幕府といっても徳川幕府ほどの力はなく、九州などはなかなか統治できないなど、鎌倉幕府に続いてその実態がよく分かる。
そしてもちろん、南北朝時代がなぜ出現したのか、というところも。尊氏が「いい人」であるが故に南北朝の混乱を招いた、というのはポイント。
その他にも“天皇になろうとした将軍”義満や、“天魔王”義教など、日本史上に残る重要人物が次々出てくる。こと義教に関しては著者も触れているが、明石散人『二人の天魔王』を併せて読めば完璧。
特に天皇という存在について詳しく触れられているのが大きな特徴です。 日本人を知る日本の歴史の屈折点。この時代を知ることは、現代日本人の原点を知ること。現代日本人の根底にある、現代日本人が意識していない、日本人の価値観を詳しく平易に解説。日本人の無意識の考え方を知ることは、社会生活に役立つ事間違いなし。お勧めです。
本文は読み下し文で進められます。『出雲国風土記』は、《郡総記/郷/山河/郡境路程》というように大変整然としていることもあって、そのつど現代語訳、註、解説をほどこす丁寧な構成になっています。見所はやはり『記紀』にはない独自でより素朴な神話伝承の世界。また整理された内容から古代出雲の地理がよくわかります。巻末の地名マップを参照するとより理解できます。
単に神話伝説を読むだけでなく、古代出雲の地理の理解のために。また日本神話の形成や、出雲国造家と中央政権との関係を考える上でも重要な1冊。