@まずは60作品のあらすじがわかります。サゲの意味がわからなかったり、内容で難しかったところがこの本のおかげで、楽しめるようになりました。落語? それ何? 難しそう。みたいな感じだった私が、すっかり落語好きに。
A次に枝雀さんのプロ意識を堪能します。そんな部分に気を配っていたのか! とか。そう演じるから、この噺は面白くなるのか! とか。だんだん落語に前のめりになっていきます。
B最後に枝雀さんの人柄に心を動かされ始めます。父親への想いや、師匠(米朝さん)とのエピソード。周囲の人々との関わりあい方に驚いたり、共感したり。おもろい落語のお地蔵さんみたいな人、からとても魅力のある人物に思えてきます。マニアは『枝雀落語大全』を見聞きしながら読むと面白さは2倍に、そして悲しみも2倍になってしまいます。要注意。 ささやかな枝雀の遺産思い返すたびになんとも惜しい枝雀の死ではあったが、結果的に、ちゃんと落語の楽しみ方の一つを残してくれた一冊かもしれない。
限られた文字数の中に盛り込まれた60(61?)のネタの妙味、枝雀の解釈、背景にある関連のお話等注意深く読めば、単なるエッセイとは明らかに違い、といって決してこだわり本でもなく、さりげない文章から枝雀の落語に対するあくなき探求心、真摯な人柄が十分偲ばれると思うのは贔屓のしすぎ?
その超がつくほどのまじめさが、文中で「長生きしたい」と強く思っていた枝雀を追い詰めたのかも・・・もうライブが聴けないから1点減点、でも、ファンはいつまでもファンです。 合掌
「現代落語家論」「続・現代落語家論」などは、私たちが実体験できない昭和20年代後半の寄席文化や、そこで活躍した人たちの「現代」に通じる流れを語ってくれている。
残念ながら、立川談志師匠は、ここ数年、本来の噺家の輝きを失っており、談志独演会に通っていた者としては、忸怩たる思いがある。
その支障と言うか家元の著作ではあるが、少し、ご病気もあってか、熱意が空回りしているのではなかろうか?
意気や良し。全て支持する。しかし・・・ 芸に賭ける男の凄さ、哀しさ、そして談志のすごさが判る本私は実は談志も落語もほとんど知らない。本書はたまたま出張で時間がある時に肩の凝らない本をと思って買い求めたが、内容は深く、文体は優しく、粋がたっぷりで、芸に対する姿勢を正しつつ楽しく読んだというのが実感だ。
談志は古典芸能から現代芸能まで広く深く渉猟して己のものにしており、しかも見る目、選ぶ目がある。その彼と同じ時代を生き、名を成さずに逝ってしまった者たちを含む芸人への鎮魂歌であり、笑い飛ばしであり、後生に名を刻んでやる為の芸人歴史書でもある。
私が星3つとしたのは、未だ談志も落語・芸能も知らぬ私には本書の価値が測りかねたから。談志ファン、落語・芸能ファンにはおそらく限りない関心と面白さと、そして古き良き時代の暴露話を提供してくれる5つ星の本だろうと信じる。