|
[ 新書 ]
|
子どもが壊れる家 (文春新書)
・草薙 厚子
【文藝春秋】
発売日: 2005-10-20
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
|
・草薙 厚子
|
カスタマー平均評価: 2.5
社会学とはですね こういうものです。
ちょっとでも社会学を齧った者なら分かるはずですが
1のデータ
2のデータ
3のデータ
A.○と言う結論
ではなくて
A.○と言う結論
○のためのデータ1
○のためのデータ2
○のためのデータ3
と言う風になってます。
つまり「社会学は最初に結論ありき」なのです。
彼女のように社会の先鋭部に突っ込む人はこういう風になりがちです。
ジャーナリストが書いたものと言うより、
週刊誌の記事のようなものと考えるべきですね。
それも含めて考えても内容は酷いですね。
あまりに強引なこじつけです。
ただし時代の流れを読んだ(親が子どもにゲームをさせない理由になり得る
→よく売れる)本です。その点の才能は認めます。
確かにある意味スゴイ本 経歴(法務省東京鑑別所指導教官→ブルームバーグテレビ部門アンカー→フリーランスのジャーナリスト)をみて、出世魚のようだと思ってしまった。
ただ、ほとんどの人は、奈良の少年による放火殺人事件(義理の母と子供二人を焼死させた事件)の供述調書とかを、彼女が少年の鑑定をした医師から入手(?)し、その医師が秘密漏示に問われ逮捕されたという事件の方を記憶しているだろう。
内容だが、第1章(「普通の家庭」で犯罪が起きた)、第2章(加害者が育った家)、第4章(子供を飼う親にならないために)については、ジャーナリスティックなフィルタリングがかかっており、体よく主観を押しつけられている気がする。
捨象された事実を組み合わせれば違う解釈があり得るのではないかという感覚が最後まで捨てられなかった。
一方、第3章(「過干渉とゲーム」)の後段と資料編(前頭前野活性化とゲームのレーティング)はまあ一読の価値があるかもしれない。
ここで主張(あるいは引用)されるのは、
・「理性」を司るのは前頭葉の最前部で、ここは前頭前野と呼ばれ、自我や社会性、創造性、善悪の判断を司る。
・職業柄パソコンに長時間向かっている人の脳波を調べるとβ波の数値が低く、前頭前野の活動が鈍い状態にあった。パソコン画面を見ても前頭前野は過発に働かない。
前頭前野は古い脳にブレーキをかける役割を担っており、この働きが鈍くなると古い脳が司る本能的な行動に抑制がきかなくなるおそれがある(森日大大学院教授)。
・インタラクティブな暴力的ビデオゲームは、人間の攻撃性を高める(アメリカ心理学協会)
・ゲーム脳対策としては、お手玉を推奨。数個のお手玉を使う遊びは、左右の手の状態や物事の手順を考えながらするので、前頭前野が活発に働く(森教授)。
・前頭前野を発達させるには、読み書き計算が最適(川島東北大教授)
本のタイトルだけなら☆5つ付けても良いが・・。 著者は少年鑑別所元教官の草薙氏。
やや期待して読んだのだが・・・。
内容は類書と同じ。新しい発想、気付きや理論はない。
平成15年16年に立て続けに起きた、「普通の」男の子・女の子による不可解な凶悪犯罪。その原因を探るべく、家庭・学校を初めとした生育環境を探る。
そこから見えてくるものは、過剰な期待から来る・過干渉・過保護、テレビゲームの影響、責任を自分の子育てや家庭環境以外に求めようとする親の姿だという。
でも、本当にそれだけだろうか。同じような境遇の子どもたちは何万といるはずだ。その中で、これらの子だけが犯罪へと陥ってしまったのはなぜだろうか。
その辺りまで踏み込み描き出して欲しかった。
読後に消化不良感がする。
この本で良いのは「子どもが壊れる家」というタイトルだけ。このタイトルなら、一度は手にとって読みたくなる。
タイトルだけなら☆5つ付けても良いが。
何が言いたいの? 著者の少年犯罪に関するノンフィクションはそのソースや時折入る主観的な部分から賛否は分かれると思うが、すごい部分があった。
著者は、何のためにこの本を書いたのだろうか?私には全く伝わってこない。心から、現在の家庭や子どものおかれている状況を理解し(あるいは理解しようとし)、少年犯罪の本質を掘り下げて知ろうという気持ちがあるのだろうか?
構成は、概論、自身の著書からの引用、医学論文等の「科学」の寄せ集めから著者による陳腐なまとめ。そして最悪な著者による「直感」による強引なゲームの原因論。やたらと、科学的ものを寄せ集めても、結論は全く科学的ない。結局、子どもが壊れる原因は、ゲームなのか、ホラーなのか、ゲームをさせる家庭環境なのか、放任の親なのか、過干渉の親なのか。ゲームにもいいゲームと悪いゲームがある?それじゃぁ、悪いゲームを製作販売しているメーカーなのか、規制していない国なのか。
私は、著者がどのような家庭環境に育ち、現在どのような生活環境にあるのか知らないが、家庭、親、子どもをどのように理解しているのだろうか。
構成はめちゃくちゃ、展開は強引、そして最悪なのが、全く「家」への暖かな視点がない本である。
これまでも著者の本は読んでいるが、著者自身のきちんとした考えや多くの取材源に基づいて書かれたというよりは、たまたま「ラッキーな」ソースだけに支えられているのか、とこの本を読んで感じた。
そして、「直感」から「偏見」が生まれてくるように思われる。
この著者の作品は吉外じみたものが多いですから あまり読まないほうがいいですよ。
一般人に誤解を与えてしまうような本は売らないほうがいいと思うんですけどね。
|
|
[ 新書 ]
|
愛国と米国―日本人はアメリカを愛せるのか (平凡社新書)
・鈴木 邦男
【平凡社】
発売日: 2009-06
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
|
・鈴木 邦男
|
カスタマー平均評価: 0
|
|
[ 文庫 ]
|
明治大正見聞史 (中公文庫)
・生方 敏郎
【中央公論新社】
発売日: 2005-08-26
参考価格: 1,100 円(税込)
販売価格: 1,100 円(税込)
|
・生方 敏郎
|
カスタマー平均評価: 0
|
|
[ 新書 ]
|
マルクスだったらこう考える (光文社新書)
・的場 昭弘
【光文社】
発売日: 2004-12-14
参考価格: 756 円(税込)
販売価格: 756 円(税込)
|
・的場 昭弘
|
カスタマー平均評価: 3.5
支離滅裂 支離滅裂な内容で、全体として何を言いたいのかさっぱりわからなかった。が、マルクスが現代によみがえったら全く相手にされないだろうということはよく分かった。やはり、マルクスは歴史的意義はあるが、現代的意義はもはやないと言うべきだろう。この著者の本を読むのなら、他の本「ネオ共産主義論」「マルクスに誘われて」の方がまだまとまっているので、そちらの方を奨めたい。
今だからこそのマルクス。 リーマン・ブラザーズ破綻。
資本主義はどこに向かっているのだろう。
まだ実は読破前ですが・・・
止めることのできない経済のグローバリゼーションの行き着く先。
現在の資本主義を超えた政治、経済など新たな別の視点で世の中を見渡す参考になる本だと思います。
マルクスの有効性を再構成 本書はマルクスが21世紀の現代についてどう見るであろうか、という仮定から現代社会について、その諸思想を紹介しながら考察した本です。
マルクス主義の一連の流れから、ネグリの<帝国>、実存主義と構造主義から、サバルタン論、ポストコロニアル論、クイア理論からフェミニズム論までと、マルクスとマルクス主義、そしてそれとの関わりのある思想が多く紹介されており、まずは現代思想のテキストとして大変面白く読めます。取り扱っている哲学者の範囲がきわめて幅広く、逆に初学者には少々敷居が高くなってしまうかもしれませんが、分かりやすく噛み砕いて説明してありますので、現代思想の手引きとしても読めるかもしれません。
また、それらの思想が現代の諸問題との関わりで引用、考察されています。労働運動、社会主義社会の崩壊、グローバリゼーション、民族主義、愛国心、国家など。これらの諸問題に対する現代の思想家のアプローチを紹介し、そしてマルクスのテキストにそって再解釈していくという手法はなかなか面白く、かつマルクスのアクチュアリティーを現代に最提示することに成功したのではないかと思います。
そしてその引用され、再構成されるマルクスの姿から、著者・的場氏の理論展開が垣間見えるのも、読んでいて面白い点です。「他者」の団結という著者の結論は、今後のコミュニズムを展望するうえで、1つの指標となりうるものだと思います。
マルクスについて、基本的な理解から、斬新なコミュニズムの提起という、初学者にも熟練にも対応できる懐の深い一冊です。
資本論の再評価を願う 資本主義というシステムは限界に近づいている…。そんな言葉を昨今良く耳にしますが、これは単なる資本主義の終焉に止まるものではなく、人類の滅亡を意味しているということに気付いて欲しいのです。
けっして大袈裟なことではなく、このままいけば第三次世界大戦の勃発が予見される要因が、世界中に散見されます。原油高、食糧危機、温暖化、テロ、独裁…ここの要因がいつか連動して、大きな恐慌となる日が近づいているのではないか?そんな気持ちに暗澹たる思がします。
マルクスが現代の日本に現れたら、どう感じるだろうかとの予想から始まるこの書は、現代こそが共産主義化への前夜であると主張する。議会制民主主義を経験し、資本主義の最大価値を享受した場所でこそ、共産主義は恋慕され渇仰され、真の革命を現実化するという。
しかし、我々は第一次?とでも呼べばいいのか、人類史に一度、共産主義の社会実験が失敗したことを教訓として学んでいる。粛清の名のもとに大勢の人々が殺戮され、世界は核戦争の危機を常に眼前に見ていた。こんなことはもう二度と御免だ!との思いもある。
マルクスが本当に意図していた資本主義後の世界とはどんなものであったのか?ユートピアは訪れるのか?そんな疑問にとらわれずにはいられない。
マルクスは神格化を望んではいない。ただ、悲惨の二字を絶滅しようとしたに過ぎない。人類の未来は、究極の二択を迫られている。アダム=スミスが道徳感情論で述べたような、道徳的な資本家の登場に期待するか、システムとしての小欲知足を実現する共産主義を世界標準=グローバルスタンダードとするか。
思ったより難解だった マルクスについてまったく無知の人におすすめの書籍ということで借りてみたが
学術的な言葉が多く理解に苦しみ何が言いたいのかわからない部分が多かった。
正直、まったくの初心者がマルクスを理解しようと思って読もうと思っただけでは
理解するのに苦労するだろう。
もう少しやさしく書いてほしかった。
|
|
[ 新書 ]
|
「若者論」を疑え! (宝島社新書 265)
・後藤和智
【宝島社】
発売日: 2008-04-09
参考価格: 756 円(税込)
販売価格: 756 円(税込)
|
・後藤和智
|
カスタマー平均評価: 4
最近売れている著書を批判して金を稼ごうとしているのが見え見えな題名が多いよね 内容は何故若者論がおかしいのか?だが、批判は上手で納得できる部分は多いと思うが
批判の後の結論の部分が欠けている点だと思う。
読む人が読めばこれではただのクレーマーの愚痴にしか聞こえない本でもあるので
こういった考えもあるんだなー勉強になるよ程度に考えている人にはよいかも知れませんが
若者論にとって代わるものを求めている人は期待しないほうが無難な作品です。
根拠のない若者バッシングへの批判 酒鬼薔薇聖斗事件以降,若者バッシングがさかんになったという.この本は若者バッシングの「エセ科学」性をあばき,徹底的に反論している.しかし,ここで批判されている本のおおくは,そもそも「科学」ではない.それを「エセ科学」といって批判するのは,いささか奇異な感じがする.
とはいえ,「教育再生会議」などにおいて根拠のない議論にもとづいて政策の方向がきめられていくのは問題である.また,根拠も明確でないまま本を書き散らす日本の論壇は批判されてしかるべきだろう.
若者論に関する基本書 「少年犯罪は凶悪化している」「ケータイやゲームは有害である」「ニートは自己責任である」等々、若者に関する主張がマスコミで報じられることがありますが(主に「識者」ぶった人によって)、著者はそういった考えは統計や研究に基づいたものではなく、根拠の無い単なる思い込みだとしてバッサバッサとぶった切っていきます。
少し前に出版された『戦前の少年犯罪』と同じような趣旨の本ですが、扱うテーマが犯罪だけに限らず多岐に渡っていて幅広い知識が得られるし、その割には新書ということもあってコンパクトにまとまっていてかなり読みやすく、著者自身が本書を「若者論に関する基本書」と位置づけているのも頷ける内容です。これで1984年生まれだとは相変わらず凄い。
また、巻末のブックガイドも◎。
文体や個別事例への踏み込み方は著者自身のブログの方が面白いと思うので、本書を気に入った人はブログも読んでみると良いんじゃないかなあと思います。
「オリジナリティ」って言うな! 『「ニート」って言うな!』所収の後藤の文章が印象に残っていたので、本書の刊行を知って早速読んだ。インチキ若者論への解毒剤、またはワクチンとして非常に有効だと思う。後藤は東北大で都市・建築学を専攻する院生だが、84年生とは思えないくらい成熟した視線の持ち主だ。
ピンで勝負するには知名度の低い後藤の本を出すにあたって、たぶん編集者の判断だろう、序文代わりに巻頭に本田由紀(東大准教授)との対談を置いている。また1・2章の後に別ライターによる「若者のリアル」という取材記事が挟まっている。
本田は『「ニート」って言うな!』での縁もあって対談を引き受けたのだろうが、しかしこれ、あまり愉快じゃなかった。本田は後藤の仕事に敬意を払いつつも、「すでにいろんな論者が指摘していることを、より細かく、言説に即して検証」するだけの「モグラ叩き」で、「オリジナリティ」に欠けるのではとツッコミを入れている(p24)。対して「私は、(中略)『元から断ちたい』というところがある」(p29)、と。
しかし言っちゃ何だが、グローバライゼーション下での競争激化(p31)だとか、「権力や資本」(p32)を持ち出す本田の議論だって「すでにいろんな論者が指摘している」し、そんなに「オリジナリティ」豊かとも感じられない。「元から断つ」というような革命幻想よりは、むしろ後藤の「負ける戦いを続けている感じですが、統計を出しながら、『一面的な見方が間違っている』という思考が少しでも広がるようにと思っています」(p27)という言葉や、「私は『武器屋』」(p45)という自己規定のほうに、私はむしろ共感する。「モグラ叩き」で何が悪い?
著者独自の根拠があいまい この本の長所
1.若者論について、主に通俗的、政治的に保守な見解について、それなりの根拠を持って異を唱えているところ。この本の説が正しいかはさておき、通俗的、政治的に保守な見解を信奉している人にとっては新たな視座が与えられて自分で考えられるようになろう。
2.本田由紀さんとの対談はとりわけ面白かった(特に本田さんのツッコミが良かった)。
この本の短所
著者独自の根拠があいまいなところが散見されるところ。誰それのこういう研究があるから正しいというだけでは読む側としては著者の説に軍配は上げにくいであろう。
結論―長所星5つ、短所で星1つ減らして(難しいかもしれないが、著者独自と思われる見解が見たかったので)星4つ。
|
|
[ 新書 ]
|
日本とドイツ 二つの全体主義 「戦前思想」を書く (光文社新書)
・仲正 昌樹
【光文社】
発売日: 2006-07-14
参考価格: 777 円(税込)
販売価格: 777 円(税込)
|
・仲正 昌樹
|
カスタマー平均評価: 4
昔を読んで,今を考えさせられる本 第二次大戦において強力な全体主義国家を作り上げた日本とドイツ.その戦前思想の流れを比較したものなのだがなかなか面白い.西欧にありながら脱西欧に向かうドイツと,西欧化に始まりながら「日本的なもの」との間に揺れる日本が対比されている.もっとも筆者は”ドイツは近代政治的基盤である共和制を達成し,その中で”近代の超克”=反西欧的全体主義に至ったが,日本は帝政下で玉虫色の「国体」思想を織り込みつつ全体主義を形成した”という,成熟・未熟の単純比較はできないといっているが,どうもそう言う傾向は強いような気がする.本書を読んで,今の日本でも”愛国心を育てる”と言う政治家・評論家が元気なのを見て,その前に政治的教育かなぁ…と考えさせられた.
新書の癖して分厚い… 内容も濃密である。これで売り出そうものなんざ卑怯である。うっかりして手に取ろうとするものならば煮え湯を呑まされることでしょう。帯でも大概のことは書かれてあるんですが、ドイツと言えばナチズムとは切っても切れないということです。近代国家の国民形成において、何かで(思想で)接着しなければならないという、そうした必然がそこにあった。思想は極端となる。
予備知識なしに読むのはキツイけど‥。 初心者がこの本をモノにするには、多くの良書がそうであるように、何度かの反復読み込みが必要。何度か読んで、本書の内容が消化できたときに良書かそうでないかの判断をすべき本。新書的レベル?を越えていると思う。
中級者のための入門書 筆者も述べているが、この本の記述はある程度思想史や世界史の知識がある人間にとっては、淡白かつ大雑把である。内容が戦前の日本・ドイツの思想史の概略的な要素が強いからだ。ただその分読みやすく、流れをつかみやすい。また人によっては、思想史の専門書への興味を掻きたてられるかも知れない。その意味では「中級者への入門書」としていいかもしれない。
武器としてのエニグマ、それとも”暗黒の塊”? 偶然にも、ちょうど直前に、原田武夫氏の”NOといえる国家”という作品を読んだせいでしょうか。興味深い符号に驚かされました。そして、これはいつも、不可避的に日本人が戻るテーマなのかという印象を新たにしました。著者が指摘するとおり、この新書の執筆は難しい作業だったと思います。最後に出来上がったものは、確かに、わかりやすく整理付けられた日本とドイツの思想史の鳥瞰図です。もちろん捨象されたものはたくさんあります。しかし、明らかになるのは、やはりドイツと日本の明確な差異です。対西欧との関係や状況、そして段階論の観点からは、確かに比較可能な論点はたくさんあります。しかし、ドイツのよって立つ場所の構造とその論理的な堅固さ、そしてその結果として引き起こした影響は、日本とは、天と地ほどの違いがあります。この違いを特徴付ける差異は、”暗黒の塊”なのか、それとも幸運にもいまだ残っており維持すべき”エニグマ”として把握すべきなのか?
|
|
[ − ]
|
神と仏―日本人の宗教観 (講談社現代新書 (698))
・山折 哲雄
【講談社】
発売日: 1983-01
参考価格: 756 円(税込)
販売価格: 756 円(税込)
|
・山折 哲雄
|
カスタマー平均評価: 4
イタコとゴミソ 青森県・下北半島(恐山)のイタコは有名である。これに対して,同じ青森県で陸奥湾を挟んだ反対側・津軽半島のゴミソというものがいる。
イタコは,不特定の死者ボトケの媒介者として,ホトケオロシを行う(いわゆる口寄せ)。これに対して,ゴミソはホトケオロシを行わず,特定のカミの体現者として,祈祷・病気治療等を行う(カミオロシ)。
日本の「神」「仏」といった宗教観を,種々の見地から説明した本である。上記のイタコとゴミソの相違ということ(そもそもゴミソの存在自体)まったく知らなかったので,勉強になった。
|
|
[ − ]
|
〈つきあい〉の心理学 (講談社現代新書 (645))
・国分 康孝
【講談社】
発売日: 1982-02
参考価格: 756 円(税込)
販売価格: 756 円(税込)
|
・国分 康孝
|
カスタマー平均評価: 4.5
無意識に気付く本 人と人とが関わる上で、他の著書にも重複して書かれていることは、「ギブ&テイク」です。ちょっと耳にしただけでは打算的な言葉ですが、自分を開き、与え、相手も同じようにすることで、「ふれあい」が生まれる、そんな体験が「人生」を豊かにする、ということがよくわかる本です。
人生の要素、楽しみや喜び、辛さや厳しさ、そのどれもが誰にも起こりえます。そんなとき、それをどう受け止め、あるときは自己主張することが必要だと、またあるときは考え方を訂正して受け止める、そんないつのまにか作ってしまった自己のイメージについて振り返って対処するために、何度でも読んでします本です。同時に、他者の気持ちもその根拠にも思いを馳せることができるようになります。私は頑固ではありませんが、信念のない人生は悲しいと思います。一読の価値があると思います。
自分の気持ちが分かるきっかけになった 会社で働きはじめてから8年近く経っていました。残業の合い間にビルの屋上に行って夜景を眺めながら「俺、何やってんのやろ。。」と独り言を言う。そんな事を漫然とずっと続けていました。 何となく「給料の高い会社に入る」。何となく「出世する」。無条件に思いつく今後の方向性はある意味明確でした。しかし、「何か違う」「やる気がでない」そういう感情がこみ上げてきて自分を悩ませていました。休暇を取って少し自分を休ませようとしても今度は「こんなことをしていていいのか、勉強しないと、資格をとらないと」という焦燥がこみ上げて休まることはありませんでした。 そんなとき、この本をたまたま手にしました。内容に感じる所があり買って読みました。2日で読みきりました。ことごとく自分の状況・心理に適合し、自分の気持ちの原因が説明されており、その対応策が記述されていました。この本は私の生き方の転機になりました。 今、自分の性格が以前より少し変わってきています。少なくとも休みを取れば焦燥を感じることなく休めるようになりました。 この本のメッセージは少しの危険性も持っていると思います。自分に正直になることは時として周囲の反発を呼び、協調性を大事にする日本社会においては反社会的とも言える行為となりえると思います。 自分のためではなく、親のため、家族のため、期待に応え一心不乱に頑張る、安定した職業につき安定した家庭を築く、早く孫の顔を見せてやる、そうして幸せになることもあると思います。その方が良いことも多々あると思います。 ただ、私の場合は徐々に気づき悩み始めていました。そして、この本は私にとって最良の本になりました。
実践的な人間関係の心理学 この著者の現代新書シリーズのトップを飾る、記念すべき一冊である。大学時代にこの本を読むだけで、カウンセリングを受けたような気になることができ、大いに参考になった覚えがある。その後、著者は多くの書を書いている。まとまっている点では、同新書の『自己発見の心理学』のほうがいいかもしれない。しかし、この本の内容も古びているとは思わない。人間関係の実践的な心理学をあつかったものとしては、もはや古典的存在と言える。
|
|
[ 新書 ]
|
「戦争学」概論 (講談社現代新書)
・黒野 耐
【講談社】
発売日: 2005-09
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
|
・黒野 耐
|
カスタマー平均評価: 4
多くの内容を盛り込んだ解説書 最初の2章で「地政学」について解説。その後の6つの章でナポレオン戦争から第一次・第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争など具体的戦争をとりあげ、そして、最後の章で「アジア太平洋の戦争学」として日本の安全保障について解説している。
300ページ近くと新書にしては分量が多く、読み応えがある。随所に「なるほど」という記述もある。近代以降の戦争についてしっかりと解説しようという意図を充分に感じる、好著である。
しかし、その反面で、これだけ多くの内容を一冊に盛り込もうとしたことにはやや無理があり、紙幅の関係でやや説明し足りない章もあるように思う。
概論だけに 興味深い記述が多い。
しかし「概論」だけあって突込みが浅く、
「そうかなあ」と感じる部分は少なくない。
もっと存分に論じる機会が
あるとよいのですが。
とりあえず政治家は読むべきだろう まず、私自身は筆者の内容に全面同意するわけではない。(特に日米同盟のところとか)
だが、戦争学初心者にはとりあえず読んでみることを薦める。
とりあえず、暴走するのは軍部だけではない。戦争は愚かな政治家が起こす、というのはまさにその通りであろう。
だから、戦争を防ぐためにも政治家は戦争の勉強をしろというのももっとも。
しかし、下の方も書いているが、この本は地政学を軸に戦争を分析しているので、判りやすくはあるが、いささか簡略化しすぎのところもあるだろう。
ほかの戦争学の本も読んでみるのがいいと思うが、とりあえずこの本をステップにするのは悪くないと思う。
戦争をどうこう言う前に読むべき一冊 「戦争とは政治におけるとは異なる手段をもってする政治の継続にほかならない」
このクラウゼヴィッツの定義がこの本の重要なテーマになっている。
日本では、第二次世界大戦での軍部の暴走から戦争が起こったために、戦争は「軍部」が起こすものだと思われているが、そうではなく、戦争は「政治」がおこすものであって、だからこそ政治家がきちんと軍事を学ばなければならない。
初めの2章程は地政学にページが割かれている。地政学とは要するに、世界のどの地域をおさえれば自国が有利になるか、ということだと思う。世界の国々はこの地政学的思考によって大戦略を定め行動しているのだが、日本には地政学を研究している機関もなければ大学での講義もないらしい。それは日本の第二次世界大戦での大東亜共栄圏構想等の過ちを地政学のせいにしているからであるが、筆者にしてみればそれは間違いであり、地政学自体が悪いのではなく、その適用が誤っていただけだという。
その他、ナポレオン戦争からイラク戦争まで、戦争がどのように変わっていったのかが書いてある。新書にしては300ページ程あってすごく読み応えがあった。
「世界の安全保障の中心には、いやでも軍事があり、現実に戦争は頻発している。たとえ、日本から決して手を出すことがなくても、攻撃されることを百パーセント避けられる保証はないのである。筆者は戦争を推奨するために、戦争を学べと主張しているのではない。知らないことがもっとも危険であると言いたいのだ。」
もう、めちゃくちゃ賛成。
戦争学、地政学って、どんな学問? ナポレオンおよびそれ以前の戦争から、第一次、二次大戦、朝鮮・ベトナム戦争、湾岸戦争、最近のイラクでのアメリカの戦い等を、歴史順においながら、「戦争学」「地政学」という学問を解説した本です。
「戦争学」では、歴史的にどんなことが考えられてきたか、それに基づいた、国家の戦略が、どのように練られたか、なぜ、そのような戦略・戦術が選ばれてきたか、それぞれどのような戦争であったのか、各戦争が、「戦争学」「地政学」にどのような影響を及ぼしたのか、兵器の進歩と戦略の変化などです。
全然、馴染みのない分野でしたが、わかりやすく説明されているため、全部読むことができました。国家の戦略とは、何を、どう考えたものなのか、が少しだけ、分かった気がします。もちろん歴史の勉強にもなりまし、今後国際情勢を見る目が、少し変わったかな?という気もします。
ボリュームもあり、「読んだ!」という気になる本でした。
|
|
[ 新書 ]
|
パラサイト・シングルの時代 (ちくま新書)
・山田 昌弘
【筑摩書房】
発売日: 1999-10
参考価格: 714 円(税込)
販売価格: 714 円(税込)
|
・山田 昌弘
|
カスタマー平均評価: 3
無邪気は罪だ ほらほら若い人って寄生してばかりでしょって指摘して面白いのかねえ。それにネーミングつけて評判になったからと、マスコミに出て喜んでいるこの人の脳の中を一度見てみたい。
パラサイト・シングルは甘え 結局それかよ!買ったのは3、4年前ですが、さっき読んで正直ガッカリしましたしつこく統計を出してるわりに、筆が乗ってくると「?なのではないか」という当て推量の連発…アンタだけです。最後の自立支援の下りで、給付金という言葉を見つけて噴飯した先見の明(笑)ですね!雇用問題について真面目に取り上げることもなく、世間知らずの坊っちゃんが書いたのかと邪推しました
若者が嫌いなのでしょうか・・・ 不況も少年犯罪の増加も、晩婚化・少子化もなんでもかんでも
パラサイト・シングルのせいにして、とにかく若者を批判しています。
「一人暮らし=自立」だとして、家を出ることばかりを主張しますが、
それで諸問題が解決すると本気で思っているのでしょうか?
仮に全ての未婚者が一人暮らしをしたとすると、
それこそワーキング・プアだらけになって
さらに不況・晩婚化・少子化が進むことになるのは明らかです。
そもそも「一人暮らし=自立」という公式が成り立つかどうかも疑問ですが。
1000万人の若者が「甘え」で親と同居しているはずがない。
お金さえあれば、一人暮らしして自由気ままに過ごし、
恋人と半同棲的な生活を送りたいに決まっているじゃないですか。
著者には、一人暮らしではとてもやっていけない低収入の人がいる、
という発想がないのかもしれません。
経済・社会問題は、まず経済・社会構造にその原因を探してください。
ポストモダン的問題 もはや古典ともいえる本を買って読む。
パラサイトシングルが増えた理由は至極明快。なぜならそれがきわめて合理的で理性的な彼ら自身による選択だからだ。
要は「親元にいる方がリッチな生活ができる」のだ。
本書では、青年期と区別し彼ら世代とポスト青年期としているがその断絶は、近代とポストモダンの断絶でもある。
近代的な社会では夫は仕事に励み妻は夫を支える。この裏にあるのは発展の物語である。頑張れば裕福になれるという
希望があるからこそ彼らは親から自立し、就職し、結婚し、家族を形成した。しかし、彼らの子供つまり、パラサイト
世代はその親たちが勝ち取った裕福な生活が生まれたときから目の前にあるのだ。しかも親たちは「子供のためならな
んでもする」意識のもと彼らを育てる。彼らにとっては、平成不況や就職難の向こう岸に見える「自立」や一人暮らし
に魅力を感じるのは難しい。
おもしろいのは「子供のためになんでもする」意識で子育てに努力を注いだ両親の元ですくすく育ったパラサイト世代は、
両親からたくさんのことを学んだが「子供のためならなんでもする」意識自体は受け継がなかったということだ。今より
生活が苦しくなるのならば親元でいい!というのは分からんでもないし、好きでこうなったんじゃないという意見もある
だろう。しかし、彼らにとって未曾有の体験を快か不快の判断で退けるその考え方は未来志向ではとりあえずない。
このようなことを言い過ぎると酒井順子の言う「子育て教」の信者だと思われてしまうが、愛情を込めて育てた子供が
「子供を作らない」「親にはならない」という選択をするのをみて両親たちはどのような感想を持つのだろうか。
パラサイトシングルの存在は、自らが育った近代的な核家族モデルとそこに行き着くまでの立身出世型ライフスタイルが、
国家および財界によって用意された幻想であったということを暴いてしまったのである。なんとも皮肉な話ではあるが。
必読の書の1つ。 パラサイトシングルの言葉は知ってたが、どんな内容なのかは詳しくは知らなかった。本書を読んで山田先生が言うことが少しは理解できたように思う。パラサイトシングルが基本的生活費の消費をしないことが経済の悪循環を作っていること、ブランド消費の主役、家族への依存主義などなど。社会の循環を考えた上では、「なるほど!」ということが多かったが、パラサイト批判が強すぎる印象を強く抱いてしまう点では正直もったいないと思う。
山田先生自身西欧的な価値観をある程度目標としているのだろうが、パラサイトシングルを批判する言い分は、科学的なロジックがあるとはいえ、パラサイト本人には親父のただのお説教にしか思われないのではないか?なぜなら、高度経済成長の時代の自立が多くの人にとってプラスのインセンティブで行われていたものが、山田先生の解決策では現在の自立の脱パラサイトシングルはマイナスのインセンティブしか感じられないからだ!!!同居税の提案など極みだろう。もちろん、自立支援の保障などの提案はプラスのインセンティブとみるが、今までの論調で言って最後に少しだけプラスのインセンティブをを書くと本書のバランスからいって共感得にくいのではないか。
僕は人を動かそうと思うのであればプラスのインセンティブにしないと無理だと思う。だから、もっとそこを論じてほしかった。
それと、非行や・犯罪の論調は言わないほうが良かった。パラサイトシングルが影響を与えてるのは、犯罪率の低下であり、猟奇的な犯罪ではないと思う。検証できないものを安易にいうのは誤解を生むと思う。
|
|