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秘密のファイル〈上〉―CIAの対日工作 (新潮文庫) 台湾―変容し躊躇するアイデンティティ (ちくま新書) いちばん大事なこと―養老教授の環境論 (集英社新書) ドイツ・イデオロギー 新編輯版  岩波文庫 憲法と平和を問いなおす (ちくま新書) 人間を幸福にしない日本というシステム (新潮OH!文庫) 下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書) 日本語と外国語 (岩波新書) 道路の権力 (文春文庫) EATING IN JAPAN(飲食編) 日本絵とき事典
秘密のファイル〈上〉―CIAの.. 台湾―変容し躊躇するアイデンテ.. いちばん大事なこと―養老教授の.. ドイツ・イデオロギー 新編輯版.. 憲法と平和を問いなおす (ちく.. 人間を幸福にしない日本というシ.. 下流社会 新たな階層集団の出現.. 日本語と外国語 (岩波新書) 道路の権力 (文春文庫) EATING IN JAPAN..

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秘密のファイル〈上〉―CIAの対日工作 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
秘密のファイル〈上〉―CIAの対日工作 (新潮文庫)

・春名 幹男
【新潮社】
発売日: 2003-08
参考価格: 820 円(税込)
販売価格:
秘密のファイル〈上〉―CIAの対日工作 (新潮文庫)
春名 幹男
カスタマー平均評価:  4
情報戦 勝ち組・負け組
日米開戦から現代にいたる日本をめぐるアメリカの情報工作の
実態を浮かび上がらせる秀逸なノンフィクションである。

著者はアーカイブスの資料や関係者の証言をもとに
日米戦争からGHQの日本統治をへて現代までの戦後政治のさまざまな
局面を「情報工作」という光をあてて読み解いていく。

そこに現れる発見と真相の数々には読んでいて驚きを隠せない。

戦後の多くの著名政治家がアメリカの情報機関と様々な関係を
もっていたことや大事件の裏に見え隠れする情報工作、
まさに緊迫の調査報道である。

アメリカが国際政治や外交において「情報」をいかに重視してきたかを
見せ付けると共に、対照的に情報後進国でありつづける日本の姿を

はっきりと浮き彫りにしている。

情報戦の勝ち組アメリカ、負け組日本という構図は21世紀に入っても
あまり変わっていないようだ。
裏から見る日米政治史
太平洋戦争に於ける日本の敗北の最大の原因は、情報戦において圧倒的に米国に劣っていたことであると多くの歴史文献が明らかにしている。優れた米国の情報戦力によって、日本は戦争に誘い込まれそして敗北したとさえ言う人もいるぐらいだ。情報戦とも諜報戦ともいわれる戦いの力量の差から、日本は戦う前から負けが確定していたと言っても良いだろう。

米国の世界戦略は当時も又現代においてさえも、この圧倒的な情報戦力に基づいている。米国の世界覇権を支えているのは、CIAという単独機関の働きだけではなく、政府機能自身に強く埋め込まれたこの情報に対する鋭い価値観なのだ。

現在共同通信の論説委員長を務める著者は在米記者活動12年に及ぶという。本書は上下二巻に亘り、第二次大戦、現代に至るまでの米国、特にCIAの対日工作を実に丹念に追った労作である。

戦後50年を経て漸く公開された様々な秘密文書などを読みこみ、豊富なインタビューなどの記録から明かされる対日工作の内容は衝撃的である。嫌らしい、あるいは「汚い」ともいえるほどの米国の諜報謀略に憤激を覚えないではないが、その一方で、余りにも情報戦において不甲斐なく、無防備な日本の体制にこそ憤激すべきかなとも思う。

GHQによって行われた、「公職追放」が如何に恣意的な情報戦略の一貫として行われたかの下りは特に興味を引かれる。吉田茂が一旦はリストに載りながら、米国側の事情によって巧妙に追放リストから外される一方では、吉田の政敵でもあった鳩山一郎が何故追放を免れ得なかったのかという秘話などは、日本戦後史の謎解きを読むようだ。

本書には、核持ち込みに関する日米秘密協定、安保、沖縄返還交渉の秘話など衝撃の事実が多く掲載されている。又、現在、活躍中の政治家がCIAの人物ファイルにどのように書かれているかといった点など、著者の資料収集力と分析力には驚嘆させられる。


台湾―変容し躊躇するアイデンティティ (ちくま新書)

[ 新書 ]
台湾―変容し躊躇するアイデンティティ (ちくま新書)

・若林 正丈
【筑摩書房】
発売日: 2001-11
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
台湾―変容し躊躇するアイデンティティ (ちくま新書)
若林 正丈
カスタマー平均評価:  4.5
入門書に最適
著者が1992年に東京大学出版会から出している学術書『台湾 分裂国家と民主化』をベースにしながら2000年までの推移を書き足し、更に一般の読者の為に平易な文章でコンパクトにまとめ直した新書。「いきなり学術書から入るのはちょっと」「台湾問題の全容を手っ取り早く正確に知りたい」「専門書をめくり直すのが面倒」という人に推薦できる良書。
ほかの本との併読を勧める
大まかな台湾の歴史を理解するには便利な本。ただし著者である若林教授の立場は一貫して民進党(台湾独立派)に近く、公正さには疑問が残る。ほかの著者(例えば戴国W教授など)の著書と併せて読まれることを勧める。
台湾入門書
この本は台湾の入門書と言っていいと思います。
私は最近台湾の歴史に関心を持ち始めて、詳しく、そして初心者でもわかりやすい本を探しておりました。この本は私にとって、うってつけの本でした。さらに情報自体も新しいので、最近の台湾の事情についてもわかると思います。

私のように台湾を知りたいけどどの本からはじめていいかわからない人にはお勧めです。


いちばん大事なこと―養老教授の環境論 (集英社新書)

[ 新書 ]
いちばん大事なこと―養老教授の環境論 (集英社新書)

・養老 孟司
【集英社】
発売日: 2003-11
参考価格: 693 円(税込)
販売価格: 693 円(税込)
いちばん大事なこと―養老教授の環境論 (集英社新書)
養老 孟司
カスタマー平均評価:  4
夢中で読みました
初めて養老先生の本を読みましたが、いままで自分が持っていた価値観を揺さぶるものを感じました。 自然というシステムを壊すのは簡単だが、その逆は不可能に近い・・・なるほどと思います。 シロアリの擬態をする虫のイラストは、それ自体の説明はありませんでしたが納得するところ大です。 自動車業界で働く者として、車の排気ガスとタバコの煙は「目くそ鼻くそ」という説には全然同意できませんが、 (曲がりなりにもインフラと嗜好品の違いがある)、人体を構成する物質というベースで考えたとき、一年前の自分と今の自分は同じところはほとんどない、という事実は、解剖学者の先生らしい指摘であり、自動車業界人含め覚えておくべき科学的事実だと思います。新幹線通勤の往復で読み終えましたが、下車駅で立ち上がった目線の先の車内広告に養老先生が出ていたのがさらに印象を強めました。
システムとしての自然
 虫好きで鳴らす養老孟司教授による環境論、というか、自然に対する教授の考え方を縦横に述べたおした本です。  教授によれば、人体であれ生態系であれ、およそ自然というものは膨大な変数の集積たる複雑なシステムである。「ああすれば、こうなる」とばかり何れかの変数をいじれば、他の変数にも必ず何らかの影響が及ぶので、システム全体としては予想もしなかったような反応が生じることになる。したがって、最初に予期したとおりの効果を得ることは極めて難しい、ということです。  うーん、そうだったのか。文科系ドロドロ人間の小生、現代科学の水準をもってすれば自然界の森羅万象全てが計算可能であり、動植物のことであれ生態系のことであれ、何でも分かった上で病気の治療なり治水・治山なりの取り組みがなされているものと思っていました。そうでないとすると、人間が自然に対して一方的かつ大規模に手を入れるなんてことは、文字通り「神をも恐れぬ仕業」、かなりヤバイのではないかという気がしてきました。人間たるもの、やはり神と自然の前では謙虚でなければならないということでしょうか。  そんなこんなで、とても興味深く読めた一冊ですが、最後の、今後のあるべき自然との付き合い方の部分については、現実味という観点からちょっと如何かなと思いました。  いずれにせよ、自然と人間との関係という問題は、古くて新しく、しかもとても大切な問題です。環境問題や自然の大切さに問題意識を持たれる向きであれば、一読しても損はなかろうかなと思います。
環境のシステム論
本書は昨今の環境意識の高まりを他所に、将来へ向けた具体的な指針は示さないながらも 個々人が環境という問題に触れる際に持つべきスタンスを十分に表現していると思います。 著者は一部の環境側面を捉えたデータだけでは、環境が解釈できたとはいい難く、 環境のすべては互いに連関した生体の様な複雑なシステムで成り立っており、 単なる機械などと同じ感覚で「あれをすれば、こうなる」といった予測などは ほとんど適用できず、仮説により実践し、変動を観察して微妙な修正をしながら、 環境をケアしていくことが重要であると述べています。 そのような独自論を展開できるのも、昆虫採集に情熱を注ぎ、自然環境を肌で感じ 取っている著者だからこそ可能ならしめるものであると思われ、机上の空論だけでは ない実地に基づいた展開は説得力があります。 将来の環境問題は単純ではないからこそ、敢えて具体的な結論として解決策が 導かれていない本書ではありますが、経済と環境を含めて大枠で俯瞰する視点を 得たいという方などにはお奨めの書だと思います。
前提が良くわからない
この本では、「日本が農村ばかりだった時代を知っている65歳以上の人たちは、皆自然のシステムの複雑さを知っていて、だから自然をむやみに壊さない」または「農村に住む人は全てエコロジスト」であるかのように読めてしまいます。農村の土建屋も一生懸命土手にコンクリートを打っているし、農村から出ていった政治家が、せっせと高速道路を作らせているような気がします。 最後の「ではどうすればよいか」でも、およそ実現の可能性がありえないようなことを言っておいて、「はい、とりあえず自分は解決策を出しましたよ。実行するかどうかはあなたたち次第です」のような感じで、あまりよい印象を得ませんでした。
子供におすすめ
あらゆる情報の津波にもまれ社会が複雑化することにより、それに対応するべきヒトの思考回路も同じく複雑化し、多面的な社会的要素を多くの人が共有するようになるのかといえば、必ずしもそうではなく、逆に単純一元的な思想が支持を得て幅をきかせはじめる。普段いかに自由だとはいえ単純な「思い込み」に自分自身を含め多くの人が縛られて左右されていることか。 この本では冒頭、環境問題とは「自然」対「人間」ではなく「自然」対「都市」であり、また「都市である脳」と「自然である身体」は対立しているという発想にまず驚く。そしてそれを基本に環境問題における中欧日の歴史、儒教や朱子学といった思想から現在の少子化問題まで幅広く的確に説明するものだから、これ一冊だけでもたいへん勉強になる。 そして最後には環境問題とは森や動物の保護といった「外」だけではなく、同時に「内」である自分自身の生き方の問題だということに気付かされる。 素晴らしい本にめぐりあえました。

ドイツ・イデオロギー 新編輯版  岩波文庫

[ 文庫 ]
ドイツ・イデオロギー 新編輯版 岩波文庫

・廣松 渉 ・マルクス ・エンゲルス
【岩波書店】
発売日: 2002-10
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 840 円(税込)
ドイツ・イデオロギー 新編輯版  岩波文庫
廣松 渉
マルクス
エンゲルス
カスタマー平均評価:  4
『文学』として
経済学、あるいは思想の書としてではなく、僕は一つの「文学」作品としてこの本を読みました。言わば僕の目にはある種の「小説」として『ドイツ・イデオロギー』は映るのです。それも最良の「小説」体験として。そのように眺めるとこの本は実に面白かった。僕はこの本を読む事によって様々な“しがらみ”が自分の中で解体していく心地よさを味わいました。すなわち「イデオロギー」あるいは「教養」として何かを理解したり何かの役に立てたりする為にではなく、「マルクス」という一人の人間を通して世界を読み替える装置としての「文学」体験。問題の今日性というより、問題に対するマルクスの視線こそが僕には最大の魅力だったのであり、僕はマルクスのその眼差しをこそ体験したのだという思いがしています。それこそ「真面目」に読んでしまったら僕は最後まで読み通す事もしなかったでしょう。「小説」のように楽しむ事、それが僕の「マルクス体験」の最大の意義でもあったわけあり、その事によって百凡の小説作品を凌駕する読後感を味わう事ができたのです。何やら取り留めもないレビューですいません。ただ単に僕が「不真面目」であるだけなのかもしれません。
読み物というよりは、理解するための本
もともとマルクス・エンゲルスの生前には刊行されず、二人の死後、草稿・原稿の 集積であったものを編集刊行したわけですが、問題はこれらの草稿をどのような形 で出版するかということで、編集者それぞれの意図によってそれぞれ違う「ドイ ツ・イデオロギー」が出版されるわけです。 この本はマルクスを ・マルクス主義の経典としてではなく古典的遺産として ・マルクスを完成されたドグマとしてではなく未完の体系として 捉えようとする「一つの試みの書」として高く評価することができます。 ちなみに、そういった姿勢をとる訳者達にとって、整合性の取れたものとなるよう に不完全・余計なものを省き、あれこれ「恣意的」な編集を行った旧訳のアドラツ キー版は偽書とさえ断じています。 また、補訳者の言葉によると、河出書房版をベースに文庫化したものだが、単なる 文庫化ではなくその後の研究成果も反映されているとのことです。 この本に対しては復元の仕方に批判があるようで、無論、この本が無謬だとか決定 本とか言うつもりもないですし、読みづらいのは確かですど、過去のマルクス読解 の教条性、硬直性の歴史を鑑みると、これを文庫にしたということ自体結構すごい ことかと。 ちなみに1994年4月に出版が正式決定、そして8月に訳者の廣松氏死去。合掌。
権威主義をそうと気付かせずに蔓延させた問題の本
廣松渉存命中は、この訳の元になった河出書房版を参照しなければ、この本を読んだことにならない、というハナシがまかり通っていた。「資本論」や「経済学哲学手稿」より読みやすく、ストレートにメッセージが書かれており、天才に垣間見られる独特の輝きが、その断片性と相俟って、古くから人気のあった本。よく知らない人は、廣松の主張だけ斜め読みして、あたかも他の版や翻訳が、全然違っているかのように思っているが、それは間違いである。配列などが大きく異なったり、確かに少し趣は違うが、出てくる文章やメッセージは、概ね同じ物ばかりだ。もちろん、未完成の遺稿だけに、翻訳の段階で、通常の翻訳よりぶれが大きいともいえるが、もとより、本としての体裁をなす前に放棄されている以上、著者の「真意」なるものを想定することは出来ない。おまけに、そもそも本書は、「ドイツ・イデオロギー」の部分訳でしかない(原本は何倍もある巨大な本である)のだから、断片的なメッセージがきちんと訳されていれば、それ以上の正しさや優劣を競うのは、極めて不誠実な発想である。その上、廣松は原本を見ていないことが判明しており、この点からも、文献学の基本を逸している以上、他の翻訳をとやかく言えないはずである。行間欄外の書き込みを、通常強調に用いる太字を勝手に使用して表記するなど、隠れた意図的な操作さえ行われている。追補書き込みが、強調したい点だとは何の保証もないし、未完成である以上、もし本にしていたら、大きく書き換えがあった可能性さえある。エンゲルスの「フォイエルバッハ論」の中にある本書の該当部分に関する論述から、これが「最終版」である、との根拠を広松は得て、その上で、本書の編纂の精度を問うているわけだが、そもそも、本にしない状態の草稿を以って、「本にする最終状態」と等価に見て話を進めることは、全然理に適っていない。結局、不確定要素が多すぎるのに、とやかく理屈をつけて精度を競うと言うのは、自然科学から見れば信じられないでたらめさで、この分野が早晩一般人から見放される(すでにそうなっている)所以だ。翻訳としては合同出版の花崎訳が最良であり、あれを勧める。古い三木清の翻訳は、小林秀雄に絶大な影響を与えており、「様々なる意匠」の有名な件は、そこから出ている。ほんとうの文化とはそういうもので、偏狭な内ゲバ精神では何も出てこないと思う。
廣松哲学の原点
 本書はかつて河出書房新社から発売された旧版を岩波が文庫として出してくれたものです。他のいかなるドイツイデオロギーよりも適訳となっております。
1845年のマルクス
 この本は、1845年当時のマルクスが、フォイエルバッハに依存していたそれまでの自分を総括し、そこから離れようとしたものである。だから、半分くらいヘーゲル左派(シュテルナー、ヘスなど)にたいする批判になっている。本当に理解しようと思うならば、それなりにその当時の思想的状況を把握する必要がある。しかし、そういう知識がなくとも、史的唯物論についての積極的な主張がなされているので、単独で読まれる価値はあるであろう。用語法に関しては、かれが難しい言葉を用いるのはヘーゲル左派に対する批判するときに多い。が、史的唯物論は、哲学ではなく、科学であるので、哲学に関する一般的な知識でも不自由することはないと思う。  本文中の、一見読みにくい編集形態は、『ドイツ・イデオロギー』がそもそも草稿であり、それだけに草稿を忠実に再現することが、この書を理解するうえで大切だからである。この作業を抜かし、旧岩波文庫版や大月版で済まそうとすると、あまり読む意味がなくなってしまう。というのも、それらはある程度編集者によって、都合のいいように組みかえられたものだからである。本当にマルクス/エンゲルスを理解しようと思うなら、この新岩波版か、少なくとも新日本の渋谷版をもちいるべきであろう。イデオロギーとしてマルクスを使おうとするなら、この限りではないが。

憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)

[ 新書 ]
憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)

・長谷部 恭男
【筑摩書房】
発売日: 2004-04-07
参考価格: 714 円(税込)
販売価格: 714 円(税込)
憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)
長谷部 恭男
カスタマー平均評価:  4.5
立憲主義という考え方をもっと広めよう
A「崇高な平和の理念を尊重し、9条は守るべき」 B「いや、現実にあわせて9条は改正するべき」 A・B「じゃあ、お互い議論を尽くして、最後に多数決で決めよう。」 一見、至極真っ当にみえるこのやりとりを、根底からひっくり返して見せるのが本書である。 筆者は立憲主義という観点から、憲法に光を当て、平和主義を実現するための方法を模索する。しかし本書で強調されているのはその結論部分ではない。 まず多数決から説き起こし、一般人になじみがうすく、直感しにくい立憲主義という概念を、先人の思想を踏まえつつ丁寧に説明する。立憲主義の観点から平和の問題を再構成することで、今まで当たり前の日常風景だと思っていた場所から、新たな地平を読者に提示してみせる。私はそのプロセスこそが筆者がもっとも描きたかったことではないだろうかと推察する。 決して初学者には易しくない内容であるが、繰り返し読むに耐える素晴らしい本である。 余談であるが、筆者がその後上梓した新書が、岩波新書、朝日新書という護憲色の強いシリーズであったことから、いつのまにか本人の意思とは関係なく(本望だったというオチもありうるが)護憲派陣営の救世主として迎えられた格好になっているのは、なんとも残念である。
憲法の問題的思考
この本の特徴は、 1、憲法の規定について、歴史、法哲学、政治学の理論などを踏まえて原理的に考えようとしている。 2、できるだけ価値的判断を排除し、理論的、論理的に分析する。 3、あくまで考えるための材料の提供である。 といった点にある。 したがって、この本は、民主主義や立憲主義、国家、人権などについて原理的に考えるための「考える材料」として有用である。民主主義、国家とは何か、なぜこれらが必要なのかを理解することは、憲法の理解の前提であるが、この本を読んで自分の頭で考えることが重要である。考えさせる本という意味ですぐれている。  他方で、この本では、憲法は民主政治で決めることを限定する枠組みであると述べてあり、憲法の価値を相対化している。その結果、「最終的に憲法の解釈は裁判所に委ねられるのだから、憲法を改正することには慎重な熟慮が必要である」といった歯切れの悪い結論が出てくることになる。このこの本には分析と解釈、論評はあっても「思想」がない。しかし、それは、「そういう本だからだ」ということになるのだろう。  「囚人のジレンマ」や「チキンゲーム」の理論は、しばしば政治学で引用される論理であるが、論理は「現実」そのものではない。憲法は、歴史的、思想的に、人類の価値判断、価値の選択の結果であり、必ず、どのような価値観、思想に立脚するかという点を避けて通ることはできない。憲法は理屈だけで論理的に生まれたものではなく、すべて、歴史の生々しい「現実」の中で生み出されたものである。憲法は国民の生活と密接な関係があり、国民は憲法の規定がもたらす結果を実際に受ける立場にあるから、現実に価値の選択に迫られる。したがって、憲法の規定の解釈は、論理や理屈だけではありえない。思想のない憲法はなく、価値観のない思想はありえない。平和の価値についても、論理だけで考えることはできない。それは、現実認識と、価値の選択の問題であり、理屈は選択した価値観の説明でしかない。「なぜ、戦争がいけないのか」は、「なぜ、人を殺してはいけないか」と同様に、理屈だけで説明するのは不可能である。それは価値観、思想、人間観、哲学の問題である。  全体を通して歯切れの悪さを感じるのは、著者の価値観や思想を積極的に出していないからである。この本は「そのような本である」と割り切ることが必要だろう。
論理的だけれど
なぜ立憲主義が必要で、その立憲主義と両立できる安全保障制度とはどのようなものかを問う本書は、立憲主義の意義を説くことをメインとするもので、立憲主義と平和の関係をめぐる問いは、その応用問題ということになります。平和主義を扱う本のうち、本書のように立憲主義に紙幅を割くものは、そうは見かけません。まず民主主義について、長谷部教授は多数決という制度に遡ってこれを論じ、民主主義によって決定すべきでない事柄を明らかにします。社会全体として統一した結論を出すべきではない問題があるという前提に立ち、そのような問題については民主主義という枠組を排除するものとして、立憲主義が描かれています。立憲主義の内容と役割は、比較不可能な価値が共存しうる社会を作ることだと整理されます。そこで、公私の区分という手法によって、民主主義で対応すべきなのか、それとも立憲主義で対応すべきなのかが決定されるということになります。平和を維持するための方法として考えられる複数の方法について、それぞれ方法の主張者が暗黙の前提とする国家観・戦争観と方法との整合性、そして立憲主義との整合性が論じられていきます。結論として、本書は自衛のための実力組織を保持することを完全には否定しない選択肢を採用し、これを「穏和な平和主義」と呼びます。憲法第9条は、合理的自己拘束という観点から評価されることになります。民主主義による決定では、社会全体の利益に適うための条件が欠けるので、不合理な結論になる危険があり、あるいは各国が独自に軍備することは,軍拡競争を招くという予想などから、憲法9条による規制が不合理な決定の可能性を根本から否定して軍拡を抑制する役割を担うというものです。非常に論理的でたしかにそうだなあと思わされてしまったのですが、読了して一抹の寂しさを覚えてしまったことも否定できません。東大法学部の憲法学者が自衛隊を合憲だと主張することは、私がこれまで読んできた憲法学者の書籍からすると意外で、時代も変わったのだなあと思わされてしまいました。これが今の最先端の憲法学説のようですし、現実的な理論の需要があるということなのでしょう。  
なぜ憲法を守ることが平和を導き出すのか、原理的な回答を冷静に議論する日本人必読書
憲法を少し勉強すると「立憲主義」という言葉に出会う。賢い受験生は「国家権力を制限し、広く国民の自由を保障する考え」と丸ごと暗記する。本書は、そんな東大「予備校」から機械的に官僚を産出するための本ではない。なぜ「立憲主義」という考えが生まれたのか?戦争と平和の関係にいかなる影響を及ぼすのか、さまざまな考えを持つ人が平和に共存して社会生活を営む基本的枠組みとは何か?について、深く怜悧で緻密な議論を展開する本である。憲法についての世界に誇る書物である。軽薄短小なお手軽憲法論がバカ売れし、国民もそれに浮かれているかのようであるが、今一度冷静に戦争、平和、憲法との関係について、本書のような透徹した論理を基にした議論を家族やサークルで共有して議論の叩き台にしていただきたい本である。友人にも是非お勧めして欲しい。ちなみに、憲法9条の政府見解は「個別的自衛権は許容されるが(自衛隊は合憲)、集団的自衛権は許されない(アメリカのお供で自衛隊を派兵することは違憲)」という立場であり、長谷部教授もその政府見解と同じ結論を緻密な議論により導き出す。9条=自衛隊違憲と勘違いされている方は、誤解を改めて欲しい。
しっかりとした論理の憲法解釈
この本は「平和」より「憲法」の方が主ですね。 九条は最後のほうで、なぜ立憲主義を取るのか、そもそも憲法とはどういうものなのか、などをきちんと説明している本である。 私は九条改正派だし、著者の護憲論には若干疑問があるのだが、それでも護憲派の著者の論は聞くに値する。 立憲主義、民主主義という、論議の土台になっている部分から問い直し、考えを構築していく。憲法学内のホープと言われているだけある。 以下は著者の九条論 著者は、まずゲーム理論により軍事的空白は戦争を誘発することを指摘する。 また、軍隊によらないパルチザン的な抵抗は、軍人と民間人の峻別を不可能にし、戦争を際限なき地獄へと至らせる。 その上で、九条は準則ではなく原理としてとらえるものだとする。つまり、例えば「表現の自由」が認められているからといって、他者の名誉を傷つけたりプライバシーを暴露するようないかなる表現も認められているわけではない。「表現の自由」を憲法改正することなく、プライバシーの権利を認めさせることはできる。同様に、九条も平和主義という一定の方向を示したものであって、文字通り「すべての」軍隊を禁じているわけではなく、自衛のための戦力は認められているとする。 そして、自衛力を持つためならば九条を変える必要はなく、むしろ諸外国に余計なメッセージを与える可能性があるため、改憲の必要はないとする。 ただ、私自身は九条解釈は著者のが妥当だと考えられるが、それによる護憲へはある一つのハードルがあると考える。 それは、すべての人が著者のような九条解釈を行う必要があるということである。 つまり、憲法上は自衛力は認められているが、国民の多くが誤解してそう思っていないならば、政府が自衛力を行使したときに国民の批判が高まり、本当は行使できるはずの自衛力が行使できない、またはしづらい状況になる、という可能性が大いにある。 そして、現在でも自衛隊を意見だとする政党が国会の議席を占めており、下級審とはいえ一度違憲判決が出たことがあるという現状を考えれば、そうした可能性への危惧は決して杞憂ということはないだろう。 著者は「憲法解釈を最終的に決めるのは憲法学者」と予防線を張っているが、政府が見るのは憲法学者の意見ではなくて国民の意見である。なので憲法学者がお墨付きを与えても、政府は国民の意見を聞くよりほかない。 ゆえに、現状のような誤解の多い九条は、いざというときに足を引っ張る可能性があり、変える必要がやはりあるといえるだろう。 九条論議に興味がなくても、憲法に興味があるのならオススメです。

人間を幸福にしない日本というシステム (新潮OH!文庫)

[ 文庫 ]
人間を幸福にしない日本というシステム (新潮OH!文庫)

・カレル ヴァン・ウォルフレン
【新潮社】
発売日: 2000-10
参考価格: 810 円(税込)
販売価格:
人間を幸福にしない日本というシステム (新潮OH!文庫)
カレル ヴァン・ウォルフレン
Karel van Wolferen
カスタマー平均評価:  4.5
今となっては読む必要はない。
この本の初版が発行された1994年においては、官僚制度を批判したという点で、この本は画期的で、必読本だったのかも知れない。 しかし、この本のタイトルにある『幸福』に興味がある人にも、原著にある"ploliticized society"に興味がある人にとっても、この本を今更とりよせて読む必要はない。 まず、内容は、今となっては週刊誌や昼のワイドショーでやっていて、聞いたことのある主張ばかり。 そして、週間誌の記事とも下記の点でレベルは変わらない。 ■タイトルと内容が不一致で、タイトルに興味を惹かれた人が欲しい内容が載っていない。 それもそのはず、元の書名が『the false realities of a ploliticized society』である。日本訳出版時に販売促進のため、タイトルをかなり歪曲されたのだろう。 ■検証できるようになっていない。 ・数字による検証がほとんどされていない。  そもそも、数字で検証できるほど厳密な定義をせずに、議論を進めている。 ・参考文献リストがない。 先見の明に敬意を表して、星を1つ増やし、2つとした。
13年前の指摘は今の問題点
Wolferenが1994年に書いた日本憂国の書。 日本を支配しているのは誰かというのは重要な視点で、官僚を始めとする管理者たちadminstratersの支配の構図を指摘している。すなわち官僚独裁国家日本の問題的を指摘した本である。2007年の現在、その指摘は全く色あせておらず、なぜ日本で改革が進まないのかがこの本を読むとよく解る。 この本を手にする人が増えることを祈る。
そういう視点で見ておくべきか?、と気付く本
海外から戻ってきて、最初に手に取ったのがこの本でした。 日本は、なるほど、こぅ見えるよなぁ、と思うことしきり。普段、視点を変えなければこういう見方はしない?、という気付きが得られる本です。 では、どうしましょう?、というのは個々人の課題として...。
「変えていくんだ」という意志
日本で生活していて、「シカタガナイ」とはつい口にしてしまう。狭義で言えば組織や会社内の秩序が間違っていると分かっていても結局それに従順でなければ生きていけないと思ってしまうし、広義で言えば国や政治の改革など自分のような小個人には変えられるはずないと思ってしまうからだ。しかし本書において筆者は、その「シカタガナイ」という言葉を辞書から撤廃しよう運動をしている。官僚制によって「政治化された社会」、本当のことを知らされない市民(嘘のリアリティ)。確かに世の中絶対にどうしようもないことはあるけど、まずは市民が自ら情報を得る努力をして真実を知ろうとすること。そしてそれに対し具体的なアイデアを考えて、小さい個人ながらも新たな一歩を踏み出すこと。初めから「シカタガナイ」と諦めてしまわずにそういったプチ革命をすることで、もしかしたらそれが他人に連鎖して大きな輪となり、現実が変わってくるかもしれない。市民が変わることで「官僚制」という「嘘のリアリティ」は変わる可能性がある。その可能性がほんの少しでもある限り、自分も「シカタガナイ」で物事を正当化せずに、現実の裏に隠された様々な真実を知っていこうと思いました。そうやって努力をした結果、やはり「シカタガナイ」に収まってしまうのならそれは本当の意味で「シカタガナイ」のだろうけれど、真実を知ろうという努力もせずにハナから「シカタガナイ」と割り切ってしまうのだけは避けよう、と筆者に意識改革をしてもらえました。
政治的に健やかな国、病める国
「地球は神が作ったが、オランダを作ったのはオランダ人だ」 そういう国を若くして出て、アジアをジャーナルしながら日本に着いた作者は安土桃山の時代の人間の様だ。現代にほ信長はいないが、受け手となる国民はいる。それが存在しなければこの本には意味がない。 アカウンタビリティーは「説明責任」と言う事で定着した観があるが、それは誤解だろう。ドゴール前にフランスにはアカウンタビリティーと呼べるものがなかった(内閣が何度も入れ替わった、対独戦の対応を誤った)という彼の言葉から分かるように、政治に関するこの文脈においては、「国家に生じる結果責任」とでもいうべきだろう。阪神大震災の後の起動の悪さにより幾多の人命が失われた事に、アカウンタビリティーの欠如を指摘したのも彼だ。 官僚に国家に対する結果責任が負えるか。それは論理的に矛盾しているだろう。結果の責任を負うのは主権者にその行為を委託された政治家だろうから。官僚機構は彼らの道具というのが本質的な関係だろうから。 会社の結果の責任を負うのが経営者なら、従業員は使われてその結果に向けて動くのと同断だろう。こういうトップダウンな関係を築けないところに日本の社会の弱みがあるのだろう。日本にはなんでもあるが経営がない、と言われたのも似た構造がある。 内部だけにいては感じにくい事を、たとえ反感を感じたとしても一旦読む、知る、ということは(特に海外に行くチャンスが少なければ)大事な事だと思う。 一人前の大人として、「日本権力構造の謎」等と共に彼の著作を読むことは意義がある。

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

[ 新書 ]
下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

・三浦 展
【光文社】
発売日: 2005-09-20
参考価格: 819 円(税込)
販売価格: 819 円(税込)
下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)
三浦 展
カスタマー平均評価:  2.5
データの検証に強い恣意性
本書では、年収別に見ているTV局などの統計を取って、無理にカテゴリ分けしているように思います。 例えば、『年収が低い人はフジテレビを多く見る』『年収が多い人はNHKを見る』などの論理は無理があるように感じます。 実際、データを見てみると、統計的な大きな差異はないようにも感じます。本当に信憑性はあるのでしょうか? 私はどちらからというと、年収が低い部類の人間なので、どうにか脱出する手掛かりを、と思い手に取りましたが、何も役に立つ記述はありませんでした。
50過ぎた人間の書く本か?
著者がこの本を書いた目的は、自分が下流だとする人間を侮辱することでしょう。 ただ著者は特定の読者に正面から批判されたり彼らと対立するすることを避けるために、あえて上流、中流、下流(社会)という定義を不明確にし、著者本人の意見表明としてではなく客観的な統計まがいのものに仮説を語らせ「自分らしい生き方→フリーター→低収入→下流→…」という暗示によりある種の人間に対して侮辱的主張をしています。著者本人も特定の読者に反発されることを予測し先回りして自分の仮説に対してあえて自分で反証してみたりと白々しいフォローをしています。 著者は客観的で冷静なふりをしているつもりかもしれませんが、文章や価値観や統計データの偏りやその捻じ曲げた使い方でなんとも不気味な人間性がにじみ出てしまっています。事実やそれに基づいた経験ではなく、終始「これはデータであって自分は預かり知らないし仮説なので責任は取りません」的な態度でわざと書いているのは卑怯だと思います。
統計資料を読む本
現在の日本は総所得の4分の3を、所得の高い方の4分の1が占めている、「格差社会」である。なぜ下流の人が増えたのか?、現代人の生活スタイルを大きく分けるとどうなるか?等を統計や実例をもとに書いてある。 今の日本では見えない「身分」があって、なかなか上にはいきにくいという事、何にたいしても意欲というのが必要であるという事を学びました。 ただ、統計を多く用いてるのはいいのだが、細かすぎて逆に分かりにくくなっている感がある。また、分母に対する疑問があるのもあった。
これはひどいね
この本の中身はこうだ。 ・統計データの紹介が50パーセント ・データのどうでもいい解釈が30パーセント ・本の内容にあまり関係のないコラムや無駄話が19パーセント ・統計データからの割と鋭い考察が1パーセント まず、統計データの引用が多すぎて読んでいてまったく面白くない。 本の内容は散漫としていて著者の考えもわかりにくい。 コラムや著者の語り口は悪くないと思うので、もっと内容をスリム化して著者のかなりを入れたら面白い本になったかもしれない。(それでも内容が無いことには変わらないが) そしてあとがきを読めば、この本は「仮説提起」として書かれた本だというのも分かる。 元々きちんとして議論をするように作られた本ではないのだ。 ごくごく一部に鋭い指摘もあるが、ほんの一部だ。1パーセント以下かもしれない。 これだけのために金を出して買う意味はない。 古本屋で100円で買っても、読者は金と時間を無駄にしたと感じるだろう。
資源と時間は大切に・・
数年前、会社で強制的に読まされました。 読んで即効、資源物としてゴミに出しました。 今ごろ人の役にたってると良いな・・ 詳しい内容は忘れました。ただ腹立たしい内容だったのは記憶しています。 中途半端データを引用したり、それが正しいと言う様な論調・・ ここから学べたことはありませんでした。 読んでも役に立ちません。時間の無駄です。 もっと素晴らしい本は星の数ほどあります。

日本語と外国語 (岩波新書)

[ 新書 ]
日本語と外国語 (岩波新書)

・鈴木 孝夫
【岩波書店】
発売日: 1990-01
参考価格: 819 円(税込)
販売価格: 819 円(税込)
日本語と外国語 (岩波新書)
鈴木 孝夫
カスタマー平均評価:  4.5
何が思考を支えるかを教えられる本
 日本語はテレビ型の言語であり、西欧の諸言語は、ラジオ型の言語であるという認識が著者にはある。その対照性から、日本語における漢字の多層的な機能の重要性を説くくだりは圧巻である。  テレビ型、ラジオ型等の類型化は、音素、その他の具体的な事例に即して推論されており、強い説得力がある。さらに、その背後には、「文化(言語)における認識の仕方の違い」の洞察を支える観察眼がある。本書では「オレンジ色の猫」、「緑のリンゴ」のような例が挙げられており、面白かった。著者の事例を蒐集する際の、極めて具体的で、しかも周到な手続きが印象に残る。 「どこで生まれたのか、どのような教育を何歳までどこで受けたのかといった質問は、いまはほとんどの先進国ではタブーなのである。日本人には想像も出来ないほど、人々はこのような個人情報を他人に与えることを嫌う。」  さりげなく、このようなタブーについて記すことができる人は、稀である。このような記述に出遭ったとき、私には深い信頼が生まれる。  現在の主流の日本語の捉え方とは明らかに異なる。だが、この捉え方に接したのち、これを無視するのは難しい。それだけのインパクトがある。  日本語について考えているはずでありながら、いつしか、言語についての考察を超えた何者かについて考えている自分に気づく。それだけの射程が、この本にはある。
ご参考までに。
これから読む人に参考になればと、特に意見を挟まず内容の一部を紹介してみます。 ・茶色みたいな色をオレンジと表現する国がある。今ある外国語辞書類はこうした細部を見逃しており、欠陥がある。 ・日本語は英語より高級語彙がわかりやすい。たとえば「厚皮獣」なんて言葉は普通の日本人は知らない。だがそれを構成する各漢字からなんとなく意味を推測できる。一方、英語でこの語に対応するのは"pachyderm"であり、意味を丸暗記していなくてはいけない(古典語の教養があれば造語要素がわかるので、多少はわかりやすいにせよ)。漢字の存在ゆえだけでなく、日本語に音読みと訓読みがあることも、こうした意味判別に役立っている。「厚皮獣」は「厚い皮のけもの」と訓読みできるから意味がすぐわかるが、たとえば「齧歯類」(げっしるい)ではどうだろう。「齧」は実は「かじる」という意味。教育課程でこの字を「かじる」をあらわす漢字として今でも学んでいれば「齧歯類」と見ただけで意味の推測の手がかりにはなる。 ・日本語は明治以来漢字をなくす方向で進んできたが、制約をかかえた日本語にとって漢字は必須の要請。日本語は各語彙の内包が少なく(hard,tight,firm,fastをすべて「かたい」で表現するなど)、一つ一つの表現が長くなりがちだったり、欧米語とちがい子音を連続させられず音だけで効率的に伝達ができないなどの制約を持つ言語であり、こうした弱点を補うにあたって漢字の役割は大きい。西洋語は「ラジオ型」。音声に伝達手段のほとんどをゆだねており、欧米語の文章を読むことは、音を(聞くかわりに)読んでいることになる。日本語は「テレビ型」。音声と映像(=漢字)が伝達に必要な言語であり、日本語文章を読むとき単に音を読むのではなく漢字という視覚情報に多くを頼っているわけだ。
海外旅行好きの方、どうぞ。
日本語と外国語を比較すると、それぞれの文化の違いも見えてきます。 この本では、太陽を黄色という国、虹が6色だという国など、ちょっとした発見を楽しく読めました。 これって、海外旅行に行って郵便ポストの、あるいはバスやタクシーの色や形が日本と違うことを発見して、面白く感じるのと少し似ている気がします。 なので、海外旅行が好きな人なら楽しく読めて、かつ日本語や日本文化に対する興味も増すのではないでしょうか。 後半の漢字に関する記述も含め、分かりやすく書かれているので ことばや文化に興味のある人の入門書としても良書だと思います。
文化と言語の関係が分かる一冊。
筆者は、文化言語学の大家であり、文化に即した言語の特徴が書かれている。本の構成としては、各章ごとに扱っている内容は全く違うが、前半部は主に文化に応じた色彩の捉え方の違い、虹の色彩の捉え方が書かれている。後半部は、主に漢字と日本語の関係を他言語と比較しながら書かれている。扱っている言語は、日本語と英語にとどまらず、フランス語、ドイツ語、ロシア語にまで及んでいる。

筆者のこの本は、一般読者むけに書かれているので、易しく楽しく読める。ただ、読みやすいのだが、筆者の今までの研究結果をもとにした深い内容になっている。文化言語学の専門者でも一般読者でも興味深く読める本です。
比較言語学?
 日本語という言語を他の言語とわかりやすく説明している、実に興味深い本でした。私が最も感銘を受けた部分は、漢字に関する部分です。最近、漢字が正しく書けない子どもが増えていますが、そんな子ども達に紹介してあげたい図書だと思いました。

 ただ、内容が少し難しい部分があるので、高校生以上でないと、読むことは難しいように思います。比較言語学と類似している部分が多いので、比較言語学への入門書として適切ではないでしょうか。


道路の権力 (文春文庫)

[ 文庫 ]
道路の権力 (文春文庫)

・猪瀬 直樹
【文藝春秋】
発売日: 2006-03-10
参考価格: 750 円(税込)
販売価格: 750 円(税込)
道路の権力 (文春文庫)
猪瀬 直樹
カスタマー平均評価:  4
当事者による鮮明な記録
鮮やかな本だ。さすが作家といったところ。本書は2001年、2002年に渡る、道路公団改革の記録である。著者は当時の小泉首相に道路公団の民営化を提案。自ら、民営化委員会の一委員として活動した。その当事者としての記録が本書である。 このように物事の当事者が内幕を描くことはなかなか難しい。利害関係者も存命であるし、実名で書くことにはリスクが伴う。著者は政治家ではなく、作家として「部外者」の立場にある。その立場であるからこそ、為しえた叙述であろう。特に本書ではいわゆる「既得権益者」、すなわち「道路族」や官僚組織を一貫して敵として設定している。通常は窺い知ることのできない、官僚の動静や対応などが知られる。 なによりも記述の鮮明さに驚く。スピード感のある、息せき切った文体。印象的な風景の記述。まるで映像を見ているかのように感じられる、人物の記述。亀井静香氏や、鈴木宗男氏などの記述は本当に本人が話しているかのようだ。これは例えば、政治家や学者などにはなかなか難しいことである。著者が何よりも作家であることを思い出させられる。 内容は詳細に渡る。だが一貫して著者の視点から書かれているものである。著者は、自らの信念に沿って、自らが正しいとして行動しているのである。その意味では、本書は自己正当化の試みであるとも言える。それについてはいくらでも批判、非難、不満があろう。本書は客観的な分析の本ではないのである。だがそれは、別の歴史を別の人が描けばよいだけである。当事者がここまで鮮やかに自ら歴史を描いた本書は、何よりも貴重な試みである。
猪瀬節炸裂の一書
小泉内閣の目玉の一つであった道路公団改革の一部始終を当事者が書き記した貴重な 一書である。竹中平蔵氏の「構造改革の真実」同様に、小泉改革における官僚/族議員 との攻防がリアルに書かれている。「なるほど、あの時はこんな背景があった のか...」と思わず頷いてしまう場面がおおかった。小泉改革に興味がある方 は是非読んでみてください。 ちなみに本書は我に正義ありと言わんばかりの猪瀬節炸裂の一書なので、本書だけで 道路公団改革の成功/失敗を論じるべきではないと思います。 (猪瀬氏のパワフルさは大好きなのですが...)
民営化馬鹿に告ぐ、それはお前の道路じゃない
「財務諸表のような何か」を公表した片桐派の本当の目的 つまり債務を切り離して税金で処理して民営化して上場して(゚Д゚)ウマー そんな公団内部の「改革派」DQNをつぶした そういう意味でのみ意義があるといえよう そもそもガソリン税から払うのも一般財源から払うのも 通行料金が物流コストとして商品に上乗せされて消費者が払うのも 結局は国民が広く薄く払う点で一緒なんだよな それなら利子を押さえ込むためにガソリン税を入れてしまう 不採算路線は新直轄としてガソリン税でつくる これまでよりあんまり変わんない気がするねえ NHKスペシャルでやってたように新直轄でどこまで作るかってのは 高速道路会社には決められず国交省が決めてしまう すると道路会社が新直轄とつながるまで作らざるを得なくなる つまりJRと違って自分の意志で新線建設の可否は決められない 葛西大日月ネ申が嘲笑していた理由がわかりますな ていうか民営化できるんなら自分で会社作って自分で高速引く そんな某先生の言葉が真相を突いていると思う 結局は管理費の値下げってだけの話であり こいつが日本の道路ネットワークをどうしたいかって聞きたかった 好きだった物書きが耄碌する姿は見ていて寂しい それか色々書けない話があったのかだな
壮絶なたたかい
道路公団やそのとりまきとの壮絶なたたかいが,なまなましくえがかれている.道路公団にたちむかうにはどれだけの調査,官僚のウソを見抜くちから,説得力・交渉力,等々が必要だったか,それにもかかわらずかぎられた成果しかあげられなかったかがわかる.猪瀬の強引なやりかたは他の民営化委員の反発をまねくこともしばしばだが,それは猪瀬にとってはぜひ必要なことだったということが,この本を読めばわかる.他の委員だけだったら,もっと手前で挫折していただろう.東京都の副知事になった猪瀬にふたたび期待したい.
道路公団改革を考える上で必読の書
本書には、ただの評論家ではなく、自ら改革に挑んだものとしての凄みが感じられる。 しかも作家ならではの文章の旨さ。 評論家にありがちな、自らの価値観に合わないときに一方的に批判して終わり という無責任さはそこにはない。 All or Nothingで改革の果実を0にしてしまうことなく、妥協点を探る執着心。 見習うべき点は多い。 公団改革に関する評論書は数多いが、本書を読まずして、公団改革を語ることはできない。 民営化が成功なのか失敗なのか、本書を読んでから判断してほしい。

EATING IN JAPAN(飲食編) 日本絵とき事典

[ 文庫 ]
EATING IN JAPAN(飲食編) 日本絵とき事典

【JTB】
発売日: 1985-03
参考価格: 977 円(税込)
販売価格: 977 円(税込)
EATING IN JAPAN(飲食編) 日本絵とき事典
 
カスタマー平均評価:   0

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 更新日 2009年7月8日(水)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク