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日本書紀〈1〉 (岩波文庫) この子を残して (アルバ文庫) 大江戸リサイクル事情 (講談社文庫) 世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵 (PHP新書) チャーチル―イギリス現代史を転換させた一人の政治家 増補版  (中公新書) 歴史再検証 日韓併合―韓民族を救った「日帝36年」の真実 (祥伝社黄金文庫) ガリア戦記 (岩波文庫) 戦国の群像 (学研新書) 物語 ヴェトナムの歴史―一億人国家のダイナミズム (中公新書) マグダラのマリア―エロスとアガペーの聖女 (中公新書)
日本書紀〈1〉 (岩波文庫) この子を残して (アルバ文庫) 大江戸リサイクル事情 (講談社.. 世界危機をチャンスに変えた幕末.. チャーチル―イギリス現代史を転.. 歴史再検証 日韓併合―韓民族を.. ガリア戦記 (岩波文庫) 戦国の群像 (学研新書) 物語 ヴェトナムの歴史―一億人.. マグダラのマリア―エロスとアガ..

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日本書紀〈1〉 (岩波文庫)

[ 文庫 ]
日本書紀〈1〉 (岩波文庫)

・坂本 太郎
【岩波書店】
発売日: 1994-09
参考価格: 1,155 円(税込)
販売価格: 1,155 円(税込)
日本書紀〈1〉 (岩波文庫)
坂本 太郎
カスタマー平均評価:  5
紀を読むなら、これが最高でしょう
1993年刊の「日本古典文学大系」版の日本書紀を、文庫版にしたもの。 「大系」本だけあって、豪華です。まず編者陣が超豪華。(皆さん古代研究の一人者です) 今巻収録分は、神代(上・下)?崇神天皇まで。 右ページ書き下し文の本文・左ページ注記のスタイルとなっています。(訳文はありません) 本文終了後に更に詳細な「補注」を掲載。その次に白文の原文。底本奥書(あ、底本は卜部兼右本です)・諸本との校異・異体字表もついて本当に超豪華。 私は学生時代、古事記・日本書紀が卒論テーマだったんですが、この本が当時あったらとつくづく思います。(親本は図書館で参照した気がしますが…持ち歩きはキツイので…) 書き下し文オンリーだと、読みづらい気がするかもしれませんが、注が詳細ですのでそうでもないですよ。 記紀の漢文は、本家中国の漢文と違いそんなに複雑じゃないので、慣れたら白文でも意味取れるくらいです。 諸先生方の現代語訳も素晴らしいと思いますが、やはり原文に直接触れた時の感動は別物です。古代史に興味のある方でしたら、ぜひ一度チャレンジを。
なぜ神話は広範に日本をカバーしているのでしょう
 日本書紀にはなぞがいくらかあります。日本の国生み神話が、島を生むこと自体大陸を意識しています。そこでまずスサノオがなぜ出雲に降り立ったのか、ヤマト中心の世界観とは反します。出雲に一大勢力があったことが神話上証明されたことになるのではないでしょうか。神無月には神々が出雲に集まります。  天孫降臨はなぜ高千穂なんでしょう。天岩戸も高千穂にあるとされています。九州が神話に取り込まれています。九州にも勢力があったのでしょう。神武天皇の日向の国からヤマトへの東征は何を表しているのでしょうか。ヤマトが日本という国、日本という国号自体音読みで、訓読みに直せばヒノモトですが、これ自体、中国、朝鮮を意識した名称なんですが、を統合する過程を表しているのではないでしょうか。古事記ではヤタガラスが天つ神を導いて国つ神に引き合わせるという場面がありますが、なぜからすなんでしょう。そういう日本の国の成り立ちを神話から想像すること自体楽しいのではないでしょうか。  途中で突然海幸彦と山幸彦の逸話が出てきますが、古事記、日本書紀が日本に伝わる数々の神話を集めたものであることがわかるのではないでしょうか。  日本書紀は聖書のように、天孫降臨、天岩戸の高千穂とか、スサノオの八岐大蛇の出雲とか、神武東征の日向、ヤマトとか大まかな地域名は出てきますが、もっと細かい具体的な地名は出てきません。かなり曖昧です。その辺が解釈の分かれる元でしょう。 
政治的作業としての歴史叙述
 今でも何故だか不思議に思うが 高校1年生の冬に 一冬かけて日本書紀を読んだことがある。  古文の勉強のためだったのかもしれないが。  読んでいて 古代の人々の息遣いが聴こえてきたような印象を持った。話としては 時に荒唐無稽であり 時にはいんちきくさいわけだが そう思えるのは その後の1300年を知っているからだけであって 日本書紀を書いた人たちを批判するのはアンフェアーであると思う。  日本書紀という歴史書を書くという作業は 当時にしても高度な政治的作業であったと思う。例えば 近年でも大いに論じられてきた教科書問題も 正しく歴史をどう捉えるかという一点に掛かっている。その意味では 日本書紀の作者達と僕らは 今なお 同じ地平線に立っていると言える。  それにしても700年代にかような書物が出来たことも大したものだし 何より現在まで残ってくれたことが嬉しい。
基本的に古事記より古い日本起源神話の乗る古典
古事記の起源神話は道教の影響が大きく日本書紀(特に第五の一書)は最古形に近い形の日本起源神話が乗る。古事記は朝廷正史ではなくそれが残ったのは日本史上最大の神道家といわれる本居宣長の功績による所が多い。彼の古事記伝の副産物として様々な古典文学に至る解釈が生まれる。様々な口承氏族神話を儒教、仏教、道教の経典文字として伝来した文字をそれらの思想の影響を受けながら成立したものである。中国の属国状態から聖徳太子から初めて中国の皇帝に対抗して対等の天皇号を名乗り中国、朝鮮半島の統一という時代の危機に氏姓制度から律令王朝制度へ移行を成し遂げた中国冊封体制からの独立宣言的書物である。日本の皇祖達のご苦心が忍ばれる。
『古事記』と合わせて読みたい古典です。
 第1巻は、天地開闢から神話時代、日向三代、初代神武天皇を経て、第10代崇神天皇までを収録しています。書き下し文とはいえ、漢文調の文章が難点ですが、苦労してでも読む価値はあると思います。見所も、神話や神武天皇の東征、崇神天皇などが挙げられると思います。

