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戦うハプスブルク家―近代の序章としての三十年戦争 (講談社現代新書) 逆説の日本史〈5〉中世動乱編 (小学館文庫) 物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書) 大阪 地名の由来を歩く (ベスト新書) その時歴史が動いた 直江兼続と戦国興亡編 コミック版―NHK (HMB 特 2-51) 物語 スペインの歴史―海洋帝国の黄金時代 (中公新書) 憲法で読むアメリカ史 下 PHP新書 (319) 三略 (中公文庫BIBLIO S) バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書) お江戸風流さんぽ道 (小学館文庫)
戦うハプスブルク家―近代の序章.. 逆説の日本史〈5〉中世動乱編 .. 物語 カタルーニャの歴史―知ら.. 大阪 地名の由来を歩く (ベス.. その時歴史が動いた 直江兼続と.. 物語 スペインの歴史―海洋帝国.. 憲法で読むアメリカ史 下 PH.. 三略 (中公文庫BIBLIO .. バナナと日本人―フィリピン農園.. お江戸風流さんぽ道 (小学館文..

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戦うハプスブルク家―近代の序章としての三十年戦争 (講談社現代新書)

[ 新書 ]
戦うハプスブルク家―近代の序章としての三十年戦争 (講談社現代新書)

・菊池 良生
【講談社】
発売日: 1995-12
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
戦うハプスブルク家―近代の序章としての三十年戦争 (講談社現代新書)
菊池 良生
カスタマー平均評価:  4.5
江村氏著の「ハプスブルク家」または同じ著者による「神聖ローマ帝国」を先に読んでおくとよいでしょう。
30年戦争に関する日本語による一般歴史ファン向けの本を私は寡聞にして他に知らないから、本書の価値は依然として高いと思う。作者は近代の序章としての戦争であったという観点に立つ。意味するところは、宗教対立とハプスブルク家などの自分が帝国になって単一の秩序・正義を打ち立てんとする普遍主義とが結びついた正戦がいつ果てるともしれない消耗戦しかもたらさないという本戦争の結末から、多数の秩序・正義の並存を認めるシステムを認め、これ以降欧州では戦争は限定戦に合理化され、「宗教のドグマから逃れ」、領主が集合離散を繰り返す非常備軍中心の戦争から、常備軍を維持する徴税制度を備えた国家間の戦争に移行したということ。佐藤賢一氏著「英仏百年戦争」を読んだ者としては、英仏に遅れて他の欧州でやっと国民意識が芽生える契機が訪れたのだなという感想を持った。(もっとも、独・伊を統一する国民国家の成立はもっと後。本戦争はそのドイツからオーストリアが外れる遠因になった。)それにしても、日本の応仁の乱の如く何と錯綜した人物・領邦間の関係であることか。本書をよく理解するためには同じ新書の江村洋氏著「ハプスブルク家」と本書と同じ著者の「神聖ローマ帝国」を事前に読み、同帝国のかたちとハプスブルク家の関わり、長い両者の歴史での三十年戦争の位置づけ及び前後を含めた概略に親しんでおくことを薦める。いきなり本書を読んでも、普遍主義・帝国理念等で始まる第1章でつまずく人が多いのでは?第2章で実際の戦争の展開の記述に入ってからは、傭兵隊長ヴァレンシュタインやスウェーデン王グスタフ・アドルフ等歴史を飾る一級の人物たちの活躍やエピソードに魅了される。しかし、これだけ複雑な経過を辿り登場人物の多い戦争なのだから、もっと地図が欲しいし、系図・年表・索引を付けて欲しかった。最後に、いつもながら戦争の惨禍には粛然とする。
帝国理念の蹉跌と近代国家像の登場
 帝国やフランスをはじめとする大国が挙って参戦し、中欧全域を阿鼻叫喚と荒廃の巷と化した三十年戦争。ヴァレンシュタインやグスタフ・アドルフ、そしてリシュリューなど、当時の名に負う梟雄たちが死闘と権謀術数の限りを尽くした舞台こそ、この17世紀の欧州大戦に他なりません。  もともと宗教的熱情の迸りに端を発した紛争ですが、関係各国間の複雑な利害の絡まり合いの中、いつしか国際関係の現実に根差した「近代的」戦争へと変容を遂げていき、ウェストファリアで講和がなされた頃には、欧州におけるパワー・ゲームのルールは全く新しいものに変化し、また、各国の統治システムも面目を一新することとなりました。  さて、本書は、主としてハプスブルグ家側からこの戦争を概観し、その背景と経過を紹介するとともに、戦争の過程における国際関係と国家システムの変容を分かり易く説き明かそうとするものです。  本書の中で筆者は、この戦争の基本的な性格に関して、カール5世以来の「帝国的」普遍主義と地域的個別主義との相克として捉え、各国・諸権力側の現実的な利害打算の中、中世的理念が最終的蹉跌を来たす過程を描き出そうとしています。  三十年戦争は、その後の国際関係の根本的方向性を規定する契機となった極めて重要な事象ですが、我が国では一般向け概説書の類は少ないようです。そうした中、本書は、平易な言葉を用いつつもポイントを押さえた記述振りとなっており、たいへん貴重な一冊だと思います。  なお、著者はもともと文学畑出身の方であり、その語り口には独特の味わいを感じます。
宗教対立から国家対立の時代へ
三十年戦争は十六世紀のルターの宗教改革で西欧がカトリックとプロテスタントの両陣営に分裂した状態を受けて、十七世紀にハプスブルク家が再びカトリックの盟主としてヨーロッパに覇を唱えることから発した戦争である。初期の宗教地図を巡る戦いから、次第に国家的利害の角逐に性格を変えていくのがこの戦争の特徴である。例えば最後に参戦したフランスはカトリックであるが、敵国内のプロテスタントに援助を与えたり、異教徒オスマン帝国と結んだり、宗教にこだわらない外交を展開している。ウェストファリア体制では「主権国家」という概念と近代の国際法秩序が生まれた。これはやがて欧州のみならず、植民地化していくアジア、アフリカなどの他の地域にも適応され、現代に到るものである。ヴァレンシュタイン、グスタフ・アドルフなどの英雄が活躍する時期であるが、ヨーロッパがこの戦争を契機として近代の道を歩んでいくありさまも見逃せないものがある。
歴史文学的な味わいをもった三十年戦争史
 17世紀に欧州を広範囲にわたって巻き込んだ三十年戦争を概観する講談社現代新書。日本人には世界史の教科書で出遭う程度にしかなじみのないこの戦争を、C.V.ウェッジウッドの「三十年戦争」をタネ本にして描いた(あとがきより)一冊とのことです。

 権謀術数渦巻く近世戦争の中で、神聖ローマ帝国皇帝フェルディナント2世、その傭兵隊長ヴァレンシュタイン、フランス宰相リシュリューといった主役陣が入れ替わり立ち代り歴史の表舞台へ現れては消えていきます。著者が本書で用いる文体は学術書のそれというよりは歴史文学のそれであり、品位溢れるものです。歴史の壮大な物語が私たち読者に与えてくれるものと同じ昂揚感を本書で味わいました。

 殊に印象的なのはスウェーデンのグスタフ・アドルフ王が戦地に斃れる場面です。戦争の一方の側にとっては偉大な英雄であったグスタフ・アドルフの死を物語風に簡潔な文章で描いた箇所(128頁)は、戦争の虚しさや哀しさが立ち現れてくる描写として際立っています。

 三十年戦争を終結させたウェストファリア体制が、欧州普遍主義からナショナリズムへの転換、ラテン語よりも固有言語の尊重、殲滅的戦争から限定的戦争への合理化などを推進していく歴史的転換点になっていったという最終章のまとめは大変分かりやすく、私のような歴史学の門外漢にも違和感なく受け止めることが出来ました。
いま少し新しい観点を
慥かに、三十年戦争の沿革を知ることのできる唯一の本だと思いますので、その点は非常に高く評価できると思います。しかしながら、底本になっているのがウェッジウッドの古典的作品のため(もちろん、この本も素晴らしく価値ある本ではあるのだが)、三十年戦争という事件に対する評価があまりに古臭く、従来のマイナスイメージの観点を脱しきれていない館があります。現在三十年戦争の研究はドイツでも非常に盛んに行われており、それにともなって新しい観点もどんどん提出されているので、より新しい本や論文でウェッジウッドの視点を補って欲しいと思いました。しかし、三十年戦争についてこれだけ詳細に書いてあるという一点では大変に意義ある、そして価値ある作品です。底本になっているウェッジウッドの翻訳が出るという話ですが、それが出るまではこの本は大変価値をもつことでしょう。


逆説の日本史〈5〉中世動乱編 (小学館文庫)

[ 文庫 ]
逆説の日本史〈5〉中世動乱編 (小学館文庫)

・井沢 元彦
【小学館】
発売日: 1999-12
参考価格: 630 円(税込)
販売価格: 630 円(税込)
逆説の日本史〈5〉中世動乱編 (小学館文庫)
井沢 元彦
カスタマー平均評価:  4.5
「自然」と「納得」
シリーズ5冊目の本書では、日本の歴史の転換点とも言える鎌倉幕府について、著者が相変わらず独自の視点で切り込んでいきます。 ここでは前4冊にあった、怨霊信仰のような明確な「テーマ」は明確に語られてないなぁ、と思っていたら、実は最後にとんでもなく重たいテーマが提示されています。それが「自然」と、「納得」です。 これこそが、個人的に日本の歴史に抱いていた疑問をすべて解いてくれました。 ルールとして決まっている事と、大多数の人が納得している事とは全く別物で、究極的には、後者の方が優先されるのが日本の歴史であると言う見方はとても鮮烈で、大いに納得しました。 3、4巻と若干中だるみの感じがしていましたが、この5巻は1巻のインパクトと同レベルです。
無視したい。でも、無視できない。
 第4巻半ばまでは「怨霊信仰」をテコに通説を覆し、仮説を提起し、事実関係を大胆に再構成する痛快さがあった。しかし時代が中世に近づくにつれ史料も豊富になり、研究蓄積で確定された事実関係は容易に動かし難いためだろう、主に「事実への意味づけ」の面で通説的解釈に異議を唱えるという内容に変わってきた。  古代編では歴史駆動の根本原理と呼びたくなるほど荒れ狂った「怨霊」も、エピソード的に時折顔を覗かせる程度に大人しくなった。ま、頼朝による中尊寺金色堂の処遇、長田忠致の処刑、あるいは後の義経伝説の伝播といった問題(p161?)は単なる挿話にあらずと、著者は言うかもしれない。しかし本巻の主題となる源氏政権形成は、公家勢力vs地方武士勢力の土地領有権闘争の構図下で描かれるのだから、怨霊話はやはりサイド・ストーリーに留まるだろう。  ただ後半、「道理」概念の分析を通じて日本的法意識を特徴づける議論は面白かった。『沙石集』中の北条泰時のエピソードを「大岡裁き」に結びつけ、そこでの「裁き」とは「納得」の実現であり、実現に至る道筋が「道理」なのだと論じる。そこには山本七平や川島武宜が意識されていると思えるが、「日本人の理想とする裁判とは、場合によっては法を無視しても道理を重んじ、『自然な状態(=すべての人々が納得している状態)』を実現(回復)させるものなのである。だから、その背後には『和』がある」(p358)という一文は、極めて本質的な問題提起を孕むと思った。  叙述のイカガワシサに警戒警報が鳴りっぱなしだが、それでも止められず、第6巻「中世神風編」に乱入のココロだッ!
歴史学者には見出せない斬新な視点からの新発見
 御成敗式目の制定につながる当時の法のありかたが現代日本に通じるのをついたところが秀逸。    法令とは別のところにそれを超えた真の規範(ルール)があり、我々はその「別のところ」にあるものを尊重すべきで、そのためには法令は無視してかまわない。これが日本人の法意識である。そして、この「別のところ」にあるものとは『道理〔物事の正しい筋道。正論であること。そうである道理がわかって納得するさま。〕』である。    そのとおりである。日本人は法を最善だと思ってない。『道理』二正義を見出すものだ。これで東京裁判が国際法無視の違法なものであっても、国民は結果にうなずけると言うもの。違法であっても道理があったと考えればよいのだから。世論に答えるため、罪刑法定主義が障害となり逮捕できない悪人の身辺をかぎまわり、何が何でも他の犯罪行為を見つけ逮捕する、のにもうなずける。  頼朝が東国武士にとって崇拝すべき権威的存在(皇統の武士の棟梁)ではなく、彼らの利害を実現するためのミコシに過ぎなかった、と言う意見は若干衝撃だった。
面白いが5巻までくると「お腹いっぱい」です
この「逆説の日本史」シリーズは愛読しているが、面白い反面、さすがに5巻くらいになってくると、飽きてくる。著者の強い主張に「お腹いっぱい」になってくる。
私は最初のうちは新鮮みを感じて「その通りだ」とうなずきながら読み進めた。しかし、だんだん「また、これか」と思い始めてくる。
“一般の学者が見落としているのは言霊思想であり、日本史における宗教的要素である”“こういう言い方をすると、マルクス主義史観に懲りかたまった学者は……”“右の学者は……”と、とにかく他をなで切りにするのである。
著者は、このシリーズの中で繰り返し「日本の思想は和にあり」と強調しているだけに、自分のように、どうしても「和」を重んじたくなる人間には「またか」と思ってしまう。
全シリーズのうち2冊くらいをピックアップして読むか、あるいは、2冊くらい読んだら、何年か時間を空けて読むとか。そうでもしないと読むのに疲れてしまうと感じる人もいるでしょう。

この巻では今、大河ドラマで注目されている源義経の歴史的な存在意義。なぜ義経は頼朝に滅ぼされたのか。なぜ、あれほどの戦争の天才が亡んだのか。こういったところが面白かった。そのあたりの著者の見方は、今の社会で我々が生き抜くに当たっても、必要な視点を与えてくれると思う。
鎌倉幕府は労働組合
 権威主義、史料至上主義、呪術観の無視という従来の日本学界の常識を再検討し、日本史に新たな視点を提供する「逆説の日本史」シリーズの第5弾。本書でも著者のオリジナリティあふれる学説をもとに、明快に日本史を紐解いている。

 天皇・上皇が絶対的権威でありながらも、源頼朝を委員長、北条時政を書記長にした労働組合のような形をとることで武士が実質的な支配権を握っていったという例えは大変興味深い。しかし、その後に北条氏がただの有力御家人で終わらず、執権という役職のもとに権力を集中できたのは北条時政・義時が稀代の謀略家だったからとしているが、それにはいささか物足りない印象を受ける。さらにもう一歩踏み込んで、御家人組合の書記長に過ぎなかった北条氏がどのようにして他の有力御家人を押さえて、象徴将軍のもとに政権を握ったのかを著者に解説して欲しかったところだ。


物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書)

[ 新書 ]
物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書)

・田沢 耕
【中央公論新社】
発売日: 2000-12
参考価格: 819 円(税込)
販売価格: 819 円(税込)
物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書)
田沢 耕
カスタマー平均評価:  4.5
知らないことだらけ
日本人にとって、スペインという国にはあまり馴染みはないであろう。 フラメンコ、闘牛、サッカー、サグラダファミリア…少なくとも私はこのくらいのイメージしかない。 そんなスペインの中のさらに一地域カタルーニャの歴史の本である。 高校で世界史を選択していた私でさえカスティリヤと連合王国になるまでの歴史は、ほとんど初めて聞く単語ばかりであった。 しかし、この本はとてもわかりやすい語り口で書かれており、全くの予備知識なしのところから、現代までのカタルーニャの歴史をすんなり吸収することができた。 新書の上カタルーニャの通史を書くのだから仕方がないといえば仕方がないが、少し物足りない気もした。 しかし、カタルーニャに興味を持つには良いきっかけとなるだろう。 カタルーニャの入門書として是非おすすめしたい。
歴史が持つ物語としての面白さを存分に味わうことができた一冊
 題名どおり、スペインの地中海側に位置するカタルーニャの歴史を、イスラムの侵略を受けた8世紀から、フランコ独裁政権の終焉を迎える20世紀中葉に至るまで、ざっと概観できる良書です。  新書サイズですから10世紀以上に渡る歴史ドラマの数々を多少は駆け足ぎみに眺めることにはなりますが、一方、ハードカバーで大判の歴史書とは異なり、平易で簡明な文章で綴った本書は歴史のドラマの面白さを実に感じさせる一冊に仕上がっています。  歴史を彩った王たちが、国家安定のため政略結婚を繰り返す様は、彼ら王族が愛情のない婚姻関係を強いられる哀しさを浮かび上がらせる気がします。もちろん権力の拡大に躍起になるばかりで民草を顧みない君主もいなくはありませんが。  カタルーニャはカステリャーノのような王=国家という政治スタンスをとらず、伝統的に王は民との協約によって統治を任されているに過ぎないという見地に立っている点が幾度か強調されます。同じイベリア半島でいまや統一国家となっている二つの地域の性格の違いが大変興味深く感じられました。  同じ著者には、20世紀の共和制時代から内戦を経てフランコ独裁時代の明暗を分かりやすく詳述した書を期待したくなりました。カタルーニャが専門ということですが、なおのことスペイン内戦前後の時代をカタルーニャの視点から描いた書はきっと興味深いものになることでしょう。
物語と歴史
12世紀から14世紀にかけてのヨーロッパ中世の時代、西部地中海世界を席巻した強大な海洋帝国が存在した。その知られざる地中海帝国の名は、カタルーニャ・アラゴン連合王国。中世、スペイン全土はイスラム勢力の支配下にあった。しかし10世紀以降になると、キリスト教徒が勢力を挽回し、レコンキスタ(国土回復運動)を展開。スペイン東北部のカタルーニャ・アラゴン連合王国もまた、イスラム教徒に対する再征服活動を活発化させていく。さらに王国は西部地中海に進出、シチリアやアテネにまで版図を広げていく。こうしてカタルーニャ・アラゴン連合王国は、地中海世界にその栄光の名を轟かせることになった。本書が描くのは、このカタルーニャ・アラゴン地中海帝国が隆盛を極めた、中世カタルーニャの歴史である。 「征服王」ジャウマ1世。荒くれ者揃いの傭兵部隊アルモガバルスの首領ルジェ・ダ・フロー、すなわち「華のフロー」。偉大な神秘思想家であると同時に、「カタルーニャ語の父」でもあるラモン・リュイ。中世カタルーニャの栄光を彩った彼らさまざまな主役たちを、著者は、歴史小説のような筆致で生き生きと描く。「いざ、マリョルカへ!」「剣よ目覚めよ」「さあ、野郎ども、戦だ!」。本書の魅力の一つは、こうした架空の会話の数々だ。実証的な歴史研究を最低限踏まえながらも、文献史料の「実証性」に束縛されすぎることなく、自由に想像力を働かせる。「学」としての歴史と、「物語」としての歴史。この両者が非常にバランスのとれた形で、本書に詰まっているのだ。だからこそ、読み応えがあって、何度も読み返したくなる。著者が歴史研究者ではなく、カタルーニャ語・文化研究者であるからこそ可能だったのだと思う。日本であまり知られていないカタルーニャ史の入門書として、非常に良質であると思う。
はじめてのカタルーニャ
みなさんが言うように、おそらく日本で初めての「読みやすい」カタルーニャ史を凝縮したもの。 (というのも、『カタロニアの眼」という古くからのカタルーニャの歴史もあるから) 物語調で、二時間も有れば楽しく読める。中世が中心なのは、現在の「カタルーニャ魂」に直結するものがこの中世に由来するという理由もあるのかもしれない。(民族、文化) この本を導入として、さらなるカタルーニャの歴史を学ぶ、そんな「キーワード」を探すのに向いている一冊。 まったく、カタルーニャに興味がなくっても、筆者の言葉は読みやすく楽しめるのではないか?
楽しく読みました
今バルセロナに住んでおり、日々のニュースではほぼ毎日のようにカタルーニャの独立に関連すると思われる法案の改正が流れています。ともするとデモ行進では国旗に火をつけている場面も報道されます。「同じ一つの国なのに、なぜ?」という疑問は、日本人の感覚からするととても理解できるものではありませんでした。数冊の本を日本より取り寄せて読みましたが、この本はとても分かりやすくて楽しく読めたと同時に、この地域の人々の意識の奥底にあるものも少しですが理解できたような気がします。

大阪 地名の由来を歩く (ベスト新書)

[ 新書 ]
大阪 地名の由来を歩く (ベスト新書)

・若一 光司
【ベストセラーズ】
発売日: 2008-09-09
参考価格: 780 円(税込)
販売価格: 780 円(税込)
大阪 地名の由来を歩く (ベスト新書)
若一 光司
カスタマー平均評価:  4.5
ちょっとマニアックな観光案内にも使える
 大阪人のための本。  日ごろ何気なく通っている場所や過去訪れた場所についての由来やエピソードが満載。  個人的には最終章の「文学に描かれた大阪の人と風土」が一番面白く感じた。小説と題材となった場所の両方を紹介している。  著者はテレビにも登場する作家さんで、肩肘はらない語り口そのままに本書も展開されている。本題にあまり関係のない個人的な経験も随所に散りばめられているが、お人柄もあいまって適度なスパイスとなっている。
大阪歩きに最適
大阪の街を築いてきた歴史上の人物の名前がいろいろと出てくるので、 大阪に行ったら、道頓堀川や御堂筋やたこ焼きを見ても感動しそうです。 とても丁寧に調べて書かれているので、買って損はないと思います。
ウォーキングをする時にとても役立ちそうな本です。
ウォーキングをする時にとても役立ちそうな本です。大阪の地名や名所の由来、エピソードが語られているのですが、実際読み進めるのは、一度降りた駅とか歩いた街などでないとなかなか興味を引かないのではないかと思います。そういう意味で、この本はウォーキング・コースのヒントを十分与えてくれますし、ガイドを引き受けてくれています。著者は大阪府の豊中市のご出身だそうです。地元への愛情が滲む文章は好感が持てました。
地名の面白さに触れるには最適の大坂案内
昔から地名に関心があるので、これまで、大阪の地名に関する本のほぼすべてに目を通してきたが、地名を素材としながら、最後までこれほど面白く読めたものはない。「大阪」と「大坂」の違い一つとっても、そこには思いがけない歴史や様々な成立経緯があることがよくわかるし、何より、地名というものに無関心な人でもよく理解できるよう、丁寧な文章になっているのが良い。大阪人歴が七十余年になる私も、あらためて、自分がどのような土地に生きているのかが、よくわかった。「大阪で生まれた食べもの」のコラムも、納得させられた。

その時歴史が動いた 直江兼続と戦国興亡編 コミック版―NHK (HMB 特 2-51)

[ 文庫 ]
その時歴史が動いた 直江兼続と戦国興亡編 コミック版―NHK (HMB 特 2-51)

・井上 大助 ・佐佐木 あつし ・小川 おさむ ・西田 真基 ・田中 正仁
【ホーム社】
発売日: 2009-06-18
参考価格: 920 円(税込)
販売価格: 920 円(税込)
その時歴史が動いた 直江兼続と戦国興亡編 コミック版―NHK (HMB 特 2-51)
井上 大助
佐佐木 あつし
小川 おさむ
西田 真基
田中 正仁
カスタマー平均評価:   0

物語 スペインの歴史―海洋帝国の黄金時代 (中公新書)

[ 新書 ]
物語 スペインの歴史―海洋帝国の黄金時代 (中公新書)

・岩根 圀和
【中央公論新社】
発売日: 2002-04
参考価格: 861 円(税込)
販売価格: 861 円(税込)
物語 スペインの歴史―海洋帝国の黄金時代 (中公新書)
岩根 圀和
カスタマー平均評価:  4
華やかな国の重い歴史を楽しく語る
 スペインという国、小生はモチロン行ったことがありませんが、闘牛だのフラメンコだの、何やら情熱的でエキゾチック、よく分からないけど楽しくて明るい国、というイメージです。歴史的にも、イスラム勢力とキリスト圏の交錯地、ハプスブルク世界帝国の牙城、そして大航海時代の先駆者など、派手で華やかな雰囲気に包まれているように見えますが、実際のところ、その歩みには、やはり重くて深いものが秘められているようです。  本書は、スペイン史上の幾つかの場面をピックアップし、それぞれの時代背景等にも簡単に説明を加えつつ、オムニバス風にこの国の歩みを紹介するものです。ターリックのイベリア征服、レコンキスタ運動と異端迫害、カール5世のスペイン統治とレパントの海戦、無敵艦隊による英国進攻の計画、スペイン内戦とETAの跳梁跋扈など、この国の歴史を彩ったハイライトとも言うべき名シーンが取り上げられており、きわめて大雑把ながら、この国のアイデンティティー形成につながる粗々の流れが一望できるように工夫されています。  著者の専門はスペイン文学というだけあって、本書の文章は詩的な表現に彩られています。まがりなりにも歴史の本にしては情緒的に過ぎるというご意見もあろうかとは思いますが、読んでいて殊のほか味わい深く、「物語」と銘打った本シリーズに相応しい趣向ではないかと思います。  スペイン史をきちんと理解したいという方々にはともかく、「スペインって一体どんな国なのか、取り敢えず知りたい」という向きには手ごろな良い本だと思います。
スペインって面白い、と思った
 とりわけスペインに興味があったわけではないのだが、ヨーロッパ各国の歴史を知る必要に迫られこの本を読むに至った。そして、今までパエリヤとしかスペインと縁の無かった私に、‘スペイン’そのものへの興味を持たせてくれたのがこの一冊である。  興味を抱かせてくれた理由の一つは著者の文章力+“どの人にもわかりやすいように”という優しさが込められた「史実とフィクションのかけ合わせのうまさ」である。『物語 スペインの歴史』という題名の‘物語’という部分を最大限に生かし、史実を妨げることのない想像の光景や登場人物の感情等がこの本にはふんだんに盛り込まれている。  もう一つの理由は、本文の数章の主役が、幼い頃に読んだ『ドン・キホーテ』の著者セルバンテスであったことだ。幼かった私にとって、ドン・キホーテの行動、言動があまりに理解不能だったため、薄っすらながらあらすじが脳裏にずっと残っていた。今回その奇妙なキャラクターを描き出したセルバンテスが軸になる章に出会い、『ドン・キホーテ』の中にセルバンテスの人生の破片がちりばめられていることをはじめて知ることができたことは自分にとって思いがけない収穫であった。セルバンテス自身の人生は彼自身の著した物語よりも奇なり、といってもいいのではないかと思う。  また、‘スペイン無敵艦隊’が実は無敵ではなかったという事実は衝撃であった。歴史教科書にさえ採用されているこの名称が実は当時の敵国イギリスによって皮肉の意味を込めて言われたものであったとは!  私は、中公新書の『物語 ○○の歴史』シリーズを数冊読んだが、自分の感性にもっともしっくりきたのがこの本であった。  
興味のある時代が合えばよし…
本書の特徴はまさにその章立てに如実に示されている.  
まえがき/第I章 スペイン・イスラムの誕生/第II章 国土回復運動/第III章 レパント海戦/第IV章 捕虜となったセルバンテス/第V章 スペイン無敵艦隊/終章 現代のスペイン/あとがき/スペイン略年表  
3,4,5章が充実している一方,無敵艦隊以後「市民戦争勃発」まではほとんど触れられていない.あとがきによるとアンバランスは承知の上であえてそうしたようだ.著者と興味が一致した読者には有用な参考書となろう.
とにかくスペインは面白い!
著者のもう一つの作品である「物語 スペインの歴史 人物編」を読み、スペインからの風に導かれるままにこの本も手にしたのだが、スペインはその歴史が波乱万丈だから、スペイン人の生き方があれほどに情熱的になるのか、或いは、スペイン人が自らの生き方を充実したものにせんと欲するとあまり国の浮き沈みが激しくなるのか。とにかくスペインは国も、人も面白い。
この本ではその時々の人物を主体に書かれているので、スペインの歴史の総括版ではない。それ故に、物語として話に引き込まれて読めるし、スペイン人の民族性を深く知る事ができる。
それにしても、過去において宗教が違えども、同じ国に平和に生活出来た事実がある事を現代に生きる我々は忘れてはいけない。
少しバランスの悪いスペイン通史
副題が『海洋帝国の黄金時代』となっているので、ローマ時代のイベリア半島、西ゴート王国時代を完全にはしょって、数世紀に渡るイスラム・アル・アンダルズの歴史も駆け足で、カスティーリャ・アラゴン両王国の統一によるスペイン黄金時代の記述に偏り、しかも終章で突然現代のスペイン内戦の話題が出てくるなど、バランスが取れていないという印象はぬぐえない。私個人としてはセルバンテスのレパントの戦いやアルジェ幽閉の話が詳しいので興味深く読んだ。スペイン通史としては当然パランスが悪いが、さいわい同じ中公新書からローマ時代と西ゴート王国を扱った本も出ているので『物語スペイン・イスラムの歴史』を別に書き起こしてもらって、また現代スペインを扱った本を別に設けてもらいたい。そうすれば本書を「海洋帝国」の通史とし少しは改善されるだろう。

憲法で読むアメリカ史 下 PHP新書 (319)

[ 新書 ]
憲法で読むアメリカ史 下 PHP新書 (319)

・阿川 尚之
【PHP研究所】
発売日: 2004-10
参考価格: 861 円(税込)
販売価格: 861 円(税込)
憲法で読むアメリカ史 下 PHP新書 (319)
阿川 尚之
カスタマー平均評価:  5
司法・行政・立法、連邦・州、民主党・共和党、進歩・保守などの数々のせめぎあいが歴史を作っている
上巻(憲法で読むアメリカ史(上))では独立から南北戦争までを扱ったが、下巻では南北戦争から現代までを扱う。 南北戦争が終わると勝った北部は南部をなんとか自分の思い通りに再建しようとするがうまくいかない。そのうちうやむやになる。黒人開放は進まない。しかし、この戦争はアメリカの州はアメリカから独立できないということをはっきりとさせた。連邦の州への優越が次第に定着してくる。また、いくつかの戦争や戦後のニューディール政策などを通して大統領の権限がどんどん強力になっていく。 最高裁判所(司法)、議会(立法)、大統領(行政)の三権分立の力関係も面白い。独立当初、この中で弱い立場であった司法は数々の判断を続けるうちに強力な権威を身に着ける。その時々でこの力関係が変わるが、なんとかバランスを保ちつつ今日に至る。 当たり前のようなこのしくみは実は長い平坦ではない歴史の上に成り立っているということを考えると、人間ってなかなかやるなと思う。ふらふらしつつもきちんと自治のシステムを作り上げることができるんだなぁ。
連邦最高裁の物語、ここに(ひとまず)完結!
下巻は南北戦争終結後の南部の再建から現代まで。現代を考えるときに、その文脈としての歴史を知ることは重要です。現代の諸問題は、決して突然現代になって現れたわけではありません。本書では上下を通して「憲法」を軸に建国から現代までを一つの流れとして描いてくれるので、通読すると現代の諸問題が建国以来の議論の延長にあることがよくわかります。 引き続き物語りとして描かれる憲法の解釈史。上巻で用意された伏線の数々が現代の諸問題に回収されていく様子は非情にスリリングで、問題を個々別々に眺めていた時の疑問点が一気に解消されていく快感を味わいました。そして合衆国憲法を学ぶことが、政治経済から文化に至るまでのアメリカ理解に大変有用であることをこの本から教わりました。 ……なんてそれっぽく書いてしまいましたけども。個人的なことなんですけど、これを読んだら、スタートレックが100倍面白くなりました(もとから好きだったんですが)! あれって「システム」としての国家のいろんなシミュレーションとして観ることができるんだね! きっと、スタトレだけじゃなくて、いろんなものが新しい見方で見えてくる気がしてます。読んでよかった! アメコミなんかも読み直そうっと。
最高裁人事がアメリカ政治の焦点となる訳
アメリカでは,同性愛行為や女性の中絶を法律で禁止している州が今でも存在します。 こうした法律を支えるのは,宗教的背景を持つ保守主義的世論です。 世論が支える法律も,憲法の保障する人権を侵害することはできません。 人権侵害による憲法違反があるかどうかを最終的に審理するのが(連邦)最高裁判所。 その裁判官として保守的な人物を送り込めば,保守的な政策は当分の間,維持されるわけです。 ブッシュ・ジュニアは,この最高裁判事任命権を2度も行使できる幸運に恵まれました。 現代アメリカ政治を読み解くキーが合衆国憲法,さらにはその番人たる連邦最高裁判所にあることを余すことなく伝えてくれる本です。 読売・吉野作造賞受賞。
良本
本著は新たな視点でアメリカ史について学べます。
上下巻となっておりますが、読みやすく完結に
まとめられており、アメリカに興味がある人には
お勧めです。
アメリカ憲法史
南北戦争以後今日までのアメリカ史を、憲法の解釈が争われた
重要な事件に焦点をあてて綴った本です。

上巻は、連邦と州の権限の問題や奴隷問題など、どちらかといえば
アメリカ固有の問題が中心なのですが、下巻では司法審査の役割や
プライバシー権の問題など、日本でも共通する問題が扱われています。
また、「明白かつ現在の危険」の基準や「現実の悪意」の法理、
アファーマティブ・アクションなど日本の憲法学説でも参考にされている
理論を扱った判例が紹介されているので、憲法を勉強している人にも
参考になるのではないでしょうか。
ただし、アメリカの歴史の流れの中で、最高裁が判決を通じてどのような役割を
果たしてきたかを紹介することが本書のテーマであるので
判例の理論の紹介はそれほど詳しくはありません。
もちろん、アメリカ史またはアメリカという国に興味を持っている人にも
参考になることは言うまでもありません。

上下巻を通して読めば、アメリカの歴史の流れの中で、最高裁が判決を通じて
どのような役割を果たしてきたかを通史で概観することができますが
上に挙げたような現代的な問題に興味がある場合は
下巻だけを読んでも問題ないように思います。


三略 (中公文庫BIBLIO S)

[ 文庫 ]
三略 (中公文庫BIBLIO S)

【中央公論新社】
発売日: 2004-05
参考価格: 760 円(税込)
販売価格: 760 円(税込)
三略 (中公文庫BIBLIO S)
 
カスタマー平均評価:  4.5
驚きの白さ
123ページだが、本編は103ページまで(123ページの薄さはお手持ちの本でご確認を)。本編部分は上下左右、および行間が文庫本でこれまで見たことがないほど「白い」(ケータイ小説にせまる白さ)。 岩波とは異なり書き下し+訳文のみの構成(原文なし)。 奥付を見ると87年訳本のようだが、訳文もかなり微妙。 岩波で出すなら原文もつけて六韜もセットで半値といったところか。
《成功哲学》を補完するもの。
アメリカの《成功哲学》は確かに素晴らしいが、一つだけ欠けているものがある。それは、人間に対する《洞察》、特に、人間の悪に対する《洞察》である。その点に関して言えば、やはり中国の古典は素晴らしい。人間の悪に対する深い《理解》と、悪に対する《対処法》が、実に簡潔に描かれている。アメリカの《成功哲学》を補完するものとして、中国の《古典》をオススメします。本書も、時代を越えた素晴らしい名著です。
王者は人を制するに道を以てす
“夫れ主将の法は、努めて英雄の心を攬り(とり)、有効を賞録し、志を衆に通ず”かの北条早雲が、講学者より『三略』進講の際、果たして兵法の極意を知るに至ったといわれるのが、本著最初頭にある本一節である。『三略』は其の名の通り三部よりなる:「上略」「中略」、そして「下略」がそれである。うち「上略」は、立派な人物を招くには手厚い礼遇と恩賞が必要であること、多数ある家臣より奸臣を見抜きこれを迅速に排除すること、部下の賞罰の際には極力厳正確実でなければならぬこと、「中略」では、王者や覇者の得行、ならびに大事成就のためには臨機応変の戦略が重要であること、して最後の「下略」では、天下泰平の為には道徳・道義これが必須不可欠であり、自身をも含め現況をいかに厳格に見定め、かつ賢者をして統治にあたる事の重要性、が詳しく敷衍、力説されている(本著七十三頁よりママ或は改変)。『孫子』が実心備えた軍学書とすれば、『三略』は王者たる“道”に力点をおいた人心掌握の兵学書といえ、その真偽は問わずとも、本著が“武経七書”の一書とされてきたのは当然のことであろう。小生が最も好む言句は「下略」にある以下の一節に見える(本著八十八頁の四)。“道・徳・仁・義・礼、五つのものは一体なり。道は人の踏む所なり。徳は人の得る所なり。仁は人の親しむ所なり。義は人の宜しき所なり。礼は人の体する所なり。一も無かるべからず”すなわち、“人の上に立つ者は、何よりも道・徳・仁・義・礼の五つの徳目を身につけて、自分を正すことが大切なのである”。これは言うべくもなし、昨今問わず国家論、及び組織論の真髄かつ原理である。為政者あるいは長たる者が、これをして統御すれば、自ずと堅固・強壮となり、治安よく、かつ道義相照らすものとなりえよう。人率の者は、『孫子』と共に、『三略』を座右の書となし、衆生は本著をして現代の“王者”に仕えてほしいものである。
中国古代兵法、武経七書の一つ
この書は漢の高祖劉邦の軍師であった張良が、若かりし頃に黄石公という仙人から六韜と共に授けられたといわれ、その両著の著者は太公望といわれております。もっともこの逸話は伝説であり、また後世の兵法家が太公望の名前を借りただけというのが実情のようです。

しかし内容に目を転じますと、千年以上の時を経てもそれほど変わることの無い普遍的な道理が記されており、現代においても充分応用可能な部分もあるかと思います。

他の兵法書と比べてみますと、孫子は主に将軍の視点から、この三略は君主或いは宰相からの視点から書かれています。したがって人材運用や人心獲得、信賞必罰や率先垂範などについても書かれており、軍事学というよりは政治学に近いかも知れません。

小説家の方が書いているので現代語訳も読みやすいです。


バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書)

[ 新書 ]
バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書)

・鶴見 良行
【岩波書店】
発売日: 1982-01
参考価格: 777 円(税込)
販売価格: 777 円(税込)
バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書)
鶴見 良行
カスタマー平均評価:  4.5
悲しき熱帯
 かつては高級果物の代名詞のひとつでもあったバナナが今や一房100円で店頭に並ぶ。  そんなバナナをめぐる残酷物語の裏側を抉り出した名著。  安く、安定的なバナナの供給を享受する日本。その需要を満たすことで富を得る フィリピン。その貿易を仲介することでビジネスの糧を得るアメリカ。あまりに甘美な トライアングル。  しかし、現実にバナナをめぐって起きたのは幸福極まりない三方一両得などではなかった。 フィリピンを襲ったあまりに悲惨なスパイラルがこれでもか、とあぶり出されていく。  しかも、その背後に横たわるのは、各々のプレイヤーが最適化を図ることが結果的には 互いを傷つけることとなる、いわゆる「合成の誤謬」がもたらした不幸と片付けるわけには いかぬ、深い国際的企業犯罪の闇であった。    1982年に出版されたこの本は例えばバナナをモチーフに南北問題を語る。  しかし、これはすぐれて今日的な問題、例えばバイオエタノールやフェアトレードをめぐる 果てしないペテンの構図もまた、これに似る。  現代人必読の迫真の一冊。
バナナを通して南北問題を知る本
フィリピン産バナナの輸入は1970年代に入って劇的に急成長し、1975年には全輸入量の9割近くを占めるに至ったが、その舞台裏はどのようなものだったのだろうか。著者はフィリピンで日本向けバナナを生産しているのは、デルモンテ、ドール、チキータのアメリカ系多国籍企業と、バナンボ(住友商事)の合計4社にすぎず、典型的な多国籍企業による寡占状況が観察されること、またすべての企業が病虫害に強く生産性の高いキャベンディッシュという品種を用いて、ミンダナオ島の大規模プランテーションで栽培されていることをその特徴としてあげる。本書はバナナのような典型的な一次産品について、消費者である日本人にはなかなか見えてこない、生産国の内情を伝える良質のルポである。 著者はまた、今の日本ではあまり知られていない意外な点にも光を当てている。ミンダナオ島では、化学繊維の普及以前ロープの材料として用いられた「アバカ麻」(バナナと同じ芭蕉科に属し栽培条件もよく似ている)が栽培されてきたが、実はその栽培が主として日本からの移民によって進められてきたという事実だ。1920?1930年代には日本から多くの資金と移民がミンダナオ島のダバオに入って移民人口が2万人に達し、フィリピン人からは満州国にちなんで「ダバオクォ(国)」と呼ばれたほどだったという。かつての日系移民のアバカ麻農場が、現代の多国籍企業のバナナ農場に変わったわけだが、たぶん著者が言いたいことは、どちらも現地住民による自給自足的土地利用と違って、世界市場への販売を目的とした生産だという点で、だからこそ現地に住む世界市場とのかかわりの薄い人たちとの間で様々な摩擦・問題が起こった(起こっている)ということなのだろう。
たかがバナナ、されどバナナ
ふだん食事をするときに、その食べ物に関わるつくり手や流通経路までは意識しない、というか、いちいち意識などしておれないのが本音であろう。それがバナナのような輸入作物ならなおさらだ。しかし著者はそれに対し、「ちょっと待て」と言い、「身勝手にすぎる」と訴える。 本書では、多くの日本人が、著者のその主張に耳を傾けて一考せざるをえない、バナナ栽培における労働者から多国籍企業まで、著者自身のフィールドワークに基づくありのままの事実と鋭い分析が列挙されている。フィリピン産のバナナに経済問題から植民地問題、南北問題、少数民族問題、戦後補償問題等まで関わっているのだ。読了後「されどバナナ」と痛烈に感じることに間違いはないであろう。 本書はあくまで、バナナという輸入食物を通じて、生産者と消費者の意識を身近に感じさせる本であり、食糧自給率の低い日本では、ほかに幾らでも本書におけるバナナの様に当てはめることができる食物があるが、何もその意識を輸入「食物」にだけ限定しなくてもよいことは当然であろう。 また、さきほど取り上げたような問題が様々横たわっているので、各領域の学問への招待として眼差しを向けるに、実に格好の書である。
経済や国家について、具体的事例を持って考えさせてくれる新書の名著
商売の基本は正直でフェアーであることだろう。経済のグローバル化の下では尚更、弱肉強食状態につけ込んで金儲けをする企業は世界秩序自体を破壊する。企業家も消費者もまた、国家とは何か統治とな何かを自国を例にもっと知るべきである。 この本は、新書であっても経済や国家について、端的に具体的事例を持って考えさせてくれる名著だと思う。
バナナから見えてくるリアルワールド
 既に岩波新書の古典である趣の名作ではないかと思う。

 バナナという誰もが知っている果物の生産という点に「ミクロに目を凝らす」ことで 「マクロに見えてくる世界の俯瞰図」という手法自体が非常に斬新であり 見事なものである。書かれて30年近く経ち、バナナの状況も様変わりではありながら その手法自体は 今でも新しい切り口ではないかと思う。

 しかし この本を読んでいると つくづく南北問題の難しさを感じてしまう。何が善で何が悪なのかという判断は難しいし だいたい 世界はそんな簡単な区別はできないくらい タフなものかと思う。その意味で 最近の米国が中近東、イスラム等に関連して 簡単に「悪」という言葉を使うことは 本質的に危険であるということことかなと思ってしまう。

 バナナを手にとって見ているが バナナは口をきけるわけではない。但し そこから見えてくる「世界」がある、 それが本書である。


お江戸風流さんぽ道 (小学館文庫)

[ 文庫 ]
お江戸風流さんぽ道 (小学館文庫)

・杉浦 日向子
【小学館】
発売日: 2005-06-07
参考価格: 600 円(税込)
販売価格: 600 円(税込)
お江戸風流さんぽ道 (小学館文庫)
杉浦 日向子
カスタマー平均評価:  5
江戸から未来へ
江戸の人々の暮らしを現代に伝える杉浦日向子さんの江戸案内です。 「ごくらく江戸暮らし」と名付けられた第一部の終わりで著者は言っています。 過去から現代そして未来へと暮らしは変化していくが、人々の心は同じである。 江戸の寺子屋の教育の基本は、ただひとつ「禮(れい)」である。 そして、何でもある現代にかけているのは、豊かさを示すと書く、この禮かもしれないと。 重いメッセージです。 未来の我々の子孫の目には、今の時代が豊かで平和な世界に映るのでしょうか。 答えが出るのは百年、二百年先だとしても、現代に生きる我々は何とかしてこの問いかけに 答えていかなければならないのです。 講義録を収録した第二部は、話し言葉でテンポよく、まるで日向子さんの息遣いが聞こえてきそうです。
生前最後の文庫出版だそうです。
江戸の町人の風俗を思うとき、そこにある種の理想郷があるような気がしてくる。環境問題だとか、リサイクルシステムだとか、食の安全だとか、老後の生活だとかを議論するときに、諸外国のあり方もそうだけど、まず、日本の文化がある意味一番花開いたであろう、江戸の生活様式を振り返って見るべきだと、思うのです。女性が思いのほか強くて、恋愛に関してもごくドライでしゃきっとしていて、とても気持ちがいいです。 内容的には、同出版社の「一日江戸人」と同じく、江戸の町人、主に長屋の住人であるところの、大多数の生活を紹介するものです。 「一日江戸人」が、読者に対して、これでもか、これでもか、と、我々現代に住む日本人の思いこみ的江戸イメージを拭い去るというか、本当の江戸風俗はこうだったんだよ、と、力一杯、啓発的に書かれている一方、 本書は著者の気負いのようなものはもはやなく、手取り足取り、親が子に噛んで含めるように、ていねいに親切に、江戸の生活をのびのびと描き出している点で、とても素敵だと思う。 長屋住まいの江戸っ子は、いずれ火事で燃えてしまうから家具や調度品には執着せず、「消え物」にお金をかけたそうです。物欲的な豊かさよりもこころの福を大切にしたそうです。 「こころ」の豊かさを探してみてください。
この方のエッセイを探しているのです。
宜しくお願い致します。

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 更新日 2009年7月8日(水)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク