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不可触民と現代インド (光文社新書) 「中国人」という生き方―ことばにみる日中文化比較 (集英社新書) 自然保護を問いなおす―環境倫理とネットワーク (ちくま新書) 日本の国境 (新潮新書) ナショナリズムの克服 (集英社新書) 戦争論〈中〉 (岩波文庫) 中空構造日本の深層 (中公文庫) 朝鮮民族を読み解く―北と南に共通するもの (ちくま学芸文庫) 八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544) 「大岡裁き」の法意識 西洋法と日本人 (光文社新書)
不可触民と現代インド (光文社.. 「中国人」という生き方―ことば.. 自然保護を問いなおす―環境倫理.. 日本の国境 (新潮新書) ナショナリズムの克服 (集英社.. 戦争論〈中〉 (岩波文庫) 中空構造日本の深層 (中公文庫.. 朝鮮民族を読み解く―北と南に共.. 八月十五日の神話 終戦記念日の.. 「大岡裁き」の法意識 西洋法と..

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不可触民と現代インド (光文社新書)

[ 新書 ]
不可触民と現代インド (光文社新書)

・山際 素男
【光文社】
発売日: 2003-11-14
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
不可触民と現代インド (光文社新書)
山際 素男
カスタマー平均評価:  3
やや薄味
まあ状況を知る入門本としてはいいのかもしれないが、それにしても極極一部のインタビュー が中心となってしまっているのは残念。もう少し幅広い情報を盛り込んで欲しかった。 それと、一部に表現、論理構成に難のある部分がある。 内容面も含め、編集側はもうちょっと掘り下げるべき。
もう一つのインド
IT革命、経済成長などで取り上げられることが多いインドだが、裏の顔があるということがわかった。
インドの一面を知るには良い
どなたかのレビューにもある通り、随分と粗い内容の本ではあるが、その分様々なインドの身の上話を聞くような感じで気軽にさっと読める。主張が一方的なのも読んでいればあまりにもあからさまなので、むしろ問題は無いと思う。インド=カースト制、以上の知識が無いに等しい私としては、十分新しい発見があった。教科書問題じゃないけれど、インドの歴史を習う時にガンジーだけ登場してアンベードカルが出てこないのも一方的な話だ。佐々井師の存在も知らなかったので驚きだった。
ただ、最終章の「暗黒時代の再来」は唐突。さすがに、もう少し冷静にお願いします、と言いたくなる。
主観的すぎる。
インタビューを中心に構成されているが、
その裏づけというものを本文の中に示して
おらず、どこまでが真実でどこまでが間違い
なのかの判断が難しい。仏教にやたら肩入れ
している部分もあり、その意味も含め学問的
な本とは言えず、啓蒙書的な色合いが濃い。

個人的に読んでいて、この本に書いてあること
をどこまで信じてしまっていいのだろうかと不安を
覚えてしまう内容であった。

この本に限らず日本にインドに関するきちんとデータを示した
学問的な本がないのは、残念な限りである。
(あの広く、行政が行き届いていない国ではデータなど
取れないのかもしれないが。。)
新しい不可触民の姿
インドには不可触民と呼ばれる人間扱いされない人間の層がある。その比率は全人口の85%に及ぶ。
近年はIT革命や世界のバックオフィスなどと注目されるインドであるが、その社会を知るにはヒンドゥー教とカースト制度、そしてカースト制度により抑圧される大多数の不可触民の実態を知ることは必須である。

30年以上インドを活動の場としてる著者が社会で活躍する様々なタイプの不可触民のリーダー格の人々への取材を通して、不可触民の現状を描こうとしたものである。不可触民もインド独立後は学校や公務員の指定枠を使い次第に活躍の場を広げてきた現状を表現するには最適の題材であろう。ひたすら煮抑圧されているだけの古いイメージの不可触民でなく、自分たちで世界を切り拓く新しい不可触民の姿を描くことを主眼としているため、不可触民の抑圧の現状は後景に退いてしまった感がある。それでも不可触民たちが様々な社会制度を利用しながら少しずつ活躍の場を広げてきた過程を紹介する作業は現代人類社会において大きな意義を有することには変わりない。

インタビューを主体としているため著述に散漫な印象も否めない。話が暗黙の了解で進んでいる部分が多く、読み解くのに苦労する箇所もいくらかあった。さらにそれぞれの章ごとに違ったタイプの不可触民を取り上げているため、全体としての統一感が今ひとつ感じられないなど構成・編集上の課題が多く見受けられる。


「中国人」という生き方―ことばにみる日中文化比較 (集英社新書)

[ 新書 ]
「中国人」という生き方―ことばにみる日中文化比較 (集英社新書)

・田島 英一
【集英社】
発売日: 2001-03
参考価格: 693 円(税込)
販売価格: 693 円(税込)
「中国人」という生き方―ことばにみる日中文化比較 (集英社新書)
田島 英一
カスタマー平均評価:  4.5
わかりやすい!面白い!
タイトルと、著者が同じプロテスタント・クリスチャンだというので読み始めた一冊だが、読みやすく面白い。著者の奥様が中国人ということもあって、かなり信頼して読める本だと思う。今簡単に「中国人」と書いたが、著者は本書の中で「中国人を大きく分けても少なくとも8つに分けられるだろう」と書いている。その理由もわかりやすく面白い。特に過去の屈辱的出来事を忘れない中国人のメンタリティなど、非常にわかりやすい。この手の本を読まずに、私は靖国問題も日本・中国問題も語れないと思う。このようなわかりやすい良書がもっと広く読まれ。議論されると良いなと思います。
中華を理解する入門書
内容は至って普通。
中国的考え方、中国的な背景、そして中国的な論法を優しく、
丁寧に著者の実体験を織り交ぜながら紹介している。
分かりやすい。

当り前の事柄を記載した内容だが、多くの日本人が素の中国人、
中国文化を誤解していることを考えれば、中国文化の入門書としては
最適と思われる本の一冊。
2005年現在、「中国」という流行が世間に蔓延している中で、
生の中国を全く理解していない人は大変に多い。
問題は、多くの人は「中国」を知らないくせに世論なるものが
形成されてしまう。