 神話時代は『古事記』との読み比べが魅力的です。『古事記』では一筋の物語として語られますが、『日本書紀』では、どこが本文なのかわからなくなるくらいたくさんの別伝が記載されていて、微妙な差異など、読んでいて面白いです。

 しかし注目すべきは崇神天皇ではないでしょうか。崇神天皇は祭祀王、三輪王朝(イリ王朝)の祖、神武天皇のモデルなど様々な言われ方をされます。果ては騎馬民族の王で、朝鮮半島から日本に渡ってきたと主張されたりします。しかし、実際の『日本書紀』ではどのように記されているのだろう。まだ知らない人はぜひ確かめてみてください。


この子を残して (アルバ文庫)

[ 文庫 ]
この子を残して (アルバ文庫)

・永井 隆
【サンパウロ】
発売日: 1995-04
参考価格: 788 円(税込)
販売価格: 788 円(税込)
この子を残して (アルバ文庫)
永井 隆
カスタマー平均評価:  5
宿命づけられたわが子への愛に満ち溢れた言葉に涙する外ない。
『この子を残して』を読むと、被爆により寝たきりになった永井 隆の、幼子二人を思う気持ちが痛切に心に響いてくる。子供たちには、既に母親がいない。原爆雲の下で一瞬のうちに灰と化してしまったからだ。自分が死ねば、わが子らは親なし子になってしまう…。その焦燥感、絶望感が行間に滲む。 子供たちの父は、「地獄だ、地獄だ。呻き声ひとつたてるものもなく、まったく死後の世界である(『長崎の鐘』より)。」倒壊した病院の瓦礫を這い出て、生き残った医者、看護婦と共に負傷者の救護と応急手当にあたった長崎医大の先生だった。自身も負傷者のひとりにもかかわらずに。 無理をした反動は1年後にくる。駅前で昏倒したのだ。放射線物理医学を長年研究していたため、医学博士号と引き換えに白血病に侵された身体に原爆症が追い討ちをかけ、病床から起き上がれなくなる。 「孤児収容所……ああ、私は悪寒がしてきた。あんな所へこの子が入れられたら…。」 「居候・やっかい者・まま子・連れ子・ひねくれ・ぐず・お世話・ご恩・真人間……孤児が真実孤児の道を歩こうとすれば、いやでもおうでも、耳には痛い言葉が入り、目にはつれない仕打ちがうつる。」「辛い目に会うたことのない人は無遠慮である。心に傷のない人は鈍感である。自分が鈍感だから、敏感な人がそばにいることに気がつかない。そうして無邪気に他の人の心の傷に触る。」 永井 隆は、悩みが反芻する思い乱れる心の中に、キリスト教信徒としてやがて救いを見出す。「完全な幸福は神と一致することであった。―――私は今幸福である。そして二人のわが子も、この心境を持つように祈っている。」「真の信仰をもった人がどんな境遇にあっても、いつもくったくなく、子供のように明るい顔をしているのは、こうして時々大いに泣いて神から慰められ、かぎりない幸福を味わっているからではあるまいか?」 宿命づけられたわが子の<不憫さ>を信仰の力で<神の祝福>に転じさせる生き方には感銘を覚える。読み手は愛に満ち溢れた言葉(想念)に涙する以外にない。是非『長崎の鐘』と併せて読まれることをお奨めする。
みなさんは永井博士を知ってますか?
 著者の永井博士は、長崎大学で放射線医学の研究を専門に行っていて、慢性骨髄性白血病を発病し、余命3年と診断されたそうです。そんな時にあの原子爆弾が落ちてきました。1945年8月9日のことです。 自分が亡き後の子供のことを頼んでおいた奥さんは、バケツの中の軽い骨となって家の焼け跡から拾わねばならなかったそうです。(たまたま子供たちは三日前から疎開していて無事だった。)  博士は原爆による急性原子病も加わり、急速に病が進行していきました。それでも、博士は一生懸命生きました。自らの体(原子爆弾症)を研究材料に選び、数多くの負傷者の救護に当たりましたが、ついに2ヵ月後危篤に陥ります。なんとか回復するものの無理がたたり被爆から約1年後の1946年7月に長崎駅で倒れ以来寝たきりになってしまいました。      博士の体は脾臓が途方もなく大きくなり、少しでも衝撃を与えると破裂してしまい、内出血して死んでしまうため、幼い子供たちは博士に甘えたいのも我慢してたそうです。 博士は一分一秒でも死期を遅らせ子供たちが孤児になってしまうのを先に延ばしてあげようと必死に生きました。 奥さんが健在ならば、子供たちも母親に甘えることも出来ただろうにと思うと切なくなります。 博士は結局1951年5月に亡くなってしまいます。 まだ43歳の若さでした。 戦争がなければ、長崎に原子爆弾が落とされてなければ、博士はその後も研究を続け放射線医学の第一人者になってたかもしれません。 残念でなりません。 核実験のニュースが聞かれる昨今ですが、このような思いは誰もしたくないはずです。 世界平和について考えさせられる作品です。 皆さんもぜひ一生に一度はこの作品に触れてください。
平和のために
 長崎を訪ねた事がありますか。如己堂という、たった二畳の小さな家が、浦上天主堂の近くにあります。放射線医学者だった、永井博士が、長崎の原爆後に生活し、文筆活動を行ったところです。自身の専攻だった放射線医学のために、大量に被爆し、慢性骨髄性白血病を発病し、予後数年といわれ、その上、原爆で妻をなくした方です。自分の亡き後に孤児になる二人の子供への手紙、子供のことを扱ったエッセイ、戦後の孤児対策について、などなどが書きつらねられています。己のように他人を愛するという、この方の真摯な生き方に心うたれますし、この文章は涙なくしては、よまれません。

大江戸リサイクル事情 (講談社文庫)

[ 文庫 ]
大江戸リサイクル事情 (講談社文庫)

・石川 英輔
【講談社】
発売日: 1997-10
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
大江戸リサイクル事情 (講談社文庫)
石川 英輔
カスタマー平均評価:  4
わかりやすいけど
著者の本を何冊か読みました。江戸の生活がよくわかってよいのですが、どの著書も数ページに1回は必ず欧米や江戸時代を良く思っていない人への批判が登場します。江戸時代の良いところを説明した上で、最後にちょっとだけそうした批判が書かれるならいいのですが、あまりにも繰り返されると、読んでいてちょっと疲れます。
江戸時代の日本人のすばらしさ
 100万人都市として栄えた江戸のリサイクル事情が、分かりやすく述べられている。読んでいて面白いです。  徹底して無駄のない、そのリサイクルには、ただただ関心するだけです。そして、時間の流れが、とてもゆるやかで、穏やかだったことが感じられます。さすが、最も安定した政権「徳川幕府」。安定した政権というのも、文化の向上には必要ですね。  江戸時代に帰ろうというのではなく、ものを大切にし、使えるものは徹底して利用して、生活を高めようとする、江戸時代の人々の考え方を大切にすることが必要だと思います。今、日本に最も必要な考え方ではないでしょうか。
これは面白い
これは面白いテーマの本です。
文明批評はともかく、江戸時代の様子をよく知る、
という面では大変評価できる。絵も面白い。
金になるからリサイクルか
過去2.3年の太陽エネルギーだけで全てが事足りていた世界。
それが江戸時代である。この表現はとても面白い。
江戸時代には本当の意味でのゴミは何一つなく、全てが再利用される社会。現在は3R(リサイクル・リユース・リデュース)が叫ばれているが、江戸時代はなにもスローガンを叫ばなくともそれらは実行されていた。それは資源が少なかったこともあるが、全てが商売になったからである。なかなか意味深である。聖人君子でない我々はやはりただで不便や苦労を選びはしない。

このシリーズはいくつか読んだが、著者の取材力や構成力は認めるが、いまひとつ姿勢に賛同出来ない部分がある。変に斜に構えて現代文明を批評する態度である。著者が考えるようにかつての日本は不便でどうしようもない暗黒世界であった、現代文明・西洋文明万歳といったようなステレオタイプの思考は殆ど存在しないであろう。西洋文明の代わりに江戸のリサイクル文明を御輿に担いでいるだけで、ひとつの尺度から他を測ろうとする態度は結局は著者が批判したがっている(批判したつもりでいる)人々の思考態度と何ら変わりのないものに見えてくるからである。
手本とすべき事例は日本の歴史の中にある
今、環境問題が深刻化しています。
エネルギーを始めとする天然資源は過剰消費され、廃棄物処理場は不足し、温暖化ガスは増加する一方です。
国を挙げた省エネ、リサイクル、バイオマスの活用が求められており、北欧やドイツにおける成功例が多く紹介されています。
しかし、これらの取組は、人口、気象条件、社会条件が異なる我が国では、必ずしも成功するとは限りません。

江戸時代、我々の御先祖様は、植物、つまり短期間に国土に降り注ぐ太陽エネルギーだけを徹底的に活用した循環型社会を築いていました。
決して豊かな生活ではありません。明かりは字も読めないほど暗く、移動手段はすべて徒歩、あらゆる日用品は何度も使い回されていました。
しかし、江戸の人口は西欧諸国のどの首都よりも多く、屎尿処理などの廃棄物問題にも、エネルギー問題にも無縁でした。
現代に比べれば不便。でも決して劣ってはいない。我が国の財産を徹底的に生かし切って、300年近くも持続した社会があったのです。

「伝統と文化」がなぜ大切なのか。本書を読めば自ずから理解できます。我々の未来のために、先人の知恵に学びましょう。


世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵 (PHP新書)

[ 新書 ]
世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵 (PHP新書)

・原口 泉
【PHP研究所】
発売日: 2009-06-16
参考価格: 819 円(税込)
販売価格: 819 円(税込)
世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵 (PHP新書)
原口 泉
カスタマー平均評価:   0

チャーチル―イギリス現代史を転換させた一人の政治家 増補版  (中公新書)

[ 新書 ]
チャーチル―イギリス現代史を転換させた一人の政治家 増補版  (中公新書)

・河合 秀和
【中央公論社】
発売日: 1998-01-25
参考価格: 987 円(税込)
販売価格: 987 円(税込)
チャーチル―イギリス現代史を転換させた一人の政治家 増補版  (中公新書)
河合 秀和
カスタマー平均評価:  3.5
「権力の悪用の仕方を知らなかった」
タイトルは,戦時内閣副首相・アトリー(のち首相)の言葉で,本書でもはじめに引用されている。当然,「知っていた」のは,ヒトラーだろう。かたや挙国一致内閣の長,かたや全体主義国家の総裁。政治的全権を握っている点で,この2人はコインの裏表である。

著者自身がチャーチルの伝記に基づいていると述べている通り,本書は彼の生い立ちから政治家として頂点を極めた時期までを伝記風にまとめている。ロイド=ジョージほか,19世紀末から20世紀半ばまでの主要な英政治家も登場し,英近代史を学べる点もある。

ただ,著者はチャーチルの「政治的人格」を探ることを目的としているが,やや物足りない部分があることは否めない。たとえば,ドイツへの無差別爆撃や英ソ間によるバルカン半島利権分割に対し,彼の「人格」はどのように働いたのか。上述の通り,英近代史への掘りは深いが,外交(戦争は究極の外交手段)上における彼の叙述に欠けている。
斜陽の大英帝国を率いる大宰相の手軽な伝記
ヒトラーがポーランド、フランスを下し、西欧を事実上支配化においた時、チャーチルは英国宰相の地位についた。降伏を突きつけるドイツに対し、チャーチルはイギリス一国でナチスと対決する決断をした。彼は「過去の私の生涯は、すべてただこの時、この試練のための準備に他ならなかったと感じた」と記している。その後ドイツのソ連奇襲、真珠湾攻撃による米国参戦によりルーズベルト、スターリンと共に枢軸国側と戦うことになる。その勝利は祖国が存亡の淵に立たされた際の、この宰相の迷いなき決断がなければあり得なかった。反共主義者なのにヒトラーを倒すためにはスターリンとも手を組む現実主義者。ノーベル文学賞を取るほどの文才。この特異な個性はどのように生まれ、育まれたかを追う手軽な伝記。


歴史再検証 日韓併合―韓民族を救った「日帝36年」の真実 (祥伝社黄金文庫)

[ 文庫 ]
歴史再検証 日韓併合―韓民族を救った「日帝36年」の真実 (祥伝社黄金文庫)

・崔 基鎬
【祥伝社】
発売日: 2007-07
参考価格: 550 円(税込)
販売価格: 550 円(税込)
歴史再検証 日韓併合―韓民族を救った「日帝36年」の真実 (祥伝社黄金文庫)
崔 基鎬
崔 基鎬
カスタマー平均評価:  5
韓国の真実の歴史
私にとって韓国の歴史はインパクトに欠け退屈です。 でもこの平たい文庫本は要所だけをギュッと詰め込みんだ密度の濃い本です。 著者は他にもいろいろ歴史の本を出しているようなので期待して手を出してみようと思う。 「現在の韓国の教科書が教えていることと、日本統治の実態はあまりにもかけ離れている。 つまり韓国側の歴史観は、歪曲がはなはだしい。 独りよがりで被害者意識に凝り固まり、事実をとらえようとはしていない」 韓国では「反日=愛国」「親日=売国」という極端に白か黒かという二分化した考え方がはびこっており、中間のグレーを許さない。 「日本人は嘘つきで歴史を歪曲する卑怯者」という反日教育をしているが、それはまさに韓国人自身のことだ。 ちょっとでもそれに異議するだけで袋叩きにあうのだから こういったことを韓国人学者が発言するには相当勇気がいたに違いない。 本書では感情を排しデータをもとに淡々と事実を述べていく。 強引に併合したのではなく、当時の流れとしては自然であったし、国際的にも承認されていて、「侵略」というイメージとはほど遠いものであった。 確かに差別もあったろう。 しかし帝国主義欧米諸国がしたような搾取と略奪だけ、という侵略ではなかった。 国全体の経済発展と民間人の生活を向上させた。 もともと、李朝500年にわたる両班階級による圧政により、農民は搾取と略奪されていて、人口も下降線をたどっていた。 「働くことは卑しい事」という価値観がはびこっており、 科挙試験に合格した官僚たちが生産的勤労には絶対に就かないばかりか、儒教による空理空論をふりかざすばかり。 近代化のためには海外留学の必要があるのに、儒教・朱子学に固執するだけで、海外に学ぶことを奨励するようなことはなかった。 国家や政府としての役割を果たすこともなく、官僚は売官買職に奔走するありさまであった。 もちろんインフラ整備などには関心はなく、国政紊乱状態で、経済観念もなく、末期には財政も破綻していたので、自主的な近代化などあるはずもなかった。   朝鮮では道路や橋はクーデターに利用されるという恐れを考えて、整備されておらず、あぜ道程度のものばかりだったので、経済活動が成立するはずもなかった。 農民は両班によって搾取されておりとても貧しかったが、日本人の指導で耕地面積も増えた。 品種改良によって収穫量も倍増。 人口も32年でほぼ倍に。 日本人の多額の税金を使いインフラ整備し、 教育水準を上げ、一般市民にハングルを普及させ、 一部特権階級以外ほとんど乞食同然の状態から、近代化を成し遂げた。 ロシアか清に侵略されていたら、利権を得ることはあっても朝鮮のためになることは何一つしなかっただろう。 真の歴史追求なくして歴史から教訓を得ることはできない。
韓国併合について広く知ることができる
タイトルが「韓国併合」ではなく、「日韓併合」。これは、日本が一方的に韓国を植民地化したという見解に異を唱えていることを示す。すなわち、日本が取った対韓国政策の功罪の「功」の部分に着目している。「韓国併合」というと皇民化政策や強制連行など、日本が韓国に与えた屈辱的な行為にばかり目が行きがちだが、併合することによって当時の退廃しきった韓国の状況を日本が救ったという事実もある。だからといってかつての日本の行為を正当化するのは問題だと思うが、そうした側面もあったという事実を知るためのよい書物である。  しかも、著者は韓国人である。
説得力がありますね
韓国側の資料も引用して、具体的に数字を挙げて検証しているのが良いですね。著者は日韓併合自体を肯定している訳ではないのですが、それでも“チャンスであった”と冷静に分析していて説得力があります。良くまとまっているので、どなたにとっても日韓関係を考える上で必読ですね。“併合時代に人口が倍増した”という事実ひとつとっても、日韓どちら側からの歴史認識(良し悪しとは別です)を考える上で大きなファクターになりましょう。韓国と長州藩の関係の記述など、正直言って日本人的には笑っちゃうのですが(聖徳太子の頃の話を出されてもな)、韓国人的には重要な事なんでしょうね。
正しい「歴史認識」のために
日韓併合、植民地支配、強制連行などなど、いわゆる「歴史認識」問題を考えるうえでの必読書です。 一言で言えば、韓国の主張はほどんどがデタラメあるいは一面的であるということです。 韓国人である著者は、戦前の日本を知る歴史学者です。そして、韓国の現状を憂える愛国者でもあります。そういう方の本ですので、信頼できると思います。 日本の植民地政策が韓国の近代化を生んだということについては、韓国の新聞でも取り上げられていますので、韓国人が正しい歴史認識を持つことについては、希望はあります。このような本が多くの韓国人に読まれるのを期待します。
歴史を再検証する
日韓併合が、韓国の歴史の中では、悪いことばかりではなかったという立場で書かれた本で、新鮮な印象を持って読みました。私には、この史観が正しいのかどうかの判断をする能力はありませんが、こういった見方もあるのだと思い、新鮮に思いました。過去の客観的データもあげて、書いておられるので、なるほどと思わせるところも多くありました。大切なのは、過去の感情や、政治的思想に寄らない正しい史観を持つ必要があり、歴史のある真実を伝えているようであり、とても勉強になる本でした。勿論この本の主張に同意しない方も大勢いるとは思いますが、今後、冷静な議論が進むことを望みます。

ガリア戦記 (岩波文庫)

[ 文庫 ]
ガリア戦記 (岩波文庫)

・カエサル
【岩波書店】
発売日: 1964-01
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
ガリア戦記 (岩波文庫)
カエサル
カスタマー平均評価:  4
カエサルの人間臭さ
カエサル率いるローマ軍の戦記です。 戦いの描写や部族の内部事情等を書き連ねています。 特に、カエサルの人の感情に訴えかける行動に着目しながら 楽しく最後まで読み進められました。 ただ、私の知識ではローマ軍とガリアの各部族との位置関係や 戦い方をうまく想像することができなかったための歴史初心者には厳しいという 意味で星3です。 足りない部分は、塩野七生氏のローマ人の物語ルビコン以前・以後を参考に読み進めました。 人間臭いリーダーの記録です。
タキトゥスの『ゲルマニア』と双璧
カエサル著の『ガリア戦記』です。カエサルというのは古代ローマの皇帝(厳密には違いますが)ジュリアス・シーザーのことです。 ガリアというのは、現在のフランス辺りです。古代ローマ時代は僻地でした。 カエサルの、ローマの将軍としてのガリア遠征記です。 当然、当時のガリアを知るにあたって重要な史料です。 と同時に、名文として名高いです。 文体としては、起こった事実を淡々と記述しているものですが、ストレートだからこそ伝わってくる臨場感があるのでしょう。どうしても翻訳という形をとると、文章の善し悪しというのは分かりにくくなるものですが、本作はシンプルだからこそ、翻訳であってもある程度分かりやすいのかもしれません。 ただ欠点をいえば、無駄な描写が無いということは、戦闘の記録としては良いのですが、細部については別の手段で補わなければなりません。当時のガリアの生活風俗など。 そういう部分についてはタキトゥスの『ゲルマニア』をどうぞ。
古代の政治パンフレットの一例
 これはカエサルが書いた古代の政治宣伝パンフレットである。本当に致命的に重要なことはすべて隠してある。 誰が読んでも大したことは引き出せないようになっている。概要しか書いてないのだ。  簡潔な文体が褒められているが、つまりは削りに削って名文たるに必要な部分もまた削ってあるということだ。 削り過ぎでけなす手がかりすら見当たらないように削ってあるという事に過ぎない。この点もまた政治的。  だからこの本は古代の資料として価値が高いが、文学的な価値が高いという意見は見当外れであると思う。  さらにカエサル自身の感情や意見が見えにくく、またローマの征服的イデオロギーが巧妙に隠されている。 「ローマが危険なのでプロヴァンスを獲る。プロヴァンスが危険だからフランスを獲る。フランスが荒らさ れるからドイツを征討する」式の発想では世界を征服するまで止まりようがないであろう。また、相手がどう しても必要としているものまで認めようとしないのでは戦闘になる。それを見越して要求するローマのやり方 は今日の某大国と同じである。ここでカエサルがどう描写しようともよくよく見直せばローマ軍が征服軍隊で ある事ははっきりしている。  ローマものを読んで喜んでいる人は少し自省した方がよい。この本が古来政治的指導者に読まれ、軍備の必 要性や支配被支配の観念を植え付けたのだとすれば、これは一種の毒本である。
硬質な物語
 ノーベル文学賞が 太古からあったとしたら カエサルは間違いなく 本作で 入賞していたと言われているらしい。小林秀雄も読み始めたら止まらなくなり この本で一編の評論を書いたほどである。  いうまでもなくカエサルはローマ帝国の創始者であり シェイクスピアをして「ジュリアスシーザー」という戯曲を書かしめた政治家である。そんな彼が 文章の達人であったということは 歴史の恵みの一つかと思う。  とにかく簡潔で力強い文体が魅力である。高村薫あたりも影響を受けたのではないかと思うくらい硬質だ。語られている内容は戦争の記録である。叙事詩ですらない 事務的な報告書である。しかし それが読ませるわけだ。  塩野七生という作家に影響されて すっかりカエサルのファンになった小生である。単純な話だが。
戦術の天才は文才も
本書を読む前に、いくつかのローマ帝国関連の書籍を読んでいました。 その中で読みたい本としては、本書とギホンの著書の二冊。 あまりにも有名な著書ですし、日本語訳されているため本当の良さはわかりにくいのかもしれませんが。 (ラテン語読めませんが) 電車等でも持ち歩ける文庫サイズだし、お勧めの一冊です。

戦国の群像 (学研新書)

[ 新書 ]
戦国の群像 (学研新書)

・小和田 哲男
【学習研究社】
発売日: 2009-05
参考価格: 830 円(税込)
販売価格: 830 円(税込)
戦国の群像 (学研新書)
小和田 哲男
カスタマー平均評価:  4
幅広いテーマを扱っています
「戦国の城」「戦国の合戦」が良かったので、買って読んでみた。取り上げている内容は幅広い。成り立ちからみた戦国大名の分類、主君と家臣の関係、実際の統治や税、後継者問題、教育、奥、大名の教養、橋や道路や関所、流通や商人、職人たち、実際の農村と農民、戦国時代の女性の実像、他。 自説を主張するだけではなく、適時いろいろな研究者の近年の研究成果に触れて紹介している。新書サイズなのでそれほど見やすくはないが、写真や系図や地図も良く整理されている。 ただ、どの章も本来それだけで1冊になるようなテーマなのに、目立った例とエピソード中心に数十ページずつ触れているだけなので、あまりに広く浅く過ぎてちょっと物足りなさを感じた。もう少しそれぞれのテーマを絞って掘り下げ、3冊くらいに分けて出版すべきだったのではないだろうか。

物語 ヴェトナムの歴史―一億人国家のダイナミズム (中公新書)

[ 新書 ]
物語 ヴェトナムの歴史―一億人国家のダイナミズム (中公新書)

・小倉 貞男
【中央公論社】
発売日: 1997-07
参考価格: 1,029 円(税込)
販売価格: 1,029 円(税込)
物語 ヴェトナムの歴史―一億人国家のダイナミズム (中公新書)
小倉 貞男
カスタマー平均評価:  4.5
ヴェトナム史に興味があれば
ヴェトナムの古代からホ・チ・ミン時代までの概観書。中国との関係、インドシナ諸国および欧州列強(特にフランス)との関係の2つの軸から話が進む。概説としてはまとまりがよく、政治的な見解などのバイアスもかかっていない印象で、良書と思う。 経済成長を本格的に始めつつあるヴェトナムの最近の歩みについて読みたい向きには、97年出版かつカバーしている範囲がホ・チ・ミンまでということでお勧めできない。それでも、国としての成り立ちを知ることは、現在のヴェトナムへの理解も深めてくれるはず。歴史も含めてこの国への理解を深めたいならば、本書は手軽なチョイスであろう。
毀誉褒貶はあるが、価値ある書籍
他の人の記載の通り、本書の最大の価値は、日本で馴染みの少ないベトナム史の手ごろな入門書という点にある。なので、細かい荒を指摘しても仕方がないが、長所の指摘は他の方にゆずり、ここでは少し短所を記載したい。 仕方がないとはいえ、北部の歴代ベトナム王朝中心の歴史となっている。1500年以上現ベトナム南部を支配したチャンパーの記述量は、15もの王朝が興亡し、壮麗な遺跡が残り、歴代王名も殆ど判明しているにも関わらず稀少である。この手の通史にお約束の歴代国王一覧や系図がない。地図や図版も少ない。中国風衣冠装束の北部王朝と、インド的なチャンパー王の図像がひとつでもあれば、随分とイメージが沸いたのではないか。李朝末期の章に登場する簒奪者の甥と、次章で語られる陳朝初代が同一人物だとは、なかなかわからなかった。黎朝初代の黎利は、本文に漢字名の記載がなく、他の王の記載と不ぞろいである。 しかし、これは瑣末なことである。陳朝初代王が残した次のような回想を知っただけでも、私にとって本書の価値は高い。 「帝王になったときはまだこどもだったが、それ以来、わたしは自由になったことがなかった。両親は既にこの世にはいない。わたしにアドバイスを与えるものは誰もいない」そうして王宮を抜け出し、山に入り、聖人に諭される。「わたしは王宮に帰った。わたしの意志に反して王としての仕事を続けている。あれから数十年たった。いま、暇なときに、年をとった人たちを集めて、禅の教義と経典を勉強している。経典を勉強していると、いつも「あなたのこころをなにものにも固定させない」という言葉が目にとまる。私は本を閉じる。長い瞑想にふける。啓発がある。これが禅なのだ、と思う」
ベトナムの歴史の概要を知る上ではよい本
ベトナムの「英雄列伝」という感じ。新書という制約上、個々の人物がそれほど詳しくはないが、英雄たちの波乱万丈の生き様にちょっと感動を覚えた。実際にハノイに行く予定があったため、読んでみたが、おかげで文廟やホーチミン博物館などの史跡に行っても楽しめた。敢えて言えば、残念なのは、ホ・チミンの記載がちょっと簡単すぎるところ。著者も言うように、第二次大戦後の歴史は別の本を参考にすべきかもしれない。
バランスのとれたベトナム通史
著者はベトナム史をA・B軸の国際関係から捉えている。A軸は中国との対立と交渉の歴史、B軸はベトナムと東南アジア・モンスーン地帯の諸民族(チャンパ、ラオス、カンボジア、タイ)との関係である。中国から常に圧力を受けるベトナムは、同時に南方に拡大するエネルギーをもった「北属南進」の歴史を持っているのだという。これが今日の南北に伸び、東西の狭い独特な国土を作り上げている。

ベトナムの古代から、中国支配、統一王朝、そしてフランス植民地時代とホー・チ・ミンに指導される独立運動まで、歴史記述のみならず、ベトナムの地政学的考察、文化の紹介まで触れたベトナム史の好著。
手ごろなヴェトナム史の概説書
<物語〜の歴史>シリーズの中では、お勧めの1冊です。
ドイツや中国などは1冊にまとめるには無理がある素材ですし、
わざわざ、この物語シリーズで刊行しなくとも他にも
概説書がたくさんあるわけですから、あまり必要ないでしょう。
ヴェトナムをはじめとする東南アジアの歴史は、
日本では軽視されがちです。世界史の教科書でもなかなか

詳しく扱っていません。
ヴェトナムの通史的な理解と、その時々の英雄やエピソードなどが
まんべんなく語られているこの書は、入門書としては最適だと思われます。
中国文化の影響の強いヴェトナム史に出てくる人物たちの
物語は知名度は低いですが、三国志的な面白さも秘めた
読み物としても十分に堪能できます。


マグダラのマリア―エロスとアガペーの聖女 (中公新書)

[ 新書 ]
マグダラのマリア―エロスとアガペーの聖女 (中公新書)

・岡田 温司
【中央公論新社】
発売日: 2005-01
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 840 円(税込)
マグダラのマリア―エロスとアガペーの聖女 (中公新書)
岡田 温司
カスタマー平均評価:  4
『マグダラのマリア』
聖書には色々なマリアが登場する。その中で、聖母マリアとマグダラのマリアが最も有名で、マグダラは出身地名である。マグダラのマリアは娼婦と呼ばれ、またイエス・キリストの妻とも言われる。西洋の画家たちはマグダラのマリアを美しく描いた。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」に、絵に向かってキリストの左側にいる人物はマグダラのマリアだと言われている。教会は美しい彼女の昇天の絵を飾って、女性の信仰を高めることに利用した。彼女は、いつもイエスのそばにいて、その後イエスが磔刑(たっけい)に処せられたとき、イエスの復活の最初の証人となった。イエスの弟子たちの中には、彼女を嫌うものもいて、聖書の中での彼女に関する記述には統一性がない。本書は学者の書いた文章で、小説家の文ではないから、内容は静かに進んでいく。美しいカラーの絵や白黒の絵が多数あって、読者の理解を助けている。マリアは聖母だけと思っている方々には、ぜひ読んで貰いたい本である。
女の一生
『創世記』における天地創造の物語をしばし想起しよう。  神は己の似姿として人をかたち造り、その後、「人は独りでいるのは良くない」との 思いから、あばら骨を抜き取って女を造り上げた。蛇の誘惑に負けた女は禁断の果実を もぎ取り、男にもそれを手渡し、共に食する。その罪ゆえに、神の逆鱗に触れた人間は エデンの園を追放される。  爾来、女は常に男を誘惑するものとして現れることとなる。  いみじくも、その美貌によって男を惑わす罪深き娼婦、マグダラのマリアは、そうした 女性像の典型として描き出される。  しかし同時にこの彼女、「悔い改めよ。神の国は近づいた」の具現者としての顔を持つ。  悔悛を遂げた「祝福されし罪人」を象徴するマリアは、永遠の命の与った神の子イエスと この世をつなぐメディア=巫女として、時にそのことばすら伝えるほどの重要人物。  あるいは、『ヨハネによる福音書』の中の出来事、閉ざされたはずの墓石の前に泣き崩れ、 復活の時を迎えた師イエスを目の当たりにし、「わたしにすがりつくのはよしなさい」との ことばをかけられるのも、このマグダラのマリアであった。  娼婦にして聖女、そんな両義性を湛えたこの至高のヒロインに民衆が魅せられないはずも ない、無論、芸術家たちが放っておくはずもない。  本書では、聖書や外典での彼女の位置づけを繙くところからはじまり、マリア解釈の変遷を バロック期までのイタリア芸術を通じて読み解いていく。単に宗教芸術の表象分析を施すに 留まらず、その背景にある時代にも、冷静かつ明晰な筆致で食い込んだ一冊。  時にそのきらいがないこともないが、知識は決して作品を前にした新鮮な直感の妨げとなる ものではない。むしろ、豊かな知識があればこそはじめて理解される深遠なる奥行きもある。  本書はそうした西洋芸術への洞察の一助となるものである。
一人の女性に負わされた、余りに多くの“欲望のかたち”
 かの『ダ・ヴィンチ・コード』の陰のヒロイン、“マグダラのマリア”。本書では様々な絵やテキストに現れる“マグダラ”像から、2000年前に生きた一人の実在の女性が、西欧史のそれぞれの時代、どのように語られ、どのように“利用”され、“消費”されてきたかを探ろうとする。  原始キリスト教団の有力女性信者だったであろう、実在の“マグダラ”。その彼女に様々な女性達の実像・虚像が重ねあわされていく。それぞれの時代の女性の地位や社会的役割、そして女性に向けられた視線や偏見が一人の女性の姿の上に塗り重ねられていく歴史には、ある種の“恐怖”を感じ、また人間の醜さ、業の深さに打ちのめされる思いがする。その2000年の歴史の末端に『ダ・ヴィンチ・コード』が位置し、それに賛美や罵声を浴びせかける我々が存在している。  この“物語”に、救済を見出すとすれば、後世の人間達のそんな愚かさ・醜ささえも包み込む(もしかすると多少の困惑と憂愁を含んだ)微笑が、古代、キリストの身近に確かに実在したかも知れないという、かすかな空想にそれを求めるより無いのだろうか。  色々な角度から考えさせられる著作である。
『マグダラのマリア』(岡田温司著・中公新書)を読む
小学生低学年の頃、宗教の時間に、『ヨハネによる福音書』にあるこんな一節を聞かされた。 マリアが自身の髪の毛で、イエスの足に香油を注いで拭いた。 低学年の男児にとって、そのマリアの行為は理解の外にあったが、何やら得体の知れぬ感覚だけが強烈に残った。そしてこれが、マグダラのマリアのイメージと重なって、私の中に存在し続けることになる。 これが実は、マグダラのマリアを描いたものではなく、ベタニアのマリアという別人のものなのだと知るのに、その後随分の時間を要した。 サンタ・マリア・デラ・グラッチェ教会に描かれた「最後の晩餐」の12使徒の中のひとりが男性ではなく女性で、それがマグダラのマリアではないか、という『ダヴィンチ・コード』の展開は、多くの人に衝撃を与えただろう。 ただ、私は、衝撃より前に「娼婦マグダラのマリアがなぜ?」という疑問を強く感じたのだが。 本書は、「聖女マグダラのマリア」が「娼婦マグダラのマリア」にそのイメージを変貌させていく過程を、聖書に入れられなかった外典の記述や修道会の存在、あるいは、多くの絵画、文学を網羅して描いてみせる。 マグダラのマリアとは何者だったのか?外典に見えるペテロの言動には、後のローマカトリックの展開を考えるとき、興味深いものがある。
西洋の女性観の鏡
ダヴィンチ・コードで一気に日本でも知られるようになったマグダラのマリア。 キリスト教文化を知る上で必須とも思える人物であるが、不思議と日本では紹介されることが少なかった。おそらくこの本が一般に入手しやすい新書という形では初めて紹介していると思う。 「マグダラのマリアとは西洋の女性観を著す格好の指標である」というのが読了した第一の感想である。 福音書や外典に表れる数々のマリアたちやその他の女性像が複合しているという時点で聖母マリアとはまた違ったもう一つの代表的女性像である。それは聖と俗の対であり、時代時代の女性観の鏡である。 隠修士であり、娼婦であるマリア。罪深き人間であるマリアである。 美の象徴でもあり、罪の象徴でもある。いかにも人間くさい。 聖母マリアには自己を投影するには不可能であるが、マグダラのマリアには自己を投影できるであろうし、教会としても様々に話題にしやすい存在である。 作者は本格的な美術史家であり、本書はその該博な知識と美と文化への探求心の産物である。これまで日本であまり注目されていなかったが重要なテーマであるマグダラのマリアにテーマを絞ったことにも西洋文化への確かな理解が表れている。

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 更新日 2009年7月8日(水)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク