先崎さんの生き方が破天荒で、またそれを取り巻く人々が魅力的で爽快なエピソードが満載されている本ですね。
筆者の先崎学さんは、将棋棋士8段で、20歳の頃にNHK杯で優勝するほど、才能に恵まれた方です。当方のような将棋ファンにとっては、「有名人」でもあります。
将棋を知らない方が読まれてもその面白さは満喫できると思います。とにかく、酒と麻雀と競輪と競馬というギャンブルに首までとっぷり浸かっている筆者の日常のすべてが、昔の「勝負師」を彷彿とさせてくれます。その交遊録といいますか、周りの人物像の描き方もとても味があり、観察力と表現力には卓越したものを感じます。
プロのエッセイストよりも、面白く巧みな文章を書く人はあまりいませんが、本業の活躍を考えますと驚異的ですね。その読者を飽きさせないサービス精神が文章から漂ってきますし、それでいて、きちっと締めるあたりは、「詰めの鋭さ」を感じさせます。 プロ棋士の日常生活の記述が面白い先崎学八段の文章は軽妙で、あっという間に最後まで読んでしまいました。プロの棋士は毎日対局しているのかと思っていたら、週の大半は自由時間で、いろいろなことをやっているのですね!順位戦で負けたときのショックについての文章は、やはりプロの勝負師だなと感心しました。花沢九段と芹沢九段の棋戦の記録係りを務めたときのエッセイ「ワンス・アポン・ア・タイム」も心温まりました。非常に好感の持てるエッセイです。
筆者自身述べているのですが、 児童文学関連の立場に立って宮崎アニメが批評されています。 文学的に見るとこうなるのかと思いました。
個人的には,好きなクロード・ルルーシュについて一言も触れられていないのがすこし寂しかった。 映画生誕110年 1954年生まれの文学博士が、NHKフランス語会話テキストへの関与をきっかけに、2002年に著したフランス映画史の概説書。1894−95年に誕生した映画は、まもなく産業化され、1908−14年文学的特質をもった「映画芸術」として確立する。第一次大戦中にはアメリカ映画が台頭するものの、フランス印象派の下で映画批評が成立し、映画の内容よりも表現技法(形式)が重視される(アヴァンギャルドは物語性自体を否定)。1930年代のトーキー革命は、シナリオ優位の詩的レアリスムを発展させ、これがフランス映画の「良質の伝統」を形成した。これに対して反旗を翻したのが、1954年以降のヌーヴェル・ヴァーグである。ゴダールに代表されるカイエ派は、アメリカの娯楽映画を重視し、スタジオの職人による分業システムを否定し、どんな商業作品にも自分の刻印を示す「作家」としての映画監督を目指し、手持ちカメラ(技術革新!)・自然光・素人役者を用いた簡素で自由な映画制作を行い、スタジオシステムを破壊した(他方左岸派は、登場人物へのインタビュー形式を発展させた)。1968年の五月革命を経て、1980年代にはフランス映画は多様化の時代に突入し、ヌーヴェル・ヴァーグ、BBC(アメリカン・ニュー・シネマとフレンチ・コミックスの影響)、その他に分岐する。名作のみでない多様な作品にも目配りし、エピソードも多々交えた上で、フランス映画史の流れをこれだけ簡便にまとめてくれたことは、非常にありがたい。ただ、最後の「多様化」の内実がいまいち分かりにくかった。この点については、むしろ四方田犬彦『日本映画史100年』の方が、イメージがわきやすかった。日本映画史における弁士の役割や企業史への指摘と併せ、本書とともに併読されることをお薦めしたい。 フィルムルノアール評論の決定版!フランス映画を創生期から現在までうまく取り扱った本はないものかと常々感じていましたがようやく出版されたという想い。はっきり言えばこの本を最近まで著すことを怠った著者の断罪は大きい。新書なので頁数は多くありませんが内容はぎっしり詰まっていて読み応えあります。特筆できる点は2つまず映画の技法を初心者にもわかるように解説している。
前衛実験映画の殊にシュールレアリスムと結び付いた作品を取り上げている。ブニュエル、ダリ、ガルシアロルカの出会いと創作ネタは必見!最近は昔の名画をDVD化されたり、レトロスペクティブで上映されたり、復刊されたりレトロブーム。
中条氏もこれに乗じて出版されたのではないでしょうが、フランス映画の歴史の変遷と面白い映画はないかと探している人々の素晴らしき孫引きになることでしょう。