本書のような良質の紹介が増えてくることを願うばかりである。
私にとっても中国は、まだまだ不可解な点も多い。
本書は理解を助けてくれた。
中国を旅すると腹の立つことが山ほどあるが、中国は大好きである。
明快な入門書
中国人の考え方をよく表した四字熟語をキーワードに、その思想や歴史的な背景、行動様式について、著者自身の留学体験中のエピソードをまじえながらやさしく解説した良書。 新書というスタイルならばこれで必要十分の内容だが、欲をいえば論文・単行本スタイルで本格的な議論を聴いてみたい。


自然保護を問いなおす―環境倫理とネットワーク (ちくま新書)

[ 新書 ]
自然保護を問いなおす―環境倫理とネットワーク (ちくま新書)

・鬼頭 秀一
【筑摩書房】
発売日: 1996-05
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
自然保護を問いなおす―環境倫理とネットワーク (ちくま新書)
鬼頭 秀一
カスタマー平均評価:  5
環境倫理の鳥瞰図
巷で「自然保護」という言葉をよく目や耳にしますが、
ちょっと立ち止まってみてください。
 自然を保護するってどういうこと?自然って保護するものなの?
 私たちのとって「自然」って何なんだろう?
そんな素朴な疑問がわいてきます。

実は自然保護と一口に言ってもさまざまなものがあり

それと同時にそれらを支えるさまざまな思想、環境倫理があるのです。
そしてそれを形作る自然と人間のさまざまな関係性が存在しているのです。

環境思想の系譜をわかりやすく整理してある本書は
ちまたの自然保護運動にうさんくささを感じている方、
自然との関係を問い直してみたい方、
これから環境倫理学を始めようという方などにお勧めの一冊です。

(参考文献もたくさん載っているので便利です)

本文は、大きく三部構成になっています
1.環境倫理思想の系譜
西洋を中心とした自然保護運動のおこり、環境思想を
多くの参考文献を記しながら、わかりやすく整理しています。
[キーワード:人間中心主義、人間非中心主義、自然の権利、保護と保全

2.新しい環境倫理を求めて

前章の思想の再検討をするとともに、生活者としての自然を生業論などともに考えます。
自然との多様なリンケージ(社会/経済/文化/宗教)を
全体性として現代的に回復させることを提唱しています。
[キーワード:生業と生活、リンケージ「かかわり」、生身と切り身、全体性、風土

3.白神山地の保護運動をめぐって

前章で論じた新しい環境倫理を白神山地という事例をつかってより具体的に論じます。
環境倫理の鳥瞰図
巷で「自然保護」という言葉をよく目や耳にしますが、
ちょっと立ち止まってみてください。
 自然を保護するってどういうこと?自然って保護するものなの?
 私たちのとって「自然」って何なんだろう?
そんな素朴な疑問がわいてきます。

実は自然保護と一口に言ってもさまざまなものがあり

それと同時にそれらを支えるさまざまな思想、環境倫理があるのです。
そしてその裏には自然と人間のさまざまな関係性があるのです。

環境思想の系譜をわかりやすく整理してある本書は
ちまたの自然保護運動にうさんくささを感じている方、
自然との関係を問い直してみたい方、
これから環境倫理学を始めようという方などにお勧めの一冊です。

(参考文献もたくさん載っているので便利です)

本文は、大きく三部構成になっていて
1.環境倫理思想の系譜
西洋を中心とした自然保護運動運動のおこり、環境思想
をわかりやすく整理しています。
[キーワード;人間中心主義、人間非中心主義、自然の権利、保護と保全

2.新しい環境倫理を求めて

前章の思想の再検討をするとともに、生活者としての自然を生業論などともに考えます。自然との多様なリンケージ(社会/経済/文化/宗教)を全体性として現代的に回復させることを提唱しています。
[キーワード;生業と生活、リンケージ「かかわり」、全体性、風土

3.白神山地の保護運動をめぐって

前章で論じた新しい環境倫理を白神山地という事例をつかってより具体的に論じます。
自然保護を考えるうえで大変役立つ!!
環境倫理と聞いたとき、あなたなら何を思い浮かべるであろうか。
20世紀に入り、地球のキャパシティーが無限大でないことに気づいた人間。
そして、それに伴い発展してきた「環境倫理」という思想。
この一冊には、その環境倫理の歩んできた歴史と
それに基づいた現状への深い洞察にあふれた理論が散りばめられている。

自然から資源や作物を得るという「社会的・経済的リンク」と
自然の猛威と戦い、共生するための「文化的・宗教的リンク」。
これらのリンクどうしの結びつきが「切れて」しまったとき
人間の収奪が始まり、自然破壊が起こる。
自然に負荷をかけても、被害をこうむるのは自分ではないからだ。
こうしたネットワークの断裂はなぜおこったのか。

そして、これらのリンクを再びつないでいくにはどうすればよいのか。

自然保護の重要性が叫ばれる現代社会の中で
われわれはどのような倫理観でそれを眺めればよいのか。
今後の指標となる名作!!


日本の国境 (新潮新書)

[ 新書 ]
日本の国境 (新潮新書)

・山田 吉彦
【新潮社】
発売日: 2005-03
参考価格: 714 円(税込)
販売価格: 714 円(税込)
日本の国境 (新潮新書)
山田 吉彦
カスタマー平均評価:  4.5
わかりやすく、タイトルそのままの内容の本
「いつ日本ができたのか。どこからどこまでが日本なのか。どれだけの日本人が日本のことを知っているだろうか」。「日本は海と深く関わりながら歴史を刻み、現在の姿を作ってきたのだ」。 平易に解説されていて、よくまとまっており、わかりやすい。内容的には、タイトルそのままの本である。日本の国境を語るには、韓国、中国、ロシアといった各国との国境問題が避けて通れないが、その点も比較的冷静に解説している。 また、紛争から離れてみても、200海里水域、大陸棚資源の活用の可能性、輸出入への日本経済の依存度の高まり、といった点で、現代は海洋及び海洋政策への理解が以前よりさらに重要になっている時代であることに気づかされる。 世界の領有権紛争についての記述も興味深かった。この部分はもっと広範囲に調査して教訓を引き出せる余地があるのではないだろうか。 近年小さな島々が注目を浴びているのは、水産資源や海洋資源との関係も大きい。よって、海洋や大陸棚や諸島の帰属に関する取り決めを行っている国際組織にはどのようなものがあって、どんな活動がされているのか、そしてその中で日本はどのような役目を果たして活動をしているかといった解説もあればよかった。
島国・日本にも国境はある
海に囲まれたわが国では、特に東京や大阪で暮らしていれば、国境が存在していることをつい忘れてしまいそうになる。 しかし、都会での暮らしから遠く離れた離島や北海道のさいはてでは、実は「国境」が身近に存在し、それを巡る隣国人との駆け引きが繰り広げられているのであり、本書はそれをレポートすることで、日本が他国と隣り合っているという当たり前の事実を思い知らせてくれる。 「人々の暮らしが領土を守っている」 絶海の厳しい孤島でも、そこで日々、日本人が生活を営んでいることが、その土地を守ることにつながるのである。国を守ることは、自衛隊や海上保安庁の存在だけによるのはないのだ。 そんな記述もたいへん示唆的だと思う。
海洋国家・日本の国境、ならびに、その防衛の実態
国防に無関心な多くの方にお勧めします。国防の最前線で日々なされ ている現実を直視できる一書です。 本書を読み、日本が世界第6位の排他的経済水域を有する海洋国家 であることを知ったと同時に、国境防衛の非力さを強く認識しました。 中国原子力潜水艦の領海侵犯、着々と採掘準備が進む中国春暁ガス 油田、北朝鮮の密貿易不審船などの問題が山積しています。先日の 北朝鮮工作船に対する海上保安庁の勇敢な追跡行動には、本当に胸 を打たれました。しかしながら、著者も指摘しているとおり、これら問題 が解決されない主な原因は、前線の警備が、自衛隊ではなく、武器を 持たない海上保安庁に委ねられていることにあります。一方で、中国 は虎視眈々と尖閣諸島、沖ノ鳥島の領有権を主張し、領土の獲得を狙 っています。最終的に国境を決めるのは武力以外にあり得ません。中 国は核保有国ではありますが、我が国の主権が侵されないためには、 対抗し得るだけの最低限の自衛力と国民の理解が必要です。 さらに、竹島については、国際的にも日本に正当な領有権があること、 また韓国が占領している経過が記されています。島の帰属問題の背 景を知りたい方は一読をお勧めします。
日本の国境に目を向ける
北海道、本州、四国、九州のみをもってして日本の国土と理解しがちであるが、実際は遙か南の海上に浮かぶ沖ノ鳥島や南鳥島も国土の一部であり、それらによって広大な日本の排他的経済水域を確保しているのである。このことが認識出来たことだけからしても、本書の価値は高い。著者が実際に訪れた大東諸島々民の生活や、北方領土や対馬での漁業の実態、領有権が争われている島々の歴史も興味深く読んだ次第である。
日本の領土、国境に眼を向けよう!
 おりしも日本の排他的経済水域内で違法操業をしていた韓国漁船の取締りにあたっていた海上保安庁の職員2名が、接舷し飛び移った韓国漁船とともに逃亡される、という緊迫したニュースが報道されるなか読んだので、ひときわ身にしみた、タイムリーな本だった。
 日本の国境はすべて海上にある。北は千島列島、南は沖ノ鳥島、尖閣諸島、等々。これらの海上国境を取り巻く歴史的背景と現状をつぶさにリポート、重い問題を投げかける。著者の論調はまったくの正論で、理路整然とし、大いに好感がもてる。「最果ての地で自衛隊の駐屯がなくとも、そこに生活している人々が日本の領土を保全しているのである」という言葉が重い。
 それにしてもわが国の海洋政策のだらしなさは、何たる事か。この本を読むと、暗鬱とする。

ナショナリズムの克服 (集英社新書)

[ 新書 ]
ナショナリズムの克服 (集英社新書)

・姜 尚中 ・森巣 博
【集英社】
発売日: 2002-11
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
ナショナリズムの克服 (集英社新書)
姜 尚中
森巣 博
姜 尚中
カスタマー平均評価:  3.5
言葉、単語の定義、これほどしっかりしているとすがすがしい
特に「民族」という単語についてのくだりでは、喝采を送りたい気持ちになった。種族や人種というものはあっても民族などというものは存在しないという考え方。まさに慧眼だ。唯一使用可能なのは、ごく少数のグループが敢えて自分たちの存在を主張する場合にのみ、例外的に可能という点などその通りであろう。  概念の再構築の手助けとなる一冊。
姜尚中の実利的ナショナリズム視点と、森巣博のヒッピー思考
作家・森巣博と、在日韓国人で政治学者の姜尚中〔カン・サンジュン〕による政治対談本である。 姜尚中の知的洗練が際立っている。p59とp200に記された彼の発言を見てほしい。彼はそこで、“素朴な”ナショナリズムがさまざまな“実利”的思考にいかに翻弄され、政治の問題に絡み付いているかを的確にまとめてくれている。 ・国際ルール作りを自国に有利に進めるための口実としての〈ナショナリズム〉 ・福祉国家から警察国家へのシフトを上が正当化する口実としての〈ナショナリズム〉 ・「政治経済」という観点を見落とし、素朴な文化賛美論に終始する〈ナショナリズム〉 これら3つの混同を冷静に論じ分ける視座が、今のナショナリズム論には欠けていると、姜尚中は冷静に指摘する。もはや、素朴な日本人論や政治的論戦では、今のナショナリズム問題を読み解くことはできなくなっているのだ。 こんな彼の的確な知見に加えて、新書にしては豊富なナショナリズム関連の註釈、そして参考文献表も収録されている。コストパフォーマンスに優れた、鮮度の良いナショナリズム入門書である。 なお、姜の今回の対談相手である森巣博の偽悪的で娯楽的な語り口は、姜の議論をうまく噛み砕いて敷居を下げたという点で、高く評価すべきだと思う。だが、最後の方で語られる肝心の思想的内容だけはいただけなかった。 日本のナショナリストは、建前上、他国からの不当な外圧に対抗する戦略概念として〈ナショナリズム〉を採択している。この彼らの政治戦略に潜んでいる「マイノリティ排除は適切」というとんでもない欺瞞こそ日本ナショナリズムの実際的問題なのだが、その実利と感情のねじれを一切無視した森巣のヒッピー的主張は何の役にも立たない。 反〈ナショナリズム〉を標榜する者こそ、ナイーブな平和志向を避けなければならない。理屈なき平和主義は、安易なナショナリストにすら劣る。私たちはどちらを選択するわけにもいかない。
「ナショナリズム克服」の狭さと空虚さ。
もう、陳腐としか言いようがありません。著者同士の馴れ合いもうんざりです。 まず、「ナショナリズムの克服」の目的が他国民との連帯である以上、 その克服論は他国民にも適用されねばならないというのが前提なはずです。 ところが、これはどうやら日本にのみ向けられた議論であるらしく、 ほとんど他国に向けた話はありません。 ここの対話でこのご両人は、「民族は存在しないが、迫害の対象とされてきた マイノリティの立場としての民族は存在する」という珍説を展開しています。 明らかに在日を意識しての珍説ですが、馬鹿くさくて話になりません。 じゃあ、ヨーロッパに民族はいないのか。中国の「中華民族」とは一体 なんだという話です。ようするに韓民族至上主義やらなんやらの正当化にしか 作用しない珍説でしかありません。 繰り返しますが、「ナショナリズムの克服」には諸外国にも同様の批判が 向けられねばなりません。それをしないどころか、珍説による諸外国擁護に 走ってる時点で、この本は有害ですらあります。
森巣博とは何者?
東大教授である姜尚中と、 自称ばくち打ちの作家である森巣博の ナショナリズムに関する対談本。 森巣博の乱暴な口調とは裏腹に、 あらゆる偏見を取り払った客観的な指摘が満載。 なんとなく読みにくい側面があるものの、 こういった総会かつ明快なナショナリズム論は、 乱暴な口語調な本だからできることなのかもしれない。
「克服」はここから始まる?
姜尚中の著作は始めて読みました。なかなか面白かった。 相方の森巣博が中々イイ加減でイイ味出してます。真面目な姜教授との息ぴったり。 総じてちんぽこ論にはニヤりでした。 前知識ほとんど無しで読んだのですが、人物の注も細かく付いていますし、文章も柔らかくて割とすいすい読めます。 興味があれば脚注を参考にして広げていけば良いわけで、この手の入門書としては最適じゃないでしょうか。 小林よしのりに飽きたらこちらも読んでみると、また新たな世界が開けるやも? 内容については、前述のように前知識無しで読んだので、あまり突っ込めません。 ともかくサラッと読めて、内容十分。70?90年代の簡単な知識も身に付きます。 この本だけでナショナリズムが克服できるとは思えませんが(著者二人の生育環境が特殊なのだけは良くわかる)、ひとまず新しい視点を得ることはできるでしょう。 個人的に、姜教授の「在日の自分にしかできない日本の捉え方があるはずだ」という使命感にはちょっと心打たれました。 近年特に風当たりは強いでしょうが、今後も頑張って欲しいですね。

戦争論〈中〉 (岩波文庫)

[ 文庫 ]
戦争論〈中〉 (岩波文庫)

・クラウゼヴィッツ
【岩波書店】
発売日: 1968-01
参考価格: 903 円(税込)
販売価格: 903 円(税込)
戦争論〈中〉 (岩波文庫)
クラウゼヴィッツ
Karl Von Clausewitz
カスタマー平均評価:  3.5
じっくり読む名著
初めて『戦争論』を読んでいます。内容をまとめながらなので、半年かけてまだ<上>の3分の2くらいという感じです。でもこんな名著をこんな値段で読めるなんて本当に素晴らしいです。『事例の正しい使い方』や『相手を説得する方法』など、いまならば別々のビジネス書になっていることが体系立てて書かれていて無駄がありません。『戦略』と名の付く肩書きで身を立てて行こうと思われている方には、是非じっくりとお読みになることをお勧めします。 ただ・・文章が私には結構難しいです。日本語なのに辞書を引いたりすることもあります。
岩波文庫版に正当な評価を
 本書は戦争を研究する上で必須の古典だが、難解との定評がある。それもそのはず、この書は未完成で、クラウゼヴィッツの死後に編集・出版されており、全体的にこなれていない。しかも、日本人になじみの薄いフリードリヒ大王戦史や自身が参加したナポレオン戦争を題材に論が展開されているのである。  現在、日本語で読める完訳本は、私の知る限り中央公論文庫の清水訳とこの岩波文庫の篠田訳であろう(短縮版としては芙蓉書房版、徳間書店版あり)。  篠田訳・清水訳についてよく聞くのが、篠田訳はプロイセン参謀本部が「改竄」した第二版以降をテキストにしており、初版を復刻したものをテキストとした清水訳(もしくは芙蓉書房版)の方が、クラウゼヴィッツ本来の思想を伝えている、といったものだ。全部を読み比べたわけではないが、最も重要な改竄とされる第8篇第6章Bの内閣と最高司令官の関係については、どの訳も意味を大きく変えるものではないし、前後の文脈からも十分彼の言わんとするところが分かり、言われるほど気にする必要はないと思う。むしろ篠田訳は訳注が他の訳本より充実しており、また索引があり、メリットはある。  難解な本書であるが、まず第1篇第1章と第8篇を読むことをお勧めする。第1篇第1章はクラウゼヴィッツ本人が唯一完成した原稿と述べている章で、戦争論の基本的な方向性が分かる。第8篇は全体の総括であり、彼の実戦体験を反映したもので、表現が実にストレートである。その中の「フランス打倒計画」は必読であろう。パリおよびその背後に向け、ベルギー方面とドイツ方面から各30万の兵力で攻撃する計画において、彼は「二方面で攻撃的前進を行っている両軍の中間に横たわる全地域は、その儘にしておいてよい」と言い切る。普通、中間地域の防衛や両軍の連絡のことを心配するものだが……。このような大胆なセリフ、吐いてみたいものだ。
戦争論は難しいか?
戦争論は、非常に難解で難しいと言われる代物である。他のブックレビューを見て批判するのはよくないと思うが、18世紀における戦争実体と現代における戦争実体に当てはめて考えると実際に役立たない部分もある。また、戦争論は哲学的要素や歴史の引用などが含まれており、文庫本では読みづらいという部分も納得できる。特に、ナポレオン戦史、フリードリッヒ戦史を理解していなければ分からない点も多々ある。  しかし、戦争と政治との関わりやその目的と手段、理論と実践に関しては色あせることはない。むしろ、現代の戦略思想家といわれる人たちがクラウゼヴィッツ以上に戦争に関する論究をしているであろうか?また、戦争を考える上でクラウゼヴィッツ以上の物差しを提供した人物がいるであろうか?  孫子とクラウゼヴィッツを対比することは難しいが、私見では孫子とクラウゼヴィッツの言っている戦争に関する部分は、オーバーラップしている部分さえある。程度の差こそあれ、日本語による訳文ゆえ難解といわれる「戦争論」を理解するには1度や2度読んだだけでは無理なのである。また、篠田訳、清水訳など「戦争論」に関する訳本が多いので、訳者によって解釈の違いが出るし、日本人に馴染みの薄い哲学的要素が多分に駆使されているから読みづらいのは当たり前である。そのあたりは、解説本やガイドブックから攻めて事の本質に迫るしかないであろう。戦争論は何度も読み、理論と実践に関する部分から理解しないと先に進まない。また、戦史を研究する必要性もあり取り組むには一筋縄でいかないのが現状であろう。
戦争の本質を語る点では「孫子」に劣るとは思うが・・・
上中下の全三巻。戦争に勝つための将帥が持つべき理想や思想から始まり、細かい戦術や戦略とその効果性を説き、最後に国家全体で戦争に勝つための戦争計画について述べている。 一見その記述は細かく、実践的な印象を受ける。しかし、戦場が比較的本国から近かった近代ヨーロッパの戦争からの出典が多いためか、戦争に勝つ上で最も重要な要素である「補給と兵站」と「補給線の確保」についての章がないどころか記述自体がほとんどない。本文中で「経済的に戦力を浪費しないような兵力活用をしろ」と説いてはいるが、その中間が省略されている感があるのだ。その点において、戦争における補給の大切さを強く説き、「相手の輸送隊を襲って一日分の糧食を奪えば、それは自軍にとって十日分の価値があり、敵にも十日分の飢えと不安をもたらして有利に戦うことができる」とシンプルに書いてみせた「孫子」に比べて大局的な視点は薄い。局地的な戦術記述の部分が緻密なせいで大局的な戦略部分までも過大に評価されている感は否めない。逆に言えば、だからこそ「戦争は政治の一手段に過ぎない」ものであって軍単独で維持しがたく、緊急非常の迅速に収めねばならない難しさを持った「使わないにこしたことはない手段」だと述べているのかもしれない。 本書は近代の西洋諸国のみならず、旧日本軍、とりわけ陸軍士官学校での必須教科書のひとつであった。しかし、彼らは本当にこの本を「最後まで」読み、理解していたのかどうか疑わしい。特に下巻のP255以降の第八篇、特P312以降を本当に理解していたのかどうか怪しいものがある。持久力に乏しい日本軍への値千金の訓戒の言葉の数々が宝庫のように詰まっているのだ。戦争を長引かせないために陥ってはならない状況と諫言が数々の例を挙げて示されており、あたかもオシム日本サッカー代表監督の注意深い現実的な発言を思わせる。 足りない部分も確かに多いが、それゆえ冷静にかつ批判的に本書を読めば、逆に勝つために本当に大切な要素がおのずと見えてくるはずだ。この真価を理解していた旧日本軍の将帥はいったいどれだけいたのだろう。「論語読みの論語知らず」「悪貨良貨を駆逐す」といった言葉が思わず頭をよぎった。
考えさせられる偉大な本
仕事の上のことだけでなく、生活面の立ち居振る舞いの元にある自分の気持ちの持ち様についてもハッと考えさせられる。表題に(Perfect)とあるが、実はクラウゼヴィッツが挙げている諸例を省いた(Digest)版。それにしても、今の日本にクラウゼヴィッツのような人が欲しい。

中空構造日本の深層 (中公文庫)

[ 文庫 ]
中空構造日本の深層 (中公文庫)

・河合 隼雄
【中央公論社】
発売日: 1999-01
参考価格: 740 円(税込)
販売価格: 740 円(税込)
中空構造日本の深層 (中公文庫)
河合 隼雄
カスタマー平均評価:  4
両極が中空でバランスする日本とは…
故河合氏の書にあって、教育・心理・家族などとは少し離れた日本という国家の構造を 著者の専門から俯瞰した内容となっています。 本書は互いにほぼ独立した3部により大きな構成がされていますが、2部の昔話や 民話から心理学的解明を試みていますが、十分に解ききれていない感じが伝わってきます。 秀逸なのが1部の神話から日本の構造を読み解く部分で、私たちが意識する・しないに 関わらず、日本人の深層には両極に対峙する神の中心に中空となる神の存在(3神)が あり、それらが善が悪となり、更なる逆転もあるという曖昧でありながら、うまく バランスされるという神話が息づいていて、そのような思想に基礎を受け社会や国家が 成り立っているということが示されていることです。 また、第3部の「フィリピン人の母性原理」では、限られた情報からアジアに位置する 英語圏であるフィリピン人の原理についても、考察を試みています。十分ではありませんが、 読み物として面白い内容となっていると思います。 かなり古い書になりますが、混乱を極めている日本社会を新たな視点から敷延した 内容は今なお通用するものであり、お奨めしたいものです。
「好むと、好まざるとも心の深層に存在するもの」
「好むと、好まざるとも私たち日本人の心の深層に流れているもの」を あきらかにした書。  書では、私たち日本人の心の性質と欧米人のそれとを対比させ、日本人特有の 心性の探求を行っている。  ここでユングの元型論的な視点によって、日本人の民族の神話と、私たち 日本人の心の深層との関係が見えてくるのだ。  しかし、このような探求を試みる時、私たち日本人のよい面ならず、悪い面、弱点 までもが、見えてきてしまうのである。  もちろん、これは私たちにとって、心地良いものではない、しかし、私たちのよい 面だけではなく、負の面に向き合ってこそ、私たち、日本の文化的発展があるのだ。  また、河合隼雄氏は単純な欧米文化の取り込みに警鐘を鳴らしている。それは私たち 日本人の心性のプラスの面まで破壊しかねないからである。  河合隼雄氏の云う「中空構造」の問題は日本人の心の深遠に関わるものであり、これからの 日本の精神的、文化的な発展、もしくは衰退を左右する重大な事柄である。
日本人の思考の原点を読み解く
古事記・昔話・民話・神話といったものを読み解くことで、日本人の思考の原点を探ろうとした批評本です。ずいぶん前の本ですが、そこで論じられていることが実は平成の現代においてもかなり的確に当てはまる様は、著者が深く洞察をしてきた結果であり、時代に流された薄っぺらな批評をしているのではないことの証とも言えます。「現代青年の感性」の項では、マンガについて論じていますが、このあたりは資料も古く、現代のマンガが描こうとしている、「映画的コンセプト」とは趣が古い感じがします。とはいえ、民話・神話を考察して、国民性を解明しようとする項については、広い視野で納得性が高く、大変楽しく読むことが出来ました。
独特の視点で現代日本の問題点を分析
河合氏が、1979−81年ころに中央公論に掲載した論考を中心にした、雑誌初出の批評文のコンピレーション。

古事記に題材を求め、日本のパワーバランスのあり方、つまり必ず二つの勢力が拮抗するよう調整する行動様式を描き出しています。これと、一神教のキリスト教世界ヨーロッパの一元的な教義/行動様式との比較を通して、日本人の心理の深層に迫ります。そして、この分析で得たツールをもとに、現代日本の病理を読み解いていきます。

初出からかなり経っていますが、その視点はいまだ新鮮で、現在にも適用できるものです。今まで疑問に思っていたことに、なるほど、とうなずける説明が付きます。なかなか刺激的でした。


朝鮮民族を読み解く―北と南に共通するもの (ちくま学芸文庫)

[ 文庫 ]
朝鮮民族を読み解く―北と南に共通するもの (ちくま学芸文庫)

・古田 博司
【筑摩書房】
発売日: 2005-03
参考価格: 998 円(税込)
販売価格: 998 円(税込)
朝鮮民族を読み解く―北と南に共通するもの (ちくま学芸文庫)
古田 博司
カスタマー平均評価:  5
もっと早く読みたかった。大学生の必読書にすべきほどの内容
 病身舞という民族舞踊があるのを知ったのは、そう遠いことではない。価値の逆転としての「差別」への祝祭は、文化人類学的に認められるが、これほど、「差別」を露骨にする民俗というものが、何故、儒礼の国「朝鮮」で行われているのかが、分からなかった。しかし、著者は見事に朝鮮における「野」というものを明らかにした。  今まで、「恨」とはなどと話してきたが、レビュアー自身もどうもモヤモヤする部分があり、理解していなかったことを告白せざるを得ない。  しかし、このうような社会では、資本主義が芽ばえる筈もない。 明治初期に、勝海舟は、「いずれ朝鮮にも西郷の如き人物が現れ、近代化するだろう」と予測していたが、明治が中期になってもそのような動きはなく、不思議がっていたが、朝鮮経済は古代レベルであり、貨幣経済にもなっていなかったのである。  ウエーバーの論を借りて、東アジアの資本主義のエートスは「儒教」であるなどという論があったが、この書物は全てを顕わにしてくれた。それにしても、大韓民国国宝第一二一号の何と下品であることか。
南北に通底するもの
朝鮮思想をわかりやすく説いた本 (本書では北朝鮮と韓国を主軸にしており、その他の地域にに分散しておる朝鮮族は登場しておりません。) 朝鮮における思想のプライドとコンプレックスの源、悩みの源がなんなのか? それを北、南のそれぞれ指導者達があの手、この手、様々な論をもってエネルギーの源に切り替えていく課程について、非常に詳しく、わかりやすく書いてあります。 一見すると全く異なる(正反対の?)北朝鮮と韓国の、底でつながる共通性を見事に説明していて、読んでいて、うなったり、なるほどと膝を叩いたりすることが何度もあった。 ただし、書籍のあちこちで、ちょっと北へのシンパシーのようなものを感じてしまい(私だけでしょうか?) ちょっとこの人危ないのでは?と思ってしまったので、★4つ
近くて遠い隣人
 評論家三浦雅士氏(「大航海」編集長)が推薦していたので読んでみた。硬い理論にとどまらず、著者の豊富な実体験を交えた朝鮮民族論であり、まるで面白い小説を読むがごとく一気に読了。仕事上わずかに接した韓国人のふるまいに対する疑問も得心した。  韓国の思想の脊髄は中国から来た朱子学であり、本家中国で廃れた後、なおいっそう精鋭化していく。異民族の支配下に置かれた屈辱を「礼の伝統を堅持する」プライドで跳ね返す一方、劣等感にも苛まれる。  そして「ウリ」と「ナム」、すなわち身内と他人を厳しく分ける文化。身内にはとことん甘え、他人には冷たく接する。しかし会食の際には打ち解ける。これは日本人には理解しがたいことだろう。  特に興味深かったのは北朝鮮の分析だ。共産主義として出発したはずが、「ウリ式社会主義」として、金日成を父とする大家族になぞらえる。身内が一番で国家意識の希薄な国民には、恐らくそうするするのが一番わかりやすかったのであろう。そして、それは明治時代の日本にも似ている。というより、日本統治下にあった北朝鮮は大日本帝国のスタイルを真似たのだ。
朝鮮民族を読み解く
 さすがは古田博司先生、朝鮮半島の歴史から朝鮮民族を診断し、彼らを丸裸にしてしまった。  過去が現在を生むのだから現在の謎を解明するには過去を調べないといけない。古田博司氏の「朝鮮民族を読み解く―北と南に共通するもの」を一読した者が把握できる真実は、チョウセンヒトモドキと揶揄される現代韓国人の不可解な行動様式を解明する鍵が、李氏朝鮮が行った朱子派儒教の国教化にあるということだ。  李氏朝鮮は、孔子派もしくは孟子派の儒教ではなく、あくまで朱子派の儒教を国教とした。これが現代韓国人の行動様式を生み出したのである。
秀逸な朝鮮民族論
金日成への個人崇拝に、伝統的な宗族や祭祀を超越した協働社会を築くためと言う意味もあったことは、本書によって初めて知った次第である。目線を朝鮮民族に合わせることが出来た著者だからこそ成し得た、秀逸な朝鮮民族論である。

八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)

[ 新書 ]
八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)

・佐藤 卓己
【筑摩書房】
発売日: 2005-07-06
参考価格: 861 円(税込)
販売価格: 861 円(税込)
八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)
佐藤 卓己
カスタマー平均評価:  4.5
メディアが作る国民史
「言論統制」を読んで著者のファンになり、2冊目として購入。期待に違わない良著だった。特に圧巻なのは序章と第1章。戦前の国民史が国家によって作られたように、戦後の国民史はメディアによって作られてきた。その過程が、まるで推理小説のように解明される。これに対し第2章と第3章は、学術論文をベースとしているだけに、緻密である反面、読み物としての魅力はやや落ちる。それでも、全体に丁寧な造りで、得るところの多い一冊である。
記憶と忘却の相互作用
メディア研究に明るくない私にとって、本書は新書ながら中々読みにくいものであった。 しかしここで明らかにされている「玉音写真」の捏造には驚かされた。 たとえば1946年8月16日の『北海道新聞』に掲載された頭を垂れる少年たちの写真は、 写真家たちがポーズを取らせて撮影したものだという(24、29-32頁)。 また、天皇の詔勅のニュース解説記事と並置された、いわゆる「玉音写真」は、 実はそれ以前に戦意高揚の記事のために撮られた可能性があると著者は示唆している(50-51頁)。 写真や映像など、人の視覚に訴えかける媒体は、それを見た人に大きな印象を与えるだろうが、 それに意味を与えるテキストもまた非常に重要だということを改めて認識した。 われわれがメディアから受け取るニュースは「創られた」ものだということについて、 考えさせられる一冊である。 「8月15日終戦」という「記憶」の定着が、国民のどのような心性とかかわりがあるのかということについては、議論の余地がある。 というのも、その点については実証がほとんどなされてはおらず、 「何となく」理解できる程度のものだからである。少なくとも私にとっては。 しかし、メディアによって繰り返し再生産される典型的な「語り」は、意識的・無意識的に関わらず 国民的な「記憶」となって定着していくという根本的なテーマからは学ぶところは大きい。 記憶の風化を嘆き、恐るがゆえに、そうはさせまいと「語り」を再生産し続けるメディアに対する著者の批判は正しい。 「確かに、新聞やテレビは八月に「体験の風化」を語り、「世代の断絶」を憂い続けてきた。 ……[しかし]「八月ジャーナリズム」の目的が「語り継ぎ」にあったとしても、 その定型化された機能―あえて神話化と呼ぶ―は「忘却」へ補助線を引くことではなかったろうか」(258頁) 記憶と忘却は表裏一体なのである。
オススメです。
教育現場で読まれて欲しい本です。物の見方や資料調査のあり方まで学べる素晴らしい本です。このさい著者の主張は目をつぶりましょう。 詳しい内容は述べません。ぜひご自分で手をとって読んで欲しいと思います。 八月十五日について考えるときに欠かせない1冊だと思います。
8月15日の神話を解き明かす
玉音放送を聞いてほとんどの国民が涙を流したのか、8月15日が終戦記念日として相応しい日なのか、の二点を再考しているだけでも、私は本書に高い評価を与えたい。1945年8月15日を実際に知っている人たちが大勢生存している段階から、1945年8月15日を実際に知っている人たちによって8月15日の神話が作られてしまったことが明らかになったわけである。この神話を解き明かすことが出来れば、これ以外の神話も解き明かすことが出来るかもしれないし、神話によって現実を見誤ることを防げるだろう。少なくとも、終戦という言葉から、皇居前で土下座をし天皇に詫びる人たちをイメージすることぐらいは避けたいものである。
しかし、新聞で話題作扱いされるところが、本書の限界かも…
 たしかに国民は8月15日の玉音放送を聴いた。だが国民的記憶としての八・一五玉音放送体験は、メディアの創作物でしかない(p146)。そしてこの捏造は、サンフランシスコ講和による日本再独立を境に始まる。著者はそこに、敗戦の事実の否認を見る。「玉音放送が伝えた『終戦』は、公式文書の『降伏』を国民体験の記憶で覆い隠してしまった」(p125)。著者曰く「記憶の五五年体制」(p211)。  新聞の玉音写真捏造。国民的に定着しつつあった新暦下の盂蘭盆会法要という「日和」の転用(?)。朝鮮戦争終結(1953年7月)の直後から始まるNHKラジオの本格的「八・一五終戦記念日」編成。義務教育における歴史教科書の翼賛。いずれも興味深い。  当然の流れで、丸山真男「八・一五革命」説も神話として指弾される(丸山が1946年3月6日の憲法改正草案要綱発表から受けた衝撃を、1945年8月15日に遡及させて<起源>を偽造したという議論は、米谷匡史に依拠)。この神話が「革命=断絶」を強調する余り、戦前と戦後の連続性が見えにくくなったという指摘も、適切だと思う。  ま、いろいろ気づきを与えてくれた本ではあるが、文句もある。場当たりに思わせぶりな仄めかしや留保がなされ、「要するにドーなのヨ!」と苛立たされる面も多々あった。例えばトルーマン演説と主婦之友社社長の訓話を引用し、9月2日を「感謝の日」として記憶していないのは「私たちが『軍国主義者たち』ではなくなったためか、あるいは『民族の真の屈辱』の中にいるためだろうか」(p82)と問いかけた、その問いは放置されたままではないか?  加えて、これは趣味の問題かも知れないが、p130で「心に響いた句を二つ」と前置いて引用される句が両方とも読むに耐えず、著者への信頼感が薄れた。残念。

「大岡裁き」の法意識 西洋法と日本人 (光文社新書)

[ 新書 ]
「大岡裁き」の法意識 西洋法と日本人 (光文社新書)

・青木 人志
【光文社】
発売日: 2005-04-15
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
「大岡裁き」の法意識 西洋法と日本人 (光文社新書)
青木 人志
カスタマー平均評価:  4.5
後半グダグダ
法律家にとってはおそらく当然なのだろうが、本書では、日本法への西欧法の影響が非常に明快に示されている。普通の人には、おそらく江戸時代までの日本固有の法制度は文明開化で西欧流の法制度にとって変わられただろうと大体は推測がつく。しかし、その西欧法の中身が、フランス法→イギリス法→ドイツ法→アメリカ法へと変遷していった、という話は必ずしもそうではない。筆者の説明は非常に分かりやすいし、穂積陳重の写真やら法廷の配置図やらで西欧法の影響を具体的に視覚的に提示する筆者独自の視点も興味深い。けれども、そもそもなぜ比較法やら法文化論が必要なのか、これを説明する後半部分になると、前半の専門家以外に親切な説明が打って変わって、不明確になる。日本法は西欧法と比べて独自のものか、遅れたものか、という問題設定につき、これまでの議論が解説された後、結局、法文化とは、世界解釈の問題なのだ、自らの姿を映し出す内面的な鏡なのだ、あるいは、自己変革や社会変革の主体的な営みを促すものなのだ、と言う。しかしこれでは、法文化論なるものは、西欧法を模範として選択すべし、という結論が先どられた議論だ、ということになるのではないか。筆者の言う法文化論は西欧法の価値体系の神学ではないか、法科大学院やら裁判員制度やらの護教論ではないか、こうした素人的な疑問に大しては、この書物は必ずしも親切ではない。
末弘厳太郎著『役人学三則』へのアンサー
 本書を、末弘 厳太郎著『役人学三則』へのアンサー本として読まれることをお勧めする。  今に至るも現代日本に存在する「赤ひげ信仰」と「大岡政談信仰」、この二つの超え難きものが、市民が自立することを拒んでいる。  本書は、明治時代に私たちの祖先がどんな姿形で、何に追われて法律を導入し、法律専門家を養成したか、そこに存在した人間を描き、「大岡裁き」との対比の中で法律理解への導入路を成している。  私たちが関心を示そうが示すまいが、司法制度改革という「くじ引き」が貴方に降り注ぐ日が近づいている。  法律と法律専門家を無闇に敬遠する必要も無く、ましてや崇拝する必要も無く、利用することも可な知識であり専門職の一種として理解する上で手ごろ且つ必要な一冊と思います。
謙虚に、そして前向きに法と日本人を語った好著
 序章にある「すべて人間は、特定の時空の中に産み込まれ、その時空の網目にがんじがらめになった存在であり、人間の価値観はその時空を形成している歴史や文化に圧倒的に制約される。」(p.15)という考えの下、一人の法学者を語るように見せかけて、法律とは何か、日本人とは何か、両者を互いに鏡としながら今までの定説を覆しつつ語っていきます。

 どっかの書評でも褒めてましたが、裁判所(お白洲)のレイアウトや一学者の肖像の変遷を柱に話を組み立てて行くのも新鮮です。

 失敗なのは書名で、『「大岡裁き」の法意識』より、副題「西洋法と日本人」の方が内容に合致してますが、こちらではインパクトに欠ける以上、しょうがないんでしょう。

 とまれ、タイトルは残念ですが古典的な意味での「新書」の系譜に位置する著作です。10年後、どう評価されているか楽しみな本です。
「西洋法と日本人 〜『大岡裁き』からLED裁判まで〜」
〜「裁判員」制度の導入はじめ、今行われている司法改革を契機に「法」「裁判」についての日本人の意識を西洋と比較しながら論じたものです。
「西洋法と日本人」というサブタイトルのとおり、西洋法を読み解き日本に移植して行った経緯を、とりまく人間の人物像を明確にすることにより、複眼的に読み解いてくれます。特に維新時に活躍した人物たちの優秀さに〜〜は驚きます。
その一方、「大岡裁き」という今でも好ましい裁判、法制度というイメージを持つことと、西洋法を対比しながら、日本人の法律、権利への意識の特殊性を読み解いて行きます。さまざまな立場の意見を紹介しながら、筆者の主張を展開していく点においては、比較法学らしくフェアな印象を持ちます。
写真や図も多く、単なる法律の本ではなく、読み〜〜やすいのですが、また筆者の論点の作り方も賛成するのですが、「大岡裁き」がある種イメージ的に挿話されているきらいが強く感じます。その点については少々フェアじゃない感じがしました。
「西洋法と日本人 〜『大岡裁き』からLED裁判まで〜」くらいのタイトルの方が内容には即しているように思います。〜
明治来の歩みを知り、第三の改革期にある日本の法を考えるのに好適
 本書ではまず、明治期に於ける西洋法継受に大功のあった「穂積陳重の外見の変遷と日本法の歩み」から始まる。一人の法学者の外見の変遷を写真で紹介しながら、その時々の西洋法継受精神・方針・国策とを重ねて検証して見せる導入部にまず引き込まれる。
 維新の志士たちが新しい日本国家建設の為に理想をもって身を投げ出したのと同じく、明治期に穂積らの法学者たちは西洋法継受により近代国家としての体裁を整えて「不平等条約改正」という大目的を果たそうとした。そのために仏、英、独、米からよりよい法体系を導入しようとしたその努力たるや、まさに維新の志士に比肩しうる情熱があった。その間、ボアソナード、ロエスラー、ブスケ、テリー、ルードルフ他多くの助っ人外人も陸続と来日し、彼らの指導や法案起草も日本における法学教育、法律の体系的構築に大いに寄与した。外人から新知識を吸収する日本の知識人も凄ければ、遠く極東の地に来た外人たちも凄い。
 さて現代の、法科大学院の創設と裁判員制度の導入とを柱とする司法制度改革は明治期、戦後に続く第三の大改革だという。ともすれば「三方一両損」の大岡裁きを賞賛し、裁判に持ち込むことを恥じる風潮のある日本で、西洋法をベースにした現行法体系を活かしながら真の法治主義を根付かせることができるのか?構造改革で「自己責任」が喧しく叫ばれるが、そのコインの裏側は自己功績でもあり、責任にせよ功績にせよそれが個人に帰属するという私的自治の原則が西洋法の精髄ならば、西洋的法の精神が元々組込まれている日本の現行法を時代に合った形でReviveさせることは大いに意義あることではないか?
 そう考えると、司法制度改革だって他人事ではない。何せ自分が生きる社会の枠組みを決めることなのだから。法学入門として良し、そうじゃない方にも気軽に手にとってもらい、日本の将来を考えるよすがにして頂きたい本。


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 更新日 2009年7月8日(水)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク