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[ 文庫 ]
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魔法少女リリカルなのは (メガミ文庫)
・都築 真紀 ・ivory
【学習研究社】
発売日: 2005-09
参考価格: 578 円(税込)
販売価格: 578 円(税込)
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・都築 真紀 ・ivory
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カスタマー平均評価: 4.5
無印とA'sをつなぐ話し なのはとの決着を望むフェイトの話しを軸に、
アリシアが生きていた頃のプレシアの姿や、
アリシアを失う事になる事故の真相、
フェイトの幼少と教育係のリニスが描かれます。
アリシアをとり戻したいという願いが過ぎた、
と言うにはあまりに残酷な結末を迎えてしまいますが、
プレシアが壊れるのも無理ない話しです。
リンディ提督の計らいで実現したなのはとフェイトの戦いでは、
”スターライトブレイカー”がどんな魔法なのか明かされます。
なのはの底知れない実力が垣間見れるというか、
そこまで考えていたとは恐ろしい。
いろいろとこれ読んで納得できました。
時間軸としては無印とA'sをつなぐもので、
本編を見ていない人にはおすすめできない内容になってるので
★は4つにさせてもらいました。
A's11話のための『なのは』 1期アニメ版を見て、サウンドステージを聞いていない身としては、1期最終回のパラレルワールドヴァージョンに感じます。小説を読む人がサウンドステージを必ずしも聴いているとはいえませんから、アニメ版のラストと、小説の戦って、なのはとフェイトがつかむものを描かれたものを選ぶかみたいな感覚になるのではないでしょうか。なのは1期全体を知るにしては浅いかもしれませんが・・・
とはいえ、何よりもプレシア視点が描かれていたことがピックアップすべき所でしょう。1期アニメだけを見る人とすれば、フェイトがあれだけ信じているにもかかわらず、道具的にしか考えていないような悪者おばさんにも見えますが、どうして壊れていったのか、アリシアをとても思っていたためがための過程が描かれていて、ただの悪者という視点ではなくなりますね。この視点がA's11話のフェイトに関する物語や、アリシアの言葉に対する重み(思み?)につながるわけですから、それだけ期待したとして買ったとしても益となる小説です。
なのはとフェイトがもっと好きになります。 フェイトの生い立ちがメインです。
また本編(アニメ)終了後のなのはとフェイトの
「お互いの気持ちに決着をつける為の決闘」が描かれます。
本編では描かれなかった
フェイトの母プリシアのエピソードや師匠リニスとのふれ合いが、
丁寧で読みやすい文章で書かれています。
なのは達がもっと好きになれる、そんな一冊です。
本編の補足って感じ 題名のとおりですね。
ストーリはあまり期待しないほうがいいです。
内容的には、11話から13話という感じの内容なのですが、
微妙に本編とは時間軸が変わっています。
本編は、フェイトとの決戦のあとプレシアとの決戦の話でしたが
この本は、プレセア事件の後に、フェイトとの再戦をやるっていう話です。
ほんの7割くらいは、補足説明です。
なのはの魔法の説明や、砲撃魔道師になった理由や、プレシアがアリシアを失う理由になった事故の話、そしてフェイトの過去の話などです。
これを読むまではプレシアは明らかに悪者っていうイメージだったのが、かわいそうになりました。
本編では詳しく語られなかった内容がこと細かく書かれていて、本編を何度も見尽くした僕でも大変おもしろいと思いました。
なのはファンなら、間違いなく買って損はないと思います。
if 「13話のあと、サウンドステージ03がないとしたら」
という感じのif。
これはこれで、まあ楽しめます。
ただ、☆5つにするかといわれると、そうでもなかったりするので。
アニメにハマっていて、サウンドステージ03を聞いた人向けかな。
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取り換えられたプリンセス 伯爵と妖精 コバルト文庫
・谷 瑞恵
【集英社】
発売日: 2005-11-01
参考価格: 540 円(税込)
販売価格: 540 円(税込)
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・谷 瑞恵 ・高星 麻子
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カスタマー平均評価: 4.5
切ないすれ違い(T_T) シリーズ6作目。
今回はロンドンを離れ、エドガーの領地である一つの村が舞台になります。
火を吐く竜が出てくるなど、いつもよりファンタジー色の強い本作ですが、小説という媒体のせいか、
ファンタジーにイマイチ馴染みがない私でも、気にならずに楽しめました。
さてさて、今回は冒頭から浮気(?)現場を、リディアに目撃されてしまったエドガー。
これは、この頃の彼の迷いを表しているようで、谷先生はとても上手だなぁと思います。
恋愛に関してはとことん軽薄な彼の、その場が楽しければ良いという一見不誠実な恋愛感情は、実は
「特別」を作ることで敵に標的にされないよう、相手が自分に踏み込む領域をコントロールしてきた結果。
自身さえも危ういのに、全面的に守るべき人の存在は、自分も相手も不幸にしかねないから。
元々女好きの彼は女性を絶つことはできず、ならば複数と関係をもつかわりに「たった一人」は選ばない。
それが、好意に応えられないアーミンに対しての精一杯の思いやりであり、同時に、感情の系統は違えど
「アーミンを超える女はいない」という証明だったのではないか、と思います。
けれど、出逢いから特殊だったリディアの存在は、彼の中で日に日に大きくなっていく。
背負ったものは多すぎて感情を優先にはできないけれど、簡単に諦めるには育ちすぎた想いがある。
立場と想い、側にいてほしいけど危険な目にあわせたくない、様々な想いの狭間で揺れ動くエドガーと、
そんな彼の迷いを感じ取り、本心を誤解したままのリディア。
終始、戸惑いやすれ違いだらけの二人の関係はとても切なくて、密度の濃いお話です。
何だかだんAクドクなってきた・・・ 今回は青騎士伯爵の領地編です。いつもどうりエドガーとレイブン、リディアとケルピーなどの
対話(絡み)は面白かったのですが、エドガーがリディアを口説くという行為が
だんAクドクなってきて面白みにかけているような気がしました。
今回は、エドガーが‘ジョン’だったときの知り合いが出てます。
その知り合いの男のほうがレイブンを童顔だという→ムカついたレイブンがエドガーに「殴っていいですか?」と問う→エドガーが許可する→レイブンが殴る
って場面がすごくおもしろくて脳内に焼きついています。
レイブンって実は、童顔ってことを気にしていたんですね。(アーミンが言ってたからマチガイナイ)
でも個人的にはそんなレイブンもかわいくていいと思います。(そんなレイブンも好きです)
この巻は、レイブンのかわいさあふれる(別にあふれてないけど)たのしい巻でした。
とっても最高でした 今回もエドガーのくどきっぷりは最高です。ただ巻が進むに連れて、迷いが生じてきたのは、リディアに本気になった証拠では・・・・でも、
せっかく 二人の関係が進みそうだったのに、エドガーの迷いのせいで、リディアは、故郷のスコットランドに帰ってしまう。その時のエドガーとレイビンのやりとりが結構好きです。全体的に素敵なラブストーリーです。
とても面白かったですv 今回は青騎士伯爵の領地を中心に物語が進んでいきます☆★☆ 伯爵エドガーの女たらしっぷりは相変わらずで、フェアリドクターのリィディアはいつものように振り回されっぱなし。でも今回はいつものようにリディアを口説きまくるのではなくて迷いがあるようでエドガーは逃げ腰になったりもしてます-- でも拒絶し続けてきたリディアが少しずつエドガーを受け入れてきていてエドリィディ好きの私にもリディアが微笑ましく思えました^^ 終わりのほうに連れてはだん×2切なくなってきました><次刊どのような展開になっていくのかも今からハラハラしています♪ ほかにもこの刊はリディアの幼馴染の妖精ケルピーも活躍していますv あとエドガーの従者であるアーミンが不穏な行動をとったりと次刊に期待したいです@@@ほんとうは伯爵と妖精のファンとしては星5つをつけたいのですが登場人物紹介が前の刊と同じだったり挿絵がいつもより少なかったりで星4つとなりました--でも高星さんの挿絵は相変わらず素敵イラストだったので満足しています^^/// ぜひ面白いので何かファンタジー恋愛小説が読みたいなと思う方にぜひ×2手に取っていただきたい小説ですvとてもおすすめですよ!
今回もまたまた・・・ 今回もエドガーとリディアのドタバタラブコメがいい感じです。 二人の関係がぐぐっと近づいてます。ふたりのやり取りが時々もどかしいですがとっても面白いです!
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悪魔人形―少年探偵 (ポプラ文庫)
・江戸川 乱歩
【ポプラ社】
発売日: 2009-07-05
参考価格: 546 円(税込)
販売価格: 546 円(税込)
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・江戸川 乱歩
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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陰の季節 (文春文庫)
・横山 秀夫
【文藝春秋】
発売日: 2001-10
参考価格: 470 円(税込)
販売価格: 470 円(税込)
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・横山 秀夫
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カスタマー平均評価: 4
素晴らしいです。 この人の短編集は本当に面白いものばかりです。
心理描写いつも素晴らしいです。
この本は4つの短編から構成されていますが、どれも楽しめます。
スポットライトを当てられるのが、管理部門の人間です。それだけで、他の警察小説とは一線を画しますが、読んでみて更にその内容の面白さに驚かされることでしょう。
『動機』や『第三の時効』を気に入った方は絶対に読んだ方が良いです。
その他の方も本当のオススメですよ!
渋い警察小説 本作はD県警を舞台とした短編小説4本から成りますが、
共通する登場人物で緩やかに連関しています。
警察が舞台とはいえ、カリスマ刑事を中心にドンパチやるという話とは一線を画し、
聖職に身を奉じながらも、やはり人の子、
人事と出世に意欲を燃やさずにはいられない警察官たちを動揺させる、
警察組織内の地味な事件を取り扱っています。
主人公たちは、内輪の事件の解決を一向に解決できずに苦悩するも、
最終的に、人事や警察組織の疲弊と関連した意外な真実を発見させられます。
本作は著者の警察組織に関する該博な知識が縦横に生かされていると思います。
なお、個人的に最も好きだったのは、
警察の男社会ぶりを如実に示した「黒い線」です。友子&瑞穂頑張れ!
リアリティに共感した 警察小説であるが、凶悪事件を追ったのではなく、
警察組織そのものを描いた小説とは思わなかった。
ありありと淡々と描いてくれる。
社会派だけどすごく読みやすい。
ユーモラスではないが堅苦しくもない。
「周りにもこんな奴おるおる」と、
ただそのリアリティに共感せずにはいられない。
やっぱりこの本から 第5回松本清張賞受賞作。
この本を手にするのは、もう何度目になるだろう。
読むたびに感心させられる。
短編の、短い枚数の間に、細やかにディテ?ルを積み重ねて、リアリティのある
もっといえば厚みのある小説に仕上げてしまう技巧は見事だ。
本書の32ページ真ん中辺りに、以下のような記述がある。
通された和室には神棚があった。大明神の神符が祀られている。
きちんと手が入っているとみえ、白木にくすみ一つなく、供した榊の葉にも深い艶があった。
欄間に、墨痕鮮やかな『治にいて乱を忘れず』の書が飾られ、壁には額に納まった『警察職員の信条』が、恭しく掛けられている。
この4行の描写で、読み手に、尾坂部の人となりを鮮やかに印象付けている。
しかも、この描写がさりげなく挿入されていて、
まったく不自然な感じがないところがすごい。
ディテールの積み重ねでリアリティを出すという手法は、
はまれば見事であるが、
いらないディテールまで書きすぎて、文章が冗長になり、
結果、伝えたいことが伝わらずという
本末転倒な作家が多い(若い書き手に多い)中、
ディテールの取捨選択が出来ており、
伝えるべきことは伝えるという作者の技量はすばらしい。
そして、その技量に裏打ちされたストーリーテリングのうまさ。
多くの読者がこの本を手に取られんことを。
娯楽小説の醍醐味が詰まった短編集 友人に薦められて初めて読んだ横山秀夫の小説です。
多くのレビューにあるとおり、確かに面白い!
警察内部で起こる事件を背景として、
丹念に描かれた立身出世の羨望や計算が主人公をかきたて、
ストーリがーテンポよく進行していきます。
もちろんスリリングな筋書きだけでなく、
予期せぬ驚きの結末にページを繰る手が止まりません。
本書の最後に収められている「鞄」を読む終えると同時に、
同氏の文庫本を買い増してしまいました。
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[ 文庫 ]
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ポケットに名言を (角川文庫)
・寺山 修司
【角川書店】
発売日: 2005-01
参考価格: 380 円(税込)
販売価格: 380 円(税込)
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・寺山 修司
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カスタマー平均評価: 4.5
引用・流用・転用の達人、寺山修司の著作、といっていい一冊 寺山修司は同郷の偉人だということもあって、中学生の頃から多くの著作に親しんできたが、最近彼の業績を改めて考えてみるとその諸作品の底に「引用・流用・転用」という手法が浮かび上がってきて、その視点でこの文庫を読んでみると、その言葉たち自体とは別に、寺山の活動の本質が読み取れてくる。
一著作の中での一定の文脈から一部分を切り出してくることで、その部分が帯びていた意味合いはより自立的、あるいは孤立的になり、そんな言葉を一定の目論見の下で配列すると、編集者自身の意図がはっきりとページ上に実現される。彼の代表的なフレーズである「書を捨てよ、町へ出よう」も元々ドイツの知識人が言った言葉で、書物をもっぱら読みまくる若者が多かった当時の状況へカウンターポジションを取る為に彼が引用した言葉だった(いまでは書を読まないことの正当化に使われているきらいがあるが)。
寺山が「引用・流用・転用」のもつ効果に自覚的だったのは明らかで、そもそもの彼のキャリアの始まりだった短歌や、他には俳句などが含まれる定型短詩形式こそは「引用・流用・転用」の装置でもあり、そうして考えると戯曲の多くも先行の有名戯曲についての流用・転用が独自の寺山の世界を作り上げる技法になっていたことがわかる。映画についても、人づての話だと流用・転用が見うけられるようだし、寺山修司の真価は「引用・流用・転用」を通じた独自の世界の構築、及びそうして残された諸作品の内容、ということになるのだろう。だからといって寺山自身にオリジナリティがなかったかといえばまったくそんなことはなく、着地点として、結果として引用元が表現していた価値付けとはまったく違う境地に至っていることでそれは証明されている。「オリジナル」と称しながら、一般に流通し、容認されている枠内でしか「オリジナル」を作らない/作れない人々(その作品はオリジナルというよりヴァリエーション、変奏曲、変奏物とでも言うべきだと思うのだが)と比べれば寺山のオリジナリティは相当の質の高さを示している。
考えてみれば、日本語の成立・発展過程や日本仏教の発展過程もそんな「引用・流用・転用」効果のもとにあるし、西洋文化についても同様で、また、未開文明の分析でレヴィ=ストロースが言う「ブリコラージュ」というのはまさに寺山の営為を指している。この文庫は、寺山修司という芸術家の「職業の秘密」を、図らずも表象している1冊だ。
どでかい本 本を持っただけで、何かが伝わった気がする。
一文一文が「ガツン!」と響きます
ひっそりと机の上に
ふとしたときに手にとって読める本。
いわゆる格言的な名言ではなく、欧米・日本文学作品が
中心。なかには「?」と考えさせられる、深いものも、
ガツっと響くストレートなものも。
なんとなしにぱらっとページをめくって、そこにある一行の
フレーズに思いを巡らすのは、とてもいい時間じゃないでしょうか。
言語表現の限界に挑む・・・?!(;'Д`)ハアハア (;'Д`)ハアハア さすが・・・寺山である。
高知で産まれただけあってか、高知みたいな詩を描きやがる・・・?!
彼の才能の異端さは・・・まるで高知県・・・高知大学のやうである。
彼に勝てるくらいの才能は、ホッカルさんが知る限り、2人くらいしか知らない。
「私は不完全な死体として生まれた」で始まる有名な詩は、読むものを震え上がらせる・・・?!
寺山修司の感性が見える 詩集や小説、映画などからピックアップした名言の数々を掲載。文そのものは短いが、それぞれに深い意味合いが潜み、また込められていると想像される。
また、寺山の豊かな感性により選ばれた名言集は、彼自身の生き方や思想を写し出しているようだ。さらに、それらの名言たちが、どのような場面で使われているのかを追うことで、私たちの読書分野の幅が広がってくる。色々な意味で、興味をそそられる一冊である。
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[ 文庫 ]
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長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))
・レイモンド・チャンドラー
【早川書房】
発売日: 1976-04
参考価格: 945 円(税込)
販売価格: 945 円(税込)
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・レイモンド・チャンドラー
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カスタマー平均評価: 4.5
ハードボイルドの名作 ハードボイルドの名作。が、自分が読んだ感じでは長すぎた。退屈というのではないけ
れど。
It's A Man's Man's Man's World. 「いっしょに寝ることにきめた」
「お金が目当てなのね」と、彼女はいった。
「シャンペンはおごったぜ」
「シャンペンなんか、なにさ」と、彼女はいった。
ハードボイルドに生きたいアナタにオススメ。
「この世の中のかっこいい本を10冊挙げてください。」
と言われたら、間違いなくその中の1冊に挙げます。
この世の中でロマンチックに生きるためにはタフでなくてはならないと思います。
男の子は、まずは読んでみましょー。
男の友情に惹かれる 推理展開はそれ程、スリリングではないけど、ラストの主人公との友情のシーンは痺れる。マーロウの生き方がいかしてる。
期待していただけに フィリップ・マーロウ、語りすぎな感があって好きになれなかった。台詞もいちいちくさいし。ただ、これは翻訳者の問題もあるのかもしれない。原書ではまた違うのだろうか。残念です。
元祖ロング・グッドバイである。 元祖である。ロング・グッドバイである。
現在巷で溢れている赤と黄色の、拳銃の表紙の、アレである。
アレの元祖である。
僕は10年ほども前に、本書を読んでいるのだが、正直全く内容を忘れてしまっていた。
今回、例の赤/黄/拳銃本を読んだ後、本書を再読したのであった。
ムラカミ版のあとがきにおいて、本書の訳については、若干「細部を端折って」いるとのことであったが、それほど気になるモノではなかった。
ムラカミ版との比較を厳密にするほどの野暮はしておらず、原書との突き合せは一部やったのであるが、確かに比喩や挿入文の一部は訳出されていないトコロもあるにはあった。しかし、同時に「アレ?ここ端折ってる?」と当たってみると意外にちゃんと言葉を拾っていたりして、「しっかりやってるじゃん!」てなことも少なからずあった。
要するに、訳の端折りは、読むに当たってはほとんど問題にならぬということ。
また、やはりムラカミ版が出た「キャッチャー・イン・ザ・ライ」や「グレート・ギャツビー」で強く感じた、訳文の同時代感の喪失というか、要するに「元祖・野崎孝版」の訳文に感じられた古色蒼然たる賞味期限切れ感はなく、「まだまだ、このままでもイケるジじゃん」てな感じであった。
映画の字幕も書いていた訳者によるあとがきも洒脱で良く、1976年という文庫版の発行時期の「時代の空気」がそこはかとなく感じ取れて楽しい。
1988年に亡くなった訳者は、今回のPlay Back「ロング・グッドバイ」をあの世から、どのように見ているのだろうか?
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[ 文庫 ]
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金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記 (文春文庫)
・岩瀬 大輔
【文藝春秋】
発売日: 2009-05-08
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
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・岩瀬 大輔
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カスタマー平均評価: 3.5
我らの時代に 読後は思わず「うらやましい!」筆者の知性、能力、人柄、経験、若さだけによるものではないであろう、その熱さや青さまでもが、もうなんというかずるいくらいに魅力的である。面白い先生の授業にも似て「勉強の話」と「自分の話」がいっしょくたになっているのがまたいい。留学中の思考と感情と経験のすべては、いまだ筆者の中でもふつふつと発酵しているのかなと思う。そのカオスには「文学」すら感じた。
考え抜くこと、あきらめないこと、そして情熱。スキップして仕事場に行けるか、海軍に入らず海賊となれるか、気球に乗って世界を見るも見ないも、すべては自分次第なのである。
羊頭狗肉 賞味期限切れの商品をラベルをつけかえればまだ売れるだろといってまた棚に並べた感想を受けた。
中身は単なる留学体験記です。留学を考えている人には参考になる部分はあると思います。
ただ単なる留学記を金融資本主義批判に便乗して売っちゃえという姿勢には疑問を感じる。
それがビジネススクール流といえば聞こえはいいが。稼げればいいやと各プレイヤーが自己の利益の最大化を目指して起こったのが金融危機だったのではないか。
岩瀬氏のように売れるからとラベルだけ付け替えて本を売り出すのとサブプライムでぼろもうけした連中の違いが見えない。少なくともこの人はネット生保会社の副社長をやっているのなら誠実さを疑われる行為は慎んだほうがいい。留学記としては面白いがタイトルに対しては星1とする。
数年後また読みかえすことでしょう。 単行本も読みましたが、それ以来あらためて読み返してみました。
当時とは違う箇所が印象に残りました。
ヘッジファンドについて書かれた箇所は、あのタイミングの現場のスナップショットとして記憶に留めたいと思います。また、アントレプレナーシップについて書かれた箇所は、普遍的な内容もあるように思います。
数年後あらためて読み返そう、そして、ウチの子ども達に将来読ませよう、そう感じました。
ハーバードMBA留学から起業に至ったキャリアの源泉 著者の留学体験を綴った「ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて」を再編集、文庫本化されたものです。
「ハーバードMBA留学記」を読んだときには、ブログで公開されていたものを本にしたものという印象が強く、一つひとつのエピソードは良くても、一冊の本としてのメッセージが不足していると感じました。
編集にもう少し時間をかければ、すごく良くなるのに・・・と思っていたのをまさに今回の文庫本で実現されていました。
留学中に経験したことを綴ったものだったのが、HBSで何を学び、何を感じたのか、またそこからどのような思いで、ライフネット生命の企業というキャリアに至ったのかというストーリーとして浮かび上がってくるような構成に再編集されていて、まったく別の本を読んでいるかのように感じました。
また、「ファンドバブル崩壊前夜」、「セックスを老後の楽しみに取っておくな」などキャッチーな見出しで、先へと読みたくなるような工夫もされていて一気に読んでしまいました。
ルールメイカーではない 本書の内容にもあるがこの人には信念や新しいものを作り出そうというものがないのだろう。
確かに解説のとおり金融資本主義に疑問は投げかけている部分はあるのだがそれは一応こういう問題点もありますよと指摘しておけば批判されないだろ、頭がいいと思われるだろうという程度の批判でしかない。
口だけの批判でしかないのである。
そんな著者がネット生保を立ち上げたのはひとえに社長の出口氏そしてそれをうまい具合に引き合わせた谷家氏の功績でしかない。
与えられたことをうまくこなす若者そしてハーバードMBAの主席だからマーケティングが武器になる新会社には利用のしがいがあると考えた谷家氏はさすがである。
器用な秀才の器用な分析を読みたい人は読むべきだと思う。
しかしそれは人を動かさないし何の価値もない。
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[ 文庫 ]
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街場の現代思想 (文春文庫)
・内田 樹
【文藝春秋】
発売日: 2008-04-10
参考価格: 600 円(税込)
販売価格: 600 円(税込)
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・内田 樹
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カスタマー平均評価: 4.5
内田樹はなぜおもしろいか? 世の中には、何となくおかしいと思うが、筋道を立てて
反論しにくい、というたぐいの正論がある。
例えば「人事評価制度を公明正大にせよ」とか
「がんばって教養を身につけるべき」とか。
まあ、反論出来ないのは自分の論理力の問題なのだが・・
内田樹はそういうこと(対象領域は何でも)に対して、
少し次元を変えた論を起こし、一般的でない結論を提示
しようとする。
その中のいくつかは、「何となく思っていたけれども、自分では
うまく言語化出来なかったこと」という読者のモヤモヤとシンクロする。
そのスッキリ感が、内田樹の本(またはブログ。どちらでも同じだが)
をむさぼり読んでしまう理由だと思われる。
読後は「俺は元々そう思っていたんだよ。内田樹もたまたま同じ
ことを言っているように」と勘違いが残る。
愉悦である。
現代の「常識」に警鐘を鳴らす 正直、著者のことを知らなくてたまたま手に取った本だったが
読んでびっくり。目から鱗から落ちるというのはこういうことか。
教養とは、文化資本の獲得とは、敬語の真の意味とは、成果主義について、
婚姻制度の意味、夫婦が離婚に至るまで、などなど・・・
俺は他人より教養があって頭が良い、今の会社はなんてつまらないんだろう、とりあえず
転職してやるか、といった考えをもつ若い人に読んでほしい。
自分は本書を読んでいかに自分がバカかと思いました。
俺らしさ、自分らしさを追求してしまいがちな人は
同著者の「疲れすぎて?」も一読をお勧めします。
まあ、一般人にはそう単純にはいかないんじゃないの?という感じる点も
少々ありますが、ためになる本であることは間違いないと思います。
興味深い文化資本 前半部分に記述されている「文化資本」の考え方は、現代においての専門性にちょっとした警告を促す素晴らしい解説です。特に、小中学生を持つ親は、必読のパートと思われます。ただ、後半は、まさにブログの投稿記事をそのまま持ち込んだようなエッセイで、ちょっと拍子抜け。一つ一つをもっと掘り下げて欲しかったな、と感じてしまったので、あえて星4つにしました。
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[ 文庫 ]
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たそがれ清兵衛 (新潮文庫)
・藤沢 周平
【新潮社】
発売日: 1991-09
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
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・藤沢 周平
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カスタマー平均評価: 4.5
こんなふうに、強く優しくそして精一杯の人生を送ってみたい たそがれ清兵衛は第26回日本アカデミー賞を受賞した映画「たそがれ清兵衛」の原作だが、映画はこのほかに、藤沢周平の「竹光始末」と「祝い人助八」を原作としているが、「祝い人助八」のこの短編集「たそがれ清兵衛」に含まれている。
全部で8編の短編小説から構成されているのだが、どれも藤沢周平らしい小説ばかりだ。
主人公は、剣の達人であるが剣客としては生きていない。今の生活を精一杯生きている。
彼らにとって、剣は最優先事項ではないのだ。
しかしながら、すごい剣豪なのだ。
ま、だから今の生活を最優先に生きていけるのだろうけれど。
こんなふうに、強く優しくそして精一杯の人生を送ってみたいものだ。
藤沢さんらしい1冊 映画化もされた表題作を含む8編からなる短編集です。8編に共通するのは、主人公達は、みな、剣の秘術を持つ達人でありながら、普段は、それを出すことがない点。それどころか、うだつのあがらない下級武士たちであり、その性格から、「ごますり」「日和見」「だんまり」等々の有難くないニックネームを頂戴してしまっています。
ですが、お家騒動や家族が事件に巻き込まれたとたん、その秘術でもって、騒動を修める働きをします。しかし、それが終わると、また、元通りの、うだつのあがらない日常生活に戻っていきます。この剣のスーパーマンぶりと、日常の惰性の対比性が面白いのですが、読後さわやかな感じを受けるのは、人間、かくありたいと思わせる魅力を持っているからでしょうか。
藤沢さんの短編集らしい、面白くて、爽快な1冊です。
胸を打たれる時代小説短編集 「そのお役目、余人に回してはいただけませぬか。」
上意討ちの討手を依頼された勘定組井口清兵衛は労咳の妻を思いなんとか断ろうとするが、妻を名医に診せることを条件に討手を引き受ける。
重職会議では上意討ちのための弾劾を始めるところだが、討手の清兵衛はまだ現れない・・・
全八編を収めた短編集で、剣の達人でありながら悲哀に満ちた男を描いたものが多い。
清兵衛のように労咳の妻の介抱に時間をささげたり、剣の腕とは裏腹にごますりに精を出すものなど、男の悲哀とプライドと闘いを巧みに描写しているところがさすが藤沢作品というところ。
胸を打たれる小説が読みたくなった人にオススメ。
人の生き様、人生とは… 藤沢周平の作品をはじめて読みました。
時代小説は「池波正太郎」ばかり読んでいました。
池波作品とちょっと違います(読後感、余韻、人物像?)が、別の意味で楽
しめた作品でした。
この短編集は、それぞれの人(主人公)の生き様を描いています。
それも身分の決して高くない、日々を普通に生きているだけの武士が主人公。
その日々の生活を護る為の生き様。
武士としてより侍として、いや人としての物語集でした。
満足でした!
映画は「蝉しぐれ」「武士の一分」を観ました。
「たそがれ清兵衛」の映画はまだ観ていないので、DVDを観てみます。
さあ?次はどの作品がいいかな…。
若い人でも読んで楽しめる 時代小説にまつわるイメージによって
この種の小説をなんとなく遠ざけていたのですが…。
素直に面白かったです。
若い人が読んでも、楽しめる。
エンターテイメント小説だと思います。
(そんな風に言ったら、失礼かもしれませんが)
内容については、私は、この小説をヒーローものとして捉えました。
冴えない主人公が、実は抜群の能力を持ち
多くはないが誰かのヒーローとなる。
そのカタルシスがたまらないです。
今まで時代小説として敬遠してしまっていたことが、
もったいなかったと思わせる小説でした。
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[ 文庫 ]
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孤島の鬼 (創元推理文庫)
・江戸川 乱歩
【東京創元社】
発売日: 1987-06
参考価格: 693 円(税込)
販売価格: 693 円(税込)
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・江戸川 乱歩
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カスタマー平均評価: 5
読まないで欲しい 別の出版社の本であったが、中学2年の夏休みに
「孤島の鬼」を読んでしまった。
少年向けの乱歩シリーズは小学生の時にほぼ読破し、
大人向け(?)の乱歩を読んでいる時期であった。
中学2年の夏休み一番の思い出が
「孤島の鬼」になってしまった。
他の方々のレビューを見て嬉しくてしょうがない。
「本当にそうですよね」って。
それなのに意地悪な気持ちに
なってしまうのはなぜだろう。
こんな面白い本を人に教えたくないと…
東野圭吾でも読んで喜んでればいいさって
(残念ながら推理小説、ミステリー小説で
「孤島の鬼」以上の衝撃を
30年以上過ぎた今も味わっていない。)
乱歩に興味を持った長男に
「面白い本貸して」と言われて
「大暗室」を渡した自分は父親失格だ。
「異物」 奇形、同性愛、孤島・・・ぱっと思いつくだけでもこの小説からはこれらの「異なる」キーワードを上げることができる。
人は異なる物に惹かれるものである。
特にこの小説の「同性愛」の描写にはとてつもなく惹かれる。
同性愛というのは子孫を残す為の本能的な愛ではなく、ただ純粋にどこまでも野生的な愛であってその執拗なまでの性、歪んでしまった心、全てがツタのように絡まりあってこの小説の閉塞された不気味さを演出している。
その「同性愛」の美青年と主人公があるところに迷いこみ、生死の境目になった時の描写も素晴らしく怖い。
人間追い詰められたらああなるのかと思わず鳥肌が立ってしまうほどだった。あれが普通の異性同士の恋愛なら滑稽に見えて笑ってしまうようなシーンでも、それが究極の野生的な愛である同性愛に置き換えるとどうだ、何倍にも怖く、また何倍にも悲しく見えるのだ。
「奇形」というのも一つのテーマだ。
あるべきものが無い、あるいはありすぎるというのはそれだけで非常に不気味だ。それに加えて普通の人間より人間らしい感情を持っているとなるといよいよ恐怖でしかない。
さらに、これらのイメージをより印象的にするために、この小説にはしばしば美しい風景の描写がでてくる。その風景とそれらの「異物」を同時に並べるとより不気味さが増す。
この小説はそれらの不気味さが上手くマッチしてとても面白いものになっている。
しかし、これほどにページをめくるたびに感情を変わらせられる小説も珍しいのではないかと思う。
不気味だと思ったら虚しく、虚しくと思ったらまた不気味に・・といった調子でグルグルグルグル回せられる内に読み終わってしまう。
これを読み終えたら色々な事に対して不気味さを感じるようになるだろう、しかしそれぐらいの代償を払ってでも読みたい一冊だ。
掛け値なしの乱歩の最高傑作です! この本を初めて読んだのが28年前。
余りの面白さに4時間位で寝るのも惜しんで読み切りました。
その後読み返すこと数度。
その度にこの本の面白さに痺れます。
THE 江戸川乱歩 大体のあらすじを以前知人から聞いて知っていたけれど、題材となっているテーマに少し拒否反応を示していて手をつけずにいた作品。
なぜ今まで読まなかったのか、と後悔するくらい面白かった。
江戸川乱歩ワールドがこれでもか!というくらい展開されていて(詰め込みすぎ感も少しあったが・・)、次々明らかになる衝撃の事実を知りたくて、
どっぷりのめり込んでしまった。
乱歩らしく少々グロい場面もあるが、その描写も美しく嫌な後味は残らなかった。
まさに人外境での話、という感じで身近に感じられなかったせいもあるかもしれないが、それでもリアリティは十分にあった。
後半部分は特に、極限状態に陥った人間の体温、匂い、息づかいまでが伝わってくるようだった。
しかし、なんといってもこの作品の一番の魅力は、皆さん書いているように、諸戸の情熱的でありながらも純粋な恋心かもしれない。
うす気味の悪さも正直感じたが、彼の地獄のような生い立ちと、主人公に向ける献身的な同性愛感情に、胸がしめつけられる思いがした。
乱歩の作品を一度でも面白いと思った事がある人は、確実に好きな作品なのではないだろうか。
★五つのレビューしかありません 皆さんおっしゃる通り、大傑作。乱歩の小説はほとんどすべて読みましたが、これが白眉。わたしにとって、小学生のとき、青銅の魔人から始めた乱歩の世界はここに極まりました。(でも、ほかのもみんな好き)
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