じで、コンパクトにまとめてくれたなら、
読みやすさの点では、いいのではないかと思う。
一応上下巻二冊とも読み終えてからの感想です。
近現代史とモルガン家 ルーズベルトからタフトまでの共和党政権で、
モルガンは米銀筆頭として、
アメリカ製品売り込みの先棒を担いだそうな。
ワシントンの連邦政府が相当強引な感じ。
「軍事介入の脅しなどは、
債務返済を急がせるのに
格好の手段だった」
との記述に、
ナニワ金融道みたいやなあと、
あっけにとられた。
貿易に戦争は不可欠と喝破した
オランダ東インド会社をも連想した。
歴史からみえるものもある 金融業界への興味から手にとりました。
もちろん、現代とは時代背景が違うわけですが、現代へとつながる考え方や歴史を知ることで、サブプライム問題その他への見方が変わりました。
歴史は繰り返す。
今後の行く末を考える意味でも、参考になる一冊だと思います。
歴史は繰り返す? 金融関係に勤めていない、一般の個人投資家にとって
モルガン、ゴールドマン、リーマンと名前は知っていても
その実態は漠然としたイメージしかわかないと思います。
本書はそのイメージを鮮明に浮かび上がらせてくれます。
1800年代から話は進んでいきますが、現在の出来事と
根本的なところでは変わっていないのが興味深いです。
アメリカのやり方、それにうまく距離を置くイギリス
フランス、ドイツと日本の底力、袖の下を欲しがる中国など。
また、現在の新興国が100年前でも新興国として登場します。
はっきりしていることは、上がったものは下がる
下がったものは上がる、ということでしょうか。
好景気も不景気も、必ず転換する日が来るようです。
手堅い良書 ロスチャイルドやロックフェラーと並ぶ有名なモルガン一族とその金融
帝国について書かれた評伝。
ロン・チャーナウは、鋭さや寸鉄人を撃つような才気はないし、結論も
いくらか中庸なところに落ち着くきらいがあるが、記述態度は公平で偏
らず、関連資料も広範に渉猟し、一方的な道徳的裁断を行うことがない
という点で信頼度の高い作品を書く。
ただちょっと気になったのが文章の流れ。「タイタン」の時には感じな
かったのだが、例えば「AはBである」と書いた後に、Bであることを
表すエピソードが直後に出てく来ず、違う話題を持ち出したり、もしく
はAはBじゃないかのようなエピソードを書いたりしているところが何
箇所かあった。
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