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文学・評論

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OUT 上  講談社文庫 き 32-3 モオツァルト・無常という事 (新潮文庫) 神々の乱心〈下〉 (文春文庫) ハワイイ紀行 完全版 (新潮文庫) レキシントンの幽霊 (文春文庫) ハムレット (新潮文庫) 国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫) 怪しい人びと (光文社文庫) 読書術 (岩波現代文庫) ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ (知恵の森文庫)
OUT 上 講談社文庫 き .. モオツァルト・無常という事 (.. 神々の乱心〈下〉 (文春文庫) ハワイイ紀行 完全版 (新潮文.. レキシントンの幽霊 (文春文庫.. ハムレット (新潮文庫) 国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編.. 怪しい人びと (光文社文庫) 読書術 (岩波現代文庫) ガラスの地球を救え―二十一世紀..

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OUT 上  講談社文庫 き 32-3

[ 文庫 ]
OUT 上 講談社文庫 き 32-3

・桐野 夏生
【講談社】
発売日: 2002-06
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
OUT 上  講談社文庫 き 32-3
桐野 夏生
カスタマー平均評価:  4
一気に読みました
次々に展開されるストーリーに引き込まれて一気に読めます。 3人称の叙述がそれぞれの登場人物の視点から交互に展開されるのは、数人の手記の形をとる「グロテスク」に繋がるものがあります。 人物の造形、描写、プロットの構成、全てが素晴らしく、物語の世界に読者を引き込んで放しません。話が進むにつれて次第に主人公の心の奥底の世界が深く展開され心理小説の様相を呈してきます。あくまでも心の深部にフォーカスしていく進行は素晴らしいです。ただそのぶんラストの話の展開のリアリティーが弱くなっているのが残念でした。
上巻のみの感想?人間心理の闇を抉った快作
「本格ミステリの枠は窮屈で」と中間小説に転向した作家の作品には見るべきものがない、と言う私見を覆した秀作。冒頭に、夜勤の弁当作りのパートに嫌々携わる主婦達の姿を持ってきた事で、「これは倦んだ主婦達の物語」と宣言する堂々とした構成。事件に係る主婦4人の性格設定も良く考えてある。全員、家族や自分の見得のため、生活に困窮しているのはご都合主義かとも思ったが、そうではなく、社会ので生きる人達を対象とした物語なのだ。 殺人を犯したお嬢様キャラ弥生より、死体の始末を"仕事"と捉えて引き受け、淡々とこなす主人公役の雅子は底抜けに不気味でクール。殺人後、その弥生の精神が鈍磨して行く様も、また不気味。私はまだ下巻を読んでいないが、お邪魔キャラ邦子はいずれ殺されるのであろう。"師匠"ヨシエは寝たきりの老姑を看ているが、作者は介護問題を語ろうとはしない。あくまで、人間の心の奥に潜む悪意・不可解さを描こうとしているのだ。私は新聞の記事で、作者が家に篭りっきりで執筆していると聞いたが、弁当工場の描写や死体解体の場面、特に人体を解体するとポリ袋幾つになるとかの描写などは取材や調査が行き届いていると感心した。全体として、あり得ない設定なのだが、場面毎の状況設定や心理描写が巧みで、読者を物語に惹き付ける筆力にも感心した。女性の男・人生に対する鬱陶しい感も良く出ているが、返す刀で女性心理の闇も氷の刃で刻んでいる点にも好感が持てる。主婦4人が"連帯感"ではなく"壁"を持っている点にも着目すべきであろう。 犯罪捜査の過程のサスペンスで読者を惹き付けるタイプの小説ではないので、結末がどう転んでも良いようなものだが、やはり展開は気になる。下巻を楽しみにしたい。下巻のキーは佐竹の復讐譚と宮森の純愛、そして猫か。
妻に殺されない為に男性は必読w
年収200万以下のパートのおばちゃんが、 金ピカのロレックスをひけらかし、 ベンツ乗り回すヤクザを退治してしまう痛快なノワール。 魅力的なおばちゃんや婆さん描かしたら、 桐野夏生 は世界一ですな。 沈着冷静冷酷非情のヒロインの雅子様(43歳)に燃え萌えですぅ! 雅子様って、ネーミングやばくないか?w さりげなく南京大虐殺批判もしているので、 将来発禁になると思うので、すぐ読めww
弁当工場、殺人、死体解体、ヤクザなどが盛りだくさんで怖い話だが、超お勧め
刺激が強すぎて、途中から読むのが怖くなるほどだった。雅子からの仕事を引き受けたヨシエ(師匠)と同じ気分で、やるべきか、やっぱり止めようか、(怖いけど読みたいし)読者の気持ちも揺れ動き、やがて、次の仕事もやらせてくれとヨシエが言う頃には、読者も耐性がついて何でも来いと思うのだが、それを上回る恐怖が途中で用意されている。この恐怖感には嘔吐感が伴う。 弁当工場に勤務する外国人労働者の過酷な生活をテレビで見たことがあったが、この「OUT」を読めばかなり詳細なことまで分かる。読者は主人公の雅子や、チームを組んでいるヨシエ、邦子、弥生たちの生活苦と、それぞれに崩壊している家庭を垣間見る。どうしようもない閉塞感の中で、雅子は弥生の窮状を助ける。助けた理由は、この生活からの脱出につながると直感が働いたからかもしれない。目次では最終章の第7章が「出口」である。OUTの意味はそれである。 素晴らしいエンターテイメントだ。人の心、工場や浴室などの描写は映像が頭に浮かんでくる。心から一読をお勧めする。
これはミステリーなのか?
特に後からはっと気付かされるトリックもあるわけではなく、淡々と物語が進行。何が面白く、何でミステリーとして多くの賞をもらっているのか不明。時間を無駄にした。

モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)

・小林 秀雄
【新潮社】
発売日: 1961-05
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)
小林 秀雄
カスタマー平均評価:  4.5
「批評」と「文学」の境界について
 小林秀雄の芸術批評スタイルは、作品の印象や形式を云々するのではなく、その作者の「美意識」(=この本では「かなしさ」を多用)を扱うものだ。勿論、この本で扱われている西行や雪舟、モーツァルトなどはその伝記的史実自体に謎が多いのであって、古典的作家達がどのように自分の作品を意識していたかなど、正確に解かるはずもない。  小林秀雄もそんなことは百も承知で、むしろそのような批評の対象とスタイルを選択することにより、「批評すること」の不可能性に自己言及してみせるのだ。具体的には、歴史やアカデミックな定説などを堂々と無視して、「私はこう感じる」「私にはこう見える」「この作品とひたすら向かい合ってこう感じた」という、「私」の鑑識眼のみに立脚した文章を書いた。批評家は偉大なる作品を前に、ただ「作品を見ること」しかできないのである。(「美しい「花」がある、「花」の美しさという様なものはない」(「当麻」より)。)  そう考えると、この作品集の中に彼の骨董との戦いを描いたものが出てくる理由も理解しやすいだろう。専門家の書付を参照しつつ「良い」「ホンモノだ」と思って買った骨董品が、あっさり贋作だと判明する一喜一憂に、彼は「作品を見ること」の戦いを論じてみせたのだ。逆にいうと、「作品と向き合った体験」だけを最後に語るために、徒然なる文章をグルグルもってまわって書くので、実は書いてあることの殆どは余程のファンじゃないと頭に残らない。これは何度でもこの本を味わえるということだ(笑)。  こういう批評スタイルに案外似たことをやっていたのが、彼とほぼ同時代を生きた米国のモダニズム美術批評家のClement Greenberg、そしてもう少し後の世代だが、若き日のSusan Sontagもそうだと思う。彼らは「美そのもの」を語ることにトライしたが、結果的に彼らの美術批評は「そんな美しさが判別できる私=書き手」が特権化されざるを得ないような文章だった。(例えば、Sontagの「Notes on Camp」では、何がCampかはっきり判断できるのは筆者だけだ。)  もちろん小林秀雄もそういう陥穽に落っ込ちているが、彼の場合は美文家なのと、特にこの本の場合は題材がどれも日本人が好む平家物語や西行だったりするので、そこが日本人読者にとって儚い趣きを与えてくれる。こういう題材選択や、「見ること」「書くこと」に「自己言及」する身振り自体が、ある種非常に「文学的」なのだが、この点で彼の「批評」は日本の文学史の中で最も「文学的」だったのだと思う。
日本にも本物の評論家がいた
小林秀雄の書いたものは勉強にならないものがない。 「核心に迫る」という言葉があるが、彼ほどこの言葉の似合う人はいない。 また彼の評論には、現代の評論家たちがどこかに置き忘れている、 品位と読み手を引き込む知的探求心が備わっている。 日本の評論(評論家たち)は元来、エッセンスをつかむために、 エッセンスの周りにこびりついているカスのようなものをこすり集めて、 得意気に(或いは澄まし顔で)それらを振り回すだけのものが多い。 読後、「だから何ですか?」と執筆者に直接問いたくなる評論が実に多い。 そんな中、一足飛びにも二足飛びにも作品の本質に迫ろうとする小林秀雄の 評論は読んでいて、時に難しいが、実に気持ちが良く、爽快さ・痛快さすら感じさせるものもある。 本書は短編集であり、小林秀雄入門に最適な一書。 読書家のみならず、あらゆる芸術・学問を愛好する人、志す人に小林秀雄を読んでもらいたい。
言葉の重み
今でも(月並みですが)文章や言葉の力、というものに気付かされた最初の書であったような気がしてます。あたかも年老いて節くれ立った松の木の枝振りを目で辿っていくような錯覚/幻惑を感じます。モオツァルトの一枚の写真から展開するくだりなどは、読者は一体どこに連れて行かれるのかという不安感さえ覚えます。その陶酔感が忘れられず手放せなかった時期が痛いように懐かしいです。どう書いたところで本書に近づける訳ではありませんが、やはり文学的にはひとつの金字塔といえるのではないでしょうか。
芸術論の精華
20年ぶりに読み返してみて、その密度の濃さに感心した。ゲーテ、ベートーベン、ワグナー、ニーチェ、ヴァレリー、スタンダールなど芸術家の話を、興味深くに取り入れながら、モーツアルトその人の芸術を浮かび上がらせようとしているかのようだ。文章の巧みなこと、はなしのほかで、後代の批評家がかわいそうになるほどだ。エセーとは文章による芸術だ、と痛感させられる。だが、やっぱりこの人は個性が強烈過ぎて、この人の著述から、テーマになっている芸術家や作品が、ありありと浮かんできたためしは無い。本作品に限らず、「平家物語」だろうと「西行」だろうとそうだ。著者の作品は見事すぎるぐらい見事だけれど、どういうわけだろう。本当に、著者はモーツアルトを聞いてこんな風に感じたのだろうか。するとやっぱり「他人をダシにして己を語る」ということなのか。それは余りに品が良くないので、そうは思いたくない。モーツアルトは「オペラだ」という河上徹太郎の言い分が、少なくとも「対象」には合っている。本書は、どれも珠玉の傑作ぞろいの文庫本だ。
メランコリックなモーツァルト像
 音楽について批評するなどというのは愚かなことだと思う。ましてや、モーツァルトという大天才について、何を語ることができようか。それでも本書を買ったのは、やはり小林秀雄だからである。いきなりゲーテのエピソードから始まり、《僕の乱脈な放浪時代の或る冬の夜……》と自分の思い出を語り出す小林秀雄は、他の批評家とは異なっている。 《二重瞼の大きな眼は何にも見てはいない。世界はとうに消えている。或る巨きな悩みがあり、彼の心は、それで一杯になっている。》  これは全くの空想であるが、筆者の目にはこのようにメランコリックなモーツァルトが映ったことは興味深い。

