また、ご自身の体験がふんだんに織り交ぜられており、私には説得的に感じました。
この著者の他の著書も読んでみたくなり、早速マーケットプレイスで「人生がつまらない人へ」を注文しました。 さすがリクルートのフェローだけのことはある組織に属してはいますが、著者は、プロのプロヂューサです(表現が変?)。発想も活動も何かの枠にしばられることなく、自由奔放な発想と行動、アイデア、時には、ハイテクでなくローテクも使って、「遊び感覚」でアピールする、その発想を本書では開陳しています。
いわゆる、ビジネスのプレゼンテーション・ハウツーを期待すると、肩透かしをくらいます。本書は、そんな狭いハウツーでなく、ある意味、遊民としてのプロ、ナレッジを売る業界人の交際ノウハウ、自己表現で差別化、「あ、こいつって発想が個性的」を売る、著者の実行経験談、英国の体験談、雑誌企画などの経験談が豊富にはいっています。
でも、昨今、手垢にまみれた会社組織の、定型的な発想、横並びの企画、プレゼン、アピールなんかよりは、個性的、独創的、あなた色の発想、企画、人付き合いが求められているので、こういう変わった内容は、逆に、時代のニーズにマッチしているのかもしれませんね。
また、第7章では、状況型リーダーシップや組織の知を活性化するコーチングなどがテーマとして取り扱われており、組織のマネージメントに携わっている方には、とても参考になると思います。「知識経営のすすめ」「知識創造の方法論」などの多くの著作がありますが、私はこの本が一番フィットしました。
フレームもいらない、制度もいらない、コンサルもいらないのだ。会社を変えるのは、社員の力と、全社一丸となる意思の疎通だ。当たり前のことができていない。衰退する会社と繁栄する会社。没落するか、立ち直るのか・・どちらに天秤がかたむくのか、その鍵がこの本に書かれている。 胸がすくが問題点とは何か。これを余りにも的確に言い表しているので、随所で頷き、また、”そう!そう言いたかったんだ”という思いを代弁して、どんどん言ってくれる。その点では痛快無比、読んでいて胸のすく思いだ。例えば、「問題のある組織」を、”なるべく波風は立てたくない”という感覚が支配している状態、と一言で表しているが、正にその通りだと思う。また、「マネジメントに関する感度の悪い人」を、形式主義、権威主義、管理主義といった”型”を重んじるタイプの人、と言っており、これにも大いに賛成できる。更に、こんな問題ある組織であって、経営者がマネジメント感度の悪い人の場合、解決の方法はほとんどないので、できるだけ早く辞めて逃げ出した方がいい、と言い放たれており、思わず深い溜息をついてしまう。しかし、事実はその通りなのだ。さて、この問題ある組織を変革し、健全な活力ある組織に改善していくことが、文化及び風土改革であり、その一つの手法が詳細に記述されているのであるが、この肝心な部分に可能性としての実感が湧いてこないのは、私の所属する組織が、もう処置無しの状態にあるからなのかも知れない。