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[ 新書 ]
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女装と日本人 (講談社現代新書)
・三橋 順子
【講談社】
発売日: 2008-09-19
参考価格: 945 円(税込)
販売価格: 945 円(税込)
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・三橋 順子
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カスタマー平均評価: 5
女装家が果たすべき文化的役割 「女装」を通して、日本の神話や宗教、歌舞伎や戦後のニューハーフ文化の変遷を書いた本です。性別を超えた存在とされる女装者が果たしてきた社会的役割(神・祭への奉仕、神と人との仲介、社会的弱者である女性の相談役、男女の仲介など)や文化の系譜を深く掘り下げた内容であり、衝撃の1冊です。人それぞれ果たすべき役割があることを考えさせられます。
親切で丁寧な新書です。 “女装と日本史”という視点で書かれた大層読みやすい本です。
ヤマトタケル伝説や南西諸島の「双性の巫人」にはじまって、王朝時代?徳川時代の稚児や芸能者、陰間の世界、明治以降の「近代化による変質現象」、そして現代の女装コミュニティに至るまでの通史が1冊の新書にまとめられています。
とりわけ、著者の「性同一性性障害」を、「学問的権威で病名をつけ、精神疾患をもつ者として囲い込み、『治療』という形で『正常化』しようとする『19世紀以来の欧米の精神医学による負の価値付け』に過ぎない」との批判・喝破には誰しも共鳴を覚えるに相違ないでしょう(この指摘は、今なお同性婚を合法化しようとしない日本という国家の「人権を公然と無視して憚らない姿勢」に相通じる差別思想を鋭く剔抉するものに他なりません)。
惜しむらくは、本書が江戸?東京という関東地方を中心に記されていることで、次回は長い歴史と伝統文化を誇る京都・大阪など上方に視点を据えた「異性装の日本文化史」といった書物を是非とも執筆して頂きたいと願います(e.g.井原西鶴の作品に見られる四条河原に於ける色子遊びや近松門左衛門その他、有名無名の執筆者による記述、民間習俗に残る女装など)。
さらに、古代オリエント社会の神殿男娼や、ローマ帝国がキリスト教化さるまで地中海世界に広く栄えた大母神に仕える自宮神官をはじめとする「トランスジェンダーの世界文化史」といった内容の書籍も、機会があれば記して欲しいと存じます。
疑問が解決! 自ら女装を実践しているならではの実感や突っ込んだ考察、濃密な内容は強い吸引力があり楽しく(と言っては語弊があるだろうが)読ましていだだきました。逆に余りにその中に入り込んでいる故の客観性の不足も確かに有るのでしょうが…。あとこれは蛇足ですが昔読んだマンガ昭和風俗史(タイトル失念)に男娼の警視総監殴打事件が取上げてあり、そのセリフの「よくもノガミの姐さんを!!」が永年の疑問だったんですがこの本のお蔭でノガミ→野上→上野のおカマの符牒というのが(やっと)解りました。ありがとう!
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[ 文庫 ]
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蘇我氏の正体 (新潮文庫)
・関 裕二
【新潮社】
発売日: 2009-04-25
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
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・関 裕二
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カスタマー平均評価: 3
前提知識必須 この本を読み進める上で、関氏の以前の著書の主張を念頭に置くことが必要です。それを知らずに読むと、「鬼」とは、「中臣鎌足=豊ショウ」などが突然出てきて置いてけぼりにさせられます。特に類推を重ねていく前提になっている場合では主張が胡散臭く感じてしまいます。関氏の古代史本は膨大な数に上るので、それらを目を通してから読むべきでした。
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[ 新書 ]
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20世紀絵画 モダニズム美術史を問い直す (光文社新書)
・宮下 誠
【光文社】
発売日: 2005-12-13
参考価格: 998 円(税込)
販売価格: 998 円(税込)
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・宮下 誠
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カスタマー平均評価: 4.5
近代・現代の西洋絵画に興味を持ったら、チャレンジしたい本ですね
わざわざ大変な苦労をしてまで絵を描く(あるいは描かせる)には
訳がある、、、
訳もなく
わざわざ大変な苦労をしてまで絵を描く(あるいは描かせる)はずがない、、、
20世紀に入ってからの絵画は、例えば
グロテスクなもの
訳のわからないもの
誰にでも描けそうなもの
という風に
一見理解しがたいものも多いように思えます。
しかし、
これらが生まれる必然性
生み出される必然性があればこそ
これらの絵画は
現在も生き残っている、と言えるのだと思います。
一つ一つの話は短いので
最初は拾い読みでもよいと思います。
これらの絵が生み出された背景に迫る、
新鮮な切り口に満ちた内容と思いました。
宮下芸術論に開眼 その名の通り、現代絵画の美学・美術史的論考。
とはいえ、ちょっと昔の話にも触れてある。
特に、遠近法と人間中心主義の関係は広く歴史を考える上で重要だと思われる。
初心者には不向きとの声もあるが、初心者の自分でもとてもわかりやすく勉強になった。
時間芸術である音楽と違って絵画には言うまでもなく時間軸がないのが特徴だが、それに挑戦しようとしたのがクレーであり、ピカソであったという。あるいはデュシャンもそうだ(特に『大ガラス』)。
ビジネスパーソンには、「前提を疑う」という重要な作業においてルネサンス画家やピカソやデュシャンの仕事から得るものは大きいのではないかと思う。
20世紀絵画を理解するのに必要な考え方の提示 本書の帯に書かれている「『わかる/わからない』『好き/嫌い』だけでは、永遠に『わからない』」という言葉が中心テーマだと言えるでしょう。
私は、年間約30回美術展に行くほど、絵画が大好きですが、それでも現代芸術となると少し躊躇する場合があります。「分からない」という先入観は受け入れる体制に歯止めをかけてしまう状況をもたらします。
もっとも、昔から好きなジャンルはシュルレアリスムで、第2章の11項の「具象という暴力」で取り上げられているダリは、そのジャンルにおいて一番好きな画家で「茹でた隠元豆のある柔らかい構造(内乱の予感)」などは、その書かれている強烈なイメージとタイトルによって、何が書かれているのかは「分かる」が、その意味するところは「分からない」絵画の典型かもしれません。マグリットの「恥辱」も同様で、具象的形象での観念性の高度化によって芸術性が高められているのがよく分かります。
それ以外にピカソの「ゲルニカ」、ムンクの「叫び」、デ・キリコの「街の神秘と憂鬱」など、20世紀の絵画を俯瞰して眺める際に外せない作品に対しての著者の見解も確かめられ、有用な考え方を得た思いです。
305頁以下は、ナショナリズムと聖像忌避として藤田嗣治「アッツ島玉砕」が取り上げられています。藤田への戦争責任論を問うた問題を果敢に取り上げています。私はこの作品を美術館で対面しています。その悲惨な局面からは、宗教画のような高貴な香りすら漂い、画家の心情と力量が伺える作品でした。不思議なことに、本書の図103には絵が消えています。著作権の関係でしょうか。本文の理解には絵画が必需品ですので惜しいですね。
なお、口絵で取り上げられている旧東ドイツの一連の作品には驚かされました。筆者の「間奏」で書かれたのと同様の印象を持ちましたし、類書にない取り上げ方だったと思います。
分からない 芸術はもともと「分からない」ものなので、「分かるように」解説するのは不本意だが、「分からない」と言われてばかりは悲しいので……と言うようなことが序に書いてある。この内容でも十分に「分からない」ので、著者の心配は無用である。ただし、「分かるように」書こうという努力は感じられ、分かる(というか、共感する)部分と、そういうことだったのか!という新鮮な部分と、やっぱり分からん、という部分が混在する。面白い本。必ず何かしら新しいことを教えてくれる、新しい見方や考え方を教えてくれる本。
全然素人です。こんな世界があったのか!という感じです 絵画の背後にある、考え方、思想の流れが、19世紀の印象派から、現代まで、代表的な画家の代表作を上げ、紹介してある本です。なぜ、何を目指して、この絵画が描かれてたのか?他の画家や歴史上、どのような関連があるのか、が説明されています。一人の画家に10ページ弱ぐらいで、40人弱の画家が紹介されています。素人でも知っている有名な人も、大勢紹介されていました。「現代絵画がわかる」をテーマに、抽象絵画と具象絵画などを中心に、いろいろな画家をテーマに解説する、という形です。
ボリューム、内容とも濃い本でした。正直、難しい本でしたが、これまで知らなかった世界を、たくさん知ることができ、興味深さで、読み進めることができました。文章も、なかなか、おしゃれです。
白黒の絵画が多く、解説が書いてあっても、その実際が見えにくく、残念な部分が、多くございました。
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オスマン帝国―イスラム世界の「柔らかい専制」 (講談社現代新書)
・鈴木 董
【講談社】
発売日: 1992-04
参考価格: 777 円(税込)
販売価格: 777 円(税込)
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・鈴木 董
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カスタマー平均評価: 4.5
オスマン帝国存続の秘訣 オスマン帝国の実像は、西洋中心史観の下で忘れられ、あるいは「トルコの脅威」に直面した西洋世界によって不当に歪められてきた。本書はそのようなバイアスを乗り越え、「開かれた帝国」であり、専制的でありながらも柔軟性を兼ね備えた「柔らかい専制」と表現されるべきオスマン帝国の実態に迫ろうとする通史である。歴代君主の素顔から帝国の拡大過程、徐々に整えられる政治・社会制度、驚くべき人材登用・養成システムに至るまで豊富な情報量でかつ非常に読みやすく、読み物として楽しめるこの上なきオスマン帝国史への誘い。
寛容 ローマもオスマンもハプスブルクもある程度寛容な国家でないと反映しないようです。
現在でいうところのアメリカかと。
でもごみの問題は過去も未来でも大切だと思います。
どう「柔らかい専制」なのか分からなかった 西洋史に毒されている私には、中東の歴史がよく分からんので読んでみたのだが、結局よく分からなかった。もちろん、いわゆる歴史の事象の連続や人名は沢山出てきて、歴史書として文句があるわけではない。しかし、これを読むとオスマントルコの帝室や政府は奴隷ばかりからなっているように思えて、それが、いくら専制皇帝でも、それだけで機能するとはなかなか信じがたい。
現代のイスラム社会は部族社会であるように見える。それは、オスマン朝時代だってそうだったに違いないのだと思えば、ここに書かれている帝室+政府と別に部族社会があって、お互いに適当に不可侵な関係があったのじゃないかと想像を廻らせてみても、具体的な関係までは想像もつかない。経済的な両者の関係も、体制の安定には重要であったはずだが、本書では、東西貿易を押さえたことがオスマントルコの繁栄をもたらしたとの記述があるのみである。
一つ、納得したのは、奴隷が中心の政府であり、軍隊であることで、出世が出自より才能による面が西洋より大きかったことがオスマントルコを強くしたという記述だ。ただ、スタートが才能主義でも、すぐに体制となって、保守化するのが普通なのは世界の歴史の教えるところだ。オスマントルコが才能主義を続かせることが出来た理由については、本書は何も語っていない。
イスラム世界の香りもイマイチ感じないし、「柔らかい専制」もどう柔らかいのかよく分からない。進んだ学術・芸術についても、あまり記述はないし、あまり収穫はなかった。そもそも、イスラム世界については、なかなか良書がないのかなあ。
多民族共生のありかたを学ぶ トルコ民族のみならず、イスラームの普遍性にのっとった多民族国家であったオスマン帝国。その体制の秘密に迫る。
基本的に緩やかに多民族が共生していたこの国も、19世紀以降のナショナリズムによって解体されて、悲惨な民族問題と直面している。
19世紀的ナショナリズムを超え、また正しいイスラーム認識を提供してくれる読みやすい一冊である。
今日の様々な問題を考えるヒントを与えてくれる良書 塩野七生氏の「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」等で、時には残酷であるけれども魅力的な(ある意味騎士道精神を感じさせる)敵役として描かれるオスマン帝国が当時なぜあれほど強かったのか、イェニチェリをはじめとする軍制の起源は、などの疑問に答えてくれる良書です。将来の争いの種を断つために君主の兄弟殺しをイスラム法学者が是としたり、シーア派の粛清を行ったり等の残酷な面もありますが、総じて多民族・多宗教の共存に成功し、社会階層間の流動性が高く、それでいて当時の西欧諸国にはない常備軍と中央集権体制を備えていたことが隆盛の鍵であったことを本書は教えてくれます。一神教と多神教の違いはありますが、まるで元首制までの古代ローマを連想させてくれます。一神教の狂信ゆえの弊害を歴史的に長期にわたってこうむったのはキリスト教国であり、イスラム教国のほうが開明的であったこと、その帝国の基盤を揺り動かすことになる大きな要因は、西欧由来のナショナリズム・民族主義の噴出であり、それこそが現在の様々な国際問題の引金になったことを考えると、種々の欠陥はあったものの、イスラム教だからと及び腰になることなく、我々はこの多民族・多宗教の共存に成功した国の歴史から学べることは少なくないと考えます。
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[ 新書 ]
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十七歳の硫黄島 (文春新書)
・秋草 鶴次
【文藝春秋】
発売日: 2006-12
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 840 円(税込)
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・秋草 鶴次
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カスタマー平均評価: 5
真実の語る力 この方のことは、少し前に報道されたNHK特集で始めて知りました。
本の中でも書かれていますが、御自身で体験されたことを書き溜めていた著者は、「親が悲しむから、、、」とその記録を最近まで封印されていたそうです。
様々な文学や映画などで戦争体験がつづられていますが、そういった戦争体験モノとの決定的な差があるように感じました。
ありがちな、社会や体制もしくはその当時の個人に対する恨み、つらみ、怒りといった感情はほとんど、あっても極々控えめにしか描かれていなのです。
あるのは何が何でも生き延びるのだという強い意志だけです。
記された世界は想像を絶する世界ですが、著者が伝えようとしている戦場の真実の姿を、硫黄島で無くなった我々の祖先達のためにも我々は知らねばならないと思います。
筆者の肉声に心打たれる 秋草さんはNHK特集「硫黄島玉砕戦」で生還者4人の1人として出演し証言された方です。リアルタイムで放送見て「もっとこの方の話が聞きたい」と感じてた矢先に待望の一冊が出た。
硫黄島での生還者陸海軍合わせて約900人、これまでも手記は出版されてますが、現在まとまって読めるものが少ないのでこれは体験貴重と言えます。秋草さん自身、戦後50年以上、どうしてもあの体験を残しておかなくては、それが仲間達の供養になると考え、ずっと推敲を重ねて、初めて戦後60年以上たって世に出ることになった貴重な手記です。
読んでみると海軍を志した17歳の秋草少年の戦場での思いがストレートに伝わってきて、かえって素人臭いその文体がリアリティを醸し出してます。どういう想いで少年達が戦場に向かっていったのか。
参謀や高級将校の書いた手記の場合ややもすると自己弁護がみられたり、時間が経って美化される話も多いですが、海軍の兵だった方の手記であるが故に非常にストレートで兵士達の目線で戦場の様子がすごく伝わってくる希にみる好著なのではないだろうか。
こういう本を当時の秋草少年と同じ位の現代の高校生に読んでもらえらたらと思いますね。
最前線で戦争の苦しみを生き延びた人の使命 映画「硫黄島からの手紙」公開に前後して、硫黄島での戦闘を指揮した栗林中将に関連する本が数多く出版されました。その一冊「散るぞ悲しき」を読んで、勝利でなく、ただ出来る限りの持久戦を戦って米軍をこの島に引き止めておこうとした指揮官の苦悩と戦いを私は知りました。そしてもう一冊が、この本。同じ場所、同じ戦いを、当時17歳の少年兵だった秋草鶴次氏がつづったものです。秋草氏は通信兵として硫黄島に配属され、想像を絶する戦いを奇跡的に生き延びて、捕虜として米軍に収容されました。戦後、日本に戻ってきてから、その体験を書き留めたメモをもとに書き記されたのが、本書です。全軍を指揮した立場の人とはまったく違った、一兵卒が体験した硫黄島の戦いが、淡々と、だが克明に記録されています。
「神は男と女を、紙の姿に似せて造られた」と旧約聖書の創世記1;27節に記されています。このところで使われる「男」の言葉のヘブル語には「追憶する人」という意味がある、とラリー・クラブ著『アダムの沈黙』に書かれています。男とは自分自身の、そして家族の、社会、国家の歴史を「記憶し」「物語る」べき役割を持っているというのです。
戦争体験とは、それを体験した者にとって、忌まわしい、思い出したくない、辛く悲しい記憶でしょう。多くの友の最期を見届けながら生き延びてしまった人にとってはなおさらです。しかし、生き延びた人には、残れた使命があるのです。著者は、本書でその使命を全うしたのです。そのことに敬意を表したいと思います。
この悲惨な戦場を、秋草氏は3ヶ月にわたってつぶさに目撃しただけでなく自らも戦い傷を負いました。飢えと渇きに苦しみながら、死屍累々たる戦場をさまよいました。この追憶は、単に個人的なものではなく、民族の記憶、民族の歴史ででもあります。それに耳を傾け受け止めることは、この犠牲によって今の平和を享受している私たちの恵みであり、使命であるといえるでしょう。
日本の戦争 壮絶、オレと同じ年の人たちが、この劣悪な環境で家族を思い死んでいったのか。すこしでも粘る事が、本土を攻撃される時期を遅らせると思てたんだよな。96%は死んだってやばすぎ。戦争で犠牲になるのはまっすぐで何も知らない純粋な若者達。子供の秘密基地のように、何もない島なのに、いろいろ内地を連想させる名前をつけてるのに、なんともいえない思いがした。地名など文章がリアルすぎて、想像し辛い部分も多々あった。冥福を祈るばかり。
義務教育で副読本にすべきだ あの戦争での硫黄島攻防戦について、
「日本軍は玉砕した」の一言で片付けてはいけないと思った。
どのような経過を辿って玉砕したのか、あるいは生き延びたのか。
まさにその場にいた者ならではの緊迫した手記で、非常に臨場感がある。
文字通り筆舌に尽くし難い阿鼻叫喚の地獄のような状況。
いや、それ以上に凄惨で過酷な状態に置かれた人々への悲しみを禁じえない。
軍隊を持つべきだとか持たざるべきだとか、
あの戦争は良かったとか悪かったとか、
そういった観念論・イデオロギー論はさておき、
まずこの本を読んで、抗い難い厳しい現実を身に沁みて知っておきたい。
このような殺し合いは「愚か」であるとしか私には思えない。
戦争は本当にくだらない、絶対悪だ。
しかし愚かであるからと言って、先の大戦で日本のために散っていった
英霊たちの死が無駄だったとは思わない。無意味だったとも思わない。
そのことについては本書の「おわりに」の最後にも、
著者の言葉として書かれているので、興味のある方は読まれたし。
(ちなみにその言はNHKで放送された特番ではオンエアされなかったとのことなので、本書にて読むしかない)
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[ 文庫 ]
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龍馬の手紙―坂本龍馬全書簡集・関係文書・詠草 (講談社学術文庫)
・宮地 佐一郎
【講談社】
発売日: 2003-12
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 1,575 円(税込)
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・宮地 佐一郎
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カスタマー平均評価: 5
龍馬を知る為の一次史料 フィクションの世界ではない、ノン・フィクションの龍馬の世界が堪能できる本である。
それだけではなく、実際の手紙をつき合わせ活字化しているので、当時の古文書の読み方も勉強できる。又、活字との比較もできるので実証史学としての史料としても十分に耐えられる本でもある。モチロン、龍馬ファンも楽しめる逸品である。その上、単行本としてリーズナブルな値段なので小説ファンが読んでも読みやすく、買いやすい本となっている。それだけに龍馬が国民的英雄として認知されている証拠でもあろう。
龍馬ファンであれば知っているエピソードが満載なので、ここでは宮地佐一郎が記載した龍馬研究の第一人者である平尾道雄のエピソードを一つ。
龍馬の手紙の基となった「坂本龍馬全集」を出した時に、龍馬の手紙とは思えないものがあり、これを掲載するかしないかで揉めていたそうである。(実際、龍馬の手紙の中にもフェイクではないかと疑わしい物も含まれているそうである)だが、平尾は自己の責任で掲載することを述べており、歴史家としての自負と責務、そして良心を見た思いである。
寝る前に、ぽつりぽつりと 全集を買う気力や資金の無い私にとって、この「手紙」の文庫版収録は、宝物を得たようなものです。
おなじ講談社学術文庫版にある飛鳥井雅道「坂本龍馬」を読みながら、この龍馬の「手紙」を1つづつ読んでゆく、これこそ読書の楽しみでなくて何でしょうか!
それに、龍馬はかなりの悪筆で、写真版を見ても楽しいし、話が具体的で、読んでも楽しい。彼の息遣いがこちらに伝わります。私にとっては商売でもないので、ぽつりぽつり読んでもドウということも無く、現在のところ枕元の友なのです。
龍馬の息遣い 本書は龍馬が遺した書簡を活字化した物。
上段に原本、下段に活字を掲載、龍馬自身の書と共にその息遣いに触れるられる。
回天の業に生涯を賭した龍馬、
「御相談被遣候 建白之儀、万一行ハれざれば固より必死の御覚悟故、御下城無之時ハ、
海援隊一手を以て大樹参内の道路ニ待受、社稷の為、不倶戴天の讐を報じ、事の成否ニ論なく、先生(後藤)地下ニ御面会仕候」
大政奉還建白当日、後藤象二郎に宛てた上の書簡などからは、漲る決意が看取される。
時代の瞬間を目撃するが如く、読者にも切迫した緊張感が伝わる。
一方、肉親に宛てた手紙には飾らぬ龍馬のあけすけな筆致がある
「扨もゝ人間の一世ハがてん(合点)の行ぬハ元よりの事、うん(運)のわるいものハふろ(風呂)よりいでんとして、
きんたまをつめわりて死ぬるものもあり、夫とくらべハ私などハ、うんがつよくなにほど死ぬるバへでゝもしなれず」
「達人のみるまなこハおそろしきものとや、つれヾにもこれあり。猶エヘンエヘン、かしこ」
緊張の中、姉・乙女や”ふぐの春猪どの”がどれ程の安らぎになった事か。
剽軽な筆致の中に、時に家族だけには理解されたい、我が志を知って欲しいという切実な願いも読み取れる。
おりょうを伴った薩摩への旅行の記録もいい。
高千穂峰に登った龍馬は、山頂で天の逆鉾を”エイヤと引ぬき候得バ”などし、絵入りで綴って見せる。
この辺りただの勤皇家に留まらなかった彼の自由闊達な精神が伺える。
形式に捉われず、暢達して洒脱な文体は、龍馬の人間性を最も能弁に物語る。
肝胆元雄大 奇機自湧出 飛潜有誰識 偏不恥龍名
(肝胆元より雄大 奇機自ずから湧出す 飛潜誰か識る有らん 偏に龍名に恥じず)
武市半平太がこう評したように、大きな大きな坂本龍馬。
彼の息遣いの感じられる、貴重な一冊である。
本当の坂本龍馬の姿 色々な坂本龍馬の本が出ている中で、どうしても気がかりになる、真実の龍馬の動き、姿。 少なくとも手紙や手帳から読み取れる龍馬の姿は真実のものだと思います。 この本をすこしずつかじりながら、龍馬の小説などを読みました。 一気に読むというよりも、すこしずつ読むのが楽しいと思います。
〜龍馬の息吹が感じられます〜 はっきり言って私には、難しい部分もありましたが、龍馬が書いた文字を見ているだけでも、面白かったです。特に乙女や身内宛てのリラックスした手紙は、龍馬の自由で大らかな性格が文字に現れています。行を無視して突然細かく書いたり、斜めに曲がっていたり、新婚旅行の報告を絵入りでこと細かく報告したり、有名なエヘン、エヘンの手紙や、日本を今一度洗濯いたし申し候・・などなど、生き生きとした龍馬を感じる事ができます。 伊藤助太夫宛ての手紙に船代をワリカンにしたという文章があります。この中で、几帳面にお金勘定をしている反面、お金の無い人の分は、「金が無ければ出すもの無し」と、あっさり許しています。この手紙の解説にも書かれていた様に豪放磊落さと金銭面の几帳面さを持ち合わせていた龍馬は、やっぱり凄い。。。また、奇をてらわずに丁寧、誠実にこの本を作り上げた著者にも敬意を表したいです。
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[ 文庫 ]
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史記〈1〉覇者の条件 (徳間文庫)
・司馬 遷
【徳間書店】
発売日: 2005-11
参考価格: 1,200 円(税込)
販売価格: 1,200 円(税込)
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・司馬 遷
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カスタマー平均評価: 5
分かりやすかった。 中国史の代表的な歴史書の「史記」を、
原文付きで細かい解説もついて、
内容が書かれていて、分かりやすかった。
また1巻は司馬遷についてのことや、
神話なども書かれていてとても面白かった。
「史記」の内容をすべて網羅しているわけではなかったが、
買って損することはないと思う。
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[ 文庫 ]
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戦国最強軍団真田六文銭合戦記―小説よりも面白い真田一族の真実 (ぶんか社文庫)
・武山 憲明
【ぶんか社】
発売日: 2007-03
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
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・武山 憲明
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カスタマー平均評価: 5
知らなかった 戦国時代を生き抜いた戦国の知将で、後世の人気者だっただけあって諸説あり知らなかった事も多かったです。内容も充実していて非常に興味深く一気に読み終えました。しばらく時間をおいてもう一度じっくり読み直したい本です。
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[ 文庫 ]
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戦国七人の軍師 (新人物文庫)
【新人物往来社】
発売日: 2009-06-05
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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絵で見る幕末日本 (講談社学術文庫)
・エメェ アンベール
【講談社】
発売日: 2004-09
参考価格: 1,155 円(税込)
販売価格: 1,155 円(税込)
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・エメェ アンベール ・Aime Humbert
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カスタマー平均評価: 4
幕末の日本の姿 幕末に訪れた西洋人は多く、見聞記も多数ある。 回し者ではないけれど、講談社学術文庫はこれらの翻訳本の文庫化にすばらしい仕事をしていて10冊近く出版している。 この本の特色はスイス人の著者の絵が達者なことで、当時の様子がリアルに描かれた挿絵が沢山あるところである。 リアルすぎたのだろう。 馬に乗る奉行を描いた絵は、なんだかサルに見えてしまうもので、一部にショックを与えたようだ。 全般的には、日本人を猿っぽく描いていはいない。 たまたまの筆の加減というもので、著者は熱心に日本を理解しようとしている。 寺子屋でいろは歌の意味を聞き、ピンとくるなどなかなか勘も良い。 仏教思想を背景とした無常観を詠んだこの歌で、日本理解のポイントに気がつくのである。
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