神々の乱心〈下〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
神々の乱心〈下〉 (文春文庫)

・松本 清張
【文藝春秋】
発売日: 2000-01
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
神々の乱心〈下〉 (文春文庫)
松本 清張
カスタマー平均評価:  4.5
鮮烈な群像劇
強烈な信念をもって生きる登場人物。特高のやり手にしては生身の人間らしい吉屋謙介、行動的で、好奇心旺盛な華族の萩園泰之、そして謎の人物横倉健児・・・それぞれの男達に感情移入ができる。女性陣も強くてスゴイ!萩園の妻、まさ子は先斗町出の粋な京女、萩園の姉、彰子は毅然とした宮中の女官。広島の旅館の女将、川崎春子は随所に“名演技”を見せる。在満州では、頭がいい吉林省の旅館の女中、坂下キク、九臺に住む江森静子は不思議な霊力をもつ・・・加えて実在した、大本教の出口王仁三郎、張作霖、溥儀らが要所要所に登場し(もちろんセリフはないが)深みを与えている。まさに1933年から35年の日本にタイムスリップした気分になる。前半は、連続して死体が発見されるという展開。世情や風景が、目の前にあるような記述なので、臨場感に浸り読むことができる。そして、吉屋と萩園が、奈良、埼玉、広島、栃木をロードムービー風に、二人別々に謎を追うという因縁もおもしろい。中盤の「満州編」は異国情緒たっぷり。浪漫を感じさせる。この章のエピソードがあればこそスケールの大きい感動作になったと思う。終盤は、国際連盟脱退後、不穏さが漂う日本、事件の真相、意外な人間関係、一部の顛末が明らかになってくる。宮中の内情やしきたり、女官の同性愛、新興宗教の弾圧、阿片を介した満州支配、関東軍のテロ、実在した歌人・華族の醜聞、禁忌のオンパレードなので、まさに“今”だから著述できたのであろう。華族礼遇も特高警察も、古墳盗掘者も、そして「不敬罪」も今はない・・・過去を反省するのではなく、大戦前夜、激動の予兆を感じながらも逞しく生きた、有名無名の人生、(良くも悪くも)彼らの力強さにあやかりたい。未完の本作は、いくつかの疑問が明かされないまま終わる。しかし、彼らがその後どうなったか想像する楽しみは大いに残る。読後の感動や余韻はしばらく消えないだろう
清張未完の大作
やっと2遺体の身許が判明し月辰会の謎が明かされ始めた時、さらに一人の遺体が見つかる。謎はふかまるばかりなのだが、背景が鮮明になってきます。
殺人事件の謎が解けクライマックス、どうなるんだ。かと思いきやそうではありません。
清張は平成4年4月に倒れ8月4日、完成半ばで逝去されました。

新興宗教を用いた清張作品は結構ありますが、私なりには、月辰会で天下を盗ろうとする野望は想像もつかない事です。
最後の展開は、自分の想像でいいと思います。
素晴らしい大作ですが難しいです。


ハワイイ紀行 完全版 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ハワイイ紀行 完全版 (新潮文庫)

・池澤 夏樹
【新潮社】
発売日: 2000-07
参考価格: 940 円(税込)
販売価格: 940 円(税込)
ハワイイ紀行 完全版 (新潮文庫)
池澤 夏樹
カスタマー平均評価:  5
ハワイの魅力
ハワイを訪れる機会があり、友人に勧められたのがこの本でした。 ハワイはいわゆる“観光の島”というイメージがあって、 あまり興味がなかったのですが、これを読んで一変しました。 ショッピングやビーチで寝っ転がるだけがハワイじゃない! 楽園という意味が初めて理解できたような気がしました。
読み物、観光ガイドとして出色
ハワイのガイド本は幾つもあるようですが、この本は、1年かけても出かける前に読んで損の無いものでしょう。 私はこの本で、あの首に掛けてもらうレイと日本の節句の菖蒲が、その植物の生命力を身にまとうという点で、共通することを知りました。その様に自分に引きつけて読むと、楽しい1冊になるでしょう。 ぼんやりとハワイの陽光を楽しむばかりでなく、こうした本を抱えて楽しむのが、これからの観光の真髄となるのではないでしょうか。
Hawai'i 語とその上に咲く文化への讃歌
この本は観光案内ではない.Hawai'i の歴史に始まりHawai'i語の歴史に注目する.一時は全面禁止にまで追いやられた言語が,有識者達の努力によって復活し,遂にアメリカの一つの州の公用語のひとつとしての公的地位を獲得すると言う驚くべき物語が詳細に語られる.そうしてその言葉の上に咲く,神々への捧げ物としての踊りが目覚しく語られる.私はこれほど感動的な話をほかに知らない.著者が Hawai'i にこれほどの思いを込めるのは,日本が持つあと二つの文化 (オキナワとアイヌの文化) に深い憂慮を抱くからであろう.私もこの問題に憂慮する者なので,この本の意図はよく理解できるし,この本にめぐり合えたことを仕合せに思う.なお,Mauna Kea の頂上には私も行ったが,その時はまだ日本の 8.2m 望遠鏡は着工前だった.ここに語られた文理両道の話はその意味で特によく分かる.
ハワイを単なる観光地から血の通った土地と人へと認識変換させる本。文庫本なので旅行に持っていって!
500ページを超える重量級の本。ここにいろいろな角度から見たハワイイ(ハワイではなくこう呼ぶのがハワイ語に忠実ということ)が描かれる。 火山の島ハワイ島、ハワイの動植物とその由来、タロ芋から見た農業とその搾取、カメハメハ王と帝国主義下のハワイの歴史、フラダンスとレイの真の意味、ハワイ語の保存、サーフィンの発祥地としてのハワイ、海を渡ったハワイ人とその航海術、ヨットの話、鳥とミッドウェイ島、ハワイ島の日本人がつくった「すばる」望遠鏡。 最後の二つを後に足して、この完全版ができたわけだが、僕が個人的におもしろいと思ったのは最初の火山の章。ちょうどキラウェアを観光する前に読んだので、この、今はすっかり黒く冷たくなった溶岩が、ちょっと前まではどろどろと流れていて、そこに住んでいた人の家を少しずつ飲み込んでいった事実を知った上で、生きた溶岩が海に流れ落ちるエントリーポイントを遠くから眺めると非常に感慨深いものがあった。 あと、サーフィンの話もおもしろい。どちらかというと、読書家で生真面目な印象を受ける筆者が一度サーフィンのまねごとをしただけでハマったほどおもしろい。サーファーの言葉が感動的だ。「あと一年の命ですといわれても、やるのはサーフィン。あと一ヶ月の命ですといわれても、やっぱりサーフィンをする」。 僕はワイキキでやろうと思っていたら、とんでもない人の洪水だったので、結局できなかったけど、日本に帰ってきてから絶対やろうと思った。 とにかくこの本を読むと、ハワイを単なる観光地だとしか考えていない人たちにとって、ハワイを立体的で血の通った土地であることを認識させられる。僕のように観光しながら読むといいだろう。飛行機も7時間かかるし、プールサイドで一休み、読む時間はたっぷりある。
ハワイイ紀行 完全版
日本で言えば、幕府の時代からの歴史を知り、 現在を知ると言う観点から、 非常に精査した歴史本。 ハワイを好きになればなるほど行けば行くど、 ハワイの歴史を知りたくなる、そんな意味からも とても参考になる一冊です。

