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大化改新の謎―闇に葬られた衝撃の真相 (PHP文庫) 古代研究〈1〉祭りの発生 (中公クラシックス) 守りの名将・上杉景勝の戦歴 (新書y) 太平洋戦争 日本の敗因〈1〉日米開戦 勝算なし (角川文庫) 昭和史発掘〈2〉 (文春文庫) 聖書vs.世界史―キリスト教的歴史観とは何か (講談社現代新書) まれびとたちの沖縄 (小学館101新書) 零戦の最期 (講談社プラスアルファ文庫) 満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書) 徳川将軍家十五代のカルテ (新潮新書)
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大化改新の謎―闇に葬られた衝撃の真相 (PHP文庫)

[ 文庫 ]
大化改新の謎―闇に葬られた衝撃の真相 (PHP文庫)

・関 裕二
【PHP研究所】
発売日: 2002-07
参考価格: 560 円(税込)
販売価格: 560 円(税込)
大化改新の謎―闇に葬られた衝撃の真相 (PHP文庫)
関 裕二
カスタマー平均評価:  5
ショッキング!
少なくとも私が受けてきた高校までの歴史授業は、大化の改新を国際情勢と絡めなかったし、そう言う発想自体が育たない内容のものであった。しかし大化の改新から日本書紀編纂と続く流れは、国際的謀略とも言えるものであると言うことが、本書で述べられている。 日本より韓国や北朝鮮の利益を優先し、彼らに都合よく歴史を書き換えようとさえしている日本政府関係者が現代でも見受けられるが、これは大化の改新から続いている現象なのかもしれない。
歴史って、面白い!!
コンビニで、ふと、手に取った一冊が、こんなに面白いなんて! すごく得をした気分です。今では、すっかり古代史の魅力に取り付かれてしまいました。学校で習った「大化の改新、蘇我入鹿を654(ムシコロせ!)」、ひどい語呂合わせじゃないか!と、心の中で叫びました。本作品では、古代の一場面、大化の改新がテーマとなっていますが、果たして、今まで信じられてきた歴史のどこまでが真実で、どこからがでっち上げなのか?国家権力によって、事実は簡単に捏造されるてしまう。読み終えた瞬間、自分自身が、一種のマインドコントロールから解き放たれ、爽快な気分になる、そんな一冊です。

古代研究〈1〉祭りの発生 (中公クラシックス)

[ 新書 ]
古代研究〈1〉祭りの発生 (中公クラシックス)

・折口 信夫
【中央公論新社】
発売日: 2002-08
参考価格: 1,628 円(税込)
販売価格: 1,628 円(税込)
古代研究〈1〉祭りの発生 (中公クラシックス)
折口 信夫
カスタマー平均評価:  5
夜半に読むべき書
日ごろ何気なく使っている言葉、「母国」「さばを読む」「おとずれる」・・・
これらの言葉の裏に潜む古代日本人の思考を折口信夫はまさに
何気ない文章で解きほぐしていく。そこ見えてくるのは古代日本人が
共有していた悲しみ、恐怖である。読むほどに面白く、震えてくる書物
である。夜半にゆっくり読まれたい。

守りの名将・上杉景勝の戦歴 (新書y)

[ 新書 ]
守りの名将・上杉景勝の戦歴 (新書y)

・三池 純正
【洋泉社】
発売日: 2009-05-02
参考価格: 872 円(税込)
販売価格: 872 円(税込)
守りの名将・上杉景勝の戦歴 (新書y)
三池 純正
カスタマー平均評価:  4.5
一本筋の通った清々しさ
謙信以来の武勇と律儀さを、戦乱の世にあって頑なまでに守り通すことで 戦国大名として生き残ることができた様子が詳らかに紹介されている。 特に秀吉に臣従してから中央政治に翻弄される様子や、 上杉討伐から関ヶ原までの徳川や最上・伊達など近隣大名との緊迫した駆け引きも面白い。 律儀な家風を信頼して秀忠や本多正信が目をかけ、 大阪の役でその期待に見事に応えるさまも権謀術数うずまく戦国時代であったからこその 一本筋の通った清々しさと言える。 大河ドラマの天地人では紹介しきれなかったエピソードや政治的な背景を この本で肉付けするような読み方をすると非常に面白いのではないだろうか。
上杉景勝を知ることの快感
筆者である三池氏が、いかに上杉景勝公が好きであるかということがうかがい知れる一冊である。 上杉景勝という人物は、戦国時代の人物の中でも屈指に面白い人物である。だが、少々通好みの人物である。けして善人ではないし、なおかつわかりやすい人物ではないからだ。この本は、その玄人魂を心地よく満たしてくれる一冊である。 ネットの上では、上杉景勝に恨みのある方々がウィキペディアなどで大活躍しておられるので(笑)冷静で正確な情報が無くて困っておられる、「最近、上杉景勝が気になってきた」というそこの貴方には手放しでおすすめいたします。
膨大な資料と格闘し、上杉景勝の足跡を精査した名著
 上杉景勝の生涯を書くことは、戦国の激動を生き抜いた信長、秀吉、家康の天下統一の側面を描くことにもつながる。三池氏のいうように、スケールの大きい謙信に比べ“陰”の景勝には、派手なエピソードがまったくなく、その人物風貌はつまびらかではない。正直、時流を意識し、直江兼続を主役としてた本にして、景勝は脇役にした方が売れるのではないか思った。ところが、三池氏は間逆のアプローチをしている。この正直者めが! このことからも、三池氏が景勝同様に、不器用な男であることが私には推察できる。  本書を読んで、フィールドワークの著者の持ち味が、今一つ、いや、今二つ、三つ物足りないと感じる読者もいるかもしれない。もちろん、三池氏は本書でも『上杉家御年譜』を裏付けるべく、現地調査に出かけている。しかし、『真説・川中島合戦』や『敗者から見た関が原合戦』を読んで、目からウロコの読者にしてみれば、まったく、そうした指摘はそのとおりかもしれない。私も青年時代に知り合った、作家の新田次郎先生が川中島の古戦場に、通算40回以上も通って、フィールドワークによって、実像に少しでも肉薄しようしていたのを知っているので、そうした気持ちは十分に理解できる。  しかしながら、物事には長所と短所の両面があるものだ。また、歴史の真実をヒモ解こうとした時に、フィールドワークだけでは解決できない部分もある。景勝の人間像を追い求めて、その城郭や古戦場を旅して、何か見えるのだろうか・・・。  おそらく、三池氏は合戦や事変などの史実は、現場検証である程度、説明がつくだろうが、景勝の人物像に肉薄するのには、現地調査よりも資料の森を踏破するしかないと結論したのだろう。そのために三池氏は、膨大な資料と格闘したのではなかろうか? そして、景勝の多面的な人物としての陰影を、掘り起こしたのが本書ではなかろうか?  本書の景勝像は、丹念に資料を精査し抜いた結晶である。その証拠に、三池氏の文章を読んでいると、天下の名将、上杉謙信の後継者に這い上がるまでの苦悩がヒシヒシと感じる。御館の乱、新発田氏の反乱、名門・武田家の滅亡、信長軍の容赦なき包囲網戦など・・・。本書を読んでいて、三池氏は小説家にも向いていると、私は思い膝を叩いた!  文書を書くことにも、“攻め”と“守り”がある。攻めとはフィールドワークであり、守りは資料との格闘である。本書は守りの名将・上杉景勝を、守りの文章で描いた三池氏の名著だと、私は信じて疑わない! そして、歴史上の人物の内面に興味を強く持ち始めた三池氏に、将来、歴史小説を書くことをおすすめしたい。心の広き読者諸氏、長い目で三池氏の作品を、厳しさと同時にあたたかさを持って応援しようではないか!!

太平洋戦争 日本の敗因〈1〉日米開戦 勝算なし (角川文庫)

[ 文庫 ]
太平洋戦争 日本の敗因〈1〉日米開戦 勝算なし (角川文庫)

【角川書店】
発売日: 1995-05
参考価格: 525 円(税込)
販売価格: 525 円(税込)
太平洋戦争 日本の敗因〈1〉日米開戦 勝算なし (角川文庫)
 
カスタマー平均評価:  4.5
戦争は戦場だけで完結するものではない
このことを、痛切な実例をもって、非常に具体的に明らかにしてくれる一冊。 どうも太平洋戦争については、どこの国が悪いだの、誰が戦争を仕掛けたのという 議論が花盛りで、ややもすると冷静で広範な歴史的事実の検証から離れてしまい がちだが、こうしたカッチリした本ももっとたくさん出版されて欲しいものだ。 対米戦争を戦おうとするに当たっての日本の戦略、とくに英米との真っ向からの 対立までも覚悟して占領した東南アジアからの「戦果」を維持できるかという 基本問題について、かなり掘り下げた議論がなされている。 第一次大戦の戦史を真剣に検討しなかった軍部の油断、その教訓を無視した ままの甘い見通し、その上で具体的な数字を殆ど無視してまで開戦に踏み切った 当時の政府内の動きについても、概説的な知識が得られる。 書籍資料としても、こういう側面からみた日米開戦についての一般書は非常に 珍しい。NHKが船舶の統計を可視化した画像だけでも、一見の価値がある。 太平洋戦争についてかじってみたい人には、「是非とも」レベルのお勧め。
文字通り日本の負けた理由が分かる
 太平洋戦争が南方資源(鉄鉱、ボーキサイト、石油ほか)に頼る戦いでありながら、日本がいかに輸送ルート(シーレーン)の確保――具体的には輸送船の護衛――を疎かにしていたかがとても分かりやすくレポートされている。ロジスティックスの軽視は日本軍についてよく言われることだけど、本当に杜撰な戦争計画で、あらためて「艦隊決戦主義」の病の深さを実感した(日本の海軍は本来アメリカが攻めてきたときに迎撃することを主要な行動計画としていて(いわゆる「漸減邀撃作戦」)、それ以外の行動には素人であったということか――。それからちなみに日本は戦前に海防艦を一隻ももたず、海上護衛総司令部ができたのはなんと昭和18年11月になってからのことである)。  この本にはアメリカの国際法違反も指摘されている。潜水艦による民間商船への無制限攻撃である。無差別の本土空襲も原爆もそうだが、このあたりは勝った者得で、問題にされない。  いずれにせよ、太平洋戦争時における日本の問題を考えるうえで必読だと思う。簡単に読めるが重要性に変わりはない。
補給と兵站、シーレーン攻防に見る敗戦の本質
「日本軍は開戦当初、アメリカの潜水艦をなめていたため、輸送船の護衛体制を致命的におろそかにした」。 本書の主役は、真珠湾攻撃でも、ミッドウェーでも、硫黄島でも、カミカゼでも、広島・長崎でもない。ずばり「シー・レーン」である。そして、本書を開く人は、この一見目立たない視点が、ある意味で太平洋戦争の敗戦の本質を突いているのだということにすぐに気づくだろう。 本書の特徴はもうひとつある。それは、NHKの取材力を生かして、米国をはじめ東南アジア各国で詳細に取材した結果をふんだんに紹介して構成してある点である。だから、アインシュタインが米海軍のコンサルタントとして魚雷改良のアドバイスをしていた事実をはじめ、かなり戦史に詳しい人でも知らないような事実も収められている。 米海軍は当初は欠陥だらけの魚雷を使っていた有様だった。また、大西洋ではナチスのUボートにいいようにされた時期もあった。しかし、失敗を隠さず、教訓として論理的な分析を行い、アメリカ海軍はどんどん進歩する。レーダーや新型魚雷などの矢継ぎ早の新兵器の開発、計算機を利用した効率的ですばやい暗号解読、Uボートから学んだ優れた集団での潜水艦作戦。日本の輸送船は次々と消えてゆく。 「あんなにたくさん沈められたのに、輸送船暗号のコードを日本軍は終戦まで全然変えなかったよ。アメリカ軍は、たとえ解読されなくとも、半年ごとに暗号は変えていたけれどね」という、情報担当の元米軍大佐の証言は重い。 本書でもいろいろな説明はされているものの、個人的にどうしても不思議なことがある。第一次世界大戦と第二次世界大戦において日本と同じ島国であるイギリスに対してドイツが徹底したシーレン破壊作戦行った事実がありながら、なぜ同じ島国の日本海軍がそれを十分に研究してそこから教訓を学んでいなかったのかということだ。当時日本では知りえなかった情報や過去に類例の無いことを結果論に基づいて糾弾することについては必ずしも賛成できないが、シーレーン防衛についてはそうではない。怠慢としか言いようがないし、そのような基本的な誤りを産んだ背景に対して、やりきれない思いを禁じえない。 太平洋戦争史への理解を一段と深める一冊である。大きく深いため息とともに。
無能な政治家が首相にになって国は滅びる
無能な政治家が首相にになって国は滅びることを学ぶ点で、本書は実に教訓的であることはすぐに理解できるが、上に立つものが無能であることが致命傷であるのに、その時代に生きていたものはそれに気づけないということだ。過去を知ることは現在を理解し未来を考える作業であり、この作品は過去と現在を重ね合わせる上で非常に行くにたつ。
戦争計画の完全な失敗ー根本的な敗因
「自存自衛・大東亜の新秩序建設」を掲げ太平洋戦争への突入。帝国陸海軍、官僚によるこれほど自国民のことを軽視して無計画のまま戦争を始めた国は他に例を見ないのではないだろうか。本シリーズの第1篇としては、南洋方面へ資源を求め、占領をした所で満足し、資源を日本に持ち帰るに海上護衛の思想を欠き、長大なシーレーンを守る戦略も装備も全く欠けた日本に焦点を当てながら、開戦から終戦までの失敗を解説してくれている。当時の関係者のコメントを多く入れたドキュメンタリーに臨場感を感じる。そもそも優位に立つと慢心して相手を見下す日本人独特の性癖があり、エリート軍人達が愛国者ぶって国を博打の賭けをするようなやり方で戦争に駆り立てた。またこんなにジリ貧の窮状の中でも陸海軍の対立、大きなムダ、それが足枷になっていた。そして虚勢と起死回生もあり得ると国民を絶望的な本土決戦に駆り立てていた。読んでいて本当にこの不幸を悔やむし、どうして日本人はこうなのかと悔しい思いだ。昭和17年当時の参謀本部の服部卓四郎作戦課長、田中新一作戦部長・・・子孫の方々もこの書を読んでいらっしゃるだろうか。

昭和史発掘〈2〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
昭和史発掘〈2〉 (文春文庫)

・松本 清張
【文藝春秋】
発売日: 2005-04
参考価格: 870 円(税込)
販売価格: 870 円(税込)
昭和史発掘〈2〉 (文春文庫)
松本 清張
カスタマー平均評価:  4
満州某重大事件が興味深い
三・一五共産党検挙 「満洲某重大事件」 佐分利公使の怪死 潤一郎と春夫 天理研究会事件   章立ては五つです。 どれも興味深く読めました。 とくに満州某重大事件は今後満州事変などの 大きな事件の前兆として興味深いです。 統帥権の独立などがその後の歴史に 大きく影響するのがわかります。

聖書vs.世界史―キリスト教的歴史観とは何か (講談社現代新書)

[ 新書 ]
聖書vs.世界史―キリスト教的歴史観とは何か (講談社現代新書)

・岡崎 勝世
【講談社】
発売日: 1996-09
参考価格: 777 円(税込)
販売価格: 777 円(税込)
聖書vs.世界史―キリスト教的歴史観とは何か (講談社現代新書)
岡崎 勝世
カスタマー平均評価:  4.5
私たちが認識している世界史とは
私たちが“真実”と信じている“歴史”は何であろう。 幼少の頃、親から聞かされた話、あるいは学校で習うことを“真実”と思い込んでいる人が多いのではないか。 それが何世代にも渡って現在まで続いているのではないだろうか。 しかし、私たちが認識している“世界史”は、聖書の記述と辻褄が合うように再構成されているという。 年号や古代史も聖書の信憑性を高めるために利用されている面もあるようだ。 私たちが信じている“真実”と思い込んでいることが全てではないと気付かせてくれる本。
聖書ですべてを説明する矛盾
 この本では、普遍史(Universal History)という言葉を通して、キリスト教世界において世界と歴史がどのように考えられてきたのかということが述べられている。普遍史とは、聖書に従って天地創造を紀元として年代を数え、世界のすべてを説明する歴史観・世界観である。  聖書には世界の終末が記載されている。終末の時は近い、といって新興宗教が信者を勧誘するのは古今東西変わらない。最初はローマ帝国にキリスト教を布教するための理論武装として生まれた普遍史は、終末とされる年を過ぎたり、新世界の発見や古代シナ・エジプト文明の発見から次々に修正され、19世紀に意義を失う。  しかし、この普遍史の中で、我々が現在使用している西暦(AD:anno Domini/主の年に)が生まれ、BC(before Christ)が生まれた。  BCの普及にはニュートンが関わっている、というよりニュートンも普遍史を研究していたとは驚き。宗教家として、神の存在を科学を使って証明する目的で研究してプリンキピアが生まれ、やがて神の実在を否定する世の中になるのだから皮肉なものだ。
びっくり
不思議なのはこの世界がいつ始まったかについて考えないといけないそうです。 そんなことよりごみ処理の問題を考えるべきかもしれません。
普遍史を焦点とした西洋の聖書解釈史
 1943年生まれのドイツ近代史研究者(成瀬治の弟子)が、1996年に刊行した、1?18世紀の西洋(および明治日本)における普遍史の内容の変遷史。普遍史とは聖書の記述に基づき書かれた世界史であり、明確な始点=天地創造と、近い将来における終点=神の国の実現=終末を持ち、四世界帝国論に立ち、化物世界をも含む三大陸から成る平円盤状の世界観と結び付いていた。古代のそれは、キリスト教護教活動の一環であり、異教徒を説得して聖書の優越性を示すために、異教徒の歴史の古さの否定や、ときには聖書の読み替え・一部無視も行いつつ書かれた。中世のそれは、基本的には古代的普遍史を継承し、第四帝国=ローマ帝国の存続を前提とした(皇帝と教皇を2つの焦点とする楕円的世界像)。また、創世紀元を基本としながら、キリスト紀元の緩慢な普及をも伴った。しかし、ルネサンスにおける人間の力量の発見や、古典・聖書(三系統)の批判的比較研究の興隆、植民地支配・対中国交易の開始(球体・四大陸世界観の勝利、化物世界の否定)、科学革命による時空間の無意味化の中で、普遍史記述は危機の時代を迎え、それが教派論争とも絡まり合いながら、年代学論争という形で現れた。18世紀には、ゲッティンゲン大学を中心として、科学知識の援用、世俗化されたキリスト紀元と古典的三区分法の普及、西洋史の相対化(ただし優越的地位は維持)といった特徴を持つ、啓蒙主義的世界史が成立し、ここに普遍史はついに自己崩壊する。本書は普遍史(歴史学前史)を焦点とした西洋の聖書解釈史を扱う、専門的な内容でありながら、叙述は平易であり、多くの図表を掲載している。大局的な流れと共に、興味深い個別事実も多く紹介しており、お薦めできる本。
読み終えてじわじわ満足
細かい記述が多いので、はじめのうちはちょっと退屈に思いました。たくさんの数字や人名が出てくるところでは、斜め読みしてしまいました。私のような素人読者はつい、文章に単純なメリハリを求めてしまうので、問題点や結論が複数あるときは箇条書きにしてもらえたらな?と思いましたが、それはあまり美しくないやり方かもしれませんね。 というわけで、読んでいる最中はそれほどでもなかったのですが、読み終えた時には衝撃と深い満足を味わいました。「これを読んでよかった」という気持ちがじわじわ広がってきます。読んでいるとき面白くても、読み終えるとすぐ忘れてしまうような本もありますが、これはその反対でした。細かい数字や人名をさておいても、得るべきことがたくさんある一冊でした。

まれびとたちの沖縄 (小学館101新書)

[ 新書 ]
まれびとたちの沖縄 (小学館101新書)

・与那原 恵
【小学館】
発売日: 2009-06-01
参考価格: 777 円(税込)
販売価格: 777 円(税込)
まれびとたちの沖縄 (小学館101新書)
与那原 恵
カスタマー平均評価:  5
日本を逆照射する本
沖縄、琉球、遠い南の島……。 やまとの人間にとって、かの島々は憧れの地であり、「幸い住む」向こう側だ。 今なお増え続ける観光客数や空前の移住ブームは、その反映でもあるのだろう。 でもそれは、やっぱりやまと側の、ある種の幻想でしかない……。 そんな視点を、外からやってきた「まれびと(客人、稀人)」たちは教えてくれる。 沖縄にたどりついた「まれびと」たちの目を通して見ると、日本や中国がまたがらりと違って見えてくるのだ。 別な言い方をすれば、本書は「沖縄×まれびと」というプリズムを通して日本を逆照射する本でもある。そして、そこにこそ沖縄という土地が持つもう一つの魅力があるのかもしれない。 沖縄好きを自認する人には大いに参考になるだろうし、これから沖縄に移住する??すなわち「まれびと」として暮らそうという人にとっては必読の一冊だろう。
なかなかの秀作
テーマは地味だし、話は寄り道が多いけれど、たくさんの資料に基づいて沖縄の様々な人や出来事を語ってくれます。海上交通の要衝であるが故の苦悩は今も昔も変わらないことがわかります。 最初はこの内容で退屈せずに読み進めれるか心配しましたがさにあらず。読了すると、中世以降の沖縄の歴史の流れが頭の中にできあがります。 著者のご先祖さまが時々出てくるのもご愛敬です。
誠実なノンフィクション
「まれびと」といえば折口信夫。 折口学の根幹ともいえる「まれびと」という概念の発想のきっかけになったのが、沖縄でのフィールドワークだとされている。 最初は、このタイトルにつられて購入。 沖縄や奄美で信仰されるニライカナイという理想郷があるが、本島からみた「海の彼方」である沖縄、あるいは「沖縄」からみた「まれびと」について、4つの異なる時代・視点において描かれる。 第1章は、近代における「沖縄学」の父といわれる伊波普猷と、彼に決定的な影響を与えた新潟出身の国語教師・田島利三郎を描く。 伊波の名前はかろうじて知っていたが、田島利三郎という人については初めて知った。 琉球に源為朝がやってきたという「偽史」はいかにして生まれ、固定化したのか、という2章めとあわせて、琉球・沖縄という場所が、日本や中国などの“大国”の思惑にいかに翻弄されてきたかがよくわかった。 池上永一『テンペスト』とあわせて読むのもいいかも。 また、幕末、西欧諸国の思惑と琉球王国の危機に揺れる時代に滞在したユダヤ人宣教師・ベッテルハイムの物語と沖縄芸能についても、丹念に描かれていた。 正直、市場が飽和気味の新書は、タイトルだけで内容が薄いモノも少なくないので買おうか迷ったが、「刺激的な日本/琉球・沖縄論」というキャッチに偽りなしでおもしろかった。 もちろん、ページ数の関係で駆け足な部分もあるが、リゾートや基地だけではない沖縄の姿を描いた入門書として、最適だと思った。
ベッテルハイムさん最高!
沖縄フリークもそうでない人も楽しめる一冊だと思います。私自身、太平洋戦争以前の沖縄にこんなに歴史があったことに驚かされました。日本が鎖国していた時代に、海外と豊富な交流を持っていた琉球王国は、日本よりも多様な文化に触れ、広い視野としたたかさを持っていたはず。なのにその後、日本の一部にさせられ、明治以降は自ら「日本化」を進めざるを得なかったというところに、現在も引きずる沖縄問題の”根っこ”を感じました・・・と説明するとお堅い歴史書かと思われそうですが、本書の魅力は、沖縄を訪れる「まれびと」たちと島の人々との交流エピソードのおもしろさにあります。特に、ユダヤ人宣教師ベッテルハイムさんのキャラは出色です。こんな「人間のできていない」宣教師は聞いたことがありません(笑)。彼の、島の人々を唖然とさせる行動の数々には、爆笑させられっぱなしでした。ほかにも、知らなかったたくさんのエピソードが盛り込まれ、読み応えがあります。今年読んだ新書の中では、イチオシです。

零戦の最期 (講談社プラスアルファ文庫)

[ 文庫 ]
零戦の最期 (講談社プラスアルファ文庫)

・坂井 三郎
【講談社】
発売日: 2003-12
参考価格: 924 円(税込)
販売価格: 924 円(税込)
零戦の最期 (講談社プラスアルファ文庫)
坂井 三郎
カスタマー平均評価:  5
生き残った私が言わずして誰が言うのか。
 世界的撃墜王坂井三郎。数少ない撃墜王でも負け戦を生き残った撃墜王は更に少ない。彼はその一人だ。ここで「彼」という言葉を使うのも恐れ多い人だと思っている。ただの戦史にとどまらず、その時の描写や心情。そして戦友達の話。行間からは無謀な戦争に駆り出された組織の末端の苦悩がにじみ出ている。そして彼なりのあの戦争の検証。  彼の本を読むとあの頃と今とどれほどの違いがるのだろうと思う。戦争の有無は別にしても組織論、生き方など。ビジネスマンにもこれから社会に出る人にもせめて1冊は是非読んでおいて損のない本です。
生還劇がとりわけすさまじい
とにかく、この方の多くの著作が後世に残されたことに、感謝と御礼を申し上げたい。反戦とか平和とかを乗り越えた上で、人間として生きていくということがどれほどの困難を有するものかを、いまさらながら反芻する意味で、特にビジネスマンの方には大いにお奨めしたい。 特に、ラバウルでの生還劇の部分(頭部に被弾した後、意識朦朧かつ左半身不随の状態のまま4時間余飛行を続け帰還)は圧巻。すさまじい、人間の生への渇望を見ることができる。
戦争から学ぶこと
旧日本海軍のエースパイロットであった坂井三郎氏の零戦シリーズの完結編です。あの戦いで命を懸けて戦ったパイロットとしての生き様、戦略亡き戦いへ突き進んだ軍部への憤り、矛盾を暴いています。 靖国問題に端を発する対アジア外交が何かと問題となっている昨今ですが、国家としての罪とこうして戦った兵士に対する評価は別にすべきものと思います。現在の日本は国のために戦った兵士に対する尊敬をなぜもてない国になってしまったのでしょうか。このレビューをみて右翼の意見と思う方は、本書のシリーズ、そして「大空のサムライ」など、どうか坂井氏の著作をお読みいただきたい。坂井氏の言葉が真実を語っています。「みんな若くして死ぬことはなかった。そして残ったものは正当に評価されなかった」

満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書)

[ 新書 ]
満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書)

・加藤 陽子
【岩波書店】
発売日: 2007-06
参考価格: 819 円(税込)
販売価格: 819 円(税込)
満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書)
加藤 陽子
カスタマー平均評価:  4.5
2冊目以降に読む本としては秀逸
満州事変と日中戦争に関する詳しい著作は本書がはじめてという方にとっては、ちょっと敷居が高く感じられるのではないか。元々、満州事変と日中戦争は込み入っていてわかりにくい。特に本書の最初の第一章のような出だしは、元々史実がある程度整理されて頭に入っている人でないと、面食らうだろう。 しかし、2冊目以降に読む本としては非常に優れた著作だ。特にアメリカやイギリスの対応の変化とその背景に関してはなかなか詳しく書かれている。これを読むと、アメリカもイギリスも、満州事変時点では必ずしも強行一辺倒ではなく、特にイギリスに関しては満州国を認知することも選択肢になっていた時期すらあったことがわかる。リットン調査団の顔ぶれや略歴や性格についての説明もなかなか興味深い。 さらに、敵対していたにも関わらず円と元の経済圏がポンドを通じて共に輸出に有利な関係にあった時代もあったこと、高橋是清の経済政策がもたらしたもの、松岡は実は国際連盟脱退に反対だったこと、石原の考えていたことや思想とその影響、日中戦争の戦費の6割が実は対ソ戦向けの拡充計画などに使われていたという事実など、かなり入念に調べて熟知した上で記述されたことが随所に伺える。さらには、二・二・六事件の分析、ゾルゲの日本分析、日中戦争が宣戦布告なき戦争になった理由などの説明は、簡潔ながら的確で鋭い。 ひとことで言うなら、本当によく調べて、熟知した上で書いている。既に日中戦争や満州事変に関してある程度詳しい知識を有している方でも参考になると思う。秀逸な歴史書である。
日中戦争とは何だったのか
一冊のなかでその時代の出来事を時系列的に駆け足で追っかけてきた印象がある同シリーズのこれまでの作品と比べ、第5編である本書は、ひとつの事象を深く深く掘り下げているという点で明らかに趣を異にしています。 その事象とは「日中戦争」。1931年満州事変から太平洋戦争終結までの15年戦争とも呼ばれますが、本書では、満州事変を引き起こすに至る遠因の日露戦争まで遡り、大政翼賛会発足の41年までの国内・国外(中国国内も)のパワーバランスの変化を、膨大な資料をもとに克明かつ丹念に解説していきます。 その根底にある本書のテーマは「日中戦争とは何だったのか」という問題提起。「日本国民は当時この戦争を戦争と認識していたのか」という序章での問いかけは、この戦争の本質をシンプルに突いているように思います。 ただ、新書にしては量も質もあまりにも多く、解説が詳細にわたるため、この時代や歴史的事実に対する予備知識がないとかなりしんどいと思います(ちなみに私は息子が持っている「マンガ日本の歴史」と併読しました)。 学校で教わった歴史の印象が変わる面もあり(国際連盟を脱退したのは松岡洋右の考えかと思っていたら本人は脱退反対派だったとか…(笑))、しんどいながらも新しい発見のある一冊です。
優等生だったはずなのに・・
 本書は「条約と国際法」の解釈をめぐるすれ違い、という観点から1930年代前後の日中関係の複雑さおよび戦争にいたるロジックを読み解いた読み応えのある一冊だ。特に印象的なのは、張作霖爆殺から満州事変さらに日中戦争に至るまでの直接軍事行動を当の日本軍は一貫して「報償」「復仇」としてとらえていた、という記述だ。つまり、日本の満蒙に対する「特殊権益」はきちんと国際的な協定や条約で認められたものであるのに、中国側がそれを全然尊重しないばかりか邪魔ばかりするので、日本は正当な権利の行使として武力を用いてそれらを排除するのだ、というロジックである。  当時の日本においては、軍だけではなく政府の中にも、そして世論にもこのような「無法者」中国に対する優越感の混じった被害者意識がかなり強固なものとして存在していた。しかし、その被害者意識の根拠となるはずの、満蒙に対する日本の「特殊権益」が具体的に何を指すのか、あるいはそれがどのような根拠でどの程度国際的に認められているのか、ということに関する統一見解はどこにも存在しなかった。さらに、第一次世界大戦後のワシントン体制の成立とその揺らぎ、北伐を開始した国民党政権に対する列強諸国の態度の変化といった国際情勢の変化の中、日本の「特殊権益」に対する国際社会による承認は次第に自明なものではなくなっていた。不確実な状況に対する解釈・判断の違いは当然その「解決法」をめぐる意見の対立や混乱を生む。かくして、もともとあくまでも国際法や条約を根拠に自らの「権益」を守ろうとしていたはずの日本が、ついには自ら国際連盟を脱退する羽目になってしまう。「無法者」に対する優越感の混じった被害者意識を持ち、一生懸命国際情勢についていこうとしていたはずなのにいつの間にか自分だけハズレ者になっていった当時の日本外交から、反面教師として学ぶべき点は多そうだ。
せめぎ合いの歴史
1930年代の極東をめぐる国際関係は、周辺国や欧米列国の思惑が複雑に絡まりあい、関係各国さまざまなボタンの掛け違い、読み違いが積もり積もっていました。 本書は、当時の各国の政策や軍事情勢、国際法理を丁寧に説明しながら、満洲事変から支那事変に至る日本と極東情勢をわかりやすく解説しています。 著者のよい点は、変に歴史を単純化・図式化するのではなく、当時の一次史料を丹念に読み込むことで、もつれた糸をひとつひとつ解きほぐしていくような誠実な仕事ぶりと冷徹な視線がうかがえること。 いいかえれば、現代の視点からだけ眺めた、最初に結論ありきの「後づけ」史観ではなく、極力先入観を排し、同時代の史料によって戦前の国際関係を活写しているところです。 著者の論が、類書にみられない迫力を秘めているのは、たぶんそのせいだと思います。 もうひとつ。この著者の良心だと思うのは、たとえ新書であっても、エネルギーの注ぎ方にまったく手抜きがないこと。これには驚嘆します。 だからでしょう。著者はハードカバーから新書までさまざまな著書を発刊していますが、どれも古典といっていいほどスタンダードな良書となりえています。 加藤陽子氏は、現代の日本において、もっとも信頼できる歴史家のひとりだと断言できます。
戦前に結果としての現代のヒントあり
 本シリーズの中では、もっとも緊張する時代の幕開けを取り上げている。まさに第二次世界大戦に日本が突入するときの原点とも言うべき重要なときといえる。  いろいろな資料があるものだなーと感心させられるが、それぐらいこれまでの近代史研究が進んでいなかったという証拠でもあるだろう。その理由としては「戦前はすべて悪」ということで、研究の余地なしといった風潮も見逃せない。しかし、歴史の動きにはかならず原因があるものであって、そういう意味では冷静に戦前を知ることは重要であり、本書がその一役を担っていることはいいことだ。  さらにその意味では、単純に「戦争反対」などと叫んで満足している輩にも一徹を加える意味もある。こうした連中こそ、同じ状況になったら、率先して同じようなことをしでかす人間であることはまちがいないからだ。  本書の難点があるとすれば、このシリーズ全般に言えるが、結論がないことではないか。つまり「史観」は何かということだ。もちろん、マルクス史観ではない何かではあるが、その端緒でも示すべきだ。そうでないと、単純に司馬史観は否定すべきではない。そのあたりに、あえて言えば日本の学者の限界を感じる。

徳川将軍家十五代のカルテ (新潮新書)

[ 新書 ]
徳川将軍家十五代のカルテ (新潮新書)

・篠田 達明
【新潮社】
発売日: 2005-05
参考価格: 714 円(税込)
販売価格: 714 円(税込)
徳川将軍家十五代のカルテ (新潮新書)
篠田 達明
カスタマー平均評価:  5
徳川の血
 著者は医師・作家。  『モナリザは高脂血症だった?肖像画29枚のカルテ』、『歴代天皇のカルテ』など、歴史上の人物を取り上げ、その病気と死因を推定した本を何冊か出している。  本書はタイトルのとおり、江戸幕府の将軍15人、それから水戸光圀など家康一族の何人かを取り上げ、病気と死を語ったもの。資料としては、墓所が1950年代に発掘されたときの遺体調査、それから歴史的な文献である。  それなりに面白い本ではあるのだが、前著『モナリザは高脂血症だった』からは落ちると思う。資料を並べただけという感じが強い。スキャンダラスな姿勢も気になる。
アイディアは斬新
医学的側面から徳川将軍を分析するというのは斬新。身長、寿命、子供や側室の数、生い立ちから徳川将軍をみると、随分違った印象を受ける。 しかしながら、著者が考えたことが皆まで書いてある感は否めず、ストーリー性や結論めいた整理は乏しい。また、証拠が不十分なのに著者の大胆な『想像』が展開されているところが散見される点も気になる。著者が独自にあみ出した徳川将軍の覚え方や著者の夫婦間のやり取り等の蛇足が多く、それらがカルテとしての品を落としている。
地味だが真面目でおもしろい
現在NHKの大河ドラマ「篤姫」が人気だが、篤姫が嫁いだ十三代将軍家定が注目されたこともあってこの本を読んでみたら、現実はこうだったのかとまた別の興味をそそられ本全部を面白く読ませてもらった。ドラマで家定がアメリカ公使ハリスと対面するシーンで、家定が片足を前に出して歌舞伎の大見得を切るのだが、これが実は脳性麻痺による不随意運動であったとは! 歴代将軍の位牌の高さが実際の身長を表しているというのも興味深かった。15代将軍慶喜が駿府に退いていた頃、寝室では暗殺者の侵入に備えて側室二人と逆Y字状に布団を敷いて寝ていたらしいが、寝相が悪ければ明け方までYを保てず、三人はXかZのような形になったのではと色っぽい推測もあるが、使われている資料もしっかりしていて、将軍の健康面にスポットを当てた本としてはボリュームの割りにうまくまとまっていて良書と思う。
徳川将軍家分析の新しい切り口,実に斬新な内容,おもしろい!
徳川将軍家についての書籍は数あれど,このような医学・健康学的な切り口での書籍はなかなかお目にかかれない,実にオリジナリティーが高く,『へぇー』という記載も多々,内容は実におもしろいです.だから,すぐに読めてしまいます.筆者は元々お医者さん兼作家,だからこんな切り口で本が書けると言うことでしょう.歴代将軍が埋葬されており,遺骸が歴史的な過去を顧みる標本となっていること,非常に驚きました.当然といえばそれまでですが,そんなモノが残っているなんて,歴史の研究にこれほど有効な手法は無かったかもしれません.また,将軍家がお世継ぎ問題に如何に真剣に取り組んでいたか,要は子作りに励むことが第一の使命と云うことすが,裏事情をおもしろおかしく表記しています.歴史本(研究書)と云えますが,あまりお堅い内容でないのが更に評価できます.
徳川将軍15人のカルテが見られる書。
血筋から病歴、死因の推定、性格、身体的特徴等の切り口から、将軍15人全員についての知識が得られるとても良い書である。まず驚くことは、多くの継嗣をもうけても産まれてすぐに亡くなる例が多く、或いは3歳まで成長するのが至難のワザである。例えば十二代家慶は7人の側室に29人の子女を得たが、無事に成長したのは3名、内男子は2名、一人は十三代の家定、一人は一橋家を継いだ慶昌(但し13歳で病死)、こういう状態であった。公家・宮家からの深窓の姫君は正室となったが、短命、骨格が華奢、四肢の筋肉の弱さ等がよく見られたようだ。一方で各将軍の側室は侍・農民、商人、僧侶の娘で雑種強勢、たくましい。本書を読むに当たっては、同時に「徳川将軍の意外なウラ事情‐家康から慶喜まで十五代の知られざるエピソード」(PHP文庫)を読むことをお薦めする。両書を交互に読み進めることで十五代の将軍全員をよく理解できる。

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 更新日 2009年7月8日(水)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク