同時期に高階秀爾さん、森洋子さんの書かれた入門書も買い読みやすくアッというまに読み終えましたが、この著者の日本語表現は他の方も書かれているとおり文章が読みにくかったです。スラスラ読める文章ではない!と覚悟して買うべし! 図像学の入門書西洋絵画の図像学の入門書。取り上げられた作品について深く知りたい人向けの本です。西洋絵画の流れを知りたい人向けの本ではありません。
扱っている作品は、第1章で目次にも出ているミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画と関連して同じ礼拝堂の「最後の審判」。第2章はレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」「最後の晩餐」「岩窟の聖母」。第3章はデューラーの「メレンコリアI」第4章はジョルジョーネの「テンペスタ(嵐)」
第1章〜第3章は著者の豊富な知識から、書かれている物の意味、同時代の画家との比較などで構成され、特にダ・ヴィンチの作品では多くのページが割かれている。第4章は著者の意見と言うよりは、過去の研究者の多くの解釈を紹介し最後に自分の信じる解釈を披露している。
星3つにしたのは、デューターの版画の図版が同価格の他の本より解像度が劣ることと、この著者に他の作品にも共通して言える事ですが、高階秀爾さん等同世代の美術史家に比べ、入門書であるにもかかわらず、文章(日本語)が判りにくいからです。
三島の生涯を写真や直筆原稿を、エッセイ等を交えた伝記。彼の生涯を概観するにはもってこいだが、概観するにはあまりに強烈な生涯だ。
私のような浅学非才のものにはちょうどいいかもしれない。 ポジティブな反骨精神。そして、創造的なアウトロー。 三島の写真と言えば、箱根の富士屋ホテルを訪れていた時に、ホテル内に飾ってあった有名人の写真を見て、初めて三島が結婚していることを知った。それは、意志の強そうな夫人ではあるが、ごく普通の夫婦であった事に、強い印象がある。決してエキセントリックでは無かった。ああ、三島も結婚したんだなあ、と不思議な感慨を覚えた。後で調べてみると、川端康成が仲人をしている。
今回の数々の彼の生立ちの写真達を見ていると、時代の先を慄然と走り、走っているふりもし、そして時代を創り出そうと随分と彼ももがいたのだなと感じる。そう、文学で走る事から、剣道・空手・居合などの武道にて自分を律することでバランスを保っていた彼。終戦から全共闘から文学の無力さを受け入れるまで、走りつづけ!た彼。どっか、肩肘の張りがみえ、無理が感じられる彼。 ポジティブな反骨精神。そして、創造的なアウトロー。今改めて見ても、三島はかっこ良いと言い切れる。
(後半にある、昭和43年の盾の会征服姿の宇宙戦艦大和に出てきそうな三島は、少々恥ずかしいか・・・)
第一。ほかの方も言っていますが、全共闘の人々の言っていることが抽象的でほとんど分からない。議論を丹念に追うのは、ほとんど無駄に思えます。にもかかわらず議論に食いついていった三島は、それだけで立派。私自身は、この時代に生まれなくてよかったと思います。
第二。三島も全共闘も、互いに自分の意見が相手に通じるとは全く期待していません。にもかかわらず、というより、それゆえにこそ、本書では「対話」がそれなりに成り立っています。このことは、非常に面白い。と同時に、この後の内ゲバ騒動を考えると、非常に複雑な気持も懐きます。
第三。両者とも、「!この一瞬」にかける熱気がすごい。そしておそらくはそれゆえに、両者は対極的な意見を持ちつつも、「心意気」で通じるところがあったように感じられます。 私は三島はあまり好きではないのですが、本書に関する限りは、三島に軍配を上げたいと思います。
個人的には,好きなクロード・ルルーシュについて一言も触れられていないのがすこし寂しかった。 映画生誕110年 1954年生まれの文学博士が、NHKフランス語会話テキストへの関与をきっかけに、2002年に著したフランス映画史の概説書。1894−95年に誕生した映画は、まもなく産業化され、1908−14年文学的特質をもった「映画芸術」として確立する。第一次大戦中にはアメリカ映画が台頭するものの、フランス印象派の下で映画批評が成立し、映画の内容よりも表現技法(形式)が重視される(アヴァンギャルドは物語性自体を否定)。1930年代のトーキー革命は、シナリオ優位の詩的レアリスムを発展させ、これがフランス映画の「良質の伝統」を形成した。これに対して反旗を翻したのが、1954年以降のヌーヴェル・ヴァーグである。ゴダールに代表されるカイエ派は、アメリカの娯楽映画を重視し、スタジオの職人による分業システムを否定し、どんな商業作品にも自分の刻印を示す「作家」としての映画監督を目指し、手持ちカメラ(技術革新!)・自然光・素人役者を用いた簡素で自由な映画制作を行い、スタジオシステムを破壊した(他方左岸派は、登場人物へのインタビュー形式を発展させた)。1968年の五月革命を経て、1980年代にはフランス映画は多様化の時代に突入し、ヌーヴェル・ヴァーグ、BBC(アメリカン・ニュー・シネマとフレンチ・コミックスの影響)、その他に分岐する。名作のみでない多様な作品にも目配りし、エピソードも多々交えた上で、フランス映画史の流れをこれだけ簡便にまとめてくれたことは、非常にありがたい。ただ、最後の「多様化」の内実がいまいち分かりにくかった。この点については、むしろ四方田犬彦『日本映画史100年』の方が、イメージがわきやすかった。日本映画史における弁士の役割や企業史への指摘と併せ、本書とともに併読されることをお薦めしたい。 フィルムルノアール評論の決定版!フランス映画を創生期から現在までうまく取り扱った本はないものかと常々感じていましたがようやく出版されたという想い。はっきり言えばこの本を最近まで著すことを怠った著者の断罪は大きい。新書なので頁数は多くありませんが内容はぎっしり詰まっていて読み応えあります。特筆できる点は2つまず映画の技法を初心者にもわかるように解説している。
前衛実験映画の殊にシュールレアリスムと結び付いた作品を取り上げている。ブニュエル、ダリ、ガルシアロルカの出会いと創作ネタは必見!最近は昔の名画をDVD化されたり、レトロスペクティブで上映されたり、復刊されたりレトロブーム。
中条氏もこれに乗じて出版されたのではないでしょうが、フランス映画の歴史の変遷と面白い映画はないかと探している人々の素晴らしき孫引きになることでしょう。