とても良い本だと思うので、内容を再チェックし事例等を最新のものにして欲しいですね。 三冊読み比べブランドの分野では、アーカーやケラーの本がスバラシイのだが、他部門の社員にも薦められる安価な入門書を求め、3冊読んでみた。
まず阪本啓一の『ブランドの授業』は解り易いのがよい。本屋で20分で読了できた。だが、残念ながら内容まで薄くなっている。これでは雑談であり、とうてい「授業」とは呼べない。
それに比べ、田中洋の『企業を高めるブランド戦略』は中身が濃い。そもそもブランドが何故効くのか、それを主観で述べるのではなく、院生と一緒に実験を行なって明らかにしている。
それにケーススタディが実践的だ。「成熟した日用品市場に海外メーカーが新製品を投ずるには、どうすべきか?」
「老齢化したロングセラー実用車がモデルチェンジするには?」「バブル期に製品の改善を怠った調味料を再生するには?」といった、なかなか切実で今日的な問題を扱っている。しかも新書だから安い。
石井淳蔵の『ブランド』も新書だから安い。それに、ブランドが商品から離れて一人歩きを始める過程の説明は、独創的であり、気に入った。
ただ、いささか変わった本なので、気に入るかどうかは読者しだい。この本はアマゾンで買う前に、書店で中身を読んでみるとよい。 日本人向けブランド論「ブランドって何?」というそもそも論+強いブランドの構築・維持などのマネジメント方法+事例、のようなベーシックな内容。はじめてブランドについて勉強する方にぴったりだが、ある程度勉強した方にとっても読む価値のある本である。
いい点は、日本人向けに書かれていることだ。翻訳ものを読むとアメリカの事例がほとんどでピンと来ないことがあるが、本書では日本メーカーの製品や、日本に導入された外資メーカーの製品の事例が多く使われており、わかりやすい。また日本の市場や消費者の特性の分析も入っているので、アメリカ製理論を補完する情報としても役立つ。日本で強いブランドが必要になった背景やブランドパーソナリティの箇所など、なるほどとうなずくことが多かった。一通り知っている方でも多くの気づきを得られると思う。
不満な点は、用語の定義の不明確さだ。例えば、新ブランドの開発要素の1つとしてブランドコンセプト(ポジショニング)と書いてある。そして、コミュニケーションの章ではコアアイデンティティという用語が出てくる。これら3つの用語はほぼ同じ事柄を指していると思われるが、それらが何で、相互に何が違うのかをはっきりした方がいいと思う。細かいことのようだが、共通の言葉で会話するために定義は明確でないといけない。また、ブランドはあいまいで感覚的なものとして捉えられがちであり、そういったイメージを払拭する意味でも重要だと思う。