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

[ 文庫 ]
レキシントンの幽霊 (文春文庫)

・村上 春樹
【文藝春秋】
発売日: 1999-10
参考価格: 480 円(税込)
販売価格: 480 円(税込)
レキシントンの幽霊 (文春文庫)
村上 春樹
カスタマー平均評価:  4
彼だけ
 物語に、序破急は必ずしも、必要ない。  読中読後に、自身が内包されている世界の、時の刻み方、 密度といった基調が揺らぎさえすれば良い。  そんな、少し憂鬱な気分にさせてくれるのは、彼だけ。
魂の救済、そして光の射す方へ
村上春樹90年代の短編集。 「レキシントンの幽霊」「緑色の獣」「沈黙」「氷男」「トニー滝谷」「七番目の男」「めくらやなぎと、眠る女」以上7つの短編が収録されている。 タイトルを見ればわかるとおり、いずれも村上春樹的個性を持った素晴らしい作品ばかりであるが、特に注目に値するのは「沈黙」と「七番目の男」だろう。 「沈黙」では、とある事件をきっかけにクラスメイトから無視されるようになった少年の苦悩を描く。彼はいかにしてクラスメイトからの突然の黙殺という仕打ちに耐え、それを乗り越えていったのか。 「七番目の男」の主人公は、少年の頃に親友と海を見に行くが、突然の大波に親友をさらわれてしまう。迫りくる大波から親友を助けることができたかも知れないのに、彼は恐怖にかられて自分だけ逃げてしまった。以降、彼は波の恐怖と自責の念にさいなまれながら生きていくことを強いられる。 この2つの短編に共通しているのは希望が明確に描かれていることだ。いずれの主人公も最終的には困難と和解し、精神的な救済を得る。 短編長編にかかわらず、村上氏がここまで明確に希望へとその舵をきったことはなかった。 そして、この作品から10年たった今、この2つの短編は氏が今後進んでいく方向を予告していたと言える。
いたぶり方が…
「緑色の獣」に関して…『ねえ獣、お前は女というもののことをよく知らないんだ。そういう種類のことなら私にはいくらだっていくらだって思いつけるのだ。』…ぶ、ぶっ飛んでいます。そしてやられっぱなしの緑の獣は可哀相だけど確かにキモイです。やめてやめてと言いながら反撃もせず逃げもせず、ただただ主人公の攻撃を喰らっているその様はSとMの関係にも似ていますが、微妙に異なるような気がします。 ぱっと連想したのは「ジョジョの奇妙な冒険」のジョルノ編で出てくる本体の無いスタンドを、スパイスガールズがクローゼットの中にあった衣文賭けのポールでなぶり殺すシーンでした。 いやー、どっちも気持ち悪いなあ。もう忘れよう。
風呂でも読める
 例によって不思議な、空想的な話が七編。少し恐いテイストの話(「氷男」等)もあるが、基本的にどれも軽く読める。風呂に入りながら、空いた時間にさらっと読める。読後感も良好。
淡々。
何か、掴めそうで掴めない感じの、不安定な短篇集。 「氷男」と「トニー滝谷」とは、類似品のよう。 全体的に読み易く、同氏の長篇よりも好ましい。 だけど、1冊読めばもう満腹といった感じで、余り、これ以上この作家の作品が読みたいとは思わせてくれない。

ハムレット (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ハムレット (新潮文庫)

・シェイクスピア
【新潮社】
発売日: 1967-09
参考価格: 420 円(税込)
販売価格: 420 円(税込)
ハムレット (新潮文庫)
シェイクスピア
カスタマー平均評価:  5
なぜこんなに優柔不断なのか
ある瞬間、僕は知る。すべての価値が足のしたから、 崩れ去って、何も残ってはいないことを。 それからまもなく、支える価値のなくなった生から、 僕が、  立ち去るほかに方策がなくなっている四辺のたたずまいを。 どれほど思い出そうとしても男の顔は木の葉梟。女の顔は狐面。 顔とはなに?殺ぎ取られた鋭い切り口で、そこから新しい価値が生まれるのだが、 僕は気付く。僕には、顔がないことを。 蕩児がいて戻ってきても、帰る故郷も、入り口もない。 生きてる者を最後迄待っていてくれるのは死。世にもやさしい死。   そして僕はみる。すべてを喪った、無価値の世界の表情を。 満潮に飲まれて沈む樹林と、かつて生きていたものの愛と、肌明かりを。」 「価値」金子光晴 この詩で歌われているような心の状態にあることが、ハムレットの優柔不断の原因に思える。 訳もいくらか古風で大仰なところが却っていい。
悲劇の王子
マクベス、ハムレット、リア王、オセローの4大悲劇と言われる作品のひとつ。 父王が叔父に毒殺され、母親までも叔父に寝とられてしまっている、その事実を幽霊となった父王から知らされる。 物語の序盤からして悲劇である。 悲劇の主人公としてハムレットは復讐に燃えるかといえば、意外とうじうじとしている。 父王の幽霊は悪魔のこしらえたものかも知れない、と。なかなか行動に移さない。 そうこうしているうちに、叔父には先手を打たれるし、オフィーリアは残念なことになるし、ハムレットの気弱な性格が悲劇に拍車をかけている。 「生きるべきか死ぬべきか、悩むべきか悩まないべきか、行動するべきか行動しないべきか・・・」物語の流れがすべて、ハムレットの苦悩とリンクして進んでいく。 全体を通して沈鬱な雰囲気が漂っているのは、ハムレットが深刻に悩みこむ悲劇的な性格の王子だったことである。 個人的には、ハムレットはうじうじし過ぎに感じた。 劇として、成功するかしないかは、ハムレットの性格がどれだけ説得力をもって観客に伝わり同情を得ることができるかというところに尽きるような気がする。
原文を読みたくなりました!
シェイクスピアは「マクベス」を先に読んでいたのですが、他の作品も読みたくなりました!約がどうとか、演出がどうとか、そういうことはわかりませんが、「復讐」の是非を考えさせられました。本書では、死んだ人が復讐を「望んでいる」という前提で事が進みますが、実際は死んだ人の気持ちははわからない。それに前王も、この結末は望んでいなかったはず。はたして自分なら…。最後に原文を読みたくなった理由ですが、本書の「シェイクスピア劇の演出」に、約文は原文の「美の90%は死んでおります」とあったからです。次に読むときは原文にチャレンジします
一振りの香水の香りが あたりを漂う
 高校時代の一夏に演劇をやった事がある。文化祭の一環に演劇コンクールというものがあり それの練習で夏休みを費やしたわけだ。僕の行っていた高校はかような行事が大変盛んで 授業より行事で存在感のある人が尊敬されていた。  そんな夏に 演劇コンクールのために 新潮文庫でまとめてシェイクスピアを読んだ。何か役に立つと 15歳の僕が考えたのだろう。  今考えると 15歳にシェイクスピアはちょっと荷が重かったと思う。口ではシェイクスピアが描き出した「人間の苦悩」というような話をしていたが 所詮たいした苦悩などしてきていない高校生の生意気だけであった。それはそれで青春時代のエピソードとして 今でも僕のどこかに残っている。  シェイクスピアというと まずは本作ということになると思う。ハムレットは読んだことがなくてもハムレットという名前は皆が知っている。「ハムレットの心境」とは今でも良く使われるではないか。 「To be , or Not to be. That is the question」という言葉は 映画「荒野の決闘」でドクホリディが朗読した場面での有名だ。  そうして それがシェイクスピアの凄みである。シェイクスピアの一つのセリフが出てきた瞬間に その映画、その舞台、その場面が がらりと雰囲気が変る様は良く見られる。俗な言い方をすると一瞬にして香気がただようとでも表現すれば良いかと思う。その雰囲気は 一振りの香水にも似ている。  「To be , or Not to be. That is the question」。そう それは誰にとっても 何時になっても問題なのだ。  
クレメンタイン=オフィーリア、チワワ=ガートルード
ジョン・フォードの『荒野の決闘(いとしのクレメンタイン)』という映画を見ると、フォード監督は清純派よりもチワワのような「魔性の女」タイプのほうが好きなのでは?と思ってしまう。ただ、西部劇を見に来るような客というのは逆の嗜好である可能性が高い。その辺のジレンマがあの映画に出てたような気がする。ラストに「クレメンタインという”名前”は好きです」という台詞があるのは一種の皮肉かと思った。 『ハムレット』を読んで同じようなことを感じた。

国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)

・司馬 遼太郎
【新潮社】
発売日: 1971-11
参考価格: 740 円(税込)
販売価格: 740 円(税込)
国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  4.5
「岐阜の人間なら一度は読みなさい」で始まった
「岐阜の人間なら一度は読みなさい」知人に勧められ初めて手に取った司馬文庫。 読むと今まで何気なく見ていた金華山に無性に登りたくなります。 岐阜城から鷺山を見下ろしたくなります。 常在寺の斎藤道三の肖像画を拝見したくなります。 岐阜公園の歴史博物館に足を運んでみたくなります。 なにより岐阜が好きになります。
もてる男
面白かったが、すこし冗長なところもあった。 たしかに私のような歴史音痴が読めば、それなりに勉強にもなる。 道三は不自然なまでに女にもてる。 なんとなくジェームズ・ボンドのような道三である。 司馬遼太郎はこの作品で、当時人気絶頂だった「007もの」を、日本史のなかで創ろうとしたのだと思う。 その時、咄嗟に閃いたのが斉藤道三だったのだろう。 異常に強く、度胸があり、頭の回転が早く、神出鬼没で幾つもの国を股にかけ、幾つもの顔を持ち、伝統をバカにし革新的な手法で勝ちまくる。出てくる女は皆、惚れてしまう。 初代ジェームズ・ボンドのような道三だった。
名作かつ人生を変える本
司馬作品はすべて読みましたが、個人的にこの作品、特に「斎藤道三編」が二番目のお気に入りです(「竜馬が??」が一番ですね)。 斎藤道三は謎につつまれた人物ですので、大半は司馬さんのつくり話でしょうけど、「ああ、さすが道三!」と手を打ちたくなるシーンが数多く登場します。 道三は知性と武勇を武器に、僧→浪人→婿入り→油屋の主人→旗本→僧→旗本→一国一城の主 となりあがっていきます。人生の起承転結があり、難しいのは「転」の部分だと、道三がいいます。この言葉に、人生を見つめなおしてしまいました。 世の中啓蒙書がたくさんでていますが、おすすめの「人生の啓蒙書」です。もちろん、小説としてもすばらしい!
人間の心理を巧みに描写
 僧侶から浪人、油商人、そして戦国大名へと出世をとげる後の斎藤道三の若き日を描く。  司馬は、道三を、仏教の奥義を極め、人間の陰影を全て達観した超人として描きながら、妙に人間くさい一面も併せ持つ、一個の魅力的な人間として再現。  美しいが身持ちの固い油商の御料さんお万阿を蕩かせ、土岐家の中では才のある斎藤利隆を引き込んでいく。その生き様は、まるで奇術を見ているようだ。  そして、着実に勢力を扶植しながら、自らの野望に突き進んでいく。
道三・信長・光秀
前編が斉藤道三、後編が織田信長と明智光秀が主役となって話が展開します。 戦国物というと色んな武将名が出てきたり大小の数多くの合戦があって関係が煩わしくて何となく読む気がしないなぁと思っていましたが、全くの誤解でした。 道三編は冒険物の要素が濃く、僧の身分から還俗して美濃一国を盗るまでの道三の策謀と行動力が存分に発揮され、話がトントンと進みます。 後編は信長と光秀がほぼ同じか、ひょっとすると光秀の方が出番が多いような気もします。 合戦の模様の描写は案外あっさりしていて、それに至るまでの状況や行動、人間の心情のほうがより濃く描かれています。 最近の研究によると、美濃の国盗りは道三と道三の父との親子二代にわたる事績であり、僧から長井家の重臣になったのは道三の父(長井新左衛門)らしいのですが、 この作品の道三ならば、全て彼一人でやってのけたとしても不思議ではないような気がします。

怪しい人びと (光文社文庫)

[ 文庫 ]
怪しい人びと (光文社文庫)

・東野 圭吾
【光文社】
発売日: 1998-06
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
怪しい人びと (光文社文庫)
東野 圭吾
カスタマー平均評価:  4
粒ぞろいの短編集
日常生活の中で、誰の身にも起こりうる犯罪がこの短編集の共通したテーマとなっていたと思う。東野圭吾はよく小説の中で、人間の深層部分に潜む悪意を(グロテスクではなく)あくまで淡々と描く。そのある意味怖いもの見たさにも似た面白さと、(現実離れしてないだけに)却ってそのリアル感によって読む側を強烈にストーリーへ引き込んでいくコツのようなものを心得ているように感じる。その最たるものは「白夜行」「幻夜」あたりになるのだろうが、この作品でもその趣向は例外ではない。それが顕著に表れたのは灯台の話だが、読んでいてまるで昔の怪談のようなジワッと冷や汗が出るような恐怖感を味わった。そして最後の陰鬱な余韻を残した結末(オチ)といい短いストーリーの中に作者の持つ計り知れない力量を堪能できた。他の作品は若干軽いタッチの作品やハッピーエンドのものもあり、それぞれ毛色も異なるが謎解きの要素も含め、どれも構成のしっかりとした粒ぞろいの短編集だ。
「甘いはずなのに」が断トツにいい!
本作は、バラエティに富んだミステリー&サスペンス7本からなる短編集です。 なかでも印象的だったのは、 中盤になってようやく明かされる過去の失敗を引きずる男が、 客観的には結局どん詰まりに陥るものの、 とりあえずその失敗を乗り越える様子を描いた、「もう一度コールしてくれ」、 そして、胸に暗い塊を抱えてハワイへ新婚旅行にやってきた男が、 あまりにも美しい「献身」を知って涙する様子を描いた、「甘いはずなのに」です。 上記2編の共通点は、過去を引きずる男がそれを克服する姿を描いていることだと思います。 とりわけ後者には、親子愛や夫婦愛が絡められていて、 私の胸を打ちました。願わくば、私も「尚美」に出会いたいものです。
真相はどこに?
楽しい仕掛けが詰まった7編の短編集。 私的には仕事熱心な上司が工場の休憩室で殴られて死んでいたと言う「死んだら働けない」と前妻との間にできた娘を手にかけたのは、今の妻では?と疑い、新婚旅行中に妻の殺害を企てる夫を描いた「甘いはずなのに」が面白かったですね。 読後、いつまでも心に残るという性格の本ではないですが、通勤途中や何かの待ち時間を充実したものにしてくれる1冊です。
誰が一番怪しいのか
七本の短篇が収録されている。情というもの、愛情、無情どちらもそれらに触れられる。 どちらかというと、なんとなくハッピーエンドな物語だが、『灯台にて』のように、陰鬱な情念というか、怨念みたいなものをさらりと写し出している作品もある。 どれもオチが秀逸で、安心とドキドキを繰り返しながら読める短篇集だ。
楽しめた!
探偵ガリレオは正直のめり込めなかったが、この短編は比較的私達の身の回りの事象がテーマとなっていて自分の事のように身近に感じながら読めたから、スイスイ、グイグイと楽しめた。仰々しいオチを用意しているわけではないので、あまり構えずにちょっとした面白話を読めたいと言う感覚で読めば良いのでは。 電車や飛行機で読むには最適かと思います。

読書術 (岩波現代文庫)

[ 文庫 ]
読書術 (岩波現代文庫)

・加藤 周一
【岩波書店】
発売日: 2000-11
参考価格: 945 円(税込)
販売価格: 945 円(税込)
読書術 (岩波現代文庫)
加藤 周一
カスタマー平均評価:  4.5
これはちょっと……
正直な話、この本は読む必要がありません。 無価値、と言い換えることもできると思います。 基本、人によって何を読むかは違うのだと、そして場合や状況によって読み方を変えるのだと、読書家なら既に心得ている事柄を基調としています。 しかも、小難しい知識や論理が読むものをいらつかせます。 今まで自分は、どんな本であってもそれにはそれにしかない価値があると思ってきましたが、本書はそれを覆すほど、価値がありません。 教えてGOOで、読書をする上での理解や集中のしかたや上げ方をたずねた時に本書を紹介されました。 しかしいかんせん、それにはまるでこれっぱちも触れられていないばかりか、それなりの集中力、理解力、知識を有していることを大前提にまことしやかな持論が展開されているものですから、本気で地面に叩きつけてやりたい衝動に何度も駆られました。 さらに、読書の様々なしかたには、自分の価値観とは油と水に例えられるくらいで、相手の価値観も理解できる広い度量が感じる世界を広げるのだと、その価値観に歩み寄りながら読もうとしてみましたが、どうしたことか嫌悪感が拭えないのです。 読まない読書法とやらも、読書に感情があると仮定するなら、その、読まないで読んだ気になる方法は、読書に対する虐待です。 乱読でもいいから、せめて読みましょうよ、と感じました。 ちなみに星1つじゃないのは、納得できる知識や考え方があったことです。 読了後は何故か、苛立たしさや不快感は少なくなっていました。 読む価値はありませんが、金と時間を返せ! と、本書を地面に叩きつける程ではありませんので、それなりの良書です……たぶん……。
高校生にはぜひ一度手にしてもらいたい一冊
 今から25年ほど前、学生時代に出ていた同著者の『読書術―頭の回転をよくする (カッパ・ブックス)』を手にしたことを良く覚えています。先ごろの著者の訃報に接して、久しぶりに同書を手にしたいと探したところ、現在はこの岩波現代文庫版として出されていることを知りました。  思うにこのおよそ25年というもの、私はこの本の教えに導かれるように読書を続けてきた気がします。  開巻一番、著者は「どこで読むか」と題して、かつて理想とされた端座書見を否定して、寝転がって読書をすることを推奨しています。  「正座の姿勢が、不便・不自然であることはあきらかです。人間の身体の整理・解剖学的な条件によって、この姿勢では当然疲れやすい。」  こんな風に医師でもあった著者が説く言葉を、私も実践してきました。  また著者がかつて1日1冊を実践してみたくだりを読んで、学生時代に私も少し目標値をさげて、一年に100冊を目指して真似をしてみたことがあります。  実際には80冊あまり読んだところで挫折してしまいましたが、それでもそれ以前は読書らしい読書をしたことがなかった私が読書好きに変わるきっかけになったのは事実です。  さらには、難しい本を無理して読む必要はない、難しいと思うのは「私にとって少なくとも、いまは、その本は必要でないという点に帰着する」という言葉にも励まされた気がします。  事実、手にした本をすべて欠かさず読了することはなくなりました。私が今求めているという、確かな心の声が聞こえないときには書を途中で閉じる勇気をもつことも大切だと思う自分がいます。  そしてもうひとつ、「およそ本を読むときには、だれでもその本のなかに自分を読むものだ」(52頁)という言葉は、25年前の私のように、読書の喜びをまだ知らない今の若い読者には贈り物といえるものでしょう。  高校生にはぜひ一度手にしてもらいたい一冊です。
読みやすい良質な読書論
エッセイのような読書論。 独特な品のある文体で、さらさら読み進むことが出来る。 自身の体験を踏まえた上で、様々な読書法が網羅されてある。 多読・速読を指南する読書論は多いが、 古典を精読する方法に触れてある点は評価できる。 ただ、もう少し踏み込んでほしいと感じる部分もある。 例えば、あとがきのマクルーハンへの言及。 清水幾太郎『本はどう読むか』も読んでみると、 両著者の思索の深さが比較できるだろう。 多読・速読⇔精読を批判したものとしては、 ショウペンハウエル『読書について』。 「読書の毒」について語っているものとしては、 吉本隆明『読書の方法』なども併せて読みたい。
いろいろな読書術
いろいろな読書術が載っている。 速読、精読は当然として、読まずに済ます術、外国語の本を読む術、雑誌を読む術、難しい本を読破する術などなど。 読まずに済ますなんていうのは「読書じゃないじゃん」とも思うが、これがなかなか面白い。 アマゾンのようにネットの書評が増えているので、ますますこの術は応用できそうだ。 難しい本の読破術で、難しい本が読めないのはあなたのせいではない、と書いてあるのは凡人にはうれしい。 書いている側が下手だ、ともすると書き手がわかっていない、というのは、ソーカル事件で暴露されたものでもあるけど、昔からそういう本は多いんだな、と思わされる。 本を読む場所は、机でなくてもいい、とばっさり。 速読と精読はお互いに必要な関係同士というのもなるほど。 本を読む前に是非。
真の「読書術」
本書は、膨大な数の文献を読破してきた「知の巨人」加藤周一氏が「読書術」というテーマの下に読書の楽しみ方を語るものである。「おそく読む「精読術」」、「はやく読む「速読術」」、「本を読まない「読書術」」、「外国語の本を読む「解読術」」、「新聞・雑誌を読む「看破術」」、「むずかしい本を読む「読破術」」などなど、読む対象の種類や必要性に応じて読むコツやスタンスを教えてくれる。現代にあっては「読書術」というと安易な「速読」ばかりがもてはやされる風潮があるが、本書は、まさに「急がば回れ」であり、正統派の知の体系を築き上げることが実はもっとも着実な「速読術」なのであることを改めて教えてくれる。 多数の文献を読んできた者にとっては決して目新しいことは書かれていない。しかし、著者のこれまでの読書人生の回顧を交えて、こうして系統立てて語られると、「ほう」とか「ああそうだよなあ。」とか、読書のスタンスについて色々と諭されるところがある。読書も数をこなしていくと、ある意味「垢がたまってくる」ものだが、本書は、そんな「垢」を洗い落としてくれるような本だと感じた。

ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ (知恵の森文庫)

[ 文庫 ]
ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ (知恵の森文庫)

・手塚 治虫
【光文社】
発売日: 1996-09
参考価格: 460 円(税込)
販売価格: 460 円(税込)
ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ (知恵の森文庫)
手塚 治虫
カスタマー平均評価:  4.5
今我々が対峙している問題を提議し、人の在り方を説いた啓蒙的エッセイ集
簡易な言葉で分り易く語られたエッセイ集ですが、初版から20数年後の現在に於いてその内容の重要度は増している気がします。 日本人の人間性がかつてない危機に瀕していると訴える辺見庸氏(芥川賞作家)と重なる見解(例、「僕がもっと悲しく思うのは普通の市民が案外、欲望の趣くままに自然を破壊し、金儲けの為なら平気で毒を垂れ流し、殺人兵器をどんどん開発するような社会を支えていることです」「自分以外の人に痛みを感じるには想像力が必要なのです」)が述べられており、地球規模の芸術家足る手塚さんの偉大な思想が垣間見れました。 また本書では、小学生時代はいじめられっ子で、メディアに操作された軍国少年として第2次世界大戦を経験した手塚さんの恩師との出会い、恐ろしい戦争体験、コンプレックスをバネにして描き続けた漫画やアニメの作品に対する思い、子供への希望、生命への尊厳、情報化社会への危機感等がとても分り易く真摯な言葉で語られており、手塚さんの生い立ちやその思想を良く知れる上に、数々の問題への気付きや自身の取り組みを促してくれる今の荒んだ時代にこそ再読されるべき良書です。
手塚作品はこうして出来上がった
尊敬する手塚治虫氏のエッセイ。 手塚氏の死後に編集されて出版されたものだが、手塚氏がどのようなことを考え、伝えたかったのかが驚くほど率直に書かれている。 私が手塚治虫のマンガだけは、他のマンガと区別しているのは、そこに人間として普遍的な「問題」が提示されているからだ。 手塚氏は小さな頃、身体も弱く、細くて毎日学校から泣きながら帰ってきていた。 母親はそんな彼をやさしく包み、当時敵視されていたマンガを大量に買って読ませてくれていた。 それが後の仕事に結びつく。 しかし、その幼い頃の経験がマンガに表れていたとはまったく知らなかった。 彼のマンガのテーマを私は理解出来ていなかった。 手塚氏のマンガには、差別の対象となる「異物」が主人公となることが多いのだ。 たとえば、アトム。 アトムは、未来社会の希望、のように考えがちだが、「人間社会にはなじめない完全無欠のロボット」の悲しみが描かれている。 「三つ目がとおる」では三つ目の男の子、「ジャングル大帝」では一匹だけ白いライオン、「ブラック・ジャック」では顔の皮膚の色が異なる異端の名医。 手塚氏は、自分がコンプレックスの固まりであり、そのコンプレックスの居場所を与えてあげたかったから、これらの作品が出来上がった、と述べている。 なんと浅い読みかたをしていたのかと思う反面、彼のマンガに惹かれていた理由がわかったような気もする。
本の帯がいただけない
この帯をつけた人はこの本を読んだのだろうか? 「教師が生徒に読ませたい本」?? 著者が本の中で押しつけがましかったりしていては子どもには見向きもされないと書いているにも関わらず…。 どんな良い本も作家の言葉を利用し誰かを操ろうとする意図が見えると嫌な気分になりますね
示唆的な未来へのメッセージ
 思うに、手塚治虫の生きてきた時代には「自然」があり、その自然が育まれた想像力を駆使して漫画作品を創作した。そして昨今の時代において、自然もしくは想像力を育む基になるものが失われてきている事を憂いた。それが手塚治虫であったのではないかと本書を読んで思った。  本書には、手塚治虫(1928?1946年)の幼少の事を自分自身で語っている箇所がある。その当時はどんな時代であったのかを知りたい人には、いくらか参考になると思う。  本書は分かりやく書かれている。小・中学生にも理解できるレベルだろう。とはいっても、今の時代そして未来においても、充分に示唆的なメッセージを発している。それがこの本書なのだと思う。
手塚作品、全ての背景が詰まった一冊
マンガに込められたメッセージを文字につづった一冊。
この本が書かれたのは、今から10年以上前のことだが、内容に全く遜色はない。
それどころか、テロや戦争の脅威にさらされている現代の方が、そのメッセージはより現実味を帯びて我々に迫ってくる。
医師の立場としては、既にこの時期から行きすぎたバイオテクノロジーへの警鐘を鳴らしており
そのテーマを「ネオ・ファウスト」に置いていたそうだ。
完成を見ることなく終わった作品に対する熱い思いを読むにつれ、その早過ぎた生涯が惜しまれる。

この本は、若い世代を対象に書かれたものだが
子供を持つ親や手塚のマンガを読んで心弾ませて成長した大人達にこそ、是非読んでもらいたいエッセイだ。

もし、今の大人達が手塚の言う「IFの発想」を持てたのなら
この世の中は全ての人々に取って、ずいぶん住みやすいものになるだろう。


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 更新日 2009年7月8日(水